カラフル (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 16317
レビュー : 2053
  • Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167741013

作品紹介・あらすじ

生前の罪により、輪廻のサイクルから外されたぼくの魂。だが天使業界の抽選にあたり、再挑戦のチャンスを得た。自殺を図った少年、真の体にホームステイし、自分の罪を思い出さなければならないのだ。真として過ごすうち、ぼくは人の欠点や美点が見えてくるようになるのだが…。不朽の名作ついに登場。

感想・レビュー・書評

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  • 生きていくうえでこの世にたった一つしかない命。
    そのたった一つしかない命を失ってしまったら...
    決して取り戻すことなどできません。

    命を絶つことを考えるほど追い詰められた人が、その命を絶ってしまう前に
    自分で自分自身を見つめなおして、身近にあっても気づかなかった大切なものを知り
    生き続けていくということには意味あることと気づくことができたなら...

    人生にはいろんな色がある。
    その色は時の流れとともに違った色に変っていく。
    たとえ今は暗い色だとしても長く生きていればカラフルに...

    どれだけの人にできるだろうかわからないけれど
    少しでも多くの人の心に届いてくれたら嬉しい。
    命を絶つ前に。今を生きるすべての人に。

  • 面白い。
    人生なんてただの暇つぶし、くらいの感じでホームステイしている気分で、ただ楽しんだらいい。最低限のルールを守りさえすれば。
    嫌な出来事も辛い出来事も、ただの自分の勝手な思い込みで、本当は全部楽しいことかもしれない。見えてる部分が違うだけで、カラフルに彩られたこの世界は、自分の心の色でも変わって見える。

  • 今一番問題になっている事柄を捉えた作品だと思います。生きることに辛さを感じている人、『死』を描いたことがある人、読んでみてください。きっとあなたにも未来があります。『死』だけが手段じゃない。そう教えてくれる作品でした。若い人にはもちろん、たくさんの人に読んでほしいです。どうかたくさんの人がこの本に出会えますように。

  • 「この世があまりにもカラフルだから、ぼくらはいつも迷ってる。」


    わたしは少し前から、具体的には大学院に入学した頃から
    接する人によって態度を変える自分が不思議で気持ち悪かった。
    本当の自分がわからなくなって、苦しかった。

    そんなわたしの背中を押してくれるようなお話でした。
    人間は矛盾を抱えながら、いつも迷いながら、それでも生きていく。


    いちばん印象に残っているのは最後の方のひろかのことば。

    「三日にいちどはエッチしたいけど、一週間にいちどは尼寺に入りたくなるの。十日にいちどは新しい服を買って、二十日にいちどはアクセサリーもほしい。牛肉は毎日食べたいし、ほんとは長生きしたいけど、一日おきに死にたくなるの。ひろか、ほんとにへんじゃない?」

    中学生がこんなこと言うのは驚愕だけど。
    23歳のわたしは、こうゆう矛盾には納得。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「背中を押してくれるようなお話でした。」
      だから人気があるのかな?
      森絵都は読んだコトがない、勝手にサラっとした感じかと思っていた。
      「背中を押してくれるようなお話でした。」
      だから人気があるのかな?
      森絵都は読んだコトがない、勝手にサラっとした感じかと思っていた。
      2013/08/20
  • 自分の勝手な思い込みで、大きな勘違いをし、傷ついた気になっていることも多くあるかもしれない。
    周りの人達がどれだけ自分の事を思ってくれているかも知らずに。

    読み進めていくとタイトルの「カラフル」の意味もわかってくる。
    暗い色だけではない、明るい色もたくさん混ざったカラフルな世界。
    とても良い本に出会えました。

  • 児童文学作家という肩書きから"子供向けなのかな?"と思いつつ、読んでみたら、涙腺がゆるみそうになった。

    「あばよ、しぶとく生きろ」

    ベタで普段は口に出すのも少し恥ずかしい、こんな言葉をすんなり受け入れることが出来たのは、ひとえにこの小説の素晴らしさからくるものです。

  • ⚪︎リズム、テンポが良く非常に読むやすい。ページ数も多くなく、集中して読めば数時間で読破出来るだろう。軽いどんでん返しもある。

    ⚪︎天使が出過ぎず、主人公を助けすぎないのがいい。あくまでガイド役として見守るだけ。これにより基本的には主人公が1人で苦難を乗り越えていくことになる。

    ⚪︎会話の間を作るのがうまい。文章なのに会話の時のリズムがよく見える。例えば真と父の釣りのシーンで弁当食べながら話す時、2人の会話の間に もぐもぐ などの擬音が入っている。これにより2人の微妙な距離感が伝わってくる。

    ⚪︎登場人物全員に光と闇の部分があるのが面白い。一概に良い人、悪い人と呼べる人が1人も登場しない。人は誰しも明るい部分と暗い部分を持っていて、それはまた見方によっても良し悪しが変わる、そんなことを思わせてくれる。

    ⚪︎生きる希望を与えてくれる後味のいい話だった。終盤のぷらぷらのセリフの、人生を長いホームステイだと思えば気が楽になる、みたいな台詞にはすごく心に響いた。自分もそう思えば真のように大胆に、そして心の思うままに自由に生きられると思った。

  • 中学生の時の国語の授業で先生が冒頭部分を読み聞かせてくれて、それを聞いて面白そう!と思って手に取った一冊です。
    輪廻のサイクルを外れた主人公が、抽選に当選し人生をやり直すチャンスを得るというお話。
    全体的にとても読みやすくてスラスラと読めてしまいますが、扱っているテーマは重めで考えさせられます。
    この世界では様々なこと(良いことも悪いことも)が起きますが、それには多くの面があって、どこに目を向けるかで人生は大きく変わるんだということを中学生ながら感じた本。
    中学の頃に出会えてよかったと思う一冊です。

  • 思春期の物語だった。

    この時期にはなんでもできるという万能感と、そこに立ちはだかる社会の不条理が立ちはだかる。

    そんな中で普通の人生は嫌だ、なにか特別な人生にしたい。そんなファンタジーに浸る。

    そして特に平凡さや普通さを憎らしく思う。

    普通っぽい毎日は白黒で味気ないものに映る。

    しかし平凡とか普通なるものが最も難しく、そして尊いものであるという事に気付いてゆく。

    自分を理解し、他人を理解し、健全な野心と安心感を作りあげる。

    ここへ至って白黒だった毎日がカラフルな、みずみずしく生き生きとしてくる。

    この物語は思春期心性の物語だった。

    しかし、こういう体験をしないと豊になれないというのは本当に、『この世は疲れる。』(p.156)

  • 自殺をはかった少年がそれまでの記憶を失い別の人として少年の人生を歩む。不運続きな人生に幸運もあったのだと光を見つける。
    期待を裏切らないラストであった。

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著者プロフィール

森 絵都(もり えと)
1968年、東京都生まれの小説家、翻訳家。早稲田大学第二文学部文学言語系専修卒業。
1990年、『リズム』で第31回講談社児童文学新人賞を受賞しデビュー。2003年『DIVE!!』で小学館児童出版文化賞を受賞し、同作は2008年に映画化もされた。2006年、短編集『風に舞いあがるビニールシート』で、第135回直木賞を受賞。
その後も活躍を続けており、2017年『みかづき』で第12回中央公論文芸賞を受賞、2017年本屋大賞2位。同作は2019年にNHKでドラマ化された。それ以外にも、多数の文学賞を受賞している。

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