葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫 う 20-1)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167733018

作品紹介・あらすじ

「何でもやってやろう屋」を自称する元私立探偵・成瀬将虎は、同じフィットネスクラブに通う愛子から悪質な霊感商法の調査を依頼された。そんな折、自殺を図ろうとしているところを救った麻宮さくらと運命の出会いを果たして-。あらゆるミステリーの賞を総なめにした本作は、必ず二度、三度と読みたくなる究極の徹夜本です。

感想・レビュー・書評

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  • 有名タイトルのミステリーで、未読でこのミスなどで1位を総なめにしているので読んでみようと思いました。

    最初はグロテスクな描写が多く、ヤクザの世界も苦手感があって、失敗したかと思いながら終盤まで読み、そういうことかと思いました。

    文庫版の帯に
    「あまり詳しいストーリーを紹介できない作品です。とにかく読んで騙されてください。最後の一文に至るまで、あなたはただひたすら驚き続けることに…」
    とあります。

    確かにこの作品のストーリー紹介はむずかしいです。
    グロテスクな描写は必然性がありました。
    最後まで読むとタイトルの深い意味がよくわかりました。

    読後感はミステリーとして、よくできていると思いましたが、正直言って、私は副主人公の麻宮さくらだけは、どうしても好きになれませんでした。

  • 皆さんの感想の、高評価が、多いこの作品。
    私はとても期待度高くして読みました。でも、素敵なタイトルとはかなりギャップある冒頭からの描写や、暗めの内容などには苦手意識が、出てしまいました。登場人物に、共感できるところも、どうにも少なかった…、のも感じてしまいました。
    そこは、ちょっと自分で残念で、落ち込みました。
    でも、、読んでみて良かったです。やっぱり素晴らしいミステリーで、叙述トリックではやられてしまいましたし。主人公の最後の語りのところはとても、ポジティブで説得力がありパワーを感じました。ネガティブになりがちな私も、なんでもやってやろう精神を、見習いたいなあと、勇気をもらえたような気持ちがわきました。それからタイトルをつけた意味も正しく知ることもでき、納得できて良かったです。
    一番最後のページの一文。林語堂さんの素晴らしい言葉で、しめられたところは好きなところだなぁと、思いました。歌野晶午さんのこの本を通した強い想いを、みせつけられた感じを受けました。
    2004年のあらゆるミステリーの賞を総なめにしたというこの本、ずっと読みたかったですし、やっぱり読んで良かったです。

  • 成瀬将虎は、自称「何でもやってやろう屋」で、ガードマン、パソコンの講師、テレビドラマのエキストラ等、数種類の仕事をこなし、フィットネスクラブに通い、体を鍛えている。

    ある日、クラブで知り合った高校の後輩の、芹沢清から、憧れのお嬢さま、久高愛子の『おじいちゃん』の交通事故死の真相を調べてほしいと、頼まれる。

    過去と現代を行ったり来たりして、ようやく最後に、一つにつながる。

    終盤に来て「えっ?」と、前の頁に戻り「ははーん」と納得。すっかり、叙述トリックにはまってしまったようだ。
    『都立青山高校生の芹沢清より、7歳年上』と言うから、すっかり騙されてしまった。

  • 10年以上振りですが、再読です。
    再読ですが、見事なまでに騙された私。
    ちょっとした仕掛けがある本として有名ですが、自分で自分の見事な騙されっぷりに、少し笑いました。
    「ははっ、テヘッ…」

    ミステリーの賞を多数受賞した作品らしいですが、ラストはミステリーというよりヒューマンドラマの様でした。
    警察とのやりとりや裁判の描写などは殆ど出てきませんので。
    しかし、よく出来てるなぁ…
    全然気が付かなかったなぁ…

    騙されたい方におすすめな一冊です。

    • なおなおさん
      あゆみりんさん、こんばんは。

      再読でも騙されるものなんですね……^^;面白い!
      また叙述トリック小説のオススメを教えてくださいね。
      この前...
      あゆみりんさん、こんばんは。

      再読でも騙されるものなんですね……^^;面白い!
      また叙述トリック小説のオススメを教えてくださいね。
      この前言い忘れたのですが、服部まゆみ著「この闇と光」も面白かったです。
      あゆみりんさんも読まれたかな。
      2022/09/29
    • あゆみりんさん
      なおなおさん、こんばんは。
       再読でも、私は騙されっぱなしです。
       服部まゆみさん、まだ知らない方でした。
      教えて頂きありがとうございます、...
      なおなおさん、こんばんは。
       再読でも、私は騙されっぱなしです。
       服部まゆみさん、まだ知らない方でした。
      教えて頂きありがとうございます、チェックしてみますね。
       私は先日、やっと「十角館の殺人」を購入することができました。
      楽しみです(*´∀`*)
       おすすめがありましたら、また教えて下さい(*^ω^*)
      2022/09/29
  • いつになったら桜が出てくるのやら、なんて思いながら。

    終盤、やられたぁとなりつつ、もう一度読んだらより細かい伏線が楽しめるかも、でした。

    「何でもやってやろう屋」成瀬将虎。バイタリティーにあふれる七十歳。まだまだ人生楽しみがあるよと教わりました。

    桜も紅葉するんですって。
    もう少ししたら確かめてみよう。

  • 先入観の塊である自分は、この叙述トリックに完璧に騙されました。
    もう一度読み返してみると、違和感のある部分もあったが、初見で読むと気づかないものです。
    この作品はトリックの関係から、映像化はほぼ不可能です。

  • ウラスジに「究極の徹夜本」って書いてある。確かに、今、午前1時前…明日、仕事やのに…
    (感想は後日書きます!)
    いきなりあのシーンからなんで、元気はつらつハードボイルド系なんかと思ってた。
    どんでん返し系と聞いていたのにな?と思いながら、ず〜と読んで行くと、最後の辺りであった〜
    こんな微笑ましいというか何というかのどんでん返しとは!
    もう一度、読むと更に風情があるかも?
    桜にも満開だけでなく、紅葉もある!若いモンには負けてられん!頑張れおじいちゃん!
    林語堂『人生の黄金時代は老いて行く将来にあり、過ぎ去った若年無知の時代にあるにあらず。』

  • H29.8.24 読了。

    ・読書レビューで「だまされた。」「読み返した。」などの感想を見ていたので、とても期待して読み始めたのに、残念な終わり方だった。

  • 初めはチャラい話なのかと思ったけど、なかなかシリアスな内容だった。今話題になっているニュースになんだか似ている気がする。

    よくこの作品について書かれているのが、"どんでん返し"だ。この意味が最後で分かる。騙された感がすごい。先入観を持って読むと気持ちいいくらいに騙される。先入観を持って読むほうがお勧め。私は浦島太郎状態になってしまった。え〜⁉︎どういう事〜???という感じ。騙されたと思った箇所を読み返すと、そういう事かと納得はするけど、なんか悔しさもある。本当に上手に書かれてると思う。

    古屋節子という女性が登場する。彼女について色々と考えさせられた。自業自得なんだけど、可哀想。弱い部分につけ込まれて、どんどん身動きがとれなくなってしまう。結果、悪いほうに流れていってしまい、取り返しがつかなくなる。相談できる人、助けてくれる人がいればいいんだけど、いないと堕ちてくしかないのかな?私はこういう状況にはなりたくない、と強く思う。

  • 2度読み必至の意味が理解できた。たしかに映像化できない大どんでん返しだが、ちょっと無理ないか?と思う場面も多々ある。
    あと冒頭から刺激の強い性的描写があるので、作品としての第一印象が非常に悪かった。

    しかし、伏線回収もどんでん返しもしっかりあるので、ミステリ好きなら面白いと思える作品です。

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著者プロフィール

1988年『長い家の殺人』でデビュー。2004年『葉桜の季節に君を想うということ』で第57回推理作家協会賞、第4回本格ミステリ大賞をダブル受賞。2010年『密室殺人ゲーム2.0』で第10回本格ミステリ大賞をふたたび受賞。

「2022年 『首切り島の一夜』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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