キぐるみ で、醜さを隠そうとした少年のはなし (文春文庫)

D
  • 文藝春秋 (2009年3月10日発売)
3.12
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Amazon.co.jp ・本 (448ページ) / ISBN・EAN: 9784167755010

感想・レビュー・書評

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  • “かわいいか、かわいくないか”
    美醜で人間の価値が決まる
    「着ぐるみの街」に生まれた少年の物語。


    D[di:]さんの代表作の文庫版です。
    作り手の頭の中の景色

    読み手に想像させてなんぼの小説

    一寸の狂いもなく押し付けてなんぼの漫画

    滲みあった文体なので
    慣れるまで多少の読み難さはあるけれど
    おびただしい数のキャラクター達の中に
    自分を重ねられる者の多いこと多いこと。
    読後感は正直しんどいです。
    でもたたき込まれるそのしんどさは
    何故だか不思議に魅力的。


    自分の居場所や性的アイデンティティが
    不安定で 壊れて 離れてしまいがちな故に
    こじらせた自己愛を抱える種類の人達を
    ピンポイントで惹き付ける作風だと思います。
    ドラァグのママンの痛々しさはいっとう強烈。

  • 『醜い住民は着ぐるみを着て生活し、街の収入源である観光に貢献したければならない。』と歪んだ感じの社会設定は好き。ゲイキャラをはじめ性的マイノリティーやトランスジェンダーが出まくりぶっ飛んだ感じも嫌いじゃない。だからこの物語も好きだと思うんだけど、何か物足りない。
    ヌルい印象を与えるよう意図されているのかも知れないけど、どこか強烈な一撃が欲しかった気もしないでもない。
    物哀しく終わる最期は悪くないけど。

  • ブサイクな人間は気ぐるみの着用を義務づけられている「かわいい」至上主義の観光都市に生まれた伏見トシハル(トシ)の物語。エログロ描写を含むすこしハードな寓話です。

    トシは、不器用な父、ヤクザとの関係を持つ兄、狂った伯父夫婦、そして彼に不幸をもたらすカツコという女性から逃げ出すように、「町」を出て「外」の世界へと旅立つことを決意します。しかし、町長の娘だった花井アカネ(バニラ)が「中央」の学校に合格して彼から離れてしまい、トシと同居しているゲイの青年・浦瀬タカヤ(ママン)は生活に疲れていきます。さらに、空き巣に入られて貯金をほぼすべて失ってしまい、生活のためにトシは男娼として働くことになります。

    そんななか、彼の友人だった古川伊佐夫から、町がGランドというアトラクション・パークに変貌してしまったという報せがトシのもとに届けられます。「町」のなかにも「外」にも希望はないということに気づいたトシは、彼が脱ぎ捨ててしまった「着ぐるみ」が、ひとを傷つける棘を生やした心にかぶせられた「気ぐるみ」だったのかもしれないと考えるようになります。

    その後、青年となり片目をうしなった(らしい)彼は、カツコに伴われてGランドに支配された「町」を訪れます。

    やや後味の悪さが残る作品ですが、それも含めて、著者のねらいが成功している作品だと思います。

  • この長いお話の半分以上は負の感情でできていそう。

  • 『右目を落として、左目を捩じ込む』

    全体的に無駄な描写が多い。とても魅力的な設定、話なのにもったいない。フォントを変えたりするのも五月蝿かった。

  • こんな新感覚の小説を読んだのは初めてだった。

  • あまり好みではない。
    ちょっとコインロッカー的。

  • ぶさいくは着ぐるみを着なければならないという街の話。

    イラストと設定自体は一見かわいらしいけれど、展開はとにかくえげつないというか、残酷。クセがあるけど、好きな人は好きだと思う。
    文中にフォントが異常に大きい文字や太字、ひたすら絶叫とかがあったのが個人的に気になったというか、電車内で読んでいてそわそわしてしまった。

  • 可愛くないひとは,着ぐるみ着用が義務づけられている,ふしぎなまちに住む少年が,まちを抜け出して…

    んー,あらすじから想像できる話とはちがったかな。
    ゲイの話がほとんど占めてる気が。
    読後感微妙です…。

  • あんまりさくさく読み進められなくて途中でなげだしちゃった。
    最後まで読みたいけど、かなり時間置いちゃったから、最初から読み直しかなあ。

    内容と、文体があんまり好きじゃないかも・・・。
    ある条件つきできぐるみをきなきゃいけないっていう設定は、おもしろそうだと思ったんだけど、思ってたのと違った。

  • オサレ系イラストレーターさんの作品だし、サラッと読めるものかと思いきや割とずっしり。
    ひたすら救いが無いようにも見えるけど、ある意味ではハッピーエンドかも?
    粗筋と表紙からは予想できない流れに「…え」と軽く衝撃を受けつつ読了。
    ママン登場初期は、トシくんの救世主となって外の世界に飛び出して青春ロードムービーになると信じてたのに・・・ママンの変貌っぷりにショック。

    色々と考えさせられる本でした。
    また何度か読み返すと違った面が見えそう。

  • 映画「GOTH」の音楽していましたよね。この人。

    顔って、醜さって隠すものですか。
    顔って、美しさって作るものですか。
    汚いものはみせないほうがいいですか。
    汚い精神は公表しないほうがいいですか。
    どうして人間はホントウを隠すのだろうか。
    どうして人間は泥と嘘を顔に塗るのだろうか。
    あなたはありのままのこころをもっていますか。

    この物語の終結はハッピーエンドですか。
    この物語の結末はバッドエンドですか。

  • 「ずっと読んでいたい作品」
    私にとっては、そんな感じの作品です。
    私は好きですね。とくに、バニラが!
    彼女は癒しですw
    主人公のトシの性格も好きですし。
    最後は漫画形式でよかったと思います。
    自分でどう解釈すればいいか、考えましたが、結局結論はでませんでしたね。
    今度はカツコ視点で読みたいな~
    とりあえず、友達には絶対に貸せない本ですw
    いろいろヤバイネタが入っているので。
    なんか、ドストライクな作品でした。

  • -

  • 救いがない話はどうも苦手。好きか嫌いかでいえば嫌いな類。でも、一気に読ませてしまう文体は嫌いじゃない。

  • 着ぐるみや町全体がテーマパークという発想は面白いと思った。
    マモを生き返らそうとする所あたり、
    理解が全然追いつきませんでした。
    こういう作品もあるのねーという感じ。

  • 題名と違いかなり落ち込むような内容でした。でも今まで読んできた本と違い新しいと思いました。
    とにかく暗い!!

  • 題名がおもしろそうで、表紙もかわいい。

    が、つまらない。
    「買って、損した!」、ていう読後感。

  • これは読み手を選ぶ。
    センスがあると判断する人もいるだろうし、下品と捉えるひともいるだろう。
    ただし発想は面白い。本作では美人・イケメン以外は醜さを隠すためにキぐるみを着ることを命じられる。実際に人間は醜い心を隠すために仮面をつけているわけで、そのあたりをキぐるみを使って表現しているのだろう。

    好きな部分もあったけれど、下品なところがどうもなじまなかった。
    でも嫌いになれない、独特な世界を感じた。

  • すきじゃない。はやく読み終わりたくてしかたなかった。

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著者プロフィール

フォロワー数約300万人のインスタグラマー
学生の頃に Instagram を開設し、「アルマーニ」 や「プラダ」などからファッションショーの招待状が送られるインスタグラマーとなる。2020年からは投稿にアニメ要素をプラスし、さらに世界中の人々の注目を集め、290万フォロワーを突破。2022年にはインフルエンサー枠で「済州観光公社」や「トルコ大使館」から自国に招待される。現在はインスタグラマーとして最前線で活動しつつも、企業SNS のコンサルティングや、保護猫活動に注力している。著書に『僕のインスタが200万フォロワーになった理由 Instagramで人生が変わる』(技術評論社)、『間違いだらけのInstagram』(アスコム)がある。

「2023年 『集客から採用、ブランディング、D2Cまで Instagram活用ワザ100』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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