Jの神話 (文春文庫 い 66-3)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 220
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  • Amazon.co.jp ・本 (478ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167732035

感想・レビュー・書評

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  • 乾さんがメフィスト賞出身と気が付いていなくて、読んでみました。
    この作品からイニシエーションラブへの転換は、幅が広いというか、メフィスト賞狙いというか、まあ。
    全寮制名門女子高で相次ぐ変死。「胎児なき流産」という謎の遺体が残る。
    その謎の中核にJの存在。
    昔、男の子コミックで手首から先の「てっちゃん」というマンガがあったけど、「Jちゃん」かーい。
    ストーリーの主軸は遺伝子とか受精とか。高校生物知識くらいでわかるので、そこは面白い。
    最近BL界でよく使われるαβΩの設定より、真実味と現実感があり、可能性を感じる、Y Y受精卵。
    その失敗作のおぞましい増殖。
    とにかく、気持ち悪いんですう。


    ヒント:Jは、ジュニア

    • みんみんさん
      わたしオメガバースも読みますよ笑笑
      わたしオメガバースも読みますよ笑笑
      2023/12/26
    • 土瓶さん
      なんか評価がすごいな。軒並み低い。
      なんか評価がすごいな。軒並み低い。
      2023/12/26
    • おびのりさん
      みんみん、むろん読みますよ。Ωだって、ケーキだって。

      そうそう、気持ち悪いんだわ。この小説。
      これを先に読んでたら、乾さんを読まないかも。
      みんみん、むろん読みますよ。Ωだって、ケーキだって。

      そうそう、気持ち悪いんだわ。この小説。
      これを先に読んでたら、乾さんを読まないかも。
      2023/12/26
  • 読み始めてから
    どーいう展開になるのかと
    気になってましたが
    なんという…でした^^;
    想像もしてなかった
    展開でした。

  • 乾くるみさん三冊目。他の二冊に比べるとちょっと好みではありませんでした。途中までは引き込まれる物があったのですが、後半のエログロ、バイオレンスな展開、後味の悪い終わり方がなんとも。

  • ここまでSFだとは思ってなかった。SFの苦手なところは、日常的な感覚をすべて無視できてしまう点なんだけども、ただその中でも当然ロジックは破綻させられない。今作はロジックに違和感はないけど、ミステリーとして読むと落ち着かない。

    今回の作品は閉じられた全寮制の女子校。それだけで何か起こりそうではあるんだけども(笑)、女の花園(というかコミュニティ)によくあると言われる妙なヒエラルキーとかパワーバランスというが、それが今回の謎のキモになっていて、SFっぽさはまぁある意味おまけと言えなくもない。SF設定のせいで死んじゃうという点はミステリーではなくホラーなので、そこの重みをどう評価するか、かな。

    全体としては「死の真相」がSF設定の結果なので、読みモノとしては昼ドラかなと思う。

  • 何だこりゃという作品ではあるが、よく書き切った。
    予想外のエログロ。
    当たりとはずれの差が激しい。

  • 突飛すぎて驚いたし割と気持ち悪かったけど内容としては面白かった。ただ人に勧められるかと言われると。。。

  • ○女子高を舞台にした、人類史上最低最悪のミステリ
    解説で円堂氏も「伝奇SF」と評しているが、これでも第4回メフィスト賞受賞作品である。

    「純和女学院」高校に入学した坂本優子は、集合時間に遅れ、後からバスで学校に向かう。同乗した高橋椎奈と入校オリエンテーションに参加したが、演説ぶる生徒会の朝倉麻里亜に憧れを寄せる。同部屋の先輩・青木冴子が夜中部屋から出ていることに不審を感じるが、1名の先輩が自殺したらしいということも聞き気になる優子だったが、突然朝倉が自殺してしまう。ショックを受けていると「警察がジャックを追っていて」というような証言を耳にするが…
    一方、朝倉家から雇われた≪黒猫≫こと探偵の鈴堂美音子は、麻里亜の死について調べていると、麻里亜やその姉の百合亜はいずれも妊娠していて、しかも流産した跡があった。その跡に残っていた痕跡から単体生殖のものだと推測され、驚愕するが…

    読了後によくもこんなエロかつグロテスクな物語が賞を取れたなと思ったが、SFとしてはレベルが高いと言わざるを得ない。でもやはり単体生殖になると人間としてどんな形態がありうるかという点では、その詳細な描写から想像はできなくないが一部の読者の吐き気を誘いそうだ。そのくらいには細かく説明されている。

    数々の自殺の結末はそうした「形態」のなせる業だったわけだが、それが意思を持つとしたら種としては新しく、生物学的な発見である。しかしそれがいまの日本でようやく発見されたかと言えばそうではない。一番古くさかのぼれば、アダムとイブやオザナギとイザナミであり、それを寓話化したのが悪魔伝説であり魔男ならぬ魔女狩りであった、と筆者は美音子に語らせていてこれもまた興味深い。

    ともあれ、こんなエログロな物語を生み出した筆者の気がしれないが、構成力は高くグイグイと引き込まれるので、やはり受賞するにふさわしかったのだろう。

  • 面白い・・・・・・けど頭おかしい(笑) 息抜きで読んだらとんだ問題作だったが非常に楽しめた。本作はミステリとしては微妙なところではあるとは思うが小説としては見事なリーダビリティで、退屈しない。無茶苦茶なラストに向けて序盤から丁寧に伏線を張っているのだが、如何せん終盤が頭おかしすぎてそんなことはどうでもよくなる。しかし予想できないラストも辻褄合わせとしては悪くない。タイトル通り、神話に言及するあたりは感心する。Jの正体には気付いたが、アレは・・・・・・(笑) 大真面目にこんなネタを披露できる作者に脱帽。

  • 変わったストーリー
    染色体がYとY。
    いたら怖いなぁ。でも昔の神話とくっつけてる発想力が凄いですわぁ(・・;)

  •  表紙のイラストよろしく、物語りのはじまりは学園ドラマ仕立でちょっと間延びした感がある。そして「黒猫」登場、エログロ突入って詰め込み過ぎじゃないかな。ラストには悪魔の正体を講釈する辺り、著者も話の落としどころに悩んだ結果だとおもう、それが成功したかどうかは読み手の感じかたによる。

著者プロフィール

静岡県大学理学部卒業。1998年『Jの神話』で第4回メフィスト賞を受賞し作家デビュー。著者に『イニシエーション・ラブ』、『スリープ』など。

「2020年 『本格ミステリの本流』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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