ホモセクシャルの世界史 (文春文庫 う 18-3)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 154
感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (623ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167751012

感想・レビュー・書評

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  • 古代から現代までの「ホモセクシュアル」の「欧米史」でした。海野弘の専門が欧米美術方面なので、仕方がないのかもしれないけど、個人的にはイスラム世界やインド・東南アジア諸国の話も含めてほしかった気がします。それにはページが足りない気もしましたが。
    それにしても、この本読んでいると世の中実はホモだらけに思えてしまうのですが(笑)。

  • 2008-08-00

  • 面白い、興味深い方向で。読むのに気合がいるかも。まじめに面白い、確かにタイトルで損してるかも。じっくり長い時間をかけて読み返しながら読みたいけど(さっと読むと全部忘れそうなので反芻したい)家族バレが怖くて手元に置けない、電子で買い直すか。少し古いのかなぁと思うところもある。動物にもみられるがメスの代用でないのは人間だけとあるけれど、違う例もあるような?ボノボとか。それは最近の発見なのか、私の勘違いなのか。あととてもリズムのよい文章なのに素通りすると「ん?な、何だったの今のところ?」とわかり難い部分もあって、内容がちょい複雑なだけに残念。
    ギリシャをちょっと読んだけど、なるほどーと感心しまくり。『クリューシッポス』(エウリピデス著)によると、クリューシッポスさんを期限とする愛と憎しみがギリシャ悲劇のネットワークを生み出している、ってホントですかー
    こう聞くと何がなにやらだけど、↓
    ペロプス(ポセイドンに愛された美少年)の息子1クリューシッポスに、客で来たテーバイの王子ラーイオスが惚れて誘拐、クリューシッポスは自殺、父ちゃんのペロプスはラーイオスを呪う。この呪いが!悲劇の始まりなんです!
    だって、呪われたラーイオスの息子が【オイディプス王】だから。あの、父を殺し母を娶り、事実を知り目を潰して放浪に出る、フロイトの言うエディプスコンプレックス(マザコン)の名前の元となった彼!
    そしてペプロスの息子2、アトレウス。クリューシッポス殺しの濡れ衣を着せられ、放浪し、ミュケーナイの王になり、その子が【アガメムノン】である……
    やれやれ、ほんの少しの抜粋ですが、これで興味を持たれた方は是非読んでみて下さい。分厚いです。

  • 新書文庫

  • [ 内容 ]
    世界史の中で封印され続けてきたタブー、「同性愛」。
    古代ギリシアから、ルネサンスの禁欲、“世紀末”の愛の迷宮、帝国主義と二つの世界大戦、そして、性意識の増大した二十世紀に花開いた美と多様な価値観。
    その裏側には、知られざる壮大なホモセクシャル・ネットワークがあった。
    今、明かされる、前人未到の裏世界史。

    [ 目次 ]
    世界史の中の封印されたタブー
    第1部 古代から十九世紀まで 近代以前(同性愛の起源;ギリシアの愛;ローマからキリスト教世界へ;ルネサンス ほか)
    第2部 二十世紀 性の世紀(ブルームズベリー・グループ;バレエ・リュス・コネクション;太陽の子ら―二つの大戦の間;同性愛の政治学―第二次世界大戦期前後 ほか)
    そして二十一世紀

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • まあまず、裏世界史というからには表のしっかりとした世界史を把握してないといけないんですが、自分はからきし歴史がダメで…。
    それに加えて横文字の名前が出てくると、もう全然分かんなくなっちゃうわけですよ。
    なんで、自分にはこの本はちょっと早すぎたかなあという気がします。
    まあ単純に知らない人が多すぎて、はあ、そうなの、そんなにいっぱいゲイがいたんだね…となるしかないというか。
    それに、なんというかとりあえず人をどんどん出して、紹介して、はい次はい次、という感じのまとめ方なようにも感じました。大学一年生あたりがとりあえず資料に出てきたことを羅列したレポートみたいというか…。これだと知らない人は本当にはあそうですか、で終わっちゃうよなあ。もうちょっと人物を絞って深く書いてくれた方が良かったとも思います。

  • タイトル通り、世界史、ということで、古代ギリシアから現代まで、世界の同性愛者の歴史を紐解いてくれる、かなり読み応えのある分厚い本でした。個人的には現代より、中世の宮廷とかの話が面白かったですけど、こうやって俯瞰で見ると、時代によって同性愛に対する捕え方というのは色々で、高尚なものとして推奨されることもあれば、法律で禁止→最悪の場合死刑なんて時代もあり、なかなか興味深かったです。オスカーワイルドや、ランボー等、誰でも知ってる同性愛者だけじゃなく、え?この人も?という意外な名前もガンガン出てきます。日本版もあったらいいのに。

  • 題名と表紙でかなり損してる気がします。ものすごく綿密に書き上げられた世界史の本です。教科書や一般にかかれている歴史の⁇⁇
    と感じたかなりの行間の隙間がこの本で埋められます。この表紙は、硬派な内容のこの作品にはあっていない気がして、残念です。

  • ホモセクシャルの世界史というより西洋史といった感じです。
    古代ギリシアから始められていますが、主眼は19世紀末から20世紀にすえられています。
    そのあたりの文化人の名前に詳しくないので、名前が多く出てきて読みづらかったです。

    だいたい罪とされていた性の問題が、近代から現代にかけて定義付けられ、罪では無くなったものの、定義付けられ形を得たが故に偏見や差別の対象になる。こういった思想に関して人類は進歩したと言えるのか考えさせられます。

  • 歯医者で読むのにとても重宝した(笑)映画「アナザー・カントリー」のガイ・バージェスについて改めて読めたのが良かった。映画を見たくなった。

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著者プロフィール

美術評論家。1976年から平凡社『太陽』の編集長を務めた後、独立。幅広い分野で執筆を行う。

「2023年 『アジア・中東の装飾と文様』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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