ここがおかしい日本の社会保障 (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2012年11月9日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784167736033

作品紹介・あらすじ

生活保護給付金より低い「最低賃金」から親の年金で暮らす「パラサイト・中高年」問題まで、日本の社会保障制度の驚きの実態とは? 祖父母が孫の年金保険料を支払うケースも、珍しいことではありません。「パラサイト・シングル」や「希望格差社会」といったキーワードを創出してきた気鋭の社会学者・山田昌弘さんが再建に向けた大胆提言を行います。民主党政権が押し進める「社会保障と税の一体改革」に国民的関心が持たれる中、生活格差やワーキングプア問題の抜本的解決に本当に必要なことは何かが、この一冊でわかります!

みんなの感想まとめ

日本の社会保障制度の現状とその問題点が詳細に描かれています。著者は、従来の制度がサラリーマン家庭や自営業者を前提としているため、ワーキングプアや独身者など、多様な家庭形態に対応できていないことを指摘し...

感想・レビュー・書評

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  • 意図的たと思うが、繰り返し繰り返し執拗に、今の社会保障制度の基本設計が社会にあってないかを述べている。
    基本的な分析には概ね同意出来るし、成る程と思う。
    惜しむらくは、今後の提言の部分をデーターや実現可能性を含め充実して欲しかった。

    恐らく政治家は選挙がある限り、 高齢者向けの政策を変えられるはずもなく、年金制度の不公平は無くならないだろうし、小手先の増税を繰り返すのが関の山だろう。
    また、官僚も身分も老後も保障されているので、自ら特権を放棄し抜本的改革をするとも思えない。
    日本が本当に沈没する前に、若年層はまず選挙にしっかり行って意思を表明するべきだ。

  • 2012年(底本2009年)刊。著者は中央大学文学部教授。内容は他著とも被るが、本書は年金制度を詳細解説。雑駁な感想だが、現代の年金制度(特に、遺族年金等の厚生年金制度)を見て、男性(長期に正社員たりうる者や公務員)が女性を専業主婦として遇したいか、そもそも結婚しないんじゃないか、との疑問が湧くくらい専業主婦の経済的な有利さが顕著。他方、余りに自営業に不利で、とても起業意欲が湧くとは思えない。起業した方が税務・社会保険において有利か、せめて同程度でないと、起業なんかするはずないじゃないか、と思ってしまう。
    13章で提言する制度の重要性や有用性は理解できるし、かつシンプルな制度は、行政活動の一元化・整理、さらには全体費用を下げる可能性も高い。しかし、行政マンの整理にもつながる方法論は、政権交代によってですらできなかった。絶望の地平が広がっている感なしとしない。

  • 日本の社会保障がいろいろもんだいがあるということはわかった。なんだかんだ言っていることは、「制度が時代に合ってない」ということだけだったような気がする。

  • 働き方、雇用の形によって、保障内容が変わるのはホントにおかしい。国民全員を同じルールに乗せないと。

  • 端的に言えば、『現行の社会保障制度は実社会に対応できていないから、その機能を果たせないでいる』ということです。社会保障とりわけ年金制度は発足から数十年経過している制度なので、今から解体するわけにもいかず、手をこまねいている状態です。しかし結果的に見れば、社会保障の制度破綻議論がなされて十年近く経っているのに、何一つ進歩していないのは政府の怠慢でしょう。制度の二転三転や混迷、迷走を続け、犠牲になる人は数知れず。ここで抜本的な改革をしなければならないと、社会保障に警鐘を鳴らします。
    ミニマム・インカムと年金マイレージ制という二大柱を軸に社会保障の再構築を訴えますが、先ずミニマム・インカムが実際にできるか疑問です。国民一人に年100万円給付すると、約120兆円という巨額の税金が必要となり、現実的には難しいと言わざるを得ないでしょう。
    また、著者の主張するミニマム・インカムを社会保障にすれば、勤労意欲が高まると言いますが、これだと働く人と働かない人の差が大きくなるのではないかと思います。著者はそれでも良いと言いますが、これで経済が成り立つのか、強い疑問を持ちます。最低限の生活で暮らすと、消費が少なくなるので、そうなるとお金の循環が悪くなり、ますます不景気になるのではないかと危惧します。
    ミニマム・インカムとベイシック・インカムの違いが今一つ分かりませんでした。ベイシック・インカムの縮小版がミニマム・インカムなのでしょうか……。ネットで調べてみてもよく分かりませんでした。

    それでも、色々と有意義な内容だったので、僕の評価はA+にします。

  • ワーキングプアの出現とライフコースの不確実化による社会保障・福祉制度の穴の顕在化

    これを繰り返し事例を挙げながら説明し、根本的な解決策を提言するが、そのどれもが分かりやすい。そして身近に感じられることでよりその問題性の大きさが理解できる。

    あとはその工程表を引く人間が必要だろう。

  • 日本の社会保障のおかしい点についての本。
    日本の社会保障制度は、高度経済成長期の一般的な家庭をもとに設計されており、1990年代後半以降のライフスタイルの多様化や雇用情勢の変化には対応できていない。それ故に多くの問題が生じるということである。

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著者プロフィール

大阪府出身。京都大学法学部卒。華々しい英雄伝が好きですが、裏話的なテーマも、人物の個性をあぶり出してくれるので、割と嗜みます。著書に『世界ナンバー2列伝』(社会評論社)など。

「2016年 『童貞の世界史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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