数学者列伝 天才の栄光と挫折 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 360
レビュー : 41
  • Amazon.co.jp ・本 (289ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167749026

作品紹介・あらすじ

自らも数学者である著者が、天才数学者-ニュートン、関孝和、ガロワ、ハミルトン、コワレフスカヤ、ラマヌジャン、チューリング、ワイル、ワイルズ-九人の足跡を現地まで辿って見つけたものは何だったのか。この世にいて天国と地獄を行き来した彼らの悲喜交々の人生模様を描くノンフィクション大作。

感想・レビュー・書評

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  • 著者との出会いは場末の変哲もない古本屋の百円均一。「若き数学者のアメリカ」。大した期待もなく読み始めたがこれが面白い。直ぐに新刊書店に走り「遥かなるケンブリッジ」を購入。但し「国家の品格」を読んで以来離れた。専門外のことを語るのが悪いとは言わない。ただ共感できなかっただけ。久しぶりの藤原本。やっぱり著者には数学モノがよく似合う。天上より舞い降りし無垢の天才ラマヌジャン。そして「罪と罰」のソーニャがここに居た。さらに、あのワイルズに関孝和。次なる読書は当読書メーターでも評判の和洋各一冊。至福の数学週間なり。

    同著の元となったNHK教育テレビ人間講座「数学者列伝」を見る。ついでに「魔性の難問~リーマン予想・天才たちの闘い」も続けて視聴。「100年の難問はなぜ解けたのか ~天才数学者 失踪の謎~(ポアンカレ予想)」も見たくてネット検索するが見つからず。^^;

    「ポアンカレ予想」もついに発見!お隣の国の画像アップロードサイトにありました。感謝^^

  • ガロワ、関孝和、チューリングといった数学の天才たちの逸話。

    天才たちゆかりの地を実際に訪ね、その様子も交えて描写されていて、味わい深い紀行文にもなっている。(サスガ著者は新田次郎氏のご子息)

  • 9人の数学者の人生を、その人が生きた時代背景および人間関係を交えて紹介している。その人の業績を詳細に説明されても理解できないだろうから、数学者物語としてはとても読みやすかった。

  • 数学者の狂うような情熱と、不器用な生き方が、藤原正彦さんの美しい文章で綴られている。真理を探しあて、明らかにしたい思いの果てしない深さに、身を委ねながら読んだ。それぞれの数学者が生涯をかけたものをこのように追体験できるのは幸せなことだ。

  • 数学者の著者が、9人の大数学者たちの生き様を思い入れ
    たっぷりに描いた一冊。

    さすがにニュートンや関孝和といったあたりは古すぎて史料
    に頼るほかなかったせいか、さらっと書かれてあるけれど、
    近代・現代の数学者については、生家を訪れたり、子息に
    会ったり、当時所属していた大学を訪れるなど、精力的な
    取材を行っていて筆にも力がこもる。

    栄光と挫折というタイトルになっているものの、悲運や悲劇の
    方が多く、特に英国人数学者アラン・チューリングの人生には
    胸が痛む。
    (チューリングを描いた章の中で、p.227の写真についている
    説明文で次ページ以降の展開が見えてしまったのは残念。
    単行本から文庫にした際の写真配置の都合によるものと思うが。)

    また、数学だけでなく、詩、文学、哲学なども同時に極めて
    いる数学者が少なくないということが、本書でよく分かる。
    この本を著した藤原さんもまさにその中の一人であることは
    言うまでもないでしょう。

  • 天才の栄光と挫折―数学者列伝。藤原正彦先生の著書。天才であっても劣等感を感じて挫折して苦悩することがある。だからこそ天才と呼ばれて評価されるのかも。自意識過剰で自信過剰で井の中の蛙大海を知らずでは努力を怠ってしまうから、それでは天才であり続けるのは難しいのかな。

  • 9人の天才数学者の輝かしい業績と、私生活の苦悩や挫折が、著者のエッセー風の味のある文体で描き出されている。

    著者を含めて数学者には、純粋さと執念深さが同居しているようだ。私生活が浮き沈みの激しいものになってしまうのも頷ける。

  • この本で初めて「関孝和」という数学者のことを知りました。数学が政治と深く関わっていた時代に、関孝和が政権争いに巻き込まれていく様子は、大河ドラマを観ているようでした。
    「ウイリアム ハミルトン」の章ではロマンス映画を、そして「アラン チューリング」の章では、ミステリードラマを観ているような感覚に陥りました。
    作者 藤原正彦氏は、それぞれの数学者の功績だけでなく、その人生をも探究しておられ、その時々の感情や背景の叙述は、力強く、感動を沸かせます。
    また読み返したいと思っています。

  • 【なぜか悲しい】
    確かに、だれよりも数学者が一番すごいと思います。

    頭の良さ、粘り強さ、集中力どれをとっても頂点を極めています。
    ただ、超越しすぎて一般人はついていけません。

    世の中に対して、並外れた人はどうしても時代に馴染めず悲しい人生となります。
    (いや、本人にとっては楽しい人生なのかもしれませんが。。。)
    10年、20年先を行く程度であれば丁度よく、天才もいい人生をおくれるように感じます。

    天才にも程度があり100年も先に行ってしまうと、誰も理解できません。
    悲しいけれどそういうものです。
    しかし、これは凡人から見た目線で天才本人はそんなことは微塵も感じていないかもしれません。
    天才からすれば寝食を忘れるぐらい没頭して、好きなことをしていただけなのに。。。ということになります。

    人は自分以外の誰ともかかわらずに生きていくことはできませんが、他者の目を気にしすぎると天才ではいられなくなり、自分を失うこととなります。

  • 文章が美しい。不覚にもなんどもこみ上げる部分があった。栄光にあふれた人物として歴史に名を刻んでいる数学者がどれほどの闇を経験していたのか。

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