死神の精度 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 32182
レビュー : 2911
  • Amazon.co.jp ・本 (345ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167745011

作品紹介・あらすじ

CDショップに入りびたり、苗字が町や市の名前であり、受け答えが微妙にずれていて、素手で他人に触ろうとしない-そんな人物が身近に現れたら、死神かもしれません。一週間の調査ののち、対象者の死に可否の判断をくだし、翌八日目に死は実行される。クールでどこか奇妙な死神・千葉が出会う六つの人生。

感想・レビュー・書評

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  • 死神が人間を査定して
    生きるか死ぬかを決める物語

    たった一週間の出来事で査定をする死神と
    査定されていることを知らない人間との
    ちょっとズレたやりとりがクセになる

    生きている中のたった一週間
    もしも自分のそばに死神がいたら

    生きていること死んでいくこと
    悲しくならずに読める短編集


  • 青春アドベンチャーでラジオドラマとして聴きました。原作は昔々に読みました。
    面白かったです。千葉さんの噛み合わなさが好きです。
    天使は図書館に集まるけど、死神はCDショップに集まる…死神がミュージック好きなところがなんだか可愛いです。
    お話は、ラジオドラマとして聴くと、恋愛の話が良かったです。
    それから、やっぱり好きなのは最終話です。これまでの話との繋がりがわかったときに「!」となりました。
    千葉さんが晴れの日に出会えて良かったなぁ。

  • 主人公は死神
    人間に興味のない死神は調査対象となった人間の死の可否を見定めるため7日間の調査に現れる
    急に読みたくなって何年か振りの再読。
    やっぱり面白かった。死神の世界に情報部や調査部があるのが面白いし、その情報部宜しく詳細に全体像を教えないところもまたいい。
    内容を薄っすら覚えていてもブティックの店員さんに可を出したところでは作者を恨むほどに憤ったし伏線を回収した処ではなんとも清々しく心が晴れた。
    確か初めて読んだ伊坂さんの作品は本書だったと思う。それからハマったんだった。
    続編も面白いんだよね。重いけど。また読もうかな。
    さらにの続編も期待したい。

  • 第57回日本推理作家協会賞
    短編部門受賞作品。


    クールでいて、
    どこか憎めない死神のキャラが
    なんとも魅力的で
    大好きな小説です♪


    まるでサラリーマンのように
    調査部員として
    人間界に派遣されてくる死神(笑)。


    死ぬべき候補に挙げられた人間を
    1週間にわたって観察し、
    死ぬことを『可』とするか、
    または『見送り』とするかを判断し、
    『可』なら、
    8日目に来る死を
    見届けるのが彼らの仕事。


    死神の千葉が
    人間界で働く日は
    決まって雨が降る。


    また人間界の生活習慣や
    しきたりに慣れてないので
    変なツッコミや
    ズレた会話が
    面白い効果を生んでるし、

    死神のクセに(笑)
    音楽を聴くことが
    なによりもの楽しみという設定が
    また微笑ましくていい(^^)


    人間の死には興味はないが、
    人間が死に絶えて
    ミュージックが
    なくなってしまうことだけは、
    つらいと言う
    変な死神(笑)


    この死神のキャラは
    伊坂の作る
    歴代の味のある登場人物の中でも
    特に異彩を放ってるし、
    桜や黒澤に次いで
    個人的にも
    お気に入りキャラです(^_^)



    物語は
    時代も登場人物もバラバラな
    連作短編集で
    6つの人生を見届ける死神の話で構成されています。


    一つ一つの物語には
    すべて軽い謎解きが用意されていて楽しめるけど、
    一度出てきた登場人物が
    時を越えて
    この本の中でまた
    意外な形で登場するという仕掛けも
    緻密に構成されていて、
    読む者をアッと驚かせてくれます♪
    (そしてお約束のリンクゲストは(笑)
    『重力ピエロ』の
    あの人が出てきます!)


    死を扱いながらも
    どこか軽やかで
    清々しい読後感は、
    どんなに重く暗い話の中にも
    『希望』の光を潜ませることを忘れない
    筆者だからこその味わいかな。



    短編集なので
    かなり読みやすいし
    伊坂初心者の方にも
    オススメです(^_^)



    あっ、そうそう、
    CDショップで
    一心不乱にヘッドフォンを耳に当て、
    なかなか立ち去ろうとしない客がいたとしたら、
    それはおそらく
    死神なので
    ご注意を(笑)(^_^)

  • 久々に、楽しく、軽快な小説だった。
    死神に、転職してみたい。

  • 流石としか言い様がない。
    伊坂ワールド。

    死神のキャラクターといい
    伏線の張り方といい
    もう、感服。

    恋愛→老女 この繋がりは特に素晴らしい。

    恋愛は特に印象深く、何故死神が【可】としたのか、、、と思いを巡らせていた。
    そして、まさかの最後老女で、残された彼女のその後の人生に巡り会うとは、、、。

    涙すら出そうなった。
    そして、老女に死神はどちらの判断を下したのだろうか。
    そこにもまた思いを巡らせるのであった。

  • 映画や舞台、ラジオドラマなど多くメディア化されたということで購入。
    人間の死をテーマにした話ではあるが、最後の方では、なぜか温かい気持ちになりました。特に最終章でのエピソードでは、今までのことが別の話ではありますが、少しずつ繋がっていて、面白かったです。
    そもそも主人公が死神というところが変化球でした。伊坂作品は、変化球のものが多くあり、そのせいか物語を引き立たせてくれるので、好きな作家の一人です。
    読みやすさや初めて伊坂作品を読む方には、もってこいかと思います。

  • 食事睡眠など肉体の制約が無く、苦痛や苦悩もない。死神がちょっと羨ましい。
    色んな人生が描かれていて面白かった。死神基準の時間の流れも良かった。
    ただどんなに頑張って生きても、どんなにドラマティックなことがあっても、ほとんどの調査対象者は数日後には死ぬんだよなと思うと多少の虚無感はある。
    でも死ぬってこういうことだと思う。特別なことは何もなくてありふれている。その考えを強くした本だった。

  • 6年ぶりの再読。
    いま、はげしく後悔している。
    当時流し読みで全然物語を味わうことをしていなかった為、
    読後の印象も何も残っていなかった。
    再読してみると、
    伊坂作品の魅力が満ち満ちていて
    なぜ初読時、ちゃんと読まなかったのか!
    と、悔やまずにはいられない。
    全ての人間に平等にもたらされるたった二つのもの。
    生と死。
    それは何も特別なことじゃない、
    けれど大切なことだ、
    そう再認識させられる。

    千葉と春の会話のシーン、
    まさにグラフィティアートを書いているその時であることに、
    秘められた春の思いと決意に
    ハッとする。

    死神対老女
    しんみりせずに泣かされる。
    分かっていても目頭が熱くなるのは
    さすがだ。

    ずっと暗かった空が晴れた。
    それだけで読み手の心にも光明が差す。
    音楽以外には無感動のはずの千葉の心をも動かす力が青空と太陽にはあるんだな。

  • 『小説の曲芸師』伊坂幸太郎の描く「死神」が主人公の六話からなる短編小説集。その内容はミステリー、サスペンス、推理劇、恋愛劇、旅情劇、人情劇といったバラエティーに富んでいて意外な展開やゲストも登場する。全体的な構成が見事で短編集の良い見本のような完成度といっても過言ではないだろう。最終話『死神対老女』では、死神は老女の「最後のお願い!」を聞き入れる存在として描く事で死神のキャラクターを“死を運ぶ邪神”ではなく「お迎えの神様」として物語を大団円でまとめ上げるアイデアと筆力はお見事!。何度も読み返したくなる一冊

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著者プロフィール

伊坂 幸太郎(いさか こうたろう)
1971年千葉県生まれの作家。東北大学法学部卒業後、SEとして働きながら文学賞応募し、2000年『オーデュボンの祈り』で新潮ミステリー倶楽部賞受賞、デビュー作となる。その後作家専業となり、宮城県仙台市に在住しながら執筆を続けている。2004年『アヒルと鴨のコインロッカー』で第25回吉川英治文学新人賞、同年『死神の精度』で第57回日本推理作家協会賞短編部門、2006年平成17年度宮城県芸術選奨文芸部門、2008年『ゴールデンスランバー』で第5回本屋大賞、第21回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。同作で直木賞の選考対象となることを辞退したことも話題になった。上記受賞作のほか、『重力ピエロ』、『バイバイ、ブラックバード』、『アイネクライネナハトムジーク』など話題となる作品は多い。代表作も殆どが映画化されている。最新作に『フーガはユーガ』。

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