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Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784167749033
みんなの感想まとめ
多様な文学作品を通じて、歴史や文化について深く考察する内容が展開されます。著者は、お茶の水大学での読書ゼミの様子を描写し、学生たちとのディスカッションを通じて生まれる新鮮な視点が魅力的です。取り上げら...
感想・レビュー・書評
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『国家の品格』での熱い想いにに非常に共感を抱いた、数学者・藤原正彦氏。
そんな藤原さんの、お茶の水大学での"読書ゼミ"の様子を綴った一冊になります。
講義で取り上げている本は、全部で11冊+2冊。
『武士道』(〇)
『余は如何にして基督信徒となりし乎』
『学問のすゝめ』(〇)
『新版 きけ わだつみのこえ』(〇)
『逝きし世の面影』
『武家の女性』
『代表的日本人』
『山びこ学校』
『忘れられた日本人』
『東京に暮す』
『福翁自伝』(〇)
『若き数学者のアメリカ』(〇)/『孤愁』
明治期の著作が多いのは、この時代の日本人の活力が高かったコトの、
証左の一つにもなるのでしょうか、、あらためて興味深く感じました。
なお、自身の既読は末尾に"〇"を付けてみましたが、初めて目にする本が多いなぁ。。
学生時代、内村さんは史料として目を通した覚えはありますが、何気に通読までは至らず。
ん、日本に民主主義が根付いたのは戦後との印象が強いですが、、
実際には戦前に既に、当時の国際社会と比べても高水準な民主主義が実現されてました。
なんてことは、確かに小中の歴史教育の中では教わらなかったのを思い出しました。
高校ではその辺り大分フラットだった覚えもありますが、、それでも偏っていた記憶が残っています。
戦後、GHQや日教組などの赤い連中によって塗りつぶされてしまった価値観、
そんな日本人の芯を、どうにか次世代に伝えていきたいですが、、
リアルタイムでこういった講義を聴きたかったですね、、学生時代に。
ん、イロイロと考える時期なのかな、不惑までにはなんとかしたいところ、なんて。 -
藤原正彦さんは、新田次郎を父に、藤原ていを母に持つユーモアあふれる数学者。「国家の品格」の作者。
読書ゼミってどうやるんだろう?という好奇心で読み進めた。自分が学問のすすめ以外、ろくに読んでいないことにまずショック。武士道を直ぐに読みました。
戦後、GHQと日教組により日本人としての自信と誇りを失わされたこと。それが全てでは無いと思うけれど、原爆を落とされていながら、アメリカを糾弾せずに、真珠湾攻撃については甘んじて批判を受ける日本人って何だろう?と思っていたので、理由の一つと言えるでしょう。
文中から
弱い者いじめはいけない。大勢で一人をやっつけてはいけない。本当に大事な価値は小さい頃に親なり先生が「形」として無理やり押し付けないとだめ。武士道にはそれが詰まっている。
どんなへんてこりんなトピックでもたとえば「おばけ」や「うんこ」の研究でも黙々と研究を続ければ、間違いなくその分野の第一人者と呼ばれるようになる。
学問や芸術に置いては誰に笑われようと陰口を叩かれようと我が道を行くのが大切になる。
海外に行ったら、祖国である日本についてきちんとした知識があるか評価される。
夏目漱石の心に出てくる先生の自殺と三島由紀夫の自殺はどういう関係があるのかとか、源氏物語や能、狂言について、日本では士農工商というが、どうして商が一番低かったのか。ヨーロッパでは農ですが。こうした質問に正確に答えられなくてもいいが、自分の考えを述べられないと教養がないから話すに値しないと判断される。商談も成立しない。
学問のすすめ 「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」の続き。と言えり。言われている…が実は違うよ。「賢人と愚人との別は学ぶと学ばざるとに由っていいで来るものなり」平等じゃなくて、学問の有無による自己責任だ!
諭吉は、日本が列強の植民地化から逃れるために、まず実学的な学問が必要だ。一身独立して一国独立する物事を自分で判断して行動できる個人がいて独立国家ができる。
内村鑑三「代表的日本人」西郷隆盛 上杉鷹山 二宮尊徳 中江藤樹 日蓮上人
キャサリンサンソム 貧しくともゆったりとしていて穏やかで親切で競争心が弱い。貧しく幸せなら日本人。
福翁自伝 何のために苦学するかといえば、一寸説明はない 目的なしの勉強 福翁自伝の口述を終え
加筆脱稿した4ヶ月後に63の諭吉は脳溢血で言語能力を失い、その2年後に亡くなった。
数学と文学の違い
数学者の考える美しさとは、単純な法則が複雑な現象を完全に統制していること
ウィグナー物理学者は、「数学は不合理なほど物理学に役立つ」
数学はオールオアナッシング。一点の非の打ち所がない結論しか受容されない。 -
著者が指定する本(主に岩波文庫)を題材に学生たちとディスカッションしていく様子をまとめた本です。
著者の数学者としての活動についてはわからないのですが、知識量と言葉の選び方に関しては素晴らしいと思いました。
また、学生たちの純粋な疑問や感想も新鮮さが溢れており、この本自体に堅苦しさをなくす効果が出ているようです。
ただ一つ気になるのは、何かに付けて「かつての日本人は素晴らしかった。それに比べて今の日本人は…」のような話の展開に持っていこうとするのが残念でした。
日本が西欧の自由主義を積極的に取り入れたせいで、日本人はだめになった(もしくはだめになりつつある)と述べていますが、西欧というのも幅が広すぎますし、
題材本内で日本人の素晴らしさを褒め称えている箇所を挙げて、「このように当時の日本人は素晴らしく、西欧の人はだめだった!」といったような話をしていますが、
その当時の日本人というのも江戸自体から昭和までと幅が広いのも気になります。
昔の日本と今の日本を比べると、今はより個人が尊重されるようになりその分横の繋がりが薄くなったというのはその通りだと思いますが、
それを個人主義が日本のマイナス点のように持っていくのはなかなか厳しいのでは。
素晴らしい行動をしている日本人と、豊かな生活をしているが精神的には野蛮(のように見える)な西欧人を比べるのであれば、
その逆の、素晴らしい行動をしている西欧人と、豊かな生活をしているが精神的には野蛮(のように見える)な日本人についても考えなければフェアではないですし、結論への過程が足りないのではと思いました。
面白い本であることに違いはないので、面白く読ませていただきました。 -
お茶大の新入生向けゼミ、藤原先生と文庫本を読む。人気の授業だったらしい。収録されているのは先生最終年度のゼミ。文庫は『武士道』『武家の女性』『逝きし世の面影』『代表的日本人』……ラインナップを見て、最初は引いてしまった。
一方的に講義するだけなら、魅力に欠けたかもしれないが、授業はゼミ形式。重要なポイントを学生が引き出してくれる。学生と先生のやりとりがおもしろく、読ませる。
チョイスされた文庫11冊は、どれも保守的で、古臭い印象があったが、実際にはまったくそうではなかった。目からウロコ、それに生きる上で肝心かなめのことを教えてくれる。
ボーナストラックは藤原先生の最終講義。半生をコンパクトに語っている。小学4年の時に教わった数学好きの図工の先生、安野光雅先生の話も出てくる。 -
私の大好きな藤原正彦先生。
本書はお茶の水女子大での読書ゼミ(11冊+α)の模様を収録したもので、藤原先生の教養と学生たちの感受性がぶつかり合う、楽しくもタメになる一冊。
名著の数々に描かれる江戸時代から昭和初期までの日本において、当時の人々たちはじつに逞しく、そして気高く生きてきたことがよく分かります。
本書に収録された名著のうち、恥ずかしながら読んだことがあるのは「学問のすゝめ/福沢諭吉(明治5年)」と「武士道/新渡戸稲造(明治32年)」の2冊のみ。
それ以外の名著では、「代表的日本人/内村鑑三(明治27年)」、「逝きし世の面影/渡辺京二(平成10年)」、「山びこ学校/無着成恭(昭和26年)」、「福翁自伝/福沢諭吉(明治32年)」あたりを是非読んでみたいと思いました。
日本人として、先人たちの営みがとても誇らしく感じられます。 -
毎週、課題の本を読んで議論しあう講座のお話
幕末、明治と日本人はどう生きたのか
日本人とは?真の独立とは?
書籍を通じて考える
深く心に突き刺さる内容でした -
お茶の水女子大1年生20人限定の読書ゼミ内容を紙上公開。毎週1冊の課題図書(岩波文庫)を買って読みレポートする。
課題図書の選定がイイ。どの本も読めば、戦後日本人が無くしたモノに気づくことになる仕掛け。
例えば、内村鑑三「代表的日本人」に出てくる上杉鷹山(や保科正之など)の合理性と先見性や西郷隆盛のあふれる人間愛、日蓮上人の強い信念と実行力など。
また、英国外交官の妻、キャサリン・サンソムが東京赴任中に書き記した「東京に暮らす」の時代は、世界恐慌や満州事変、国連からの脱退、二二六事件や日中戦争など平穏とは真逆の激動の時代でした。そんな暗い世相の中でも、日本人の陽気さや礼儀正しさを賛美する本書の内容は、当時の来日外国人の多くが「貧困でも幸せな国民」という形容の普遍性を証明するものでしょう。ゼミのディスカッションで「当時はうつ病になる人が少ない」という文章に着目した藤原氏は、翻って現代日本は「(核家族化に伴い、)家族やコミュニティーの絆を失った人々にとって、自由選択、自己責任、競争社会という重荷を背負います。絆を断ち切ると自由が得られます。家族を捨て個人主義に走ると自由が得られます。その反作用が、不安、孤独、そこはかとない精神の疲労です。自由というものの光と影を見極め日本的なものを取り戻さない限り、うつ病が減ることはないでしょう」と鋭い。
本書で紹介された本すべて魅力的ですが、あえて1冊のみを選べば、最終講義での課題図書、福沢諭吉「福翁自伝」でしょうか。 -
読了 20210620
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流し読み程度なので何とも言い難いのですが、学問ノススメを改めて読むきっかけとなりました。
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"お茶の水大学で教える藤原正彦さんの読書ゼミを書籍化したもの。
私は、毎朝トイレ(失礼!)で1作品づつ読んでいった。眠気を覚ますのにちょうどよく、刺激も受けるし1作品読み切る時間もトイレ時間的にもぴったりだった。
ここでゼミのテーマとなった本11冊が紹介されている。
全ての書物を読みたく(読み返したく)なる。日本国を近代化に導いた人々に触れることで、現代社会を見つめなおすことになる。
江戸後期から明治時代を生きた人の書物が中心にテーマ本に選ばれている。読書ガイドとしても秀逸。" -
著者が、お茶の水女子大で行った、読書ゼミの講義録。全12回で、新渡戸稲造「武士道」、内村鑑三「余は如何にして基督信徒となりしか乎」、福沢諭吉「学問のすすめ」、日本戦没学生記念会編「新版 きけ わだつみのこえ」、渡辺京二「逝きし世の面影」、山川菊栄「武家の女性」、内村鑑三「代表的日本人」、無着成恭編「山びこ学校」、宮本常一「忘れられた日本人」、キャサリン・サンソム 「東京に暮す」、福沢諭吉「福翁自伝」を取り上げて、感想を受講生と話し合っている。
著者が学生に伝えたかったのは、戦前の日本、あるいは明治以前の日本の庶民が、貧しくとも明るく陽気で謙虚、お互い助け合って幸せに暮らしていた(決して、庶民が封建領主から奴隷のように搾取されたて困窮していた未成熟で野蛮な国ではなかった)ということ。そして著者は、その古きよき日本の伝統が、終戦後の米国による占領政策と、その後の日教組の洗脳によって壊され、半ば失われつつあることに警鐘をならしている。要するに、綻びかけている西洋資本主義(弱肉強食の過当競争)からそろそろ脱却し、日本の伝統・文化・社会の良い面を復活させよ、と言っている。物言いはかなり過激だけれども、確かに一理あるよなあ。
既読は福翁自伝のみ。「武士道」と「逝きし世の面影」は買ってあるのにまだ読んでない。さっそく読まなきゃ。 -
お茶の水大での授業の本。著者が新田次郎のご子息であることは知っていたがお茶大の先生とは知らなかった。は、さておき、講義自体をもし聴講したら、恐らく「古い昭和のおっさんやな」と思うだろう。それが最終講義で一変。これがダントツで面白い。数学と文学の対比は実にぐっときた。
あと若干気になった点としては氏が何とか?場を和ませようと笑いをいれてくるのだが、これがまだ土屋氏には及ばないようだ・・というところか。 -
学問のすゝめやわだつみのこえなど,名前を聞いたことはあるけど読んだことはない,そういう明治~昭和時代に書かれた名著を大学生が読んで討論した授業をまとめた本。
学生の臆面なく言う若々しいアイディアと,それを受け止めて返答する先生の知識量に圧巻。
難しくて読みづらいものもたくさんあるでしょうに,この本読んでみたい!と思わせるものがいくつも出ました。 -
社会人なら読んでおく必要がある。
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初の藤原本。お茶大生のレベルが思った以上に低くて驚くのだが、女子大ってこういうもんなのかな?という気も。よく言えば純粋無垢という事なのだろうが。先生と学生のやりとりはお笑い漫才のようにもなっており、本としては面白く読める。藤原先生の情熱とユーモアと優しさが伝わってくる内容。
最近思うことだが、本書を読んであらためて戦後教育によって刷り込まれた価値観というのはあるのかな?と感じる。ある程度意識して価値観をニュートラルにしていく必要があるのかもしれない。未読の本も多々あり、紹介された本は全て読んでみたいものばかりである。並行して藤原本もいろいろ読んでみようかと。 -
私の敬愛する藤原先生の講義を文書化したもの。
このゼミで紹介されているのは、先生が若い人にぜひ読んで欲しいと思っているタイトルなのだろう。先生は感受性豊かな青年時代に読むべき本がたくさんあった、と仰っていたけれど、この本達は大学を出て数年経った今の私が読んでも有用ですか?
もちろん、これから全部読む気でいますが。 -
本書は、著者が指定する文庫本を毎週一冊読んできて、それについて毎回ディスカッションするという、いささかハードなお茶大の名物ゼミをまとめたものである。
藤原正彦は、思想家としては三流、数学者としての実力は未知数であるが、文章家としては超一流である。天才的といってもいい。まるで美しい数学の証明を見るように、簡潔にして要を得ており、全く無駄がない。文章の濃度が濃いのだ。だから、文庫本とはいえ、なかなか読みでがある。
著者の膨大な読書量には圧倒される。しかしその割には、彼の思想は、バランスを欠いた狭隘なナショナリズムに過ぎない。江戸・明治期の日本と、昭和前期の日本を一緒くたにして、何でもかんでも礼賛すればいいと言うものではない。二言目にはGHQや日教組の陰謀などと言い出すところにも閉口する。まぁこれは、彼の欧米に対するコンプレックスの裏返しなのだろう。もっと下の世代は、そんなに肩肘張って頑張らなくても、日本の良さを十分知っていると思う。
でも、そんな心配をよそに、十代の女子学生たちの反応が素晴らしいのだ。著者が、右だの左だのと古い人々の頑迷な思考パターンに捕らわれている間に、彼女たちはそれを軽やかに飛び越え、もっとずっと先に行っている。
このゼミで取り上げられた11冊は、以下の通りである。青帯の岩波文庫を主とした重厚なラインナップだ。その他にも、面白そうな関連書籍が山ほど出てくる。恥ずかしながら私は、まだ『きけ わだつみのこえ』しか読んだことがない。著者の主張を割り引いて読めば、本書は、とても秀逸なブックガイドだと言える。大事なことは、読んで、自分の頭で考えることである。
・新渡戸稲造『武士道』
・内村鑑三『余は如何にして基督信徒となりし乎』
・福沢諭吉『学問のすゝめ』
・日本戦没学生記念会編『新版 きけ わだつみのこえ』
・渡辺京二『逝きし世の面影』
・山川菊栄『武家の女性』
・内村鑑三『代表的日本人』
・無着成恭『山びこ学校』
・宮本常一『忘れられた日本人』
・キャサリン・サムソン『東京に暮らす』
・福沢諭吉『福翁自伝』
最後にお茶大での最終講義が収録されている。私も拝聴させていただいたが、改めて読み直してみると、とても良い。数学と文学との間に架かる橋を行ったり来たりしてきた藤原正彦は、人生を楽しむことにかけても天才なのかもしれない。 -
『国家の品格』ではお茶大の読書ゼミが紹介されており、その課題図書を遅ればせながら読み終えた。大学時代に読むことで情緒をはぐくむにふさわしい課題図書だと感心したが、その読書ゼミの様子が本になったという。読書感想をお互いディスカッションする様子はなんと生き生きとしたことか。
課題図書は毎年変わるらしく、女子大生らに負けぬよう未読の課題意図書に挑戦したくなった。
お茶大といえば、エリート女子大だ。将来は企業や官公庁等でリーダーとなり、また家庭では母になるだろうエリート女子たちが、情感豊かに祖国と祖国の偉人を知ることは、なんと意義深いことだろうと心に深く残った。
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