僕のハーバードMBA留学記 金融資本主義を超えて (文春文庫 経 9-1)
- 文藝春秋 (2009年5月8日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (346ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167753801
感想・レビュー・書評
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たくさんいいことが書いてある。相当に優秀な人だからこういうことが出来るんだろうなとーと思った。
特に印象を受けたのは信念をもって行動するべきだということと日本人は日本人だということ。
時々再読したいなと思った一冊。 -
ライフネット生命の設立者の一人である、若き社会企業家によるハーバードMBA留学記(留学は起業する前に行っている)。元々はブログの記事だったのだろうか。一学生の視点で書かれているので、まるで自分が留学しているかのような気分にさせてくれるのが良い。留学(MBA取得)には功罪、賛否両論あると思うが、やはり留学そのものは単純に非日常的な、一つの特殊な状況なのであって、それ以上でもそれ以下でもないのであり、大事なのはその経験を今後の人生にどう結び付けられるかなのだと思う。だからある人にとっては留学は非常に意義深いものになれば、またある人にとっては、「結局何のために行ったのか?」と自問したくなるような結果にしかならないこともあるはずだ(まあ留学自体個人的なことなので、その人が満足すればそれでいいとも思うけど)。
著者もそのあたりにはかなり自覚的なので、そのあたりがとても好感を持てました(特にMBA留学の負の部分を改めて見つめなおした「文庫版のためのあとがき」が加わったことで、より深みが増したと思う)。
それにしても、日本(の特に日系の大企業)において、MBA取得者が即座に活躍できる場というのはなかなかないのではないかと思う。やはり日本の企業は「現場」が強く、これまでの実績などがものを言う場合が多い。そういう職場において、いきなり実務経験のないMBA取得者が上に立ってあれこれ指図しても、仕事はなかなか回らないのではないか。それが良いかどうかはともかく、現実としてそういう状況があるのであれば、MBA取得者が活躍するには、日本のそのような文化にどれだけ自覚的になれて、いかにうまく融合していくかというところにかかっていると思う。完全に郷に入っては郷に従う・・としてしまうとあまりMBAの知見も活きないと思うので、その辺りは日本の企業も「融合」ということに自覚的になって、その人を(MBAの知見を)活かしていく姿勢を見せなければならない。そうなるとやはりMBA取得者には相応の処遇を施すということになるので、そういう人の採用には慎重にならざるを得ない。高度成長期から始まり、やらなければいけないことが比較的明確だった、また事業が安定していた日本の多くの企業が新卒(的なポジションの人材)採用を中心とした採用をこれまで行ってきた理由も分かる気がするなあ。でも会社が変わらなければいけないときは、それだけで良いとも思えないし。。とても難しい。 -
MBAを学びたい、留学をしてみたい、そう思わさせられる一冊でした。すごく刺激を受ける本なのですが、少し知識が共わないと難しい印象もあります。また勉強してから読み直したいです。就活が始まる前には必ず読み直します。
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良い本だった。今を時めくライフネット生命岩瀬副社長のMBA留学記。ブログが書籍化したということで、内容にまとまりはなくあちこちに行く感じはするが、体験ルポとして読む分には十分楽しめると思う。事細かにMBAのことが書かれているわけではありませんが、インターンや人との出会い、さらには文化の違いなど、いろいろな側面から留学するとはどんなことかを感じることができるかと。
あとがきにある、
「留学するまでの自分は、いつも通過点にいるような気がして、早く次の地点へたどり着きたいと思っていた。しかし、留学をきっかけとして、人生は旅そのものであることに気がついた。A地点からB地点へと、少しでも早くたどり着こうとすることが目的ではない。大陸を鉄道で旅するように、車窓から見えてくる美しい景色、聞こえてくる音、入ってくる匂いを味わい、ともに旅をしている同乗者との対話を楽しむ。その一分一秒が、旅そのものなのである。」
との締めくくりこそがまさに氏が本書を通じて主張したいことだと思う。
自分もそういう生き方を目指そう。 -
大手傘下ではない独立系のネット生命保険の創業に参画した著者が、ハーバード・ビジネススクール(HBS)へ留学していた際に書いていたブログをまとめた本。ブログは当時、MBA学生や受験生、金融などの業界で働く関係者の間で話題になっていたそう。
東大在学中に司法試験に合格しながらも、コンサルティング会社や投資ファンドでの仕事に従事、その後に留学したHBSでの日々の中で出会った出来事や資本主義社会の出来事について様々な驚きや感動と共に考察した内容を記す。時には自身の幼少期にも遡り、それを踏まえた自身の物事の捉え方について冷静かつ沈着な内省が記される。著者の目を通しながら、「資本主義の士官学校」と呼ばれるHBSで過ごす中で、欧米のエリートと呼ばれる人たちの実態が緻密に描かれている。
著者のHBSでの生活の中で、徐々にアントレプレナーシップに目覚め、冒頭に書いた生命保険会社の創業参画につながる様子が窺い知れる。 -
【一言感想】
いわゆる自伝的な本であるが、HBSだけではなく、BCGやリップルウッドで勤務していた時の体験記もあり、非常に面白い。
いわゆるすごい人たちの話のところは特に面白かった。
またHBSでの授業で倫理観を問われる場面での友人の言葉、
『誰しも守るべきプリンシプル、信念をもっているべきだ。
~今自分の奏で明確な軸をもっていないと、これから20年後にでもなんらかの倫理的な問題に直面した時に、必ず誤った方向に流れてしまう。』
と言われるシーンが非常に印象的でした。 -
非常に読みやすい文章で楽しい。MBA留学者の生活が垣間見える内容は非常に貴重であると同時に、世界にはやはりすごいレベルの人間たちが存在していることに焦りを感じずにはいられない。
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MBAに限らず世界がどういった方向に向かっているのか、知ることによってモチベーション想起つながる良書。
・企業の存在は、収益を上げることは重要な結果であるが、一人ひとりで実現できないことを集団として実現して貢献することである。
・キャリアは偶然の積み重ねで予期せぬことでできている。予期せぬできごとを以下にチャンスにつなげるかが大切。ゴールは生涯学習、毎日エンジョイするで、キャリアの意思決定をすることではない。
①好奇心をとどめずとことん突き詰める。
②継続、あきらめない。
③楽観すること。
④リスクテイクすること。積極的にミスする。
⑤柔軟であり、キャリアを決め付けず、偶発的事象の結果と理解すること。
・AからBに速くいくことが人生でなく、その過程そのものが人生。旅のように一瞬一瞬を楽しんで。