信長の棺 上 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 961
レビュー : 99
  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167754013

作品紹介・あらすじ

「惟任(光秀)ご謀反」-。安土城で知らせを聞いた太田牛一は、生前の信長の密命に従うべく、5つの木箱とともに西へ向かう。が、佐久間軍に捕えられ能登の小屋に幽閉されてしまう。10カ月後、天下統一を目前に控えた秀吉から伝記執筆を条件に解放された牛一は、天満に小さな隠居所を構え、信長暗殺の謎を追うのだった。

感想・レビュー・書評

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  • 本能寺の真犯人は誰か?天皇か、近衛家か、光秀単独犯か、秀吉の策謀か、諸説分かれる本能寺真犯人をめぐる論争であるが、この本では朝廷と秀吉の策謀を混ぜながら信長暗殺を描いている。主人公は太田牛一。信長公紀の作者で本能寺の謎へ迫っていくさまが描かれている。考証がつまっているので面白い。

  • (上下巻共通)
    昔の総理大臣がほめて売れたそうですね。(^^;
    歴史推理と言ってしまうには、ちょっと史料によらない部分があったりとか、最後の方でのご都合な展開が災いしますね。
    小説として読む分には面白いんだけれど、それでもこの分量は多すぎる気もします。
    あと、あとがきがちょっとね。(^^;
    あとがきは読まない方が好印象のまま終われるかもしれません。(^^;
    信長の最後に関する歴史推理ものならもっと面白い本もあるので、こっちは後回しでいいって感じ。(^^;

  • 友達に薦められ。久々に読んだ歴史小説。歴史はどこまでが真実でどこまでが虚構なのか。

  • 大田牛一の視点から信長を紐解く。

    なぜ信長が死んだのか?秀吉の暗躍具合を合わせて今まで知らなかった内容を組み込んだ小説でした。

    次の秀吉の枷につながる本。
    秀吉の枷を読むならその前にこの本を読んだほうが一層楽しめる。

    この本面白かった!

  • こちらは信長の家臣・太田牛一が主人公。牛一は『信長公記』を記した人物でもあります。

    生前、牛一は信長から謎の木箱を渡されていたんですね。牛一が「本能寺の変」の謎を追っていく構成となります。中だるみが激しいのですが、ミステリー要素があるので、最後まで気になって読み進めてしまいました。

  • 信長公記の作者である太田牛一が、信長の死後、信長の軍記を書くために、信長の過去や遺骸が見つからない理由を探っていく。
    信長の死の直前に預かった五つの箱についてはとりあえず進展は無いが、もとは同じ信長の部下であった秀吉への批判的視線や、明らかにな、嘘か本当か分からない信長の幼少期から青年期への戸惑いなどはとてもリアル。
    預かった箱の中身はなんなのか。自分だったら、信長の死後、とりあえず開けてみると思うので、牛一は我慢強いというか、忠誠心が強いというか、立派。

  • 信長公記の作者太田牛一が主人公。舞台は本能寺の変から始まる。牛一は信長から5つの桐箱を預かっているがその中身は読者にはなかなか教えてもらえない。その中身の謎や、本能寺の変での信長の遺体消失など上巻では明らかにされなかった。牛一の信長ラブさが見えて可愛い。

  • 本能寺の変での信長の殺害についての新説を紹介する小説。

    下巻の最後の章の新説は面白かったけど、そこに行くまでが退屈だった。

  • 上下巻読み通しての感想。
    「信長公記」の著者・太田牛一の視点で信長の死にまつわる謎を追う物語である。
    本能寺の変後、必死の探索にもかかわらず信長の遺骸は発見されなかった。
    果たして遺骸はどこへ消えたのか?

    古来より戦いの勝者によって歴史書が作成された例は多い。
    日本だけでなく海外でも、勝者がやがて国の覇者となり、勝者・・・すなわち覇者にとって都合の良い歴史書は数多く残されている。
    秀吉も例にもれず、牛一に命じて意に沿った書を書かせようとするのだけれど・・・。
    牛一という人物がやけに人間臭いのだ。
    自分の信じてきた信長像から外れた情報は嘘だと信じようとせず、本来ならば後の世に残る資料になるかもしれないものに対して、思い切り私情をはさんでしまっている。
    秀吉にしろ牛一にしろ、結局のところ目的の違いこそあれ「歴史を私物化」している点では似たり寄ったりではないだろうか。
    時代ミステリーとしてはとても面白かった。
    行方不明のままの遺骸を追い、事実として残された多くの隙間を縫うようにして構築された物語は読みごたえがあった。

  •  「信長公記」作者の太田牛一を主人公として、織田信長の死の原因を探求していくミステリー風歴史小説。構成と主人公が斬新。また、豊臣秀吉の出自と、彼と太田牛一との関係性が肝となった作品のよう。文献読解法、信憑性の割り引き方に関する著者の見解につき、太田の台詞や行動描写の背景から読み解かせるが、このメタ的手法も良。もっとも、小説の醍醐味である人間性の描写はあまり感じられない。つまり、著者の良さは、人間の在り様を解き明かすのではなく、歴史事象の目の付け所や視点の転換を、読みやすい形で提示した点にあると思える。殊に、太田が秀吉ではなく信長に肩入れした理由が全く描写されていない。確かに、それが事実ではあろうと思えるが、その行動原理が不明な点、それなりの理由すらないのは、小説としてはいかがなものかな、という気はしている。

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著者プロフィール

加藤 廣(かとう ひろし)
1930年6月27日- 2018年4月7日
東京都生まれ。東京大学法学部卒業後、中小企業金融公庫(現日本政策金融公庫)に勤務し、調査部長などを歴任。山一証券経済研究所顧問、埼玉大学経済学部講師を経て経営コンサルタントとして独立し、ビジネス書執筆や講演活動を行う。
50歳頃から、人生を結晶させたものを残したいと考えるようになり、歴史関係の資料類を収集。2005年、『信長の棺』で作家デビュー。当時の小泉純一郎首相の愛読書との報道があって一気にベストセラーになり、高齢新人作家としても話題になった。のちに大阪経済大学経営学部客員教授も務めた。
『秀吉の枷』『明智左馬助の恋』を著し、『信長の棺』を含めて本能寺3部作と称される。ほか『水軍遙かなり』、『利休の闇』。その一方で『戦国武将の辞世 遺言に秘められた真実』、『意にかなう人生 心と懐を豊かにする16講』など歴史エッセイや教養書も刊行を続けていた。

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