世の中で一番おいしいのはつまみ食いである (文春文庫 ひ 20-1)
- 文藝春秋 (2008年8月5日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (247ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167753016
感想・レビュー・書評
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料理をする擬音がまるで音楽のよう。
食材に向き合うことは、もっと難しいことだと思っていた。でもそれは人間がそもそもやってきたことなのだから、そんなことはないはずなのだ。
登場するレシピがどれも美味しそう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
手を直接に使って調理する事に主眼を置いたエッセイ。
確かに、野菜とか金気を嫌うといいますし、豆腐とか、こんにゃくとかは手でちぎった方が味がしみるといいますね。
この本を読むと包丁とか使わなくても料理ってできるよなぁとか思っちゃいます。
ま、実際にはいろいろと無理だったり面倒だったりするんですけどね。(^^; -
台所でお料理しつつ、楽しいつまみ食い
…なエッセイなのかと思ったら、違っていた。
人間の二つの手。
手仕事の本でした。
ふだん包丁でやっている事も、手で作業すると、こんな違いがありますよ。
お料理を味わう前に、手で美味しさを感じる事ができますよ。
便利な道具を次々に開発して、どんどん不器用になって行く人類に対する警鐘か?!
驚くのが、平松さんの語彙の豊富さ。
料理に関してだけでも、『手』でできる事はこんなにあるんだ!
日本語ってすごいバリエーション!
巻末には、お料理に限定されない、『手』を含む用語辞典・平松版が、ドーンと載っている。
知らなかった言葉もいくつもある。
「手暗目暗」(てぐらまぐら)って?ドグラマグラみたい…
「国手」名医の事だって!
さまざまな手の表情の写真入り。
レシピ付き。
巻末にはお料理のカラー写真付き。
読み終えた後、じっと手を見る。
手ってエライんだなあ! -
料理したくてうずうずしてきちゃう!!
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料理エッセイなのに時々やたらとエロいのは、ひたすら「手」にフォーカスしているからなんだろうなぁ。
穂村さんの解説もまたよし。 -
タイトルが秀逸。
しっかりごはんではなく、その前に前菜のごとく『つまむ』のが美味しい。
平松さんの食べ物エッセイの中で、文章がかなりあっさりおとなしめ。
テンションの高さがどうも…という方にはおすすめですが、いつもの暑苦しいまでの情熱あふれた文章が好きな私には少々物足りない。
『ちぎる』とか『まぜる』とかそれぞれの料理や食事の動作にまつわるエッセイという切り口は面白いんですが、もともとの連載ページが短かったのかな。
けれど、レシピは今までの本の中で一番使えると思います。
豆腐に塩とオリーブオイルをかけたらあっさりチーズみたい、とか。つい真似しちゃう短文レシピがそれぞれの章にのっています。
まさに、つまみ食いのようなエッセイ集です。 -
手で料理する事の気持ちよさ。
レシピも書いてあって、ゴクリ。
最後のページの手の辞典も実際にあったら欲しいくらいステキな語釈です。
しかも、解説が穂村さん。
タイトルが文庫化するにあたって変わったんですね。そのままでも良かったかな? -
初めて平松洋子さんの本を読んだ。
大変面白い。
食いしん坊や料理好きには
共感できる描写が
多く散りばめられている一方で、
大人の女が台所に立っている
感じが頭の中に浮かんでは消えする。
食材や調理風景の描写なのに、
なぜか官能的な匂いがあってどきりとしてしまう。
毎日家族に美味しいものを作ってくれる
お母さんも女なんだよな、なんて
自分でもよくわからないことを思ってみたり。
台所に立つ女性の頭の中に広がる
不可思議な宇宙に思いを馳せる。
それにしても日本語って豊かだ。
こんなに手にまつわる言葉があるとは。
今まで知らなかった言葉もあり、
よく日本人はこれだけ言葉を生み出したものだと、
感心してしまった。
料理をする上で行われる手作業にまつわる
エッセイの後ろについているレシピも
わかりやすい。
トマトを手で潰すガスパチョや、
巻いたり押し潰したり、
手が大活躍する葱餅など
作ってみたいものが沢山あった。
他の作品もぜひ読んでみたい。 -
平松洋子さんは以前から気になっていましたが・・・
タイトル買いです。 -
手は最高の道具である ことには賛成。
自分や家族、親しい人が口にするモノに関しては、素手で調理をすることは当然ありだけど、知らない人、外で口にするモノに関しては抵抗があるので、手放しで万歳賛成と思える内容ではなかったです。