ぶらぶらヂンヂン古書の旅 (文春文庫 き 26-3)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167753832

作品紹介・あらすじ

日本全国津々浦々、どこかでぼくを待っているまだ見ぬ古本に出会うため、今日もぶらぶら旅をする。アテもなく歩き回れば、掘り出し物も予期せぬ出会いもたまにある。ほしい本をつかみとる瞬間、胸がヂンヂンたぎるのだ。日本の古本好きの夢を、北尾トロが実現しました。旅や出張のお供に、家でのんびり寝転びながら、ぜひどうぞ。

感想・レビュー・書評

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  • 第一章で彼は早くも岡山の万歩書店と倉敷の蟲文庫を訪ねている。岡山の有名な古本屋といえばやはりそれくらいなものか、と思いながらも私は蟲文庫を初めて訪ねた3年前の事を思い出す。

    本を求めて行ったのではない。売りに行ったのである。私の家には立派な本棚はあるのだが、そこには三種類の百科事典や日本と海外の文学全集、タイム誌の二種類の全集、そしてLPレコード全集が幾つか、更には新平家物語初版本全巻と昭和30年代の単行本や文庫本が少々鎮座していた。言うまでもなく私の蔵本ではない。伯母から父、父から私に相続された一軒家に付随してついて来た代物である。二年間は手付かずだったが、やっと一大決心をして整理を始めた。百科事典は古書店も引き取らないことは知っていた。よって、あわよくばタイム誌全集、そしてこれは大丈夫、ちょうどNHK大河ドラマで平清盛をしていた平家物語をいい値段で買って貰おう、その他の小物はどれくらいの値がつくかな、と愉しみにして蟲文庫を訪ねたのである。

    結果は1000円だった。しかも、タイム誌と平家物語は断られた。荷物になるから、と言っても預かってももらえなかった。私は闇雲に古書店に行ったのでは無い。ここならば本の値打ちがわかるだろうと、狙いを定めて行ったのである。初めて行って知ったのだが、蟲文庫は文学系はほとんど扱っていなかった。人文系や理科系を田中美穂店主のフィルターを通して集め、まるで雑貨を置くように古本を置いていた。「すみません、単行本はよっぽどのことがない限り引き取らないの」。確かに、12畳の土間の、民家を改造した店は狭い。選ばなくてはやっていけないだろう。それでも6冊ほどの文庫本単行本を1000円で買い取ってくれたのは、あとで思えば破格だった。今度は客として行きたいと思いながら果たせないでいる。

    この本には人生に役立つようなウンチクは一切ない。活字を読める環境さえあれば幸せというような輩には勧めたい本である。
    2014年12月17日読了

  • 本を探しに旅へでよう!
    いつも買ってる○ックオフより高くてもお構いなし!なぜなら偶然旅先で出会った事に意味があるのだから!

  • 疲れそうだが楽しそう。遠征先の古本屋さんで、その土地を訪れた思い出になる本を買う気持ちはわかるが、買う本の量にびっくり。重さを想像すると、思わず首を横に振ってしまう。単行本ならなおのこと。さすがライター兼古本屋さん。気合いが違う。それにしても、古本屋同士のネットワークはすごいな。客の興味に沿って紹介できるんだから。終盤、現地集合型家族旅行との組み合わせは、Win-Winで良いんじゃないかと思った。

  • 日本全国津々浦々、どこかでぼくを待っているまだ見ぬ古本に出会うため、今日もぶらぶら旅をする。アテもなく歩き回れば、掘り出し物も予期せぬ出会いもたまにある。ほしい本をつかみとる瞬間、胸がヂンヂンたぎるのだ。日本の古本好きの夢を、北尾トロが実現しました。旅や出張のお供に、家でのんびり寝転びながら、ぜひどうぞ。(裏表紙)

    旅のお供に読みました。あぁ面白かった。
    劇的な展開はなく、したがって良いも悪いも揺れ幅は小さい。だけれど、作者様の「楽しさ」が伝わってくるような良い本でした。

  • 北尾トロさん。なんだかんだ本屋で名前は見ながらも読んだ事はありませんでした。でも題名が「古書の旅」ですのでクラりと来てしまいました。古書を求めて津々浦々を旅する話なのでとても楽しく読めました。文章的には見るべき所は無いのですが親しみやすい書き方で個人的には好きかも。星の数以上に好きな本です。
    これ読んで分かる事は、僕は本を読むのが好きな人なので古書マニアにはなれないという事ですね。本大事にしないので致命的でしょう。でも地方の古書店を回りながらの旅は楽しいです。去年は長野でそれをしましたがとても楽しかったです。大して買わなかったですけれども。

  • 2015/10/19購入
    2015/12/27読了

  • 旅をしながら古本を探す、いや古本を探しながら、旅をする北尾トロの羨ましい面白い古本探しの旅。

    旅は全国津々浦々である。
    福岡、岡山、金沢、武蔵野線の旅、仙台、盛岡、
    鎌倉、茅ヶ崎、神戸、四国、北海道。

    ある日のこと。
    松本の古本屋で『江戸のデザイン』という絶版本で函入り大判で定価1万2千円が美本で2万円で見つけた。北尾は考えた。
    一夜寝かせて考えたが、やはり買うことに。
    古本好きはこういう事になってしまうらしい。
    結局、優しい古本屋の店主だったらしく、『1万8千円でいいですよ』となった。
    いい本は出会ったらすぐ買うのに限るって話。

  • お気楽な、ぶらぶら旅。もっとも本との出会いに情熱とこだわりを求める作者にとっては、結構シビアで真剣なものなのでしょうが・・・いいなぁこういう旅。

    自分とは本の趣味が少し違うみたいだけど、私もいつの日か、古本屋巡りして見たい。頼むから、○○オフばかりにならないで。

  • こんな旅も羨ましい。

  • Ideal life for me

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著者プロフィール

本名、伊藤秀樹。1958年、福岡市生まれ。
小学生の頃は父の仕事の都合で九州各地を転々。東京都立日野高校、法政大学卒。 個人事務所(株)ランブリン代表。NPO法人西荻コム理事長。西荻ブックマークスタッフ。季刊ノンフィクション雑誌「レポ」編集・発行人。

「2011年 『【電子書籍版】昭和が終わる頃、僕たちはライターになった』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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