脳と日本人 (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2010年6月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784167758028

みんなの感想まとめ

脳科学と編集工学の視点から、日本や日本人について深く掘り下げる対談が展開されます。茂木健一郎と松岡正剛の二人は、時に意見がぶつかり合いながらも、知の衝突を通じて新たな視点を提供します。特に、松岡の「方...

感想・レビュー・書評

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  • 茂木健一郎さんは脳科学から、松岡正剛さんは編集工学のアプローチから、日本や日本人について論じた対談本。

    ゆるやかな対談ではなく、時には考え方の違いから衝突しそうな雰囲気も感じられ、お互いの知がぶつかり合う緊張感ある対談になっています。

    本書は一回の読書で得られるものはありません。繰り返し読むことで本書をより深く理解でき、自分の知をさらに高めることができます。

  • 以前読んだときは、分からないところが多かった。
    茂木健一郎と松岡正剛のハイレベルな抽象論に着いて行けなかったのだ。
    今回再読してみて、以前より理解できたところが多く、自身の成長を実感した。
    また、対談ものは細かいところを気にせずハイペースで読んだ方が、会話のリズムも分かり理解も早いことが分かった。これも収穫であった。
    松岡氏は「日本という方法」=「方法の日本」に注目する。独特の編集方法を編み出した日本人に興味関心があるという意味である。
    日本は「空の思想」である。有でも無でもないが、有にも無にもなるような「空の思想」である。
    この「空の思想」は分かりにくいゆえに、日本人には思想がないと揶揄されることもあるが、決して思想がない訳ではない。思想がない社会はない。
    そこで、松岡氏が注目するのが「方法」なのだろう。
    漢字を輸入し、日本語の音を当てるというカットアップの編集方法。仏教と神道と二項同体させるホールドインの手法。天皇と将軍と執権を多項共存させる方法。
    こういった方法を編み出せた日本を明らかにしたいというのが松岡氏の視点である。
    養老孟司の『バカの壁』に関して、松岡が茂木健一郎の意見に賛同しない場面もあり、面白かった。
    しかし、松岡正剛の本を読むと、いつも感じるモヤモヤは何だろう。膨大な知を入れても新しい視点を生み出す思考は別物だと感じるからだろうか。
    目の前の現象を、脳内の知と結びつけることには長けているが、それ以上のものを感じないがゆえの寂しさだろうか。

  • 脳科学者の茂木健一郎と、編集工学の松岡正剛の対談です。

    本書のタイトルは『脳と日本人』ですが、両氏が「日本」というテーマのもとで考えている問題のちがいが明確になった第4章が、とりわけ興味深く感じました。

    松岡には『日本という方法』(NHK出版)という本がありますが、本書でもそこで展開されているのと同様の発想が語られています。彼は、あくまで編集の「方法」として日本の伝統のなかにさまざまなツールを見いだし、それをどのように使っていくのか、ということに関心を向けています。「日本の方法」ではなく「方法の日本」に関心がある、という彼のことばに、そうしたスタンスが明瞭に語られています。

    他方の茂木は、「日本」をもうすこし実体的にとらえようとしています。現代日本の日常生活のなかで受け入れがたいと思われるような出来事に出会うとき、そうした風景を生み出した「日本」とは何なのか、それをどう変えていくのか、というのが、彼の問題意識の中心にあるといっていいでしょう。

    松岡のスタイリッシュな議論には感心させられるばかりですが、その一方で、現実にこの日本社会のなかで生きにくさを感じている多くの人びとがいる以上、日本社会をよりよいものにつくりかえて行こうとする茂木のやや泥臭い議論を切り捨てるわけにはいかないのではないか、と感じます。

  • そこに行けば忘れていたことを思い出す場所がある。

  • 松岡正剛と茂木健一郎の対談をまとめたもの。対談は2006年11月に2日間那須で行われ、2007年に出版、2010年に文庫化された。
    松岡氏と茂木氏は、生まれ年は1944年と1962年、出身は京都市と東京都、卒業大学・学部は早大文学部と東大理学部(と法学部)、専門は編集工学と脳科学と、大いに異なるのであるが、いずれもメディアによく登場する類稀な碩学として共通する。特に、松岡氏の「千夜千冊」が本好きには最高の指南書であることは言うまでもない。
    その二人が、互いのホームグラウンドから飛び出して縦横無尽に語り尽くすテーマは、世界知、異質性、科学、普遍性、日本、国家。。。である。要するに縛りはない。
    昭和の日本を代表する文系的知性・小林秀雄と理系的知性・岡潔による対談をまとめた『人間の建設』(1965年初出)を思い出させるような、二人の碩学による会話のキャッチボールを楽しみたい一冊。
    (2010年7月了)

  • 茂木さんとの会話より松岡正剛さんの人となりが垣間見れる。やはり、どんな優れたコンピュータよりも人間の脳みそというものは凄いもんだ。お二人の思考範囲の広さに脱帽である。点と点で繋がる知識からの思考は誠に面白い。

    20世紀は主題の時代 「平和」「環境」「民主主義」「多様性」「共生」。21世紀は方法の時代なのだそうだ。
    方法…編集。新しい関係性を発見していくこと。しかし、ほんとうに正剛さんの頭の中はどうなっているのだろう?

  • タイトルの「脳と日本人」の脳は茂木健一郎、日本人は松岡正剛のことでしょう。
    脳科学者である茂木健一郎と編集工学の第一人者で知の巨人である松岡正剛の対談集。日本、宗教、科学、世界、進化、国家などなど知識の深い二人の対談だけに多種多様な問題が深い内容で語られているのが面白い。
    世界が、日本が、個人がこれから向かうべき道を模索するための一つの考え方を提案しているようにも感じました。

  • 松岡正剛ご茂木健一郎の対話集

    「遠くを感じることが近さを強化していく」

    この対話を共有してくれる本という媒体に感謝

  • (2015年1月5日)
    約5年ぶりに再読。何でも管理し、異端を排した結果、活力を失いつつある今の日本をみると、2006年にそのことをひしひしと感じている2人の対談の深さを思い知る。 一方で、生活実感のない発言にも前回より違和感を感じたりもする。お二人は、いまの状況でどのような打ち手を提示されるのだろうか?そのような世俗的な問いかけにこそ、違和感を感じられるのだろうか?

    (2011年10月1日)
    タイトルからは、一見、日本人の脳についての対談か?と想像してしまいそうになるけれど、内容は全く異なり、科学者として普遍性を追求する茂木さんと、編集工学の専門家で知の巨人であり多様性と多様なもの同士の関係性を重視する松岡さんの激しい議論なのでした。話題は科学から歴史、文化、国家論、宗教まで多種多様。
    松岡さんの著作は他にも読んでいて、その知見の深さ、広さには触れていたけれど、本書を通じてあらためてその物凄さに驚愕。ここまでモノゴトを深く広く把握できた人から見ると、我々一般人の語る思想、意見など薄っぺらで聞いていられないのだろうということも容易に想像がつく。あの茂木さんをまるで子ども扱いですからね。セーゴーさん、やっぱり恐るべし。。

  • (欲しい!)/文庫

  • 対談形式ですが、松岡 正剛さんの言葉が難しい!!私が追いつかないだけでしょうか??

  • もぎけんが置いてけぼりくらうほど、松岡正剛は半端ない!

  • 茂木さん位負け。

  • @

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著者プロフィール

脳科学者。ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー。慶応義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科特別招聘教授。「クオリア」をキーワードに、脳と心の関係を探究しつづけている。1962年、東京生まれ。東京大学理学部、法学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科物理学専攻博士課程修了。理学博士。
著書『脳と仮想』(新潮社、第4回小林秀雄賞受賞)『今、ここからすべての場所へ』(筑摩書房、第12回桑原武夫学芸賞受賞)『脳とクオリア』(日経サイエンス社)『脳内現象』(NHK出版)『感動する脳』(PHP研究所)『ひらめき脳』(新潮社)ほか多数。

「2013年 『おぎ・もぎ対談 「個」育て論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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