明るい夜 (文春文庫 く 30-1)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167753122

感想・レビュー・書評

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  • 京都を舞台にした25歳の女の子のリアルな話。
    鴨川や木屋町といった京都のよく行く街並みが随所に登場し、
    愛宕さんのお祭りの様子など、すごく情緒もあっていい展開。
    1ページに入っている文字数も少なめで読みやすい。
    ゆっくり、じっくり読み進めたくなる本。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      黒川創と聞くと、編集グループ〈SURE〉と言う京都の小さな出版社を思い浮かべます。
      http://www.groupsure.net/
      黒川創と聞くと、編集グループ〈SURE〉と言う京都の小さな出版社を思い浮かべます。
      http://www.groupsure.net/
      2014/06/10
  • なんせ京都に住んでいるもので、住んでいる場所が舞台の小説は、そらやっぱ、興味深く読めてしまいますよね。だってもう、知ってる地名、よく歩く地名が、どんどこ出てくるんですもの。「くるり」の音楽を聴くのと、似てる感じです。ああ、この地から、生み出される文学や、音楽が、存在するんだなあ、って思う事。それはやっぱ、なんだか嬉しいものです。

    でも、この小説は、例えば貴志祐介の「黒い家」ほどには、京都感どっぷり、には、ひたれなかったなあ、という感想でしょうか。出町柳のあの感覚。四条木屋町のあの感覚。そこはかとなく感じたのですが、でも、なんだか、こう、ググッとはきませんでした。ただ、個人的に、「黒い家」のほうが面白く楽しめて、この小説にはハマれなかった。それだけなのでしょうが。

    出町柳で「パンの清田」を探してみたり、四条木屋町で「ラ・ノッテ・キアーラ」を探してみたり、広河原に愛宕の火祭りを観に行くか?というと、そこまでは、こう、ドップリはハマれなかったなあ、という。個人の好き嫌い、なのですけれどもね、結局は。

    でも、黒川さんの描写する、パン屋さんの労働の詳細は、素敵でした。ああ、働いてるんやなあ、ってことが、実感として、まさに実感で、すっごく伝わる雰囲気で。黒川さん、実際にパン屋さんでアルバイトしたことが、あったのでしょうかね?町中の全てのパン屋さんが、愛しく感じる描写でしたね。はあ、素敵だなあって思ったのです。パン屋さんで働く人と知り合いになりたい。で、こんな日々を送ってるんだろうなあ、ってことを、じかに聞いてみたい。そう思う次第でした。

    黒川さん、なんだか、描写好きなんだろうなあ、って感じの文章ですよね。微に入り細にわたる、という感じでしょうか。細にわたる、というのは誤用なのでしょうか?日本語は不思議なのだな。

  • 3人の若者が「始まり」を探す物語。
    「始まり」に繋がる何かを求めて、時系列が行ったり来たりしながらふわふわとした世界が、朋子の視点からとりとめもなく語られていく。

    だけど、本当は「とにかく始めてみる」ことが大事だったんだね、ということなのかな。

    工藤は読んでて不安になるくらいダメダメな人だけど、彼も彼なりの「始まり」にたどり着いたみたいで、とりあえず一安心。

  • 【本の内容】
    ふいに消えた女ともだち、小説を書くために仕事を辞めたのに最初の一行が書けない「彼」、眠れない「わたし」。

    アルバイトでその日その日をつなぐ若い男女のよるべなく、ささやかな生。

    京都・鴨川べりの古アパートから火祭の夜へ、絶妙な語り口ですくいあげられた、若い日の確かな手ざわりが爽やかな感動を呼ぶ傑作。

    [ 目次 ]


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    [ 参考となる書評 ]

  • 京都の街の雰囲気はすごく自然に書かれていて好感が持てるものの、工藤君が中途半端で魅力が乏しいせいなのか、作品の特徴が曖昧になってしまっている。
    京都の書店で絶賛されているとのことですが、それは街の描き方が京都人の心をくすぐるからでしょうね。

  • 3人の登場人物のどうしょうもない感じというか、やるせない感じが好き。お風呂に入った音をきっかけに回想に行く文章も良かった。でも、個人的な好みとしてはもう少し起伏がある物語が好きだ。

  • 2009年の本屋大賞受賞作品。京都が舞台になってるから読み進められたものの、話がすごいわかりづらい印象はあった。でも、ひとつずつの詳細がすごい丁寧に描かれていて、絵が浮かぶような、映画のような作品だったかもしれない。映画だったらもっとおもしろくみれたかな?

  • ゆったりとして雰囲気はよかったですが、面白くはなかったです

  • 穏やかな会話の中に、それぞれの生い立ちが垣間見える。 しみじみと、すこし悲しい。

  • わりとこんな感じで思うこと、あるなあと思った。
    これは若さゆえの感覚なんですかね。

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著者プロフィール

作家。1961年京都市生まれ。同志社大学文学部卒業。1999年、初の小説『若冲の目』刊行。2008年『かもめの日』で読売文学賞、13年刊『国境[完全版]』で伊藤整文学賞(評論部門)、14年刊『京都』で毎日出版文化賞、18年刊『鶴見俊輔伝』で大佛次郎賞を受賞。主な作品に『もどろき』、『イカロスの森』、『暗殺者たち』、『岩場の上から』、『暗い林を抜けて』、『ウィーン近郊』、『彼女のことを知っている』、『旅する少年』、評論に『きれいな風貌 西村伊作伝』、『鴎外と漱石のあいだで 日本語の文学が生まれる場所』『世界を文学でどう描けるか』、編著書に『〈外地〉の日本語文学選』(全3巻)、『鶴見俊輔コレクション』(全4巻)などがある。

「2023年 『「日本語」の文学が生まれた場所』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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