東京大学のアルバート・アイラー 東大ジャズ講義録・キーワード編 (文春文庫 き 30-2)

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  • Amazon.co.jp ・本 (438ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167753542

作品紹介・あらすじ

ジャズを語るには絶対に欠かせないはずのキーワード、「ブルース」、「ダンス」、「即興」、「音楽理論」。この4つを、大友良英ほか各分野の権威全4名をゲストに迎えて集中講義。東大ジャズ史講義も後期に突入、あなたの「ジャズ」の見方は音を立てて高速で拡大する!菊地・大谷コンビの歴史と今後を語る文庫版あとがき対談も収録。

感想・レビュー・書評

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  • 再読。個人的には歴史編より楽しめた。それは前者がジャズという枠内での通史というどこか閉じた面があるのに対して、本作ではブルース/ダンス/即興というキーワードをジャズに適用することで、その音楽性の概念をより広げ話題を各地の風習や伝統まで広げていこうとするその射程の違いによるものなのだろう。音楽生まれるところに文化有り。また下方倍音列の話は流石に難解だが虚数としての比喩は興味深かった。音楽と数学の関係性は思ったよりも近く、音律や音階に関して数学的に説明可能なほどである。理性と感性をフルに働かせて楽しめる一冊。

  • 上巻よりも楽理的な内容が多く難しかったものの、「即興」の大友良英、「ダンス」の野田努の話がなかなか面白かった。

  • ブルースの章がよかった。
    長調・単調はヨーロッパが作り出した洗脳のシステムである。
    カウンター/ポスト・バークリーの辺りから急に難しかった。

  • 大友良英パートだけ読了。 デトコペとONJQにお互いがくわわっていたことがあったとは!なかなかに仲のよい息のあった掛け合いをみせてくれる。Open Gate を主催したSachiko Mさんの話題は特に興味深く。即興の対極にいる存在として。即興とは人生、どちらもなかなかうまくいかない、てボヤキのような大友さんの言葉にクスりと。

  • 第1章 二〇〇四年一〇月講義「ブルース」(ブルース(1)二〇世紀の統合不全者―ブルース・ミュージックの特異性について
    ブルース(2)『喪失』を引き受ける方法―「二〇世紀の最初から表現はもう引用とコラージュだった。」ゲスト:飯野友幸(上智大学教授、米文学者))
    第2章 二〇〇四年一一月講義「ダンス」(ダンス(1)舞踏会からインターロックまで―ヨーロッパ/アジア/アフリカのダンス・スタイルと、アメリカ・ポピュラー音楽におけるダンスの歴史
    ダンス(2)クラブ・カルチャーと『ジャズ』―「ジャズとは象徴であり、ファンタジーである。」ゲスト:野田努(remix編集長、音楽批評家))
    第3章 二〇〇四年一二月講義「即興」(即興(1)時間を超えること、時間と共にあること―『即興』という巨大な概念を巡る音楽的試論
    即興(2)即興演奏を巡る質疑応答―「ベイリーの場合は再生器械が変わってもやっぱり同じ演奏だって認識できるから、この違いは大きいかもしれない。」ゲスト:大友良英(ミュージシャン))
    第4章 二〇〇五年一月講義「カウンター/ポスト・バークリー」(カウンター/ポスト・バークリー(1)理論の確立と、それに対するカウンター&ポスト・ムーヴメントについて―バークリー・メソッド、LCC、ラング・メソッド
    カウンター/ポスト・バークリー(2)ラング・メソッドについて―「濱瀬元彦氏による講義」ゲスト:濱瀬元彦((株)ラング代表、ミュージシャン、作曲家))

    著者:菊地成孔(1963-、銚子市、ジャズミュージシャン)、大谷能生(1972-、八戸市、評論家)
    ゲスト:飯野友幸(1955-、東京都、アメリカ文学)、野田努(1963-、静岡市、音楽ライター)、大友良英(1959-、横浜市、ギタリスト)、濱瀬元彦(1952-、愛知県、ミュージシャン)、寄稿:本條晴一郎(マーケティング)

  • 2012/11/07 購入
    2012/11/17 読了

  • 歴史編に比べ、専門的な話が多いですが、面白いです。本当に分からない所は例よって飛ばし読みですが、野田努さんの話とか分かりやすく解説してくれてる感じがナイスです。

  • 異端のサックスプレイヤー菊地成孔の東大ジャズ講義録の続編。
    本作は歴史の流れに沿ってではなく、トピックごとに講義が進められる。ブルースからアシッドジャズ、ダンスまで、音楽とはこういうものかと納得させられる。
    音楽の力の偉大さと限界、その用途までを説明してくれる講義録であった。

    日々、音楽の使用方法にはいろいろと頭を悩ませているが、その貴重な参考図書となった。

  • わかるところも、わからないところも、面白い。

  • ブルース、ダンス、即興、ポスト・バークリーを視点に音楽のあり方を見ていく。いろいろと興味深い。

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著者プロフィール

ジャズ・ミュージシャン/文筆業。

「2016年 『ロバート・グラスパーをきっかけに考える、“今ジャズ”の構造分析と批評(への批評)とディスクガイド(仮』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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