千両花嫁 とびきり屋見立て帖 (文春文庫 や 38-3)

著者 :
  • 文藝春秋
3.63
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本棚登録 : 417
感想 : 52
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  • Amazon.co.jp ・本 (422ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167735036

作品紹介・あらすじ

京で屈指の茶道具屋の娘・ゆずと奉公人の真之介は、駆け落ち同然で夫婦となり、道具屋「とびきり屋」を三条木屋町に開く。そこでは近藤や芹沢、龍馬がお客にやって来ては、騒動が起こり…。混乱する幕末の京を舞台に、"見立て"と"度胸"で難題を乗り切ってゆく夫婦を描く「はんなり」系痛快時代小説。

感想・レビュー・書評

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  • 読み始め…16.6.9
    読み終わり…16.6.13

    幕末の京。茶道具の娘・ゆずと奉公人の真之介は駆け落ち同然で夫婦となり、道具屋「とびきり屋」を三条木屋町に開く――そこに訪れる客たちというのが近藤勇・土方歳三・芹沢鴨といった壬生浪士の面々ほか、坂本龍馬・高杉晋作・武市半平太等々の幕末の時代を代表する有名人たち。。「とびきり屋」に客として次々とやって来ては何やらの騒動が起こり、”見立て”と”度胸”で難題を乗り切ってゆく真之介とゆず夫婦のはんなり物語。

    幕末のオールスターともいうべき面々が脇役となって登場するというのが面白い。楽しい~♪当たらずとも遠からず、幕末の京の街の日常はこんな感じだったのかもしれないですね。。視点を裏返しにして覗けた幕末風景がとても新鮮でした。

    主役は「とびきり屋」の真之介とゆず。
    ゆずさんの方が一歩上手かなぁ。。
    そこがよいところでもあります。
    最後は気持ちよくおさまってすっきり。

  • 山本兼一さんの本は『利休にたずねよ』以来です
    すごく好きで面白く、また読みたいと思っていたのに
    なんとなく後回しにしていたら、亡くなってしまった
    とびきり屋見立て帖シリーズは4作で終わってしまったらしく
    それなら1作目から読んでみようと思いました
    幕末の時代の新撰組や土佐藩士、坂本龍馬などを
    町人夫婦の目から見、また道具屋での生活や
    あの時代の京都の町の様子が生き生きと表現されています
    これは、続きも読まなくちゃ

  • 奉公先のお嬢さん ゆず と駆け落ちして道具屋「とびきり屋」を開いた真之介。ほのぼの時代小説かと思っていたら、その店にやって来るお客さんが幕末に活躍した偉人ばかりで驚いた(゜゜;) お嬢さま育ちのゆずだけど、かなりの目利きだし、ここ一番の時の気っ風いの良さが素晴らしい!商売の駆け引きでハラハラドキドキする場面も多いけれど、最後には真之介の出自が明らかになったり、ゆずの両親にやっと結納金を受け取ってもらったりと明るい気持ちになった(^^)♪

    • yumiieさん
      tonpeiさんはじめまして~♪yumiieです。
      今朝ほどはいいねをありがとうございました。私ね、tonpeiさんにはお詫びしなければど...
      tonpeiさんはじめまして~♪yumiieです。
      今朝ほどはいいねをありがとうございました。私ね、tonpeiさんにはお詫びしなければどずっと思ってて....。寝ぼけていたみたいなんです。ほんとにごめんなさい。なのにフォローして頂いてありがごうございました。嬉しいやら恥ずかしいやらです。改めてtonpeiさんの本棚を拝見させて頂きましたらあらまぁ♪読んだ本もこれから読んでみたい本もずいぶん共通していて、失敗しちゃった~って思ってもうほんとに恥ずかしです。
      千両花嫁はこれから読みたいと思っていた本でした。
      これからもどうぞよろしくお願いいたします♪
      2016/06/08
    • tonpeiさん
      yumiieさんはじめまして‼(^o^)寝ぼけてもらっていて私的にはラッキーでした♪私も寝ぼけていてポチっと押してしまうことがよくあります(...
      yumiieさんはじめまして‼(^o^)寝ぼけてもらっていて私的にはラッキーでした♪私も寝ぼけていてポチっと押してしまうことがよくあります(^_^;)本棚を拝見して、とても趣味があっていたのでフォローさせていただきました(^^)v千両花嫁は友人からのオススメで読みましたが、ほんわかして良かったです♪これからも宜しくお願いしますm(__)m
      2016/06/09
  • 老舗の茶道具屋の娘ゆずと、彼女と駆け落ちした奉公人真之介、彼らが営む道具屋「とびきり屋」を舞台にした連作短編7編。
    各編に、幕末の歴史上の人物が登場する。
    表題作「千両花嫁」には、近藤勇。以下各編に、高杉晋作、坂本龍馬、勝海舟、土方歳三、武市半平太、芹沢鴨。
    そして、著者は彼らの顔の特徴を、真之介の目を通して詳細に記し、人物評価としている。
    例えば坂本龍馬、「額が良い。形よく広がった額は、明るく開放的で、天真爛漫な質をあらわしている。…とてつもなく大きな夢や野心を抱いている男に違いない。それを実現する行動力もあるだろう」
    各人それぞれの特徴を述べ、歴史ファンには、それを読むだけでも楽しいことだろう。
    さらに、ゆずのはんなりとした京ことばが、読んでいるだけで心がほだされ心地よい。
    シリーズものなので、次巻も読まずにはいられない。

  • 幕末の京都で、とびきり屋という道具屋を営んでいる夫婦の話。
    駆け落ち同然で夫婦になった二人。
    初々しい二人にほっこりとします。

    とびきり屋に来るお客の侍や志士が、幕末で活躍したあの人やこの人で、そこも面白く読ませてもらいました。
    シリーズ物なのですが、次をどうするか悩む所です。

  • うっかり第3弾から読んでしまい、途中でシリーズ物だった事に気付く…。
    真さんとゆずの馴れ初めとかを知りたくて第1弾を読了。
    2人のラブラブっぷりに当てつけられながらも、ハラハラしたりグッと来たり目頭が熱くなったり。
    2人の今後が知りたいのでシリーズ全部読みますが、山本兼一さんが逝去なされてるのでとても残念です(泣)

  • 全1巻。
    幕末の京都で、
    新撰組や高杉晋作、坂本龍馬ら
    有名どころを脇におき、
    「目利き」を武器に懸命に生きる
    道具屋若夫婦が主役の人情もの。

    シリーズとして続くのかな。
    設定は興味深く、
    職業小説が得意な著者にぴったり。

    これ1冊だけだと、
    有名どころや時勢との関わりが
    やや物足りない感じ。
    まだ若夫婦や店のみんなに愛着も薄いし。
    すごくアクの強いキャラもいない。

    商人の立場で有名どこと
    時に対立、時に手助け。
    続くようなら面白くなりそう。

    京都弁溢れるはんなり系物語。

  • 幕末を舞台にした時代小説ですが、幕末で活躍した志士たちを脇役にして京の都に道具屋を開いた若き夫婦を主役にとらえ、ある意味で”立場が逆転した”物語といえます。
    一般市民から見た幕末の世を楽しむ一話完結型の小説です。

    京屈指の茶道具店から駆け落ち同然で飛び出した真之介とゆずの夫婦が営む道具屋に訪れたり関わったりする客たちの中には
    坂本龍馬、武市半平太、岡田以蔵、勝海舟、高杉晋作、芹沢鴨、近藤勇、土方歳三等々…とまさに幕末オールスター。名前はあまり出ていませんが沖田総司や田中新兵衛らしき人も登場します。
    短い出番の中でそれぞれの志士たちの個性をよく捉えて動かしている印象を受けました。それはおそらく、真之介が観相学を心得ており初対面の相手の人相を「鑑定」して顔の特徴を詳しく説明をしてくれるのでイメージを膨らませやすくなっているのだと思います。
    ただ、新撰組は真之介・ゆずに対して悪役のような扱いなのでファンにはお勧め出来ないのかもしれません。でも、虎徹を巡って近藤勇が気迫だけで二階から真之介を外に押し出してしまう流れには笑ってしまいましたが。
    骨董品を扱う事もあるだけあって幕末志士に限らず、戦国時代の武将の名も突然出てきたりします。
    物語の中心となる道具の数々もどこかで聞いたような名前が幾つか出てきてそういうことが好きな人にはたまらない作品です。

    あと、真之介やゆずの方言も気持ちいいです。特にゆずの京弁は志士や読者たちをメロメロにさせている気がします。
    どんなトラブルに巻き込まれても道具屋らしさで解決し、最終的には読んで恥ずかしくなるぐらいにお互い愛しあう幸せな夫婦で締める物語です。
    しかし、大切な娘を駆け落ちで取られたゆずの両親の怒りを鎮めることは出来るか? 波乱に満ちてきた幕末の世の中を夫婦はどう生きて行くのか!?
    今後の展開が楽しみなシリーズ物です。

  • 千両花嫁
    金蒔絵の蝶
    皿ねぶり
    平蜘蛛の釜
    今宵の虎徹
    猿ヶ辻の鬼
    目利き一万両

  • 幕末の志士たちをまるで通行人のようにして描かれる駆け落ち同様で夫婦になった京都で道具屋を営む若い二人と奉公人たちの物語。

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著者プロフィール

歴史・時代小説作家。1956年京都生まれ。同志社大学文学部を卒業後、出版社勤務を経てフリーのライターとなる。88年「信長を撃つ」で作家デビュー。99年「弾正の鷹」で小説NON短編時代小説賞、2001年『火天の城』で松本清張賞、09年『利休にたずねよ』で第140回直木賞を受賞。

「2022年 『夫婦商売 時代小説アンソロジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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