カラフル (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 15664
レビュー : 2011
  • Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167741013

感想・レビュー・書評

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  • 自分の勝手な思い込みで、大きな勘違いをし、傷ついた気になっていることも多くあるかもしれない。
    周りの人達がどれだけ自分の事を思ってくれているかも知らずに。

    読み進めていくとタイトルの「カラフル」の意味もわかってくる。
    暗い色だけではない、明るい色もたくさん混ざったカラフルな世界。
    とても良い本に出会えました。

  • ⚪︎リズム、テンポが良く非常に読むやすい。ページ数も多くなく、集中して読めば数時間で読破出来るだろう。軽いどんでん返しもある。

    ⚪︎天使が出過ぎず、主人公を助けすぎないのがいい。あくまでガイド役として見守るだけ。これにより基本的には主人公が1人で苦難を乗り越えていくことになる。

    ⚪︎会話の間を作るのがうまい。文章なのに会話の時のリズムがよく見える。例えば真と父の釣りのシーンで弁当食べながら話す時、2人の会話の間に もぐもぐ などの擬音が入っている。これにより2人の微妙な距離感が伝わってくる。

    ⚪︎登場人物全員に光と闇の部分があるのが面白い。一概に良い人、悪い人と呼べる人が1人も登場しない。人は誰しも明るい部分と暗い部分を持っていて、それはまた見方によっても良し悪しが変わる、そんなことを思わせてくれる。

    ⚪︎生きる希望を与えてくれる後味のいい話だった。終盤のぷらぷらのセリフの、人生を長いホームステイだと思えば気が楽になる、みたいな台詞にはすごく心に響いた。自分もそう思えば真のように大胆に、そして心の思うままに自由に生きられると思った。

  • あなたは決して一人じゃない―。
    この小説が云いたいのは、それだけ。
    そのことを伝えるためには、どういう物語をこしらえればいいのだろう。
    作家は考えます。
    何千何万…いや、そんなものではきかないくらい無数の選択肢の中から、たとえていえば海の砂粒の中から正しい砂粒を一粒摘み上げるようなものです。
    森絵都さんは、この作品で見事にそれをやってのけたのだと思います。
    正直に云うと、冒頭から天使が出てくる設定には戸惑いました。
    どちらかというと、苦手なタイプの小説です。
    ただ、29ページくらい読んだところで慣れました。
    126ページくらい読んだころには、すっかり夢中になりました。
    189ページ目で、もう止まらなくなりました。
    続きが気になって、結局、徹夜で読みました。
    自殺した主人公の真と、真に気を使う家族、それに癖のあるクラスメートたちによって織り成す物語は、初めはどちらかと云うと暗い色彩です。
    ただ、読めば読むほど、書名の通り、色合いが鮮やかになって来ます。
    その手並みが、実に見事というほかありません。
    あなたは決して一人じゃない―。
    こうして書くと、手垢がべったべたに付いていて実に陳腐です。
    日めくりカレンダーにでも書いてありそうです。
    SNSでもたびたび見かけ、そのたびに何というか、げんなりと脱力します。
    ああ、そうですね、そうですね、はいはい、おっしゃる通り。
    てなもんです。
    でも、本作を読んだ私は、声を大にして云いたい。
    あなたは決して一人じゃない―と。

  • アイデンティティを確立することが発達の観点からは求められるが、この小説はそのことに疑問を投げかける。


    私たちは「自分自身はこういう人間だ」と自分を過度に規定してしまい、それゆえに、その中で苦しんでいることがあるのではないだろうか。
    同時に、他人に対しても「こういう人」とイメージを持っているがために誤解をしていることもあるのではないだろうか。

    人は皆、自分の中にいろいろな「色(=自分の一側面)」を持っていて、それをTPOや相手に応じて変えている。
    そういう意味では「本当の自分の色(=確固たるアイデンティティ)」などないのかもしれない。
    そうであるなら、自分がなれる色を増やしていくことが生きるということなのかもしれない。

    自殺は取り返しがつかないということを押し付けがましくなく描いている点も好評価。

  • だいぶ昔に読んだ本。

    「おめでとうございます!当選です!」とプラプラとかいうネーミングセンス皆無感満載の名前(失礼)の生き物に主人公が振り回される話。

    でもこれね、設定と伏線回収が最高にいい。
    最後まで読んで真相が分かった時の衝撃はものすごい。


    他人事だと何も感じないことも、自分のこととなると悩み、苦しむことってあるよねー。

    …詳しくは、本作で。

  • 色々と考えさせられた。
    まさか、予想もしてない展開でそういうことか!っとなった。
    自分が勝手に思っているだけで本当はたくさんの誤解をしているのではないかと思った。
    だから、人ともっときちんと向き合いたいと感じた。

  • 読みやすく続きが気になり
    どんどん読めた。
    ラストの展開は
    驚かせれました。
    面白かった。
    森絵都さんの作品は2冊目だが
    思春期の心理描写がとても
    分かりやすく繊細に捉えられていて
    共感もできてこの気持ちを
    忘れない大人でいたいとも思わされます。
    真が感極まり家族に早乙女くんのことを
    話すシーンにグっときた。
    友達ていいな。自分も中3の時周りがみえないくらい友情に熱くなってたあの時を思い出した(笑)

    あと母の手紙の一文に
    引っ込み思案で、外に向かっていく力が弱い分、内なる世界は常に豊かに潤っているように見えたと書いてあって、その言葉に私はなんとなく
    図々しいが自分と通じるものを感じてしまった(笑)私もずっと絵や物語を描くことが好きで
    絵は自分を表現する1つで心の中で沢山の感情や思いが育ってそれも全て大切な一部だから。

  • すごくよかった。少し泣けた。
    お母さんの気持ちがよくわかる。自分が平凡だったから、才能ある子どもに期待してしまうっていう気持ち。
    普通ってなんだろう?平凡と非凡どっちが幸せなのか?
    世の中はとてもカラフルでとても難しい。
    このタイトル「カラフル」がこんなに意味深いものとは思わなかった

  • 青春というものをこれでもかと詰め込んだ作品。
    昔というか中学生時代を思い出しながら読むことができた。

    主人公の悩み、葛藤、決断のどれを取っても青春の甘酸っぱさを感じる。

    どんな人にもおすすめしやすい本。
    現在学生の人や、中学生の気持ちを思い出したい人におすすめ。

  • 「この世があまりにカラフルだから僕らはいつでも迷ってる。」人は色んな色を持っており、感じ方、見え方次第で人の色はどんどん変わっていく。正にその通りだなと感じました。

著者プロフィール

森 絵都(もり えと)
1968年、東京都生まれの小説家、翻訳家。早稲田大学第二文学部文学言語系専修卒業。
1990年、『リズム』で第31回講談社児童文学新人賞を受賞しデビュー。2003年『DIVE!!』で小学館児童出版文化賞を受賞し、同作は2008年に映画化もされた。2006年、短編集『風に舞いあがるビニールシート』で、第135回直木賞を受賞。
その後も活躍を続けており、2017年『みかづき』で第12回中央公論文芸賞を受賞、2017年本屋大賞2位。同作は2019年にNHKでドラマ化された。それ以外にも、多数の文学賞を受賞している。

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