まほろ駅前多田便利軒 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 15850
レビュー : 1978
  • Amazon.co.jp ・本 (351ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167761011

感想・レビュー・書評

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  • 町田市民は必読(笑)

    東京西部に位置するまほろ市で便利屋を営む多田とそこに突然転がり込んできた元同級生・行天の不思議で素敵な共同生活。同級生とはいえ大して仲が良かった訳でもない、むしろ訳ありの2人の掛け合いが絶妙。そんな2人がやがて事件に巻き込まれていくのだが、決して血なまぐさくなく悲壮感も漂わせない文体がお見事。多田の魂の救済と共に読者にも心地良い感動を残す。登場人物はみな個性的かつ魅力的で悪役の星までいい味出しているのだが、特に無垢な存在の行天のキャラクターは抜群。そしてまほろ市は町田市以外の何ものでもなく、地元民なら誰でも知っている(!?)「珈琲の殿堂」まで登場してついつい惹きこまれる(残念ながら今は閉店してしまいましたが)。そんな街も人も実在していそうで実在しない設定が巧みに結実した良作。

  • すみません。
    ただひたすらカッコイイ!しか出ないです。
    煙草を呑む人なら分かると思うんだけど、二人とも美味しそうに煙草を吸い、酒を飲む。
    便利屋という職種もカッコイイし、その中で繰り広げられる人間関係がホカホカしたり、笑ったり、悲しかったりと色んな感情に触れられる作品です。
    三浦しをんさんは初めて読みましたが、もっと作品を読みたくなりました。

  • 三浦しをんさんの舟を編むが面白かったので他にも読んでみたいなと思い手に取りました。
    便利屋として働く多田のもとに現れた同級生の行天。仕事を通して少しづつふたりの過去が見えてきて読み進めるのが面白かった。二人とも暗い過去を持ってるけど、暗くなり過ぎず読み進めることができた。
    ・依頼人に代わってばあちゃんのお見舞い
    ・バスの間引き運転調査からの行天との出会い
    ・チワワの飼い主探し
    ・夜の仕事をするルルとハイシーとチワワ
    ・クスリの運び屋をする小学生
    ・多田と行天の子どもとの接触
    ・病院で入れ違いになった家族を知ろうとする男

  • 自分の未熟さ故にかけがえのない大切なものを失った多田。子供の頃の親からの影響で空虚になってしまった高校の同級生の行天。多田と多田が営む便利屋で働く行天の周りで起こる少し危ない…ではなくとても危ない物語。

    多田も行天もそれぞれの苦い経験からか、どこかいびつ。明るく前向きには見えないが、そうかと言って諦めてしまっているようにも思えない。苦い経験をした気持ちは本人にしかわからないけれど、そこから学び得られるものもあるかもしれない。失ったものを元の形で取り戻す事は出来なくても、幸福を求めるきもちがあれば違う形で手に入れる事は出来るのだから。傷付いた気持ちと向き合い二人とも自分らしい幸福を掴んで欲しい。

    多田と行天の受けた傷に関する教えは、背景からも窺い知る事は出来る。それぞれに起こった事をもっと掘り下げたら、重くリアルになり過ぎたのだろうか?

    映画もドラマも観た事はないが、危険な雰囲気とスリリングな展開が瑛太さんと松田龍平さんにぴったり。映画、ドラも共に是非観たい。

  • 自分の笑いのツボにはまっているようで、2ページに1回は笑う所がある。
    内容は結構ハードなのに、不思議。
    読後感も良い。

    映画も観たいな。
    行天はたぶん松田龍平が演じたのだろうと思うけどぴったり合ってそう。

  • 非常に読みやすかった。書き方次第ではいくらでも重くなるテーマを中心に据えているのに、読んでいる最中はそれを感じさせない。行天の行動や発言に漂う寂寥感、周りの人から慕われてもどこか孤独を感じさせるという空気が魅力的だった。

  • 三浦しおんの多彩さに舌を巻く。「風が強く吹いている」「舟を編む」そして「まほろ駅前」。同じ作家が書いたとは思えない。時に若者の目線で、時にハードボイルドのタッチで読者を話に引き込む筆力には脱帽。事前の細やかな取材がバックグラウンドになっているのだろう。

    過去を引きづる便利屋多田と心を置き去りにした相方行天。二人がまほろ市民の問題を解決していく話。今、どういう状況にあっても前に進んでいけば、違う幸せが待っている⁈ということかな。

  • 便利屋のお話
    何気ない愛が溢れてて好きな本

  • 中心人物の男性2人が、とても魅力的に書き出されているな、というのが一番の感想です。

    主人公の感情の葛藤や、基本的には優しく、真面目なところ、人間らしくて好感が持てます。

    生きていれば誰しも、多かれ少なかれ後悔や心の傷や暗いものを抱えるものだと思いますが、そういったものと共存しながら暮らす日々が上手く描き出されています。

    準主役は大変にぶっ飛んだ人間性ですが、
    主人公は常識人なので、読者は安心して読むことができます。
    そのやりとりに笑える場面もあり、シリアスもあり、飽きませんでした。

    都内で便利屋を営む主人公を中心に、都会の雑踏や郊外の表現、印象的な依頼者の数々、
    でもどこか憎めなくて。
    街並みや人物の描き方が上手だなぁと思いました。

    映像化作品はまだ観ていませんが、原作を読むとお二人の印象は合っていると思います。
    実は、音楽を「くるり」が担当したことで作品を知り、ずっと気になっていたのですが、ようやく読むことができました。
    くるりファンじゃなかったら読んでいなかったかもしれませんが、読んで良かったと思える作品でした。
    音楽も楽しみつつ、観てみようかなーと思います。

  • 初めて読む作家さんですが、ユーモアがあり物語もなかなかするする展開しながらいろいろな痛みとかホロ苦いものを見せているのがいいですね。

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著者プロフィール

三浦 しをん(みうら しをん)。
1976年、東京生まれの小説家。出版社の就職活動中、早川書房入社試験の作文を読んだ担当面接者の編集者・村上達朗が執筆の才を見出し、それが執筆活動のきっかけになった。小説家の専業になるまで、外資系出版社の事務、町田駅前の古書店高原書店でアルバイトを経験。
2006年『まほろ駅前多田便利軒』で直木賞受賞。2012年『舟を編む』が本屋大賞に選ばれ、翌年映画化された。2015年『あの家に暮らす四人の女』が織田作之助賞受賞。また、『風が強く吹いている』が第一回ブクログ大賞の文庫部門大賞を、2018年『ののはな通信』が第8回新井賞を受賞している。
Cobalt短編小説賞、太宰治賞、手塚治虫文化賞、R-18文学賞の選考委員を務める。最新刊に、『愛なき世界』。

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