セカンド・ラブ (文春文庫)

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  • 文藝春秋 (2012年5月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784167732059

みんなの感想まとめ

予想を裏切る展開と緻密なストーリーが魅力の作品で、読者は最後まで緊張感を持ってページをめくります。ラストの数行に込められた意味に気付いた瞬間、思わず序章を再読するほどの衝撃が待っています。登場人物の関...

感想・レビュー・書評

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  • この世には自分にそっくりな人が三人いる。

    あなたは自分のことを何をもって自分だと認識しているでしょうか?手、足、そして胴体、これらは全てあなたそのものです。しかし、他者がそれら単独のパーツをもってあなただと言い当てることは難しいでしょう。確かにそれらもあなたではありますが、人を見分けるものにはなり得ないと思います。そう、人はやはり”顔”をもってあなたを見分けます。そんな顔は当然に千差万別です。一方で”この世には自分にそっくりな人が三人いる”とも言われる通り、偶然の空似というものもあるのだと思います。しかし、なかなかにそんな良く似た人物を見かけることはないでしょうし、ましてやその双方と肉体的な関係を持つなどということは確率論としても大きく下がると思います。

    しかし、それがゼロでない限り、私たちの人生にそういう場面が訪れることがあっても不思議ではありません。ただ、”顔”がパーツの一つでしかない以上、そんな同じ”顔”をもった人物同士が性格的に似ている可能性はさらに下がるでしょう。

    この作品は、『彼女は大学院生です。そういう店で働くような女性ではありません』と、彼女と同じ”顔”を持つ女性が『どこかのクラブかキャバレーのホステス』として働いていることを知ってしまった一人の男の物語。そんな二人の女性と関係を持ってしまった一人の男の物語。そして、それはそんな男性が”美奈子の正体は春香じゃないのか?”と真実を追い求めるその先に、『春香と出会ったときから、こうなる運命だったのだろうか』という衝撃的な結末を読者が目撃することになる物語です。
    
    『サトやん、一緒にスキー行こうぜ』と職場の紀藤先輩に誘われて『自分がなぜ誘われているのか』ピンと来ないと感じているのは主人公の里谷正明(さとや まさあき)。『俺も彼女もまだ初心者だから』と説明され、『僕と先輩と彼女さんと、三人で行くんですか?』と訊き返す正明。そんな正明に『彼女も友達の女の子を連れて来る』、『うまくやればお前にも彼女ができるチャンスがある』と説明されるも『彼女なんていりません』とはっきり返す正明は、スキーに同行することは了承しました。紀藤の彼女・高田尚美を先にピックアップした車は彼女の友達である『ウッチーこと内田春香』を迎えに目黒へと向かいます。今は大学院で学び『いいとこのお嬢様で、おまけに超のつく美人』という内田を車内に迎えるとその存在を意識する正明。スキー場では初心者の紀藤と尚美と離れ、二人で滑りを楽しむ中で関係が近づきます。そして東京へと戻った正明に電話が鳴ります。『先日はどうも。今、よろしいですか?』とかかってきた相手は春香でした。尚美に番号を訊いたという春香は『直接会って…いろいろお話しできたらいいな』と正明を誘います。そして、『渋谷のハチ公前広場』で再会した二人。そんな中で正明は大学進学を諦め、木工所で働き始めるまでの『自分史』を春香に語ります。そんな話を訊いて『里谷さんの靭さ(つよさ)の秘密がようやくわかりました』と答える春香を見て、関係が深まっていくのを感じる正明。しかし、『電話番号を教えてほしい』とお願いするも『やんわりと断られてしま』います。『電話番号を教えられたほうは、電話を掛ける義務があると思うんです。でも里谷さん、電話、しないでしょ、きっと?』というその理由。一方で『二日おきのペースで』春香から電話がかかってくるようになり、毎週デートに赴く二人。そして一カ月が経った二月六日のことでした。銀座で『銀ブラ』をしている最中、『向こうから歩いてきた四十歳ぐらいの』男が『美奈子。お前…お前、よくも騙したな!』といきなり春香の腕を掴みます。『彼女は美奈子なんて名前じゃないです』と割って入りその場を諫めた正明。男は『美奈子じゃないのか?こんなにそっくりな人間がいるのか』と驚いた様子。そして、『歌舞伎町の《シェリール》だよ』と、美奈子という女性が働いている先の話をするのでした。『ホステスと間違うなんて』と不快感を示す正明に『一度会ってみたいような気もする』と言う春香は『正明くんこそ、こっそり行ったりしないでよ』と釘を刺すのでした。それに、『ああ、もちろん』と約束した正明ですが、『その約束はほどなく破られることにな』ります。そして、『正明は《シェリール》に行かなければ良かったのだ』、『春香との約束を守ってさえいれば ー その後の二人の運命も大きく変わっていただろうに』と、正明が『シェリール』を訪れてしまったが故に複数の人間の人生が大きく揺らぎ出す物語が始まりました。

    作品の最後に書かれたたった二行の記述で読者の前に見えていた世界観をひっくり返してしまうという乾くるみさんの代表作「イニシエーション・ラブ」。この作品は続編ではありませんが、”「イニシエーション・ラブ」の衝撃、ふたたび”と宣伝文句にある通り、「イニシエーション・ラブ」同様の強烈な”どんでん返し”を意図して書かれた作品です。

    そんな作品は「イニシエーション・ラブ」同様に、どこか引っ掛かりのあるタイトルを持った12の章とそれを挟み込む〈序章〉〈終章〉から構成されています。「イニシエーション・ラブ」では、『当時流行った曲は、やっぱり胸にキュンとくるんですよ(笑)。そういう曲にインスパイアされて物語を書きました』と乾さんがおっしゃる通り〈君は1000%〉、〈Lucky Chanceをもう一度 〉、そして〈Show Me〉など80年代の日本を彩った”流行曲”がそのまま章題となっていました。一方でこの作品「セカンド・ラブ」はどこか引っ掛かりを感じる妙なタイトルがつけられています。〈緩やかな動き〉、〈二番目の愛を〉、そして〈北へと向かう翼〉。残念ながら自力でこの意味を見出すことができなかった私ですが、色々なサイトの分析を見せていただき、これらが、中森明菜さんのヒット曲の数々だということを知ることが出来ました。そんな中森さんの曲のリストと対比させると、なるほど、上記はそれぞれ〈スローモーション〉、〈セカンド・ラブ〉、そして〈北ウイング〉に相当します。一方で章題にはそんな中森さんの作品の中では同定できないものもあります。〈時は自動的に〉、〈あなたに夢中〉、そして〈貴方のために〉などの章題です。こちらは、なんと宇多田ヒカルさんの楽曲群。〈Automatic〉、〈Addicted to you〉、そして〈For you〉とそれぞれ同定できそうです。「イニシエーション・ラブ」では、曲の歌詞を先に読んでから読書をするということで、乾さんがどのようにその曲からインスパイアを受けられたかを知りながらの読書となりましたが、残念ながら、まさか、こんな同定があるとはよもや思わず「イニシエーション・ラブ」のような読書とはなりませんでしたが、最後の終章〈北へと向かう翼〉=〈北ウイング〉だけは、なるほどと読後に納得しました。乾さんという作家さんを、てっきり女性だと勘違いして読むことになったこの作品ですが、この章題の考え方、そして”どんでん返し”へ向けた緻密な構成など、非常にこだわりのある作家さんなんだなあと改めて思いました。

    さて、そんな作品のレビューは「イニシエーション・ラブ」同様に極めて微妙です。下手なことを書くと一気にネタバレになってしまうからです。そして、この作品はネタバレで読むことには何の意味もない!と言い切って良い作品です。そんなこの作品も「イニシエーション・ラブ」同様に作品の最後の二行で読者をあっ!と言わせる作りになっています。そんな作品は先輩の誘いで二対二の男女でスキーへと赴き、主人公の正明が内田春香という女性と知り合うことから始まります。同行した尚美に、二人の結びつきを蹴しかけられるも『住む世界がぜんぜん違ってますから』、『さすがに、高卒のただの木工所の工員と』というように自らを卑下する正明。そんな正明は、『今はもういない両親に振り回されて』ここまできた『自分の人生というものをなかば放棄』していました。『自分が捨てた人生に、単なる我欲で、誰かを付き合わせるわけにもいかない』と真摯に思い詰める正明。しかし、春香からの積極的なアプローチもあって付き合い始めた二人。そんな中で春香のことを『こんなにそっくりな人間が他にいるのか』という人物が現れます。その示唆で『歌舞伎町の《シェリール》』という店を正明は知ることになり、”知りたい”という思いのままに店を訪れて、半井美奈子という春香と瓜二つな女性と出会ったことで、正明の人生がさらに動き始めます。”この世には自分にそっくりな人が三人いる”といった言い方がされることがあります。私自身は出会ったことはありません。この作品でもそんな二人の両方を知る正明の一方で、春香と美奈子が直接対峙することはありません。しかし、”美奈子の正体は春香じゃないのか?”、主人公の正明はその真相を訝しがります。どう考えても同一人物に違いない、その一方で二人は全くの別人であるかのような演出がなされていく物語。「イニシエーション・ラブ」と同じように騙されたりはしないぞ!と息巻いてそんな二人の存在に意を払いながらの読書となりました。しかし、一方で、もしその結果がいずれであっても「イニシエーション・ラブ」のような衝撃を受けるものではない、そんな風に思いながらの読書でもありました。

    そして、「イニシエーション・ラブ」と全く同じく、作品は最後の二行で、えっ?という衝撃的な記述で唐突に幕を下ろします。もちろん、この作品で読者の注意を引きつけていた”美奈子の正体は春香じゃないのか?”という点への決着は”一応”きちんとなされます。しかし、最後の二行はそんなレベルではありませんでした。もちろんその超ネタバレな内容をここに書くわけにはいきませんが、乾さんが最後の最後で読者に突きつけるのは、そんな次元ではない、そもそも論の大前提を揺るがす内容でした。「イニシエーション・ラブ」もそうですが、この作品も”読後にすぐに再読したくなる”作品という感想が出るのはよくわかります。私も読書中に少し引っ掛かりを感じていた部分に再度目を通しましたが、確かにそこになるほどと思われる記述を見つけることができました。これから読まれる方は、どうしても流し読みをしがちな〈序章〉や春香の何気ない一言なども気にしながら読まれると、もしかすると途中で乾さんの仕掛けを見破ることが出来るかも知れません。

    一方でそんなこの作品は、たまらなくイヤミスな作品です。結末の驚きは「イニシエーション・ラブ」の方が遥かに上ですが、イヤミスの度合いはこの作品の方が圧倒的です。考え出すと吐き気が止まらなくなるくらいのイヤミスです。この作品を読まれる方にお勧めしたいのは、この作品は単に”どんでん返し”を楽しむ作品である、以上!と単純に割り切られ、間違っても登場人物に感情移入をするような読み方はされないことをお勧めしたいと思います。”どんでん返し”の答え合わせで、”読後にすぐに再読したくなる”作品という考え方はわかりますが、一冊の小説としては二度と読みたくない、早く内容も忘れてしまいたい、そんな風に心から思う、あまりに”胸糞悪い”読後感を味わう羽目になりました…。

    『実際、正明は《シェリール》に行かなければ良かったのだ。春香との約束を守ってさえいれば ー その後の二人の運命も大きく変わっていただろうに』という運命の分岐点の先に展開する衝撃的な物語。そこには、”美奈子の正体は春香じゃないのか?”と同じ顔を持つ二人の女性が全く異なる雰囲気を纏う中に、二人に隠された真実を知ろうとする主人公・正明の悩める様が描かれていました。作品の最後の二行が強烈な”どんでん返し”を導く「イニシエーション・ラブ」と同じような衝撃的な物語構成は、こういう作品もあっていいのかもしれない、でも、最悪の読後感が待つイヤミスの極みのこんな結末はごめん被りたい!二度と読みたくない!手元にも置いておきたくない!そう感じた作品でした。

  • 叙述トリック好きとしては避けて通れない乾くるみさんの“ラブ”シリーズ。
    『イニシエーション・ラブ』では「二面性」に驚かされたが、『セカンド・ラブ』もまた、謎の二面性に満ちていた。

    登場人物が何者かに「成りすます」という要素が際立っていた。
    「春香」が正体を隠していると思いきや、実は1年前に自殺した「美奈子」が成りすましている?
    さらに「自殺」と思わせておいて実は「他殺」?
    さらには正明が「幽霊」?
    読後に疑問が湧き、謎が解かれてはまた新たな謎が浮かぶ展開が頭に焼き付いて離れられない。

    解説によると、タイトルの「セカンド・ラブ」は中森明菜の曲から着想を得たとのこと。
    昭和感たっぷりの雰囲気にも納得。
    ラストシーンにぴったりの曲を選ぶなら『北ウィング✈』しかない!と脳内で再生しながら読了。

    ♪Love Is The Mystery〜わたしを呼ぶの〜
     愛はミステリィ〜不思議な力で〜

    そう…女はミステリー。恐ろしい存在。
    学生時代、好きな人をすぐに彼氏にしたり、友人の恋を奪ったり、その後に嫉妬や恨みが生まれたりしていたクラスメイトたちを思い出す。
    傍から見ている分には面白かったけれど、恋愛も一種のミステリー。いやサスペンスか?^^;
    この作品もまた、恋愛と謎解きが絡み合ったミステリーであった。

    • つくねさん
      なおなおさん、こんにちは!

      先日はありがとうございました。
      お陰様で並べ替えできるようになりましたww
      でもやりだすと面倒になって...
      なおなおさん、こんにちは!

      先日はありがとうございました。
      お陰様で並べ替えできるようになりましたww
      でもやりだすと面倒になってきましたのですが
      なおなおさんはタグを使ってジャケットの色とかでも
      分類できるようにしてみえるのですね。
      タグで分けてみたら凄く綺麗に揃って驚きでした
      私も真似したくなりましたww

      2024/11/06
    • なおなおさん
      つくねさん、コメントをありがとうございます。
      並べ替えができるようになって良かったです。
      確かにやりだすと拘ってしまって、まーいいっか!と投...
      つくねさん、コメントをありがとうございます。
      並べ替えができるようになって良かったです。
      確かにやりだすと拘ってしまって、まーいいっか!と投げ出してしまいます^^;
      タグでカラー分けも楽しいです。(緑とオレンジ色がお気に入りです^^;)
      きっかけはブク友さんの真似です^^;
      1Qさんも仲間で、「ジャケットが白っ!」というタグで、白い本を集めてます。
      つくねさんも一緒に楽しみましょうよ〜(σ・ω・)σ
      2024/11/06
  • 【君はその最大な嘘を、これからもずっと隠し続ける覚悟が本当にできているか?】
    ラスト2行。この意味がすぐには理解できず、それまでの予想を上回る展開に少しばかり茫然していたが、「あっ」とそれが意味することに気付いた瞬間、急いで序章を読み直した。やられた……!春香と美奈子に関してはある程度予想がついていたが、それ以上の衝撃が待っていたのだ。思い起こせば違和感と仕掛けがあちらこちらに散りばめられていた。本作は謎が全て解明されないまま終わるので消化不良も感じるが、そのおかげで様々な考察や解釈もできるので面白い。

  • ずっと積読だったセカンドラブ。すらすらと
    読んでしまいました。
    乾さんらしい、文体で読みやすいのですが、
    こちらとしても、騙されんぞの気合いで本に向き合っておりますゆえ、激しい戦いとなりました。

    結果、乾さんの圧勝でした。序章から始まっていたミスリードにあっさり騙され、その後は内容を追うのに必死でした。
    春香と美奈子の双子が過去に入れ替わっていたとか、深読みできるけど、頭がワニワニパニックです。
    主人公の正明は最後に幽霊になってでてくるのですが、さすがに春香と友人紀藤も、罪悪感少しはあるだろ!しかも春香は幽霊が見えちゃう体質ときたら、流石に悪口言えないと思いますよ、乾さん。

  • 「イニシエーション・ラブ」にまんまと騙されたので「今度こそ騙されんぞ」と意気込んで読んだ。

    ラスト1ページ。待て待て待て待て。
    すぐにページを戻り、他の方の感想や解説を漁り、もう1度最初から読み直す。
    自分のあまりの騙されやすさに笑った。
    私には名探偵は向いていないようだ。

  • ラスト2行、どんでん返しではなく、ぞーっと寒くなります。春香、見えるのね。正明、可哀想すぎる。多くの読者に指摘されているように、なぜ春香が美奈子を演じなければならなかったのかが疑問。美奈子と紀藤なら幸せな家庭が持てそうだが、春香と紀藤では長続きしそうにないな。

  • 何となく読む本が無かったのでツナギで読んだ一冊。
    何かある・・・と構えて読んでしまう(笑)

    浜松北高校とか、とても馴染みのある名前が出てきたり
    あっという間に読んでしまえる本なので、ちょっとした時間向き。

  • 前に読んだことがあるのに途中まで気づかず、しかもラストは全く覚えていなかったので再読。

    胸糞ーーーー!!!

    クソ女とクソ男!!!!

    幽霊になった正明切ない、、、そしてまたプロローグに戻ると更に切ない。

  • 「イニシエーション・ラブ」の衝撃、ふたたび。
    究極の恋愛ミステリー第二弾。

    先が気になりすぎて、一気に読みました。
    前作同様、どういうこと???ってなったので
    解説を見てから序章と終章を2回読み返しました。

    正明さんが可哀想すぎる…

  • どんでん返しも、あまり刺さらなかったでした。

  • イニシエーション・ラブの後に読んでほしい作品。
    基本的にはイニシエーション・ラブと似たような感じがありつつも展開に捻りがあってまた違う面白さを醸し出しています。
    スッキリ爽快な終わり方ではないですがこのモヤモヤする感じこそ乾くるみ先生の良さですね。
    読み終わった後また最初から読み返したくなること間違いなしです。
    面倒でも冒頭のシーンだけは読み返した方がいいですね。
    記憶が薄れてきた頃にまた読みたいです。

  • イニシエーションラブよりも衝撃
    解説よんでさらに衝撃
    冒頭謎が解けると胃が痛いがそこが面白い!

  • 恋愛ミステリ第二弾。
    前作、イニシエーション・ラブが青春時代のほろ苦い恋愛物語を下地にしているとしたら、今作は二人の魅力的な女性の間で揺れる男性の心を下地にしている。
    個人的には前作のほうが好み。とはいえ、今作もミステリとしてよく出来ているため、ミステリ好きにとっては面白い作品となっている。
    ただ、主人公に関しては、あまり好みじゃなかった。なんか、読んでいてイライラしてしまった。
    こういう自分を正当化しようとするような主人公だからこそ成り立つストーリーだとは分かっているが、どうも受け入れられなかった。
    ミステリだからこそ楽しく読めたが、もしこれが恋愛小説だったら、早々に投げていたかもしれない。

  • 最後のまぁ胸クソ悪い事 悪い事 (つд;*)
    その胸クソ 悪いまま、冒頭読み返したら なるほど!ってなった。

    解説読んで更になるほど! 「中森明菜」でしたか♪
    なら 仕掛けは「TATTOO」(シール)でも良かったかな?
    ※時代的になぃか…

    残り 10ページ弱でどぅ?回収するのかな?って思ったケド 回収どこか ひっくり返しましたね♪

    女性不信& ミステリー作家 不信になりそぅ(笑)

  • ■感想
     うわぁ〜魔性の女こえ〜。性格の全く違う一人二役を演じわける演技力やばすぎ。しかも行為中の反応も完璧にこなす徹底っぷり。女優で食ってけるよアンタ。
     春香と美奈子が同一人物ってのは、途中から薄々勘づいてた。それでもチェリーボーイ正明が2人の美女に翻弄される様はドキドキして楽しめる。最後は先輩に彼女を取られる上に地縛霊になってかわいそう...。
     春香が何で美奈子になりきって二重生活してたのかが分からなかった。ただその辺が曖昧だからこそ、ミステリアスさが増して彼女の魅力が引き立つ。まさに魔性の女にふさわしい。

    ■好きな台詞
     『一緒にスキーに行くほど新婦と仲の良かった女性も、新郎と仲の良かった男性も、披露宴には招かれていない—招待状も出されていないのだ。』

    →「二度読み必須の恋愛ミステリー」本裏に書かれた謳い文句は伊達じゃなかった。読み終えてから冒頭の披露宴のシーンを見るとゾッとする。初見と二度目じゃ印象が全然違う。新郎=正明のミスリードに見事にやられた。

     『春香の身体からは、今まで彼女からは嗅いだことのないような匂いが、漂ってきていた。しかし正明はその匂いに馴染みがあった。つい五日前に、ミナの身体から漂ってきたのと、それはまったく同じ匂いだったのだ。』

    →いくら外見を誤魔化せても「匂い」ってのは隠せないよねぇ。しかも女性の「茂み」から発せられてるモノなら尚更。これだけでもうバレてもおかしくないのに、女慣れしてない正明は「興奮した時に自分から発せられる匂い」だと言い聞かせて納得しちゃうの可愛いw


  • イニシエーション・ラブに続き著者の作品を手にしたのは2冊目になる。

    前作程の衝撃を受ける事がなかった為に、前作より★は1つ減らしてみたが、それはイニシエーション・ラブを読んだ経験と、何となくラストのどんでん返しを期待しながら読んだ故のことであろう。

    本作も非常に読みやすく、内容も個人的にはすごく好きな感じでした。

    前作はラストで、エ━(*´・д・)━!!!って言う感じだったのが、今作では一瞬軽いパニックに(^^;

    間違いなくこれからも読み続けていきたいと思う作家さんの1人です。



    説明
    商品の説明
    里谷正明は会社の先輩から誘われたスキー旅行で、内田春香と知り合う。交際を始めた2人は2月のある日、身形(みなり)のいい紳士に強引に呼び止められる。紳士は春香を新宿のパブで働く「美奈子」だと断じた。後日、店を訪れた正明は、春香にそっくりな女、美奈子と出会い驚愕する。はたして、美奈子の正体は春香なのか? ベストセラー『イニシエーション・ラブ』に続く「驚愕の恋愛ミステリー」第2弾!
    内容紹介
    里谷正明は会社の先輩から誘われたスキー旅行で、内田春香と知り合う。交際を始めた2人は2月のある日、身形(みなり)のいい紳士に強引に呼び止められる。紳士は春香を新宿のパブで働く「美奈子」だと断じた。後日、店を訪れた正明は、春香にそっくりな女、美奈子と出会い驚愕する。はたして、美奈子の正体は春香なのか? ベストセラー『イニシエーション・ラブ』に続く「驚愕の恋愛ミステリー」第2弾!
    内容(「BOOK」データベースより)
    1983年元旦、僕は、会社の先輩から誘われたスキー旅行で、春香と出会った。やがて付き合い始めた僕たちはとても幸せだった。春香とそっくりな女、美奈子が現れるまでは…。清楚な春香と大胆な美奈子、対照的な二人の間で揺れる心。『イニシエーション・ラブ』に続く二度読み必至、驚愕の「恋愛ミステリー」。
    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
    乾/くるみ
    1963年、静岡県生まれ。静岡大学理学部数学科卒業。98年、『Jの神話』で第4回メフィスト賞を受賞し作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

  • 後味が残る内容。途中で読み直したりした。


  • イニシエーション・ラブの乾くるみさんの小説

    最初の導入部分から、
    くるな⁉︎と思わせる書き出し。
    どう繋がるか、と気にしながら
    読み進めました。

    冴えない独身男の正明
    上品で驚くほど美人、知性的なお嬢様の春香

    接点のなかった二人が友人を仲介にして知り合い、
    釣りわないので夢も希望も見ないと
    自分に言い聞かせていた正明は春香からの
    電話をきっかけにこれまでの日常が崩れていく。

    正体の見えない春香の対応にも、
    舞い上がる正明は自己解釈を重ねる。
    幾つもの違和感はフラグであり、伏線でもある。
    だからと言って読み手の思う通りに
    物語は進むのか、の思いきや、、、、。

    イニシエーション・ラブの乾くるみさんが
    作者だけに、セカンド・ラブと言う題名も
    成る程と頷けました。

  • どんなに好きな人がいても、心が揺れてしまうときはある。
    だが、大抵の場合は踏みとどまって時が過ぎるのを待つ。
    それは自分のためでもあり、好きな人のためでもある。
    正明は劣等感の塊のような男だ。
    しかも、それを歪んだ形で認めてしまっている。
    自分のことは自分が一番よく知っていると言うけれど、実は自分のことを一番知らないのは自分なのでは?と思う。

    裏切りだというなら正明もまた春香を裏切っている。
    どんな言い訳をしようとも裏切りは動かない。
    その点では正明と春香は同罪なのかもしれない。
    だが、単純な裏切り。心の迷い。抗えない誘惑。
    それらに流され、結局は後悔をしている正明はまだ救いがある。
    すべてを知り尽くした状態で、思うように正明を翻弄し弄んだ春香のほうがはるかに罪は重い。
    たちの悪さから言ったら比較にもならないだろう。

    なぜ正明がその道を選択したのかはわからない。
    何もかもが嫌になってしまったのかもしれないが、「もっと強くしぶとくしたたかになれよ」と言いたくなってしまった。
    唯一の救いは、安易に他人の人生を弄んだ報いをこれからずっと受け続けるだろうということだ。
    どこにいても、何をしていても、彼女を見つめる目からは逃れられない。
    後味の悪さは「イニシエーション・ラブ」とは比べようもないくらいだ。
    こんな女とは知り合いになりたくないと思いながらも、案外すぐ傍にもいそうで怖くなってしまった。

  • イニシエーションラブの衝撃再び。今から考察の旅に出かけてきます‼︎

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著者プロフィール

静岡県大学理学部卒業。1998年『Jの神話』で第4回メフィスト賞を受賞し作家デビュー。著者に『イニシエーション・ラブ』、『スリープ』など。

「2020年 『本格ミステリの本流』 で使われていた紹介文から引用しています。」

乾くるみの作品

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