僕のハーバードMBA留学記 金融資本主義を超えて (文春文庫 経 9-1)
- 文藝春秋 (2009年5月8日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (346ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167753801
作品紹介・あらすじ
20代で米国ハーバード経営大学院を成績上位5%で卒業した著者が、留学中の世界のビジネスエリート達との交友を通じ、金融資本主義の支配者層がなにを考え、どう行動するのかをリアルに分析する。ファンドマネーが世界を席巻している時期に、金融資本主義の将来に疑問を提起していた著者の洞察力は見事の一語に尽きる。
感想・レビュー・書評
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岩瀬さんのするどい視点
自伝
①君は信念を持っているか?
2か月で解任された初仕事/あなたの「意見」に猛反対。/ぶれない軸を作れ
【経営者宣言:すべてのステークホルダーを幸せに。人材が全て。】
②海軍にはいるより、海賊たれ
気づいたら起業家に囲まれていた、いつか自分も。
③お前はジャパニーズだ。
ハーバードから見た日本
④大聖堂を建てる仕事
ハゲ鷹から社会起業家へ。/ 営利主義が医療を変革する。/ ヘッジファンド化したHBS
⑤ファンドバブル崩壊前夜
ヘッジファンドの素顔。/ ウォール街でのインターン。/ 行き過ぎた株主至上主義。/ 日本らしい資本主義とは?
⑥計画された偶然性
何の為に働くのか?/ 天職なんて存在しない。/ セックスを老後の楽しみに取っておくな。/ 転職の勧め。 / 気球は乗って見えるもの詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
旅行記としてもおもしろい!
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ハーバードビジネススクールを上位5%の成績で卒業し、ライフネット生命を立ち上げた著者は、自身が留学中に更新していたブログを通じて、授業や金融機関について鋭く考察。本書はブログ記事をテーマごとにまとめた内容。
留学前に読もうと思っていたが、今更ながら読破。自省する機会が多い留学中とはいえ、よくここまで幅広いジャンルについて深く思考し、濃い記事に仕上げたなと敬服した。特に共感した点としては、留学して学べることが多いかは自分次第だという点。主体的に活動すればいくらでも学べる場所だが、だからこそ人によっては宝の持ち腐れになる可能性がある。自分は果たして機会を最大限活かせたのだろうか…命題を突きつけられた気がした。 -
ライフネット副社長である著者が、ハーバードMBAに2年間留学していた時に綴ったブログをもとに出版された本。文庫化のために修正・加筆されている。HBSの学生は極めて優秀と言われているが、その中でも成績上位5%のベイカー・スカラー受賞者という著者は、授業中も存在感がきわだっていたのであろう。日本人は留学しても、なかなか成果を上げられない人が多い中、ベイカー・スカラーを受賞できるのは、東大法学部出身、司法試験合格といった優秀な頭脳の持ち主というのはもとより、幼い頃からの長期英国滞在を通じて得られた語学力と、欧米文化の中で育まれた人格が大きく影響しているのだろう。
世界で活躍するリーダーを数多く輩出しているHBSの教育の概要が理解でき、あらためて米国の教育レベルの高さを実感した。 -
東大卒→BCG→リップルウッド→ハーバードビジネススクールと目映い程のキャリアで有るが、彼の魅力はその卓越した知見や研ぎすまされた視座以上に、本人の志の高さに有る。別著で、ライフネット生命の立ち上げにあたり132億の資金調達をしたストーリーがあったが、おそらく出資者達も綿密なビジネスプラン以上に、彼の志に投資したのではないかと推察する。それが感じられる本だった。
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世界トップのビジネススクールの授業の様子や大学の雰囲気、学びに来ている学生のバックグラウンドなど、教育機関に勤める者として、非常に大きな学びになった。自分にとって、2000万円もかけてMBAを取りに行くのは全く現実的ではないけど、一度ボストンの街に行ってハーバードやMITのキャンパスを歩いてみたいなと思った。
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MBAというものが何か分かったし、人は壮大な志が必要であることも分かった。
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久しぶりにブログ&読書再開。
MBAを前にし、取りあえず読まなければならないだろうと手にした本。
MBA時代のブログを元に編集されている本であるため、タイトルとは異なり、実質的にはHBSでの学びとさほど関係がなく、岩瀬氏自身の内省録になっている点は予定外だった。(それはそれで悪くはなかったが)
まず感じたことは、岩瀬氏との圧倒的な"差"について。同年代で留学している(する)にも関わらず、積み上げてきたキャリアと人脈、思考の深さと経験があまりに違うことに絶望的な気持ちになった。エリート街道まっしぐらな人物が歩んできた人生と自分の現状を鑑みた際に、やや悲しくはなったが、同時に、同じ(ような)舞台に立てるまでに成長した自分を誇らしく思った。
過去は変えることが出来ないが故に、今後必死で追いついていきたいと考えさせられた。
中身については個人の内省録のため、特に響く内容はなかったが、改めて確信をもつことができたのは、Planned Happenstance Theoryについて(最終章)。
明確なキャリア像を求めるよりも、その時その時を全力で楽しみ、もがきながら次のopportunityを待つスタイルが自分のキャリア構築には最適かつ最善と改めて認識できた。そのために、5要綱であるCuriosity/Persistence/Flexibility/Optimism/Risk Takingは忘れないでおこう。書いてみた気が付いたが、ほとんど自分が性格的な強みとして掲げている内容であり、今後はRisk Takingが自分にとっての課題だと認識。
その他、e-bay CEOのアドバイスの1つである(p.310)、Note down your learnings per monthは実践していこうと思う。 -
岩瀬さんの公演を聴く機会があり考えさせれることが多かったので手にとった。
もとがブログということもあり、思いが垂れ流しな感じだし内容は難解だが思いは熱くさすがに経営者にななるべく人だと思った。 -
感想:ライフネット生命副社長岩瀬さんがハーバードビジネススクールに留学されたときのブログをまとめたもの。
ブログであるため、あまり一冊の本としてのまとまりがない。
そして、留学記というタイトルの割には金融論なども盛り込まれてて、完全に留学そのものについて書かれているわけでもないので、純粋な留学記とは言えないかもしれない。(また内容が難しい)
ただ、留学の真価である"内省"をMBA留学最大の収穫であると言っているのは、非常に共感できる。
留学というと語学だったり、学問的な知識の手段ということがどうしてもまとわりつくけど、実はそれだけではない。
そしてそれらは最大の学びではない。
ただこれを読んで「自分も留学に行きたい」と思う人は少ないと思う。なんだか自分とは違う世界にいて凄すぎると感じる人が多いのではないのだろうか。 -
先日読んだ「入社一年目の教科書」の著者、岩瀬大輔さんの著書。上書の中で少し紹介されていたので興味が湧いて読んでみた。
本書の内容は、彼がハーバードビジネススクール(ハーバード経営大学院:HBS)に在学していた二年間の内容を中心に授業の内容、アメリカはボストンで出会った人達との回想、彼の人生にHBSが与えた事などが書かれている。
これらの内容は彼が留学中に書いていたブログを元として加筆修正されたもので、HBSについての指南書というよりも、彼がボストンの地で考えた事、出会ったことを、現在過去未来の経験を交えてライブ感たっぷりに綴ったものとなっており、HBSや留学に興味がある方は勿論、ある人間の旅行記、ルポタージュとしても非常に面白いものだった。(自分は読みながらデカルトの「方法序説」を思い出していた。)
面白いと思ったポイントは二点。
一つはHBSでの講義の内容が詳細に記されていること。HBSの求めているものの一つは新たな起業家の誕生であり、そのための講義(例えば「リーダーシップと組織行動論」、「Entrepreneurial Manager」など)の中にはフェデラル・エクスプレスや、スターバックスなど今では日本でも名を聞く企業の誕生秘話などが語られ、学生たちが盛んに議論する様子が書かれている。
もう一つはアメリカに住むという体験について。アメリカでは起業家や成功者がその成果を世の中に還元することが常識だという話は日本でも常識だが(多くの著名人が様々な寄付金を出していることなど)、それがどういう土壌で生み出された文化なのかと言うことや、そもそも何故アメリカの学生が講義でたくさん発言することができるのかと言うことについて、知ることもできる。
先の書はとても読みやすい文体だったが、本書はそのイメージとはだいぶかけ離れた印象をもった。ブログ発と言うこともあり、より頭で考えたことに近い書き方なのかと思う。こういう、人が現在に至るまでに辿った過程を追うというのはとてもエキサイティングな事だと初めて知り、この手の本にもこれから手を付けて行きたいと思わされた。人の人生の2年間をほんの数時間で知ることができる本という媒体は本当に効率の良いものであると改めて感じた。 -
これまでで自分に一番影響を与えた本。
ビジネスの世界に関心を持つきっかけとなった。
こんな人生を歩んでみたいと憧れを抱いた。 -
若くして世界のエリート層との接点を得た岩瀬さんの生き方が非常に参考になりました。自分自身も若いうちに様々なバックグラウンドを持つ人と切磋琢磨したいと思うきっかっけになりました。ありがとうございます。
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20代から30代のビジネスパーソンにオススメの本です。著者が書いているようにHBSのMBAプログラムで何を学んできたのか?と言うよりもHBSで過ごした二年間でどんな体験をしたかについて書かれています。
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経営者の使命は「株主価値を最大化すること」という大前提を理解した上で、それはある意味で思考停止なのではないかと気づいた。株主を軽視するという意味ではなく、株主への”適切な”リターンを行い、その上で中長期的な視野に立って、従業員、顧客等あらゆるステークホルダーにも必要に応じて還元する、という柔軟性が必要だと思った。
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たくさんいいことが書いてある。相当に優秀な人だからこういうことが出来るんだろうなとーと思った。
特に印象を受けたのは信念をもって行動するべきだということと日本人は日本人だということ。
時々再読したいなと思った一冊。 -
ライフネット生命保険副社長 岩瀬大輔さんの著書。
ハーバードMBA留学時(それ以外の岩瀬さんの過去の話も多く含む)の体験記。
これは、MBAを志していてもいなくても読んだ方がいいと思う。
ハーバードMBAでは何が教えられていて、どんな経験をしたのか?なにを感じライフネット生命を創業したのか?
それが、非常に読みやすい文体で語られている。
MBAを目指す人は、自分もそこで海外留学を通じ、自己変革したいと改めて気持ちが入るのではないだろうか。
MBAには興味がない人も、世界トップのHBSでは何が教えられていて、それを通じて筆者が感じたことを追体験するだけで、十分楽しめるのではないだろうか。 -
ライフネット生命の設立者の一人である、若き社会企業家によるハーバードMBA留学記(留学は起業する前に行っている)。元々はブログの記事だったのだろうか。一学生の視点で書かれているので、まるで自分が留学しているかのような気分にさせてくれるのが良い。留学(MBA取得)には功罪、賛否両論あると思うが、やはり留学そのものは単純に非日常的な、一つの特殊な状況なのであって、それ以上でもそれ以下でもないのであり、大事なのはその経験を今後の人生にどう結び付けられるかなのだと思う。だからある人にとっては留学は非常に意義深いものになれば、またある人にとっては、「結局何のために行ったのか?」と自問したくなるような結果にしかならないこともあるはずだ(まあ留学自体個人的なことなので、その人が満足すればそれでいいとも思うけど)。
著者もそのあたりにはかなり自覚的なので、そのあたりがとても好感を持てました(特にMBA留学の負の部分を改めて見つめなおした「文庫版のためのあとがき」が加わったことで、より深みが増したと思う)。
それにしても、日本(の特に日系の大企業)において、MBA取得者が即座に活躍できる場というのはなかなかないのではないかと思う。やはり日本の企業は「現場」が強く、これまでの実績などがものを言う場合が多い。そういう職場において、いきなり実務経験のないMBA取得者が上に立ってあれこれ指図しても、仕事はなかなか回らないのではないか。それが良いかどうかはともかく、現実としてそういう状況があるのであれば、MBA取得者が活躍するには、日本のそのような文化にどれだけ自覚的になれて、いかにうまく融合していくかというところにかかっていると思う。完全に郷に入っては郷に従う・・としてしまうとあまりMBAの知見も活きないと思うので、その辺りは日本の企業も「融合」ということに自覚的になって、その人を(MBAの知見を)活かしていく姿勢を見せなければならない。そうなるとやはりMBA取得者には相応の処遇を施すということになるので、そういう人の採用には慎重にならざるを得ない。高度成長期から始まり、やらなければいけないことが比較的明確だった、また事業が安定していた日本の多くの企業が新卒(的なポジションの人材)採用を中心とした採用をこれまで行ってきた理由も分かる気がするなあ。でも会社が変わらなければいけないときは、それだけで良いとも思えないし。。とても難しい。 -
MBAを学びたい、留学をしてみたい、そう思わさせられる一冊でした。すごく刺激を受ける本なのですが、少し知識が共わないと難しい印象もあります。また勉強してから読み直したいです。就活が始まる前には必ず読み直します。
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良い本だった。今を時めくライフネット生命岩瀬副社長のMBA留学記。ブログが書籍化したということで、内容にまとまりはなくあちこちに行く感じはするが、体験ルポとして読む分には十分楽しめると思う。事細かにMBAのことが書かれているわけではありませんが、インターンや人との出会い、さらには文化の違いなど、いろいろな側面から留学するとはどんなことかを感じることができるかと。
あとがきにある、
「留学するまでの自分は、いつも通過点にいるような気がして、早く次の地点へたどり着きたいと思っていた。しかし、留学をきっかけとして、人生は旅そのものであることに気がついた。A地点からB地点へと、少しでも早くたどり着こうとすることが目的ではない。大陸を鉄道で旅するように、車窓から見えてくる美しい景色、聞こえてくる音、入ってくる匂いを味わい、ともに旅をしている同乗者との対話を楽しむ。その一分一秒が、旅そのものなのである。」
との締めくくりこそがまさに氏が本書を通じて主張したいことだと思う。
自分もそういう生き方を目指そう。 -
すばらしい。
前半部分は岩瀬氏のMBA体験期が主体。
そこに記されているHBSでの日常は、まるで出会ったことのないハイレベルな人々で埋め尽くされており、さながら小説の世界のような気になる。
しかし、同時にとてもリアルに書かれており、「この人たちに追いつこうと思ったら今の5倍は努力しなくては」と痛感させられる。
ともかく非常にワクワクする内容である。
後半はキャリアについて。
プランド・ハップンスタンスという考え方は僕にとっては革命的だった。(それにしても”ハップン”はださすぎるw)
長らく、「成し遂げたいビジョンがない」と自分を責めてきた中iぼんやりと考えてきたことが、理論的に説明されており、自分に自信を持てた。それからこれからどういう風にキャリアを形成していくかについて考える重要な橋頭堡となりそうだ。
悩んだとき、ぜひ読み返えしたい一冊。すべての大学生におすすめ。 -
信念 を持っているか?
p41 実際にできればどんなにいいか…。
そして、出来てる人はほとんどいない。
もしかして、こうなのかな?と思う事が出てきた
普通の企業
↓
いわゆる外資系…なんちゃって一流企業
(なんでもかんでも目の前の短期的な数字化•コストカットの実績。
six sigma信者。いわゆるビジネス サヴィ)
↓
成長を続ける グローバル企業…本物の一流企業
高潔な倫理を保つ人材で成り立つ。自然な影響力を発する
p55を見て感じた事
やはり、
冷静さ•平然さ(いつも通り振る舞い、人と付き合う事)•我慢
は必要
p60 経営者宣言
経営者では無いにしても、現時点での自分の考えをまとめてみるのは、おもしろいし、ためになるかもしれない。
p138尊敬できて、ウマが合う人たちと働くというのは、
非常に大切な事だと思う。
だから、いくら大きな獲物があっても、そういう環境に恵まれないのであれば、早々にその獲物からは手を引いた方がいいのかもしれない。
p168日本式のお茶の感想がウケタ
p184 ACCION とても興味深い組織
自分でも調べてみたい。経済支援+労働支援の仕組みでサービスするとは、素晴らしい。
p224初めて投資(ヘッジファンド)の実態がわかった気がした
p243『世界を変えたいとか言う前に、俺は自分の身の回りのヒトを幸せにすることに励むよ……』このセリフにぐっとくる
p272ここでユングが出てくるとは…しかも、体験してるなんて。
p309他方で、自分にとって本当に大切なものは何か。・・・自分が歳をとった時にこれをやっていて本当によかった、・・・そんな相手や何かを見つけていくこと、それが一番大切。
短距離走ではなく、マラソン。
イーベイのCEO メグ・ウィットマンMeg Whitman(女性経営者の一人)
1.do something you enjoy
職場は朝から晩までいるところなのだから、本当に楽しいと思える仕事をえらびなさい。
2.deliver results
仕事が与えられたら、その大小や自分の役割にかかわらず、とにかく必死に行って結果を出しなさい。そこからチャンスが次々と広がっていくはず。
3.note down your learnings
私は7社を渡り歩いたけれど、月に一回は自分の仕事を振り返り、学んだことをノートに書き留めることにした。皆さんもそうれたし。
4.be patient - carrer is a marathon, not a sprit
昇進などをあせらないこと。私がHBSにいたときは・・キャリアは短距離走ではない。マラソンなのだから、じっくり駆け抜けて。
5.built a great team, anda share credit with them
自分ひとりでできることはたかが知れている。周りを優秀な人たちで固めて、成功を彼らとわかちあうようにすることが大切。
6.be fun to work with
一緒に仕事をしていて、楽しい人でいることを心がけよう。
7.don't be afraid to ask questions
わからないことは、ためらわずに質問すること
8.don't take yourself too seriously
うまくいってないときは、あまり悩まずに軽く流すようにする。
9.don't compromise your integrity
自分の価値観、倫理に反するような行動を要求されたときは、その職場は辞めどきと考えるべし。
10.don't drink your own bath water
自分の成功に浸り過ぎない。過信せずに、成功できたのは環境のおかげ、周りの人たちのおかげ、運のおかげと考え、絶えず自分になにが足りないかを振り返ること。
p316どんなに忙しくても、人生のどこかで浮世を離れ、高いところから自分が生きている世界と、そのなかで自分がどうありたいか、見つめ直す時間をつくることは、かけがえのない体験となるのではないか?・・
p318一度は投資ファンドに戻り・・・こういう考えがこのような人でも頭によぎるもんなんだな、と思った。そして、直感。そういうものだよね。
p335ソーシャルベンチャー・パートナーズ東京
p337どれだけ大きな事業も最初は懐疑的に見られ・・・ -
著者は開成→東大法(在学中に司法試験合格)→ボストンコンサルティングと進み、ハーバードビジネススクールも優秀な成績で卒業し、ライフネット生命を立ち上げたらしい麗しい経歴の持ち主である。
この本では、ハーバードビジネススクールの人達がどんな人達か、どんな授業が行われているかが書かれている。俺には縁のなさそうな世界なので、「トップエリートってこんなことを考えてるんだ〜」というのを知るのには良い本だと思う。
ただ、岩瀬大輔にこれだけの経歴がなかったら、果たしてこの人に俺は興味を持っただろうか、と思う。経歴以上の魅力がある人なのだろうか、と。
今後のライフネット生命がどうなっていくかで、この人の真価が問われるんだろうな。 -
大手傘下ではない独立系のネット生命保険の創業に参画した著者が、ハーバード・ビジネススクール(HBS)へ留学していた際に書いていたブログをまとめた本。ブログは当時、MBA学生や受験生、金融などの業界で働く関係者の間で話題になっていたそう。
東大在学中に司法試験に合格しながらも、コンサルティング会社や投資ファンドでの仕事に従事、その後に留学したHBSでの日々の中で出会った出来事や資本主義社会の出来事について様々な驚きや感動と共に考察した内容を記す。時には自身の幼少期にも遡り、それを踏まえた自身の物事の捉え方について冷静かつ沈着な内省が記される。著者の目を通しながら、「資本主義の士官学校」と呼ばれるHBSで過ごす中で、欧米のエリートと呼ばれる人たちの実態が緻密に描かれている。
著者のHBSでの生活の中で、徐々にアントレプレナーシップに目覚め、冒頭に書いた生命保険会社の創業参画につながる様子が窺い知れる。 -
アメリカ型経済の終焉。
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【一言感想】
いわゆる自伝的な本であるが、HBSだけではなく、BCGやリップルウッドで勤務していた時の体験記もあり、非常に面白い。
いわゆるすごい人たちの話のところは特に面白かった。
またHBSでの授業で倫理観を問われる場面での友人の言葉、
『誰しも守るべきプリンシプル、信念をもっているべきだ。
~今自分の奏で明確な軸をもっていないと、これから20年後にでもなんらかの倫理的な問題に直面した時に、必ず誤った方向に流れてしまう。』
と言われるシーンが非常に印象的でした。