本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・本 (336ページ) / ISBN・EAN: 9784167753672
みんなの感想まとめ
実際に起きた少年犯罪事件を題材にしたルポタージュで、被害者家族の苦悩とその後の生活に焦点を当てています。1969年の高校生同級生殺人事件を通じて、心に深い傷を負った遺族の姿が描かれ、特に父親の最期の描...
感想・レビュー・書評
-
少年犯罪のフィクションかと思って読んでいたら、1969年に実際に起きた事件のルポで驚いた。
28年前の酒鬼薔薇となる、高校生の同級生殺人事件。胸や背中、顔など全身を47ヶ所をめった刺しされた上に、首を切り落とした凄惨な事件が起きた。
酒鬼薔薇事件をきっかけに、取材を進め被害者家族のその後を書き綴ったもの。
当時15歳であった息子を殺された両親も、妹もあの日から心を殺されたままになっていた。
精神的に不安定になった母親の世話、自分が兄の代わりに死ねば良かったとリストカットを繰り返した妹、誰よりも家族を支え涙を見せずに頑張り続けた父に癌が見つかる。
父の最期の描写は涙がこらえきれなかった。
フィクションではないからこその、被害者家族のやり場の無い怒りや悲しみがページをめくる手を止める。
敢えて★マークを付けて感想を書くべきでは無いと思った。
-
奏悟さん、こんばんは。
「酒鬼薔薇事件」は様々な小説でもちらほら名前を見かけます。気になって調べた事もありますが当時の私は現実に目を向ける事...奏悟さん、こんばんは。
「酒鬼薔薇事件」は様々な小説でもちらほら名前を見かけます。気になって調べた事もありますが当時の私は現実に目を向ける事が出来ず概要をざっくりとしか知りません。
そしてこの作品も一時は積読本として本棚にいたはずなのに、やはりその事実に触れるのを恐れ手放してしまいました。
今回、奏悟さんのレビューを見て大人になったあちしは意を決して手に取りたいと思います。素敵な感想で背中を押してくれてありがとうございます!!2022/04/21 -
NORAさん
今回この本を読むまで自分の生まれる前にも、このような凄惨な事件が既に起きていたことに衝撃を受けました。
少年Aは、被害者だけ...NORAさん
今回この本を読むまで自分の生まれる前にも、このような凄惨な事件が既に起きていたことに衝撃を受けました。
少年Aは、被害者だけでは無く被害者家族の人生までもを奪っています。
なかなか精神的に来る内容なので、心が元気な時に読むのをおすすめします~(;_;)
私の拙いレビューが、NORAさんの背中を押せたのなら幸いです!2022/04/22
-
-
1969年高校生首切り殺人事件という、実在する少年犯罪の被害者遺族にスポットを当てたルポタージュ。
この本の出版後、犯罪被害者支援制度を変える契機になったとの事。
欠陥だらけの法律である少年法を振りかざし、加害者の更正に力を注ぐよりも、命も未来も日常も奪われてしまった被害者遺族の人権を損なう事なく、心のケアに重きを置いてほしいと願う。
本当に守られるべきものは何かを、今一度深く考えていきたい。 -
2026年7月7日読了。「酒鬼薔薇事件」の28年前に起きていた、ナイフによる残虐な少年犯罪事件。その被害者遺族に取材したルポルタージュ。被害者は実名で加害者は「少年A」表記であったり、加害者の犯行動機は結局わからなかったりと読み終わって釈然としない部分が多いが、著者自身も煩悶・苦心しながら本書を書いたらしい。「事件を知りたい・理解したい」という思いは止められないということか。被害者遺族や友人たちにとっては事件は「時間が解決する」ということはなく、決して消えない傷が心に残ったまま・止まった時間が現在・未来に至るまで動き出すことはない、ということに胸苦しくなる…。
-
1969年に起きた高校生首切り殺人事件を長年の追跡調査によって明らかにしたルポ。一部、著者への批判があるものの、犯罪被害者等の心情を赤裸々にする。いじめ、更生、レジリエンス...。言い切れない事の重大さ。少年Aはその後、弁護士として活躍するもこの著書によって消息不明に...。自身が当事者となった時に迫られる決断。そう簡単に答えなど出せないが、考え、行動し続けるしかない...。
-
大切な家族を、ある日突然誰かに殺されてしまったら。
こういう想像を、軽くでなく真剣に我が事として考えてみるひとはいないだろうと思う。
ひとは、殺人事件になど巻き込まれないと根拠もなく思い込んでいる。わたしを含めて。
本書は、高校生になった少年が同級生に無残に殺された事件の被害者を丁寧に取材して書かれた一冊だ。
こういった事件が起きると、わたしたちの関心は加害者の心情や背景にばかり行きがちだ。
そういったものを知ることにより、自分や自分の関係者が加害者にならない術を見つけたい。わたしはそう思うことと、単純な好奇心から事件を扱うルポルタージュをよく読む。
でも結局いつも、加害者の心情を知っても理解が出来たことなどまず無い。
例えば誰かに絡まれて、振りほどいた手が強すぎたためか相手が転倒して頭を打って死んだ。
こういった偶発的な殺人事件なら、どっちが被害者だかわからないということなどから加害者の気持ちも理解しやすい。
しかし、はなから殺すつもり、それも恨みとかいったものでなく単に殺したいからという理由で殺人を犯せる人間の気持ちなど理解出来るわけがない。理解出来たときは、きっと自分も同じことをしているだろうから。
本書で扱うのは加害者側でなく、被害者遺族だ。
ここに本書を読んでおいたほうがいいと言える価値がある。
殺された少年はとてもいい子で、といった被害者賛美で終わるのでなく、遺された家族の終わることのない苦しみが描かれていることが大切だ。
事件を報道によって知った人間が、事件のことを忘れてしまっても被害者の苦しみは形を変えながらつづく。
本書で扱うように、加害者が少年なら尚更悲惨なことだろう。
僅か数年で加害者は何も無かった顔で社会に戻ってしまう。更生したということにされて。
更生は、目に見えるものではないし、数値で表されるものでもない、試験もないのに何を基準に判断するのだろう。
被害者遺族に、更生を認めますと決める権利もない。
制度ありきの日本のやり方は、被害者遺族に皺がより過ぎている。
本書は、司法にも一石を投じた一冊だ。
ルポルタージュなら中立であることが前提だとは思うが、亡くなったひとは言い訳も出来ないのだから、どちらかに比重を置くなら被害者側だろうと思う。
加害者の更生や社会復帰といった過剰な人権保護ばかりで、被害者遺族は置き去りという我が国の状況を僅かながらでも改善させるきっかけを作った。
ひとを殺した人間には手厚く保護をするのに、殺された側の人間は勝手に乗り越えろということには憤りしかない。
わたしは最近になって本書の存在を知ったのだが、ひとりでも多くのひとに読んでもらい、被害者遺族の気持ちを忖度することから始めてもらえたらと思う。 -
家族が殺人によって命を失い、残された被害者家族の心情やその後の生活をつらつらと綴った作品。
正直、読んでいても救いはほぼないですし、いつまでも事件に囚われ続けている被害者家族とは裏腹に、
加害者の少年は社会復帰し、弁護士として家庭も持っているという状況にやるせ無さを感じます。
被害者家族へのサポートが薄すぎるのに
なぜ少年加害者には手厚い社会なのか?
罪を償う、事件と向き合うとはどういうことなのか?
を淡々と事実を述べる本書を読む中で、考えを巡らせながら読み終わりました。
少年法のあり方を考えるきっかけになる本です。
-
被害者遺族の話。加害者が国から保護を受け前科もつかず普通に生きていて、被害者家族がずっと苦しめられる。心が痛くなって、ところどころ休憩をしながらでないと読めなかった。
-
まだまだ被害者保護意識の薄い時に、家族というものが崩壊寸前で持ちこたえたのは奇跡的ではないか。犯人 A についてはその実像が見えずフェアとは言えないものの、被害者家族の現実だけでもショッキング。「心のナイフ」を持ち続けているのが、被害者というのは気の毒でならない。
-
-
ビブリオバトルで紹介があって読みました。
つらい。つらいなぁ。
神戸酒鬼薔薇事件の27年前に起きたサレジオ高校での少年による殺人事件を題材として、被害者遺族の思いを聞き取り綴っていったルポです。この本に書かれている事件も酒鬼薔薇事件も、どちらも殺人事件であること、犯人は少年法によって裁かれたこと、そしてその後「更生した」と認められた上で社会生活を送っているという点では共通しています。
しかし、このルポを読むと「更生とは何か?」「罪を償うとはどういうことなのか?」について、大変考え込まされます。そして、かつての日本がいかに被害者遺族を置き去りにしてきた国だったかということを強く感じずにはいられなくなりました。
「この本は司法を変えた本」だとあとがきにあります。出版されてから10年以上経った2016年の今、果たして被害者遺族をサポートする制度は整っているといえるのだろうか。司法は本当に被害者遺族の心の傷と向き合ってきたのだろうか。日本人一人ひとりが、「本当の意味で罪を償う」ということをどれだけ真剣に考えてきたのだろうか。しっかり確かめなければならない、現在進行形の問題として注視していきたいと思います。 -
ノンフィクション名乗ってる割には、筆者の気持ちが前面に出ていてうっとうしいです。加害者が異常な神経の持ち主で、全く反省していないと決め付けているのは問題。精神鑑定書を都合のいいように引用しているのも問題。加害者について少しでも言及するのであれば、被害者家族にしたように、丁寧に取材し考察を加えるべきだったと思う。無理だったとは思うけど。筆者の、被害者家族への接触の仕方も結構ひどい。インタビューの内容に筆者の取材内容を加えて構成し、独白形式にしたものがノンフィクションと呼べるのか、疑問。あと読みにくい。
-
死人には人権がないと考えさせられる。被害者家族が被る痛みに寄り添うルポ。更生とは何か、少年法(16歳未満の少年が少年院で矯正教育と治療を受ける期間は最長でも三年未満)とは何かを考えさせられる。2004年度で日本政府が犯罪加害者の更生にかける支出は年間466億円。これでも他の先進諸国にくらべたら少ないといわれるが、被害者のための予算が、年間わずか11億円という。やられ損かい?という感じがする。こういった価格を具体的数字に直すと命をバカにするなと言いたくなった。
-
足を踏んだ方は忘れることはある
しかし
足を踏まれた方は決して忘れられない
ましてや
ひとつしかない「命」である場合
その 苦しみ 痛み は
想像を絶するものがあるだろう
一度きりしかない「生命」
を 理不尽な「死」
それも「殺人」という形で
奪われてしまった遺族に
ここまで 寄り添って
書き上げてくださった
奥野さんに頭が下がる
本当に尊い仕事をされたのだ
と 思う
読み進めているだけで
重くて切なくて
途中で投げ出したくなるけれど
今 私たちが生きている
この世の中に 実際に起きていること
読んだ私ができることは
次の読者に手渡すこと
決して忘れてはならないこと
が ここにある -
いろんな人間関係(犯人と家族、両親と娘、記者と家族)が一つ一つすごく生々しく書かれている。
犯人を恨みはじめたらおわりというような感覚は、分かるようできっと遺族の方にしか分からないんだろうな -
【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/745356 -
犯罪によって不条理に子供の命を奪われてしまったその遺族はどのような思いで暮らしているのか。遺族の取材をもとに記された本。加害者や世間にとっては一瞬でも被害者の家族はめちゃくちゃになり一生消えない傷を残す。読んでて暗くなる二度と読みたくない。
-
「被害者(遺族)は証拠に過ぎない。」本当にそうだ。それなのに驚いた。加害者を更生させるためのお金は国が出すのに、被害者には何もない。この国の法律がガバガバ過ぎて怖い。未成年の犯罪も前科扱いにしてほしい。前歴なんて機能してない。
-
被害者遺族の話。
被害者側の話がほとんどで加害者の話は触れる程度しかなく珍しく感じた。残された家族や知人、友人、それぞれの葛藤や苦悩が、宗教や自傷に縋る場面が生々しい。ニュースで事件や事故をみると遺族が報われたらいい、加害者には少しでも重い刑を…と感じることは多々あったがこの本を読んでそんな考えはおこがましい。事件を表面でしか知らない者の自己満足な発想なのかなと思った。きっと自分には計り知れない思いがあるんだろうと思う。 -
少年法について考えさせられる本。加害者が被害者よりもいい生活を送れるかもしれないっていうのはやっぱりなんか心情的にどうかと思ってしまう、不幸になれって言う訳じゃないけど。それはやっぱり被害者に赦しを得てから、だと思う。
この本が好きな人におすすめの本
著者プロフィール
奥野修司の作品
本棚登録 :
感想 :

被害者の両親の悲しみを思う時、こちらもやはり悲しくなって、腹が立って、無力感を感じ...
被害者の両親の悲しみを思う時、こちらもやはり悲しくなって、腹が立って、無力感を感じ、また悲しくなる。
レビューの中に出ていた『嫌われる勇気』という本も読みたくなりました。
そうですね、やっぱり因果応報を求めてしまうので読んでいてしんどかったです
『嫌われる勇気』を...
そうですね、やっぱり因果応報を求めてしまうので読んでいてしんどかったです
『嫌われる勇気』を読んでなかったら悲しみの沼に引きずり込まれてたと思います...