カンニング少女 (文春文庫 く 31-1)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 75
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  • Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167753580

作品紹介・あらすじ

都立K高校3年・天童玲美は、姉の死の真相を探るため、最難関私大・馳田学院入学を決意する。今の学力では合格が覚束ない玲美は、クラスで成績トップの優等生・愛香と陸上インターハイ選手の杜夫、機械オタクの隼人の協力を得て、カンニングによる入試突破を目指す。スリル満点の胸キュン青春コンゲーム小説。

感想・レビュー・書評

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  • 自分のために必死になってくれる友人ってどれだけいるか。私は友人のためにどれだけ必死になれるか。
    玲美ちゃんが、椿井くんたちが純粋にものすごく羨ましいと感じた。
    生きていれば失うものがたくさんあるけど、同時に得るものもきっとある。最後の"カンニング"はとてもドラマティックでとても優しい。
    馳田に合格してもしなくても、玲美ちゃんが思う理想の先生になれることを祈る。

    2006年でこれだけのカンニングアイデアがあるのか。現実的に実行可能かは審議だが、構想がよく練られた良質な作品だと思う。1番好きなのは椿井くんの激走カンニング。

  • タイトルにすごく目を引かれた本です。
    『カンニング少女』
    初めは、こんなタイトルあっていいのかと思ってしまいました。

    内容も看板に偽りなし、中学生の女の子が、
    姉の死の真実を知るために、
    今の彼女の学力では到底合格できない一流高校を目指す、
    という物語です。

    カンニング方法は、実際に行うことは難しい方法ばかりですが(笑

  • 文章力、キャラ、意外性どれをとっても平凡かそれ以下。ちょっと文章に腕がある高校生が趣味で書いたような小説。入試でカンニングをするのが本書のストーリーだが、登場するカンニンググッズがどれも安直なものばかりだし、キャラは上手く立ってないし動機は不明だし、恋愛模様は薄っぺらいし、「こういう筋書きにしたいからこういう人を配置しました」って感じが凄い。
    まぁ一方で、「こういう筋書き」というのは見えやすいし、ストーリー自体はそこまで悪くなかったので最後まで読めた。
    なんていうか、ブックオフで100円の読み切りの漫画本を読んだような気分になった。

  • 本書のタイトルを見た瞬間、2011年に起きた「大学入試問題ネット投稿事件」を思い出した。主人公の天童玲美は高校3年時に2歳上の姉・芙美子を交通事故で失う。悲しみを押し殺して、受験勉強を始めようと姉の箪笥から赤本を取りだしたとき、そこには姉の手帳があった。「なぜこんなところに?」と不思議に思う玲美だったが、読んでいくと姉の死に関係すると思われるメモが書いてあった。それを読むと、東大と並ぶ偏差値トップの超難関私立大学・馳田大学に姉の死に関わることがありそうだということがわかり、馳田大学の受験を決意する。

    だが、彼女の学力を考えると、独力で馳田に合格するのは大変に厳しく、玲美は迷った末、友達に力を借してくれるようお願いすることにした。その友達とは。

    並木愛香:玲美とは中学からの友達で、クラスで成績トップの優等生。

    平賀隼人:玲美の幼馴染で機械オタク。

    椿井杜夫:陸上インターハイ選手。友達の為なら危険を顧みないナイスガイ。

    この個性豊かな3人と「チーム・カンニング」を結成する(勝手に名付けてみた)。しかし、意気込む彼らの前に壁が立ちはだかる。担任の安倍だ。安倍は自分の成績と分相応でない大学を第一志望にしている玲美に対してある条件をつきつける。

    「次の中間試験で学年20番以内に入ること」

    試験まであと2週間。前の期末試験で89番だった玲美にとってかなり厳しい状況である。しかし心配は不要。チーム・カンニングの知恵が炸裂する。個人的には中間試験のシーンがハイライトだと思う。次々に出てくるカンニング・グッズに思わず唸ってしまった。杜夫の原始的なカンニング方法にもご注目あれ。そして、教師陣の名前も要チェケだ。アイドルおたくの著者の拘りが感じられる。

    馳田に合格するぐらい賢く、陸上ではインターハイに出場している姉が道路を横切ったというのがなんか酷く間抜けな気がして(歩道橋渡ればよかったじゃんと僕は思うのだけど)、それで亡くなってしまったというのが煮え切らないのと、馳田での杜夫の行動がいくらなんでも無理あるかな~とツッコミたいところはあるんだけど、まあ設定が設定だけにそこは御愛嬌ということで。ちっちゃいことは気にするな♪それ、わかちこ、わかちこ~♪

  • 終始ほのぼのしていて、登場人物がみんないい人。読み終えてすがすがしい気持ちになった。

  • 作者がココを一番騙したい!ってとこは最初から分かってしまったのですが(最初にヒントが多すぎて…)物語が面白かったので最後まで楽しく読めました(^^)
    内容が内容なだけに共感できない方もあるとは思いますが、そういう物語なので私は良いかなーと思います

  • 姉の突然の事故死。姉の通っていた名門馳田大学に入学し、事故の詳細を明らかにするため、妹の天童玲美は、秀才の友人たちと立ち上がる。まず最初の難関は、目前の定期テストで学年20位に入ること。しかし、付け焼き刃の勉強では太刀打ちできないため…。

    うーん、読めない話ではないんだけど、いろんな意味でのめり込めない作品だった。

    スポーツだけで推薦を勝ち取った椿井杜夫が主人公かと思いきや、あっちもこっちもと視点を変えてしまう。特に高校生チームは杜夫から玲美などへ、視点を移す必要はあったのだろうか。また、大学チームに関しても、取ってつけたようなエピソードで、一応ストーリーに絡みはする程度でちょっと説明くさいし、特に面白くもない。

    高校生だけでストーリーを作ってしまうと、子供対大人の宗田理みたいな話になってしまうのを避けようとした狙いはあるのかもしれない。しかし、結局そうなってるんだよね。

    解説にもあるように、SFチックなカンニングメカニズムを考えたり、SNSというか、2ch風の掲示板を取り入れたりと、新しいネタというところはあるが、それは所詮アイデアであって、ストーリーの深みを出しているとはいい難い。

    結局、まず最初に姉を死なせてしまったっていうのが、全体のストーリーの中で異様に重すぎて、動機と手段のバランスが取れなくなってしまったというのが、一番の敗因か。ミステリにもなれず、青春大人やっつけ小説にもなれていない。

    まあ、読めるよ。読めるのと楽しめるのはちょっと違うんだよね。

    関係ないけど、最近、西島大介表紙を購入する率が高いなあ。

  • 悪くはないので暇な時にサクッと。

  • 姉の死の真相を知るために、今の成績では到底合格できない難関大学の受験を決意する玲美。それを応援する親友で学年一位の優等生・愛香、幼馴染で最強のカンニング・マシンを作る機械オタクの隼人、そしてインターハイ優勝のスポーツ特待生・杜夫。彼らの友情が眩しい1冊。

  • さくっと読めます。

    カンニングという「ズル」から主人公が成長していく過程が良かった。
    ズルやルール違反はいけないが、「そもそものルールがまず正しいものなのか」ということを確かめることはとても大事なことだと思う。間違った必要のないルールに縛られて、行動や可能性が閉ざされるのはもったいない。

    ズルしても真面目にも生きて行ける気がしたよ〜♫
    やっぱチェリー最高やな

  • 交通事故で無くなった姉が通っていた大学に入学するために、3人の友人を味方につけて受験を突破しようという話。
    東大レベルの受験を説ける友人と、ハイテク技術を駆使した製品を作れる友人がいないとできないので、現実では難しいだろうなと思う。特に、ハイテク技術のほうは「それは無理だろ」と思うことも多かった。ちょっとネタバレになるけど、QRコードって見たらQRコードってわかるのだから、それを女性の黒髪のように見せる絵って無理じゃないのかなと思う。
    裏主人公はその大学で助手を務める女性。こちらはこちらで、カンニングを悪と考えており、いろいろ駆使してカンニング対策をしているのが面白かった。なるほど、教壇ではなく、教室の後ろにいたほうがカンニングは見破りやすいのか。
    ただ、一番ひどいのは担任の先生。パワハラがひどい。主人公によると、「生徒に精神的苦痛を与えることを最大の喜びとお感じている」らしい。よくクビにならないなと思う。職員室で生徒に怒鳴りつけることもあるそうだし、教頭や校長も注意しろよと思った。
    後、ハイテク技術に詳しい隼人の比喩が面白い。「1÷61がなかなか循環小数にならず、ドキドキした感覚と似ていた」って、どういう経験なんだよと。調べたら1÷61の循環節の桁数は60桁だそうだけど、なぜ割ろうと思ったんだ。
    ストーリーとしては楽しく読めた面白かったけど、時々ツッコミどころも。電磁波でパソコンの画面が乱れるとあるけど、そんなわけないだろうと。しかも電波といsっても、使っているのでパソコン自体も使っている無線LAN(もしくは携帯電話の電波)。そんなのでいちいち乱れてたら、使い物にならないだろと。
    後、土曜日なのに「小学生はまだ学校」という記述があるという。念のため調べてみたら、この本の初出は2006年だった(学校が全ての週、土曜日休みになったのは2002年から)。まあ、具体的にいつの話かは書いてなかったけど。

  • 2016年2月1日読了。
    2016年51冊目。

  • 交通事故でなくなった姉の事故の真相を知るために姉の通っていたレベルの高い大学に行く事を決意した女の子と幼なじみやクラスメートの話。

    (以降、少しネタばれ)
    結局、悪人はおらず(担任は嫌なヤツだけど)、読後感がよいお話でした。

  • 面白かった!姉の死の真相がつかめて良い!

  • 色々な方法でカンニングをしていてその仕方がユニーク。

  • 教師や監督官を相手取っての攻防戦が面白い。カンニングテクニックに対策に、その対策をとっさに切り抜ける機知とチームワークが読んでいてわくわくする。登場人物の姉の死の真相が、最後に交差する構成も面白い。

  • カンニングは駄目。
    絶対に駄目。だけど…
    友情あり、隠された真実あり…
    このカンニングには、何だか心動かされますな。

  • あくまでカンニングは悪いことであると貫きつつ、友人のために奮闘する仲間の姿が好きな作品。コンゲームって面白いんやなぁと発見。

  • 3- 

    アイデア、プロットありきで展開される過分に強引なお話。ストーリー上の役割以外は大した特徴も与えられないキャラクターたちなので、どうもこじんまりとした印象。良く言えばコンパクトにまとまっているとも。予定調和的でどきどき感も薄く大したスリルは得られないが、何故か読後感は悪くない。これが胸キュンか(死語)。
    作中の最先端テクノロジーグッズの数々も、現実では既に他のテクノロジーに取って代わられようとしていると思うと、この手の小説の賞味期限は異常に短いなあと、少し気の毒になってくる。モーニング○。ネタも含めて、元号が変わる頃には「何これ平成っぽくない?」とか言われるのだろうか。まあ仕方がないか。

  • 有名大学に進んだ姉が死に、日記からある人に不審を抱いた妹。同じ大学へ進み、疑惑の人間を問い詰めるがために、学校の試験を、模試を、入試を頭のキレる3人の仲間とともにカンニングで乗り切る、という青春物語。なんだか色々中途半端で読んだ気がしない。

  • カバー裏の作者紹介を見ると「逆転裁判(漫画)」の脚本担当をされてるそうで、妙に納得してしまいました。話の展開にツッコミどころが満載です。「姉の死の真相を探るためにはカンニングしてでも姉と同じ大学に入らなくちゃならない」いやいやいやそんなことないし。その前に手帳の記述からそこまで考えるってかなり妄想!?カンニンググッズもそれだけの技術があればQRコードとかいらないし、、、
    でも、このツッコミどころも含めて面白かったです。カンニングを補佐する3人は個性が際立ってますし、逆転裁判のように追い詰められたと思っても、見事な返しが待っていました♪

  • 話の中にどんどんひきこまれていった。中学生とか好きかもしれない。結局さんざん不正をしておいておとがめなし、というところとか、結局文房具屋に行くためだったとか、所々「えっ!?こういうオチ!?」と思ってしまうことがあった。最後まで誰が問題を流出したのかはハッキリしないし……けど楽しめた。

  • 暗記はあまり役に立たない。大事なのは必要なときに必要な情報を集め、分析し、構成活用することだ。という意見を述べていたと思う。概ね賛成だけど、この本のストーリーはあまり好きな話ではない。

    試験は試験として、限られた時間の中でどれだけの準備をし、どれだけのパフォーマンスを発揮するか、を観る課題であると僕は思う。
    これをくだらないと思うのならば、試験形態そのものを最初から考え直さないといけない。誰かやってほしい。

  • 爽快感のある話。おもしろかった。

  • カンニングをテーマにした青春小説としては標準以上だと思いますが、帯の謳い文句から期待が大きかっただけに、いま一歩物足りないと感じてしまった。
    作者の責任ではありませんが、売らんがための過剰な演出が逆に価値を下げてしまう見本でしょう。

  • 深く考えずにさくっと読めた。受験動機とか色々、こじつけのように感じる部分もあったけど、、ミステリではなく青春ストーリーとして読むならいいと思う。終わり方はさっぱり。敢えて合否が明かされないのがいいと思った。

  • カンニングを、正当化しているけど
    悪い って事実を最後まで突き通してるところはいい。

  • タイトルに魅かれて。予想外におもしろかった。友情・感動あり。

  • こういう設定好きだな

  • いろんな検討して、実行して・・
    現実的にはなんかちょっと無理っぽい作戦もあるけど、
    最後は感動した。

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著者プロフィール

黒田研二(くろだ けんじ)
はじめに(前半)
第1 章 こころの病とリカバリー──回復を阻害するものの克服──
関西大学名誉教授、大阪府立大学名誉教授、西九州大学教授 医学博士
専門は社会医学、社会福祉学、公衆衛生学。精神疾患、難病、認知症をもつ人々や要介護
高齢者の支援に関する研究を継続している。
【著書・業績】
『地域包括支援体制のいま──保健・医療・福祉が進める地域づくり』(編著)ミネルヴァ書房,2020 年
『学生のための医療概論(第4 版)』(共編著)医学書院,2020 年
『高齢者福祉概説(第4 版)』(共編著)明石書店,2014 年 など

「2021年 『ポスト・ソーシャル時代の福祉実践』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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