カラフル (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 15668
レビュー : 2012
  • Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167741013

感想・レビュー・書評

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  • 小学生の頃読んだ。その頃は先を考えずにただ素直に読んでいた。だからこそ楽しめた本なのかなぁ、と思ったり

  • 大きな過ちを犯して死んだ、罪な魂の僕
    本来なら、輪廻のサイクルから外される事になる。
    だが天使業界の抽選に当り、再挑戦のチャンスを得た。
    自殺を図った少年・真の体にホームステイし、
    自分の罪を思い出さなければならないのだ。
    断わる事は出来ない為、しぶしぶ真として生活を始める僕…。

    ホストファミリーの父・母・兄の小林家
    平凡で温かい家庭だと思っていたら、
    ガイドの天使プラプラの説明では
    中年男性とラブホテルに入る初恋の人。
    母親はフラメンコ講師と不倫。
    自分さえよければそれでいい父親。
    無神経で意地悪な兄の満。
    実は悪魔の巣窟みたいな所…。
    でも、それは生前の真の見えていた世界…。

    他人事として自分の思うように生きている僕には
    真が感じる事が出来なかった世界を感じる事が出来た。
    小林家のイメージが少しずつ色合いを変えて行く
    それは黒だけだと思っていたものが白だったなんて
    単純なことではなく、たった一色だと思っていたものが、
    良く見ると実に色んな色を秘めていた。
    角度次第ではどんな色にだって見えて来る。

    途中から結末が容易に予想は出来た。
    そして、やはりそうだったってわかった時嬉しかった。
    ファンタジーのようだが、この世の不条理さや
    生きて行くって事の辛さや苦しさ
    でも、「生きる事」の大切さを訴えてる。

    人は綺麗な面も汚い面も色んな側面を持っている。
    それは、見方によって色んな色になる。
    色んな方向から見ないと本当の姿を見る事も出来ない。

    人は自分でも気付かない所で、誰かを救ったり苦しめたりしている。
    この世があまりにもカラフルだから、僕らはいつも迷ってる。
    どれが、本当の色だかわからなくて。
    どれが自分の色だかわからなくて…

    中学生や高校生で読むともっと、心に響くと思う。

  • 表紙が真っ黄色で本屋さんでもインパクトがあったんだけどなかなか手に取らず、ブックオフにあったので
    なんとなく買っておいた本
    初めての著者だし でも当たりだった~
    まず表紙の感じと内容が全然違~う
    客観的に自分の家族を見てみる事で視点が変わって、
    今まで見えなかった家族の姿や周りが見えてくるんだ~
    本当はこの世界はとてもカラフルなんだ
    映画化もされてるようなので見てみたいと思った

  • 「高校生が選んだ読みたい文庫NO.1」との帯。
    買ってから気づき、高校生とは嘘でも通らない齢で手にするのは気が引けた。
    とはいえもう手元にあるので、と読み始めた。

    確かに、学生時代を今生きている若者にすすめたい。

    中学から高校ぐらいって、いろんなことがちょっとずつわかってきて、そのことで怖くなったり、簡単に絶望したり、大人が意外に立派ではないことにショックを覚えたり、そんな年頃だと思う。

    毎日が苦しいと感じたら、肩の力を抜いて
    「今日と明日はぜんぜんちがう。明日っていうのは今日の続きじゃないんだ」
    そんな違う1日を生きてみてほしい。

    生き辛い日々を送っている少年少女たちを応援したくなる、そんな一冊。

  • 自殺した少年の体に宿った、ぼくの魂。

    ぼくの心の移り変わり、家族とのしがらみ、そして家族関係の流転を鮮やかに描きだしています。

    なんとも言えない良さがあります。巧いです。

    決めつけていた家族の顔が、嫌な部分が、ふいにふとした場面で崩れて、中から本当の顔を見せる。
    その時の、暖かい気持ちと言ったら。

    優しい感動が詰まってました。
    この手のお話は、だいすきです。

    家族みんなが、真のことを想って、美術系のばか高い私立高校のパンフレットを持って真を説得するシーン。
    思わず涙しました。
    暖かい感動なので、気持ちよく泣けました。


    自分が特に好きだったのは、口の悪いお兄ちゃん、満。
    悪口をたっぷりぎっしり詰め込んだ言葉の端々に、弟を大切に労る気持ち、優しい思いやりが隠れているのに胸が締め付けられました。ぎゅうう。

    ラストも好感度高し。
    読後感よし。

    お気に入りの一冊。

  • 読むの3回目。不器用な家族の真への愛情に泣けた。そして毎回、勇気をもらう。好きな本の一冊。

  • 毎日を生きていて、辛くなったとき、悲しくなったとき、この本を読み返す。中学生の時にこの本に出会い、以来私のバイブル的存在となっている。「せいぜい数十年の人生です。少し長めのホームステイがまたはじまるのだと気楽に考えればいい。」プラプラのこの言葉を思い出すと、カラフルな世界でも、自分の色を見つけられるように思える。

  • 一気に読みました。
    罪を犯した魂が、他の人の体にホームステイして
    自分の罪を償って輪廻にもどるというお話。

    学生向けかなだと思うれど、楽しめた。

    他人(家族も含めて)を理解するって
    難しいことなんだと改めて思いました。

    人と腹割って話し合うって重要なことなんだな~
    と学びました。

  • 自殺した少年の体に宿る魂の再挑戦。
    普通のいじめられっ子が、期間限定のホームステイということで前より少しのびのびと生きていく。
    根本は変わらないんだけど。

    最悪だと思っていた家族も、実は大きな誤解で、
    (過ちを犯していた部分もあるけど)
    それぞれが真のことを大切に思っていてくれている。
    自分をこんなに大切にしてくれている人が身近にいたんだ。
    そういう気持ちを持ったら、真は自殺なんてしなかったのかもしれない。

    早乙女君の「今日と明日はぜんぜん違う。明日は今日の続きじゃないんだ」という台詞は、
    シーンとしては彼自身はそんなに重く捉えてないが、
    この小説の伝えたい大切な要素だと思う。
    今日とは違う明日を精一杯生きようね。という。

    以下、引用。
    この世があまりにもカラフルだから、ぼくらはいつも迷ってる。
    どれがほんとの色だかわからなくて。
    どれが自分の色だかわからなくて。

  • これは素晴らしい作品。
    おれは推理力がないし、推理して読むタイプではないのでオチは読めなかった。しかし、その分、真が犯した過ちの重さが心に来た。
    色んな人が抱える問題について自殺した真は1つの色しか見てなかった。 世の中にはたくさんの色があり、皆がそれぞれの色を持っている、ということを優しく教えてくれる物語。
    兄の本当の気持ちのセリフには涙腺がゆるみましたね。プラプラが最後までプラプラらしくてよかった。

    ページも多くないし、読みやすいかと。おすすめ。

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著者プロフィール

森 絵都(もり えと)
1968年、東京都生まれの小説家、翻訳家。早稲田大学第二文学部文学言語系専修卒業。
1990年、『リズム』で第31回講談社児童文学新人賞を受賞しデビュー。2003年『DIVE!!』で小学館児童出版文化賞を受賞し、同作は2008年に映画化もされた。2006年、短編集『風に舞いあがるビニールシート』で、第135回直木賞を受賞。
その後も活躍を続けており、2017年『みかづき』で第12回中央公論文芸賞を受賞、2017年本屋大賞2位。同作は2019年にNHKでドラマ化された。それ以外にも、多数の文学賞を受賞している。

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