八月の路上に捨てる (文春文庫 い 55-4)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 575
感想 : 78
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  • Amazon.co.jp ・本 (175ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167753979

感想・レビュー・書評

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  • 表題作のほか、夫婦の関係を考えさせられる3作品が収録されています。表題作では、30歳の誕生日で離婚をすることが決まっている主人公の敦は、自動販売機の缶ジュース等を補充するアルバイトをしています。同僚の水城さんはトラックに乗って補充に回る最終日で、敦と一緒に自動販売機を回ります。敦は水城さんに、自身も妻も夢が破れ狂ってしまった結婚生活の顛末を話します。
    3作品とも人間関係や生活のあり方を考えさせられる作品です。

  • 大きな出来事は起こらない、淡々とした日常だけれどじわじわ面白かったです。
    3篇とも、入り込み過ぎないし離れすぎないでいて絶妙でした。初めから離れている、表題作の明日離婚する夫婦は置いといて…人と暮らすのって難しいなと思いました。「何もかも本気だったのだ」、しみじみわかります。誰からも理解されなくても、間違ってなかったって思っていたいあれこれ、ある。
    長年連れ添ってたら乗り越えられることもあるかもしれないけれど、かといってそれまで待つ気力も体力も残ってない関係も確かにあると思うので。
    解説が津村記久子さんで、なんか同じ空気を感じる作家さんがいた気が…津村さんか!となりました。解説の冒頭で、津村さんの小説があんな感じになる理由が垣間見えた気がします。淡々とじわじわ退屈しない同じ空気でも、女性作家さんと男性作家さんの描かれる心情はやっぱり違うなぁ興味深いな、となるので伊藤さんも読んでいこうと思いました。

  • この人の文体好きだわー。日常の気持ちの移り変わりを、淡々と、だけど微妙な色彩を持って描く。悲しくならない感じが好き。

  • 淡々とした日常だけど、何かに気づかされるような物語。登場人物も素敵。

  • トラックを乗り回して自動販売機にドリンクを補填する業務をこなしながら、今日退社する先輩女性社員に、自分が離婚届けを出すに至った経緯を聞かれるままに答えていく。包み隠さず噛み締めるように。芥川賞受賞作。

  • 面白かった

  • 2023/07/24

  • ▼福岡県立大学附属図書館の所蔵はこちらです
    https://library.fukuoka-pu.ac.jp/opac/volume/151786

  • 一つの文章が短くて、読みやすい。
    凝りすぎでない印象的なフレーズも多い。
    少し切ないラストも良かった。

  • 桃山学院大学附属図書館電子ブックへのリンク↓
    https://web.d-library.jp/momoyama1040/g0102/libcontentsinfo/?cid=JD201604000103

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著者プロフィール

いとう・たかみ
1971年兵庫県生まれ。1995年、早稲田大学在学中に「助手席にて、グルグル・ダンスを踊って」で第32回文藝賞を受賞し作家デビュー。2000年『ミカ!』で、小学館児童出版文化賞、’06年『ぎぶそん』で坪田譲治文学賞受賞、「八月の路上に捨てる」で芥川賞受賞。主な作品に『ドライブイン蒲生』『誰かと暮らすということ』『 そのころ、白旗アパートでは』『秋田さんの卵』『ゆずこの形見』『あなたの空洞』など。

「2016年 『歌姫メイの秘密』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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