赤い長靴 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 2729
レビュー : 268
  • Amazon.co.jp ・本 (261ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167748012

作品紹介・あらすじ

「私と別れても、逍ちゃんはきっと大丈夫ね」そう言って日和子は笑う、くすくすと。笑うことと泣くことは似ているから。結婚して十年、子供はいない。繊細で透明な文体が切り取る夫婦の情景-幸福と呼びたいような静かな日常、ふいによぎる影。何かが起こる予感をはらみつつ、かぎりなく美しく、少し怖い十四の物語が展開する。

感想・レビュー・書評

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  • 今まで読んだ江國作品の中で一番好き。結婚10年を過ぎて子供がいない夫婦の日常を描いている短編集。出来事ともいえない出来事、ほんの少しの揺らぎ。これってどういう言葉になるんだろう、って日頃感じているような些細な気持ちの動きが最小限の言葉でつづられている。
    最初は幸せだなと思いながら読んでた。
    でも悲しくなった。そのあと悲しいだけじゃない微妙な暖かい気持ちになった。

    作家の耐用年数とはよく聞く言葉だけど江國さんって最近になって急に技巧派になった気がする。

  • 最近よく結婚について考えているので、ちょうど良いタイミング。
    夫婦ってつくづく不思議だなあと思う。他人から家族・身内になる。血の繋がりはない。子供がいれば間接的に繋がりはできるが。

    身内になると一気に他人が自分になる。

  • 噛み合わない会話の悲しさ

    コミュ力は努力

  • 子どもがいない結婚10年目の夫婦の日常。
    価値観が違うというか、日和子が夫に歩み寄ろうとしても夫はそんなことに全く気付かずにいて、そんな夫に読んでいてずっとイライラした。日和子はもうそれを通り越したからずっとクスクス笑っていられるんだろうか。

  • なんだか不穏な面白さ。

    エッセイを読んでいても思うけれど、江國香織というひとは、不条理をまっすぐ見つめられる、というか目をそらすことが出来ないひとなのだろうなぁ。

  • たぶん、どこの夫婦もこんな感じなんだと想像する。「夫婦あるある」
    うちの母も、日和子みたいな思いをして、父の文句を言ってることがある。何を言っても、生返事なときとか。
    でも、二人は仲が良いし、お互いいなくてはならない存在なのだ。
    だけど!独身の私は…こんな夫婦になりたくないな。結婚に、夢見すぎかな?
    逍三みたいな旦那さんと結婚したら、毎日いらっとして、ストレスたまりそう!
    非常に不愉快!
    ***************************
    というか…読み進めていくうちに、逍三のあまりに会話ができない様子はもう、何か名前のつく生まれつきの病気なんじゃないかと思えてくる。傘の差し方が下手でびしょぬれ、ってエピソードで強く感じた。
    「夫婦あるある」で済まされるのか?世の中の旦那さん、ここまではないでしょ?って…信じたい。
    とにかく、逍三の著しくコミュニケーションが取れない様子は、長年連れ添った夫婦の“慣れ”とは違う気がする。
    異常。
    逍三目線のパートもあるけれど、彼がなんでそうなのか、納得できるわけではない。
    妻だけでなく、誰の話も聞いていないらしい。

    読後感は悪いけど、私にここまで感想を書かせてくれる小説は、秀逸。

  • なんとも気持ち悪い!

    読んだ印象はそんな感じ。
    結婚してる人はそんな風に思わないのかな。
    なんていうか変な世界観で、
    確かに自分に内容を投影させて
    色んな思いにふける読み物だった。

    結婚10年の夫婦の日常を書く物語。
    形のないゆるく意識しない鎖に繋がれてる、簡単に言えば束縛。
    それが、何かに帰属している安心感なのかな。

    確かにそうだけど
    これは特出してその部分を浮き彫りにして
    なんだか気持ち悪いけど
    何だか分かるような分からないような。。


    ☆ふたつ

  • 一緒にいないときのほうが相手のことが好きという気持ちに何んとなく共感。

  • 下手なホラーより余程怖い。

  • 愛と諦観の感覚の近さ

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著者プロフィール

江國 香織(えくに かおり)
1964年、東京生まれの小説家。1986年、児童文学雑誌『飛ぶ教室』に投稿した「桃子」が入選。2004年、『号泣する準備はできていた』 で、第130回直木賞を受賞。他、山本周五郎賞、中央公論文芸賞、川端康成文学賞、谷崎潤一郎賞など受賞歴多数。代表作として、映画化もされた『きらきらひかる』や『冷静と情熱のあいだ』など。女性のみずみずしい感覚を描く作家として、多くの読者を魅了している。また、小説から絵本から童話、エッセイまで幅広く活躍中。翻訳も手がけている。2019年5月2日、2年ぶりの長編小説『彼女たちの場合は』を刊行。

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