僕のハーバードMBA留学記 金融資本主義を超えて (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (346ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167753801

作品紹介・あらすじ

20代で米国ハーバード経営大学院を成績上位5%で卒業した著者が、留学中の世界のビジネスエリート達との交友を通じ、金融資本主義の支配者層がなにを考え、どう行動するのかをリアルに分析する。ファンドマネーが世界を席巻している時期に、金融資本主義の将来に疑問を提起していた著者の洞察力は見事の一語に尽きる。

感想・レビュー・書評

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  • 岩瀬さんのするどい視点

    自伝

    ①君は信念を持っているか?
    2か月で解任された初仕事/あなたの「意見」に猛反対。/ぶれない軸を作れ
    【経営者宣言:すべてのステークホルダーを幸せに。人材が全て。】
    ②海軍にはいるより、海賊たれ
    気づいたら起業家に囲まれていた、いつか自分も。

    ③お前はジャパニーズだ。
    ハーバードから見た日本

    ④大聖堂を建てる仕事
    ハゲ鷹から社会起業家へ。/ 営利主義が医療を変革する。/ ヘッジファンド化したHBS

    ⑤ファンドバブル崩壊前夜
    ヘッジファンドの素顔。/ ウォール街でのインターン。/ 行き過ぎた株主至上主義。/ 日本らしい資本主義とは?

    ⑥計画された偶然性
    何の為に働くのか?/ 天職なんて存在しない。/ セックスを老後の楽しみに取っておくな。/ 転職の勧め。 / 気球は乗って見えるもの

  • ハーバードビジネススクールを上位5%の成績で卒業し、ライフネット生命を立ち上げた著者は、自身が留学中に更新していたブログを通じて、授業や金融機関について鋭く考察。本書はブログ記事をテーマごとにまとめた内容。

    留学前に読もうと思っていたが、今更ながら読破。自省する機会が多い留学中とはいえ、よくここまで幅広いジャンルについて深く思考し、濃い記事に仕上げたなと敬服した。特に共感した点としては、留学して学べることが多いかは自分次第だという点。主体的に活動すればいくらでも学べる場所だが、だからこそ人によっては宝の持ち腐れになる可能性がある。自分は果たして機会を最大限活かせたのだろうか…命題を突きつけられた気がした。

  • ライフネット副社長である著者が、ハーバードMBAに2年間留学していた時に綴ったブログをもとに出版された本。文庫化のために修正・加筆されている。HBSの学生は極めて優秀と言われているが、その中でも成績上位5%のベイカー・スカラー受賞者という著者は、授業中も存在感がきわだっていたのであろう。日本人は留学しても、なかなか成果を上げられない人が多い中、ベイカー・スカラーを受賞できるのは、東大法学部出身、司法試験合格といった優秀な頭脳の持ち主というのはもとより、幼い頃からの長期英国滞在を通じて得られた語学力と、欧米文化の中で育まれた人格が大きく影響しているのだろう。
    世界で活躍するリーダーを数多く輩出しているHBSの教育の概要が理解でき、あらためて米国の教育レベルの高さを実感した。

  • なかなか含蓄の深い名著。
    ハーバード留学時に得た経験・考え方や、アメリカ金融資本主義に対する著者の考えなどを垣間見ることができる。

    <メモ>
    ・誰しも、守るべきプリンシプル、信念を持っているべき。リーダーシップの本質は行きつくところはインテグリティ、すなわち人格の誠実さ・高潔さだと思う。白黒と判断せずにグレーと曖昧な判断をすると、グレーの問題は必ず悪い方向に流れる。人としてのインテグリティを保つこと。
    ・協力と競争を融合させること。 コツは①場面を区切って行う。②特定の目的のみに向かって行う③一定のルールの中で行う。
    ・早めに勝ち体験を作り上げること。負けのサイクルからいち早く脱すること。練習のための時間を意識的に撮ること。ハーフタイム休憩をとること。チームのメンバーはできるだけ入れ替えるな。
    ・アントレプレナーシップは”リスクテイカー”ではなく、”成功するアントレプレナーは全体のリスク管理に注意を払っており、できるだけリスクを外部企業と共有しようとする。”
    ・茶道は日常生活のむさくるしい諸事実の中にある美を崇拝することを根底とする儀式である。それは純粋と調和を、人が互いに思い遣りを抱くことの不思議さを、社会秩序のロマンティシズムを、心に刻みつける。それは本質的に不完全なものの崇拝であり、われわれが知っている人生というこの不可能なものの中に、何か可能なものを成し遂げようとする繊細な企てである。
    ・マイクロファイナンスは貧困をなくしていくために有効な数少ない手段のひとつ。つまるところ、それはすべての人に選択の自由を与えること。
    ・地位は人をつくる。無理なくらいの仕事を与え、精いっぱい背伸びさせることで失敗もするし、思いっきり成長することができる。

  • 世界トップのビジネススクールの授業の様子や大学の雰囲気、学びに来ている学生のバックグラウンドなど、教育機関に勤める者として、非常に大きな学びになった。自分にとって、2000万円もかけてMBAを取りに行くのは全く現実的ではないけど、一度ボストンの街に行ってハーバードやMITのキャンパスを歩いてみたいなと思った。

  • MBAというものが何か分かったし、人は壮大な志が必要であることも分かった。

  • 久しぶりにブログ&読書再開。

    MBAを前にし、取りあえず読まなければならないだろうと手にした本。

    MBA時代のブログを元に編集されている本であるため、タイトルとは異なり、実質的にはHBSでの学びとさほど関係がなく、岩瀬氏自身の内省録になっている点は予定外だった。(それはそれで悪くはなかったが)

    まず感じたことは、岩瀬氏との圧倒的な"差"について。同年代で留学している(する)にも関わらず、積み上げてきたキャリアと人脈、思考の深さと経験があまりに違うことに絶望的な気持ちになった。エリート街道まっしぐらな人物が歩んできた人生と自分の現状を鑑みた際に、やや悲しくはなったが、同時に、同じ(ような)舞台に立てるまでに成長した自分を誇らしく思った。

    過去は変えることが出来ないが故に、今後必死で追いついていきたいと考えさせられた。

    中身については個人の内省録のため、特に響く内容はなかったが、改めて確信をもつことができたのは、Planned Happenstance Theoryについて(最終章)。

    明確なキャリア像を求めるよりも、その時その時を全力で楽しみ、もがきながら次のopportunityを待つスタイルが自分のキャリア構築には最適かつ最善と改めて認識できた。そのために、5要綱であるCuriosity/Persistence/Flexibility/Optimism/Risk Takingは忘れないでおこう。書いてみた気が付いたが、ほとんど自分が性格的な強みとして掲げている内容であり、今後はRisk Takingが自分にとっての課題だと認識。

    その他、e-bay CEOのアドバイスの1つである(p.310)、Note down your learnings per monthは実践していこうと思う。

  • 岩瀬さんの公演を聴く機会があり考えさせれることが多かったので手にとった。
    もとがブログということもあり、思いが垂れ流しな感じだし内容は難解だが思いは熱くさすがに経営者にななるべく人だと思った。

  • 感想:ライフネット生命副社長岩瀬さんがハーバードビジネススクールに留学されたときのブログをまとめたもの。
    ブログであるため、あまり一冊の本としてのまとまりがない。
    そして、留学記というタイトルの割には金融論なども盛り込まれてて、完全に留学そのものについて書かれているわけでもないので、純粋な留学記とは言えないかもしれない。(また内容が難しい)

    ただ、留学の真価である"内省"をMBA留学最大の収穫であると言っているのは、非常に共感できる。
    留学というと語学だったり、学問的な知識の手段ということがどうしてもまとわりつくけど、実はそれだけではない。
    そしてそれらは最大の学びではない。

    ただこれを読んで「自分も留学に行きたい」と思う人は少ないと思う。なんだか自分とは違う世界にいて凄すぎると感じる人が多いのではないのだろうか。

  • 先日読んだ「入社一年目の教科書」の著者、岩瀬大輔さんの著書。上書の中で少し紹介されていたので興味が湧いて読んでみた。

    本書の内容は、彼がハーバードビジネススクール(ハーバード経営大学院:HBS)に在学していた二年間の内容を中心に授業の内容、アメリカはボストンで出会った人達との回想、彼の人生にHBSが与えた事などが書かれている。

    これらの内容は彼が留学中に書いていたブログを元として加筆修正されたもので、HBSについての指南書というよりも、彼がボストンの地で考えた事、出会ったことを、現在過去未来の経験を交えてライブ感たっぷりに綴ったものとなっており、HBSや留学に興味がある方は勿論、ある人間の旅行記、ルポタージュとしても非常に面白いものだった。(自分は読みながらデカルトの「方法序説」を思い出していた。)

    面白いと思ったポイントは二点。
    一つはHBSでの講義の内容が詳細に記されていること。HBSの求めているものの一つは新たな起業家の誕生であり、そのための講義(例えば「リーダーシップと組織行動論」、「Entrepreneurial Manager」など)の中にはフェデラル・エクスプレスや、スターバックスなど今では日本でも名を聞く企業の誕生秘話などが語られ、学生たちが盛んに議論する様子が書かれている。

    もう一つはアメリカに住むという体験について。アメリカでは起業家や成功者がその成果を世の中に還元することが常識だという話は日本でも常識だが(多くの著名人が様々な寄付金を出していることなど)、それがどういう土壌で生み出された文化なのかと言うことや、そもそも何故アメリカの学生が講義でたくさん発言することができるのかと言うことについて、知ることもできる。

    先の書はとても読みやすい文体だったが、本書はそのイメージとはだいぶかけ離れた印象をもった。ブログ発と言うこともあり、より頭で考えたことに近い書き方なのかと思う。こういう、人が現在に至るまでに辿った過程を追うというのはとてもエキサイティングな事だと初めて知り、この手の本にもこれから手を付けて行きたいと思わされた。人の人生の2年間をほんの数時間で知ることができる本という媒体は本当に効率の良いものであると改めて感じた。

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著者プロフィール

ライフネット生命社長兼COO

「2014年 『楽しい仕事はない。だから楽しくやる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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