強運の持ち主 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
3.53
  • (305)
  • (819)
  • (974)
  • (169)
  • (20)
本棚登録 : 7034
レビュー : 787
  • Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167768010

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 瀬尾まいこさんが好きです。
    告白しているわけではもちろんありません。
    大好きな作家さんの筆頭格のお一人という意味です。

    柔らかく、優しく、温かみのある言葉でふんわりと包んでくれるその作品は、現実味のある作品であってもどこかファンタジーの世界を思わせるような不思議な味わいを感じさせるものが多いと思います。そんな瀬尾さんがこの作品で挑むのは『占い師』を主人公とした物語です。私は”占い”には全く興味はありません。街で”占い”をしている光景を見ても胡散臭としか感じたことはありません。なので、この作品が他の作家さんの作品なら間違いなくスルーしたと思います。でも、瀬尾さんが描く”占い師の物語”という、もしや?を感じさせる組み合わせ!それに魅かれてこの作品を手にした私は偉かった!そう、そこには絶品の”瀬尾まいこワールド”が広がっていたからです!

    四つの短編からなるこの作品ですが、主人公・ルイーズ吉田(吉田幸子)が占い師として色んな人々を占うことによって、その人の人生に関わっていく連作短編の形式をとっています。短編というと連作短編であっても、短編ごとの出来不出来というものを感じることが多いと思いますが、この作品は”ハズレなし”の絶品揃い。ここまでクオリティの高い短編ばかりで構成された作品は、他の作家さん含めてすぐに思い浮かべることができません。そんな中でも瀬尾さんの魅力が直球ど真ん中に飛んできたのが最初の短編〈ニベア〉でした。

    『あなたはそう見えて、弱いところがあるでしょう?いつでも自分のことを置いて、人のことを考えすぎてしまうのよね』と説得力を持って語るのは主人公のルイーズ吉田(吉田幸子)。『そうなんです!すぐ落ちこむし…。でも、すごい。どうしてわかるんですか?』と問う女性は『彼氏とかできますか?』と幸子を信じて問います。『それは、あなたしだいよ』とそれらしく表を描きながら『四月、…後は十二月かな?すてきな人が出てくる暗示があるわ』と答える幸子。『がんばって。きっといいことがあるわ』と前向きに語る幸子に『がんばります。ありがとうございました』と満足そうに立ち去る女性。『これで、三千円。ちょろいものだ。一人、二十分で三千円』という占いの金額。『一日平均二十人は占うから、合計六万円。場所代や諸々の費用を除いても、いい儲けになる』という幸子は『何より一人でできる仕事だし、気楽でいい』とショッピングセンターの片隅で占い師を始めて一年が経ちました。そして『私が占い師になったのは三年前だ』と過去を振り返る幸子。短大を出て、会社で営業の仕事に就いたものの半年で辞めてしまったという幸子は『アルバイト情報誌』で『占い師の仕事』を見つけます。『「未経験者大歓迎。時給千二百円」の募集広告』を見て『ジュリエ数術研究所』を訪ねた幸子。所長のジュリエ青柳は『結局適当なことを言って!来た人の背中を押してあげるのが仕事なのよ』と幸子にその仕事を説明します。一日だけの見習い期間を経て占い師・ルイーズ吉田として仕事を始めた幸子は『毎日大盛況だ。世の中には平気で無駄遣いをする人がたくさんいることに私は驚かされた』という感想を抱きます。そして、最初は習った通り本を見ながら占いをしていた幸子でしたが、次第に『本に書いていることと、どう見ても正反対のお客さんがいたりする』と気づきます。そして『私は自分の直感で占うようになった』という展開。やがて『不思議なことに私の占いは当たると評判になり、人気が出てきた』という結果がついてきます。その後独立して今に至る幸子。そんな幸子は占い師として、占いをきっかけに、年齢も性別も他種多様な人たちの人生に大きく関わっていくことになります。

    『占い師』が主人公であるこの作品。”占い”をしてもらったことのない私には、まずその舞台裏に広がる世界がとても新鮮に感じられました。『当たるも八卦当たらぬも八卦』がモットーというジュリエ青柳に教えを乞い、やがて独立していく幸子ですが、そもそもアルバイトの募集広告で見つけた時給1200円の仕事という時点で”占い”という世界の神秘性が一気に崩れ落ちました。そして『相手の人柄や今ある環境を当てることはさほど困難なことではない』という幸子は『外見や話し方からほとんどのお客さんの性格はわかる』と言い切ります。『どんな人だって、弱いところがあるし、頑固なところもある』という納得感のある説明。確かに『繊細だって言われれば喜ぶし、優しい人だと言われて悪い気はしない』というのは私自身恐らくそう感じるであろう感覚です。それを『そういう誰にでも当てはまりそうなことを、それらしく話しておけばいいのだ』という幸子。こんな風にその舞台裏を淡々と説明されると、『二十分で三千円』はとても出す気になれません。さらに『未来を占うのも簡単』と具体的に言う幸子。『明るい未来と暗い未来を、七対三の割合で話す』というそのカラクリ。『外れたって、そうそう文句を言いに来る人はいない』と開き直りにも感じられるその考え方には、いやいやちょっと待ってください、と思わず詰め寄りたくもなります。『結局は話術だ』という『占い師』の舞台裏。実際に全ての『占い師』の方がこうなのかはわかりませんが、少なくとも私の中に少しは存在していた神秘性が一気に消し飛んでしまいました。そんな『占い師』の舞台裏を知ると、読み進める興味も失ってしまいそうですが、そんなところにこの作品の本質はありませんでした。

    『金持ちだけど自己中心的な年上の彼か、優しいけど生活力のない年下の彼。どっちと付き合うべきか。それが彼女の深刻な悩みだった』というように恋愛の相談が圧倒的な『占い師』の仕事。当初、『無駄遣いをする人がたくさんいる』と『占い師』の舞台裏を知って驚いた幸子ですが、同時にジュリエ青柳からは『三千円の価値をどうつけるかはあなたしだいよ。大事なのは正しく占うことじゃなくて、相手の背中を押すことだから』という言葉を伝えられていました。当初、意味を理解できなかった幸子ですが、人気が出て独立し、『占い師』として日々多くの人と対峙する中で『悩みなんて、人に話せた時点で半分は解決だから』と思うようになり、『ちょっぴり秘密にしている部分を誰かに話すのは楽しいことなのかもしれない』と”占い”に訪れる人々の気持ちを理解するようになっていきます。生きていると、自分の中にすでに答えを持っているにもかかわらず、その答えを出すということに躊躇する場面って結構多いと思います。自分が答えを出すべきことは、どこまでいっても自分で決着すべき問題です。そんな時、人は身近な誰かに相談をし、背中を押してもらおうとします。答えが出ていても最後の一押しを期待する人の弱さ、それは誰にでもある感情だとも思います。そんな役割はかえって利害関係の全くない赤の他人の方がいいと考える気持ちもわかります。『その人がさ、よりよくなれるように、踏みとどまってる足を進められるように、ちょっと背中を押すだけ。占いの役割って、そういうことなんだね』と気づいていく幸子。ただただ、胡散臭と思っていた『占い師』という職業について、その印象がごろっと変わってしまった、そんな読後感でした。

    『見ず知らずのいろんな人の話を聞くだけでも面白いのに、その上、その人の身の上のこととか、将来のこととか一緒に考えられる』という『占い師』の醍醐味を感じるこの作品。柔らかく、優しく、温かみのある言葉でふんわりと包んでくれる瀬尾さんの醍醐味溢れるこの作品。瀬尾さんならではの結末の絶妙な終わらせ方含め、瀬尾まいこワールド全開なその魅力にすっかり魅了された絶品中の絶品!でした。

  • ニベア、ファミリーセンター、おしまい予言、強運の持ち主、どれも温かかくて少し不思議なお話だった。
    占いは直感とか人相でっていうのもなんとなく分かる。100%当たることを伝えるのではなく、その人の背中を押してあげるような、そんなアドバイスをしたり悩みを聞いてあげるのが占い師の仕事なのだと思った。
    瀬尾まいこさんの作品は悪い人が1人も出てこないから良い。また他の本も読んでみたくなる。面白かった。


  • 瀬尾まいこ 著

    瀬尾まいこさんの作品は以前から
    ずっと読みたいと切望していた作家さんだ!
    多くの方々に読まれ親しまれている作家さんの本
    デビューの自分は先ずは短編小説から…
    と、読み始め、この一冊目の作品で、
    もはや、瀬尾さんの大ファンになってしまった!
    ファンが多いのも改めて頷ける、納得!
     感性が自分に合ってて、とても好き。

    この作品の主人公占い師のルイーズ(吉田幸子)にも…とても好感が持てた。
    サバサバしているけど、結構、繊細で…
    適当に、、なんて言いながら気になり悩み、
    フルに頭を回転させている。
    人付き合いは面倒で人間関係にゴタゴタするのも嫌いだけど…決して人間嫌いではない。
    四柱推命も取っ払って、直感勝負!しかも、人間らしいアドバイスが、とても的を得ていて、のめり込んでしまった。

    しかも、ユーモアのセンスが輝いていて、
    ジュリエ青柳の不思議な食べっぷりの良さ
    (八丁味噌を食べ切る下りには笑い漏れるのを抑えられなかった)
    ジュリエ青柳に、いつも、ボーッとした男と呼ばれ続けている ルイーズの愛する同棲相手の通彦の毎回、変わった料理レシピには、
    本当に笑えた(葛切り、マカロニ、昆布茶塩、これは読まなきゃ伝わらない!)

    とにかく、この作品には、純粋に笑え、ちょっぴり泣けて癒された 素敵な作品だった。

    私自身は、全然占いに興味もなく…信じる?信じない?とかの問題でなくて、何で、自分の事を知りもしない他人に悩みを打ち明け、自分の今後の人生のあれこれに指標を示されなければいけないのか?全く納得いかず、当たっていようがなかろうが興味もないし、自分の人生は自分でしか経験も、乗り越えてもいけないものだと思っている、これは、あくまで、私の持論であるが…。
    実際のところ…
    占い好きな人は沢山いるのも事実だし、現に私の友達も占い好きというか占いにハマっている(頼っている??)者も多く、何処そこの占い師がよく当たり有名だと聞けば、遠い地域にだって赴いて占ってもらいに行ってる

    どれほど、占いにお金をおとしているんだろう?って思いもするが、もはやそれは、趣味とでも考えたり、本人にとって良きアドバイスになれば、それはそれでその人の勝手だし、関係ないのだけど…。
    マインドコントロールだとか、悪徳詐欺みたいに使ってるのには要注意って気もするけど、きっと、占いなんて興味ないと思ってる私と同じく占いに興味を持ち、占いに信頼を持つ人はその人なりの持論があるのだろう。

    私は以前、占い好き(占い頼り)にしている友人が、予約しても1年待ちという(何処でどうやって見つけてきたのか?その方に驚くが…)その大層な有名な占い師(霊媒師)にやっと予約の順番が回ってみてもらう事になったと…恐ろしいほど息を弾ませて報告しに来た。
    「あ、そう、それはそれは…」という私に「スゴイ霊感のある占い師で、100%当たると言われてるんで不安なのでついて来て欲しい」と言われた。「な、何で私が…それに100%当たるなんて、なんと胡散臭い!」
    その友人は家庭(特に夫)に不安を抱えていて…どうしても今後の事を聞きたいらしい
    断ったが、あまりの友人の執拗さに折れて
    「何を言われても、アドバイス程度に受け止めて、信じ込んで、心折れ泣くなんてことしないこと約束するなら、ついて行ってもいい」と念押ししたのに…「勿論よ!」という友人の占ってもらった後の落ち込みといったら、ありゃしない…ʅ(◞‿◟)ʃ
    で、胡散臭い有名な霊媒師に 当たり過ぎてめちゃくちゃ泣いてる友人に推され無理矢理
    占ってもらう羽目になった私…
    霊媒師…「う、ただのおじいちゃんじゃん」
    しかし、ギロっと私を見るなり第一声が
    「おー、、私の弟子になってくれないか?」
    「ゲッ!はぁ?嫌ですが……」
    「やっぱり、嫌か…私はこの歳だから後継者を考えているのだが…」と肩落とし言ったが(私に何の関係が…)
    「あんたは稀に見る強い霊感の持ち主 しかし、占い師になるには霊感だけではなく、四柱推命とかも、ちゃんと勉強して、習得してからでないと駄目なんだが…」
    以前にも、ブグログレビューで、少し触れたが、霊感がある!と思われたり思わざるを得ないような感覚も持ったことはあるが…
    占いたくもない占いに来て霊媒師にいきなり言われるなんて怖い、怖すぎる。
    「というか、占い師になる気もなければ今後なる予定も一切ないし、人を占うなんて私には出来ないし、したくない…」
    聞いていないように、勝手に一応誕生日とか聞いて占いだした霊媒師 汚い字(読めないような字)でスラスラ、筆でメモ用紙みたいなものに書きなぐっている
    何を書いてるんだろう?
    とりあえず、一つの質問に対していくら(高額)という感じらしかったが、何か私について色々、話してくれた(中略)
    当たっているというか、その通りすぎ
    「言い得て妙」って言葉しか思いつかなかった。

    汚い字で書いたメモには、その時の私の給料や家族構成や経歴や全く喋ってもないことが書き上げられてた
    (ゲッ!本物の霊感者?)怖いんですけど…

    挙げ句の果てに、その当時、姉はお腹に、子どもを授かっていたが…霊媒師のおじいちゃん?いや霊媒師さんが「お姉ちゃんのお腹の中にこどもがいるが、その子どもは男の子か女の子か?どっちだと思う?」と聞かれる始末
    はぁ?姉の話をした覚えもなければ、お腹に子どもを授かってることまで〜なぬ?
    「どっちって聞かれても、私には分かりません…分かるはずもないし、、」呆気にとられている私に「いや、あんたには、どっちか分かってるはずや!」とやけに断言した口調で言い放った 戸惑う私に容赦ない態度
    ま.適当に言っとこ、「男の子かな」
    間髪入れずに霊媒師は言った「そうや!その通りや男の子や!」その絶対感に圧倒された
    結局、姉の産んだ子は元気な男の子だった。

    占いを信じるか信じないか?
    適当か真実か?というよりも
    大切なのは、相手の考えを聴いて、その心の中にあるものを引き出し、その人に投げかける言葉の説得力だと思った。

    瀬尾まいこさんの本は、そんなことを引きだしてくれて、心が軽やかになる作品だった。 

    自分のそれでも、一コマの思い出を長々書いてしまったが…勿論、私は易者にはならず、なりたいとも思わないが、悪くない思い出かもって今なら思えたから書いてしまった。
    あまり、気づかれたくも、持ちたいとも思わない霊感女の私だが、自分を詮索されることも嫌だし、人のことを詮索するのも好きじゃないけど…たまには、直感ってヤツに救われる時もあるなぁって思えたし、それを商売にするのもアリかもって感じてしまった(笑)
    また、是非、瀬尾まいこさんの他の作品も読みたい気持ちで溢れている(先ずは他の積読本を制覇してからだけど…。)

  • 文章も読みやすくて一気読み。
    まったく占いに興味がないからあんまり共感は出来なかったけど、登場人物がほっこりする人柄だった。
    占いで見つけた略奪彼氏だけど、最後は直感を信じれて良かった。正しい答えを導かなきゃってルイーズさんはあれこれしてたけど、正しい答えなんてないと思うし。そこまで占いを信じていないからか、もどかしかった。
    占いは、朝のテレビの星座占いか雑誌の後ろの方のページにある占いくらいが丁度良いな。

  • R1.6.24 読了。

    デパートなどのフロアーの片隅で時々見かける占い屋が舞台のお話。ルイーズさんと彼氏の通彦さんの関係や占いの師匠であるジュリエ青柳さんとの関係が、良いなあと思った。占いは人生の分岐点などで、悩んでいる人の背中をそっと押してくれるものって、考え方もありだなあ。

  • こういうほっこり前向きなお話、すきです。
    自分の中で大体答えは出ているはずなのに、背中を押してほしくて他人に話を聞いてもらいたくなるの、すごくわかる〜〜
    息抜きにちょうど良い一冊なので、また読むだろうな^ ^

  • 縁起のよさそうなタイトルだったので、図書館で借りました。
    インチキ占い師に就職したルイーズ吉田こと私と恋人の通彦をめぐる連作短編集です。

    『ニベア』
    なぜかお小遣いをたくさん持って、何度もやってくる小学生の男の子がお客です。とっても好きなお話しでした。よかったです。

    『ファミリーセンター』
    好きな男子に振り向いてもらいたいという、女子高生がお客です。いくら占いが外れても、「次はどうすればいい」とやってきます。ちょっとしたどんでん返しがあります。

    『おしまい予言』
    これは何でも他人のおしまいが見えてしまうという大学生の男の子武田くんとのお話し。

    『強運の持ち主』
    ルイーズがアシスタントに竹子さんという女性を雇います。竹子さんは占い上すごい「強運の持ち主」であるはずの通彦を占うことになりますが・・・。

    ルイーズはインチキ占い師だけどインチキなりに(実は占いはできないので)逆にどうしたら問題が解決するか、お客さんのために考えます。
    もちろん、世の中にはどうしても解決できない問題や大変なこともあると思います。
    でも、このお話は、自分でどうしたらいいか考えて、行動すれば、よりよい方向に進んだり、人生を少し変えてみることはできるんだよ。というメッセージを発しているように私はかんじました。
    強運の持ち主とは、自分で、自分の道を切りひらいていこうと、考えたり、行動したりすることのできる人のことではないかと思いました。

  • 瀬尾さんらしい温かい一作でした。
    占いというものには相当長い歴史があり、いわゆるスピリチュアルなものとは違い、ちゃんと体系だっているものらしいが、この主人公はなかなか面白い。ちゃんとした占いもできるが、だんだんいい加減になってきて、直感で答えるようになっていく。人を観察して、おのずとわかる方向性で相談者が気持ちよく帰れる回答をしだす、本人も認める「いい加減な占い師」だが行列ができるほど人気の占い師だ。

    そもそも占いに来る人達というのは、恋愛の相談から、転職の相談など日常の決断しにくい悩みを抱えていながら来ることが多いようだが、結構心の中で「実はこっちって言って欲しい」と思いながら踏ん切りがつかず、占いというもので後押しをしてもらおうとしているってのはすごくよくわかる話だと思う。要するに一歩踏む出す勇気が欲しいだけなのかもしれない。

    いつの世も悩みは尽きないもので、常に決断の連続。たまにはこうやって占いに頼ってみるのもいいかもしれない。もちろん、その先どういうことになっても、占いのせいにしてはいけないが。

    しかし、他人であればすんなり直感で回答できていた主人公が、自分のことや、自分の恋人のこととなると、そりゃぁ必死で占いをしまくって焦る様子がなんとも微笑ましい。

    エンディングも瀬尾さんらしい、なんだかほっこりした終わり方でした。占いがどうであれ、自分の直感を信じてみるって意外と大事かもしれませんね。

  • 乙一ワールドにぞくぞくした後は、瀬尾さんの小説でほっと温まるひとときを。

    元OLが、営業の仕事で鍛えた話術を生かし、占い師に転身。
    「ルイーズ吉田」と名乗って、星だの運命だのに関連させながらお客さんの人生相談、恋愛相談に耳を傾ける。
    お父さんとお母さんどっちを選ぶべきか聞く小学生、
    ある人に気にしてほしいと、何度外れても足を運ぶ女子高生、
    ときどき人の「終わり」が見えるという男子大学生の武田くん、
    アシスタントとして雇ったシングルマザーの竹子さん…。

    占いってほんとに眉唾ものというか、胡散臭いものですね~!
    占いの楽屋裏が面白すぎた。占いで言うネタ考えて女性雑誌をめくる占い師…!本当にいそう(笑)。
    そんな適当な主人公だけど、
    「先生どうしましょう、この人結婚運ゼロで、手相も人相も悪いんですよ!」
    なんてことをお客さんに面と向かって言っちゃうアシスタント竹子さんに対して、上手にフォロー入れるあたりはすごい。

    「大事なのは正しく占うことじゃなくて、相手の背中を押すことだから」
    これは師匠の言葉だけど、本当にそのとおりだなぁと思った。
    当たるも八卦、当たらぬも八卦。でも占いに来る人は何かしら、背中を押してほしいことがあるのであって、悪いことを聞きに行くわけじゃない。
    かくいう私も、当たるとか言われるとためしにやっちゃったりするし、星占いもテレビでやってたら一応チェックするし、この間は旅行ついでに15分3000円の占い行っちゃったりね・・・!
    (それによると、35歳か36歳あたりのとき、消化器系に気をつけた方がいいらしい。しかしどう気をつけろというのだろう。)

    面白かったしほんわかもした、ただ、何となくだけれど主人公があまり好きになれなかったのです。
    「インチキ占い」なんて自分で言っちゃういい加減なところは面白くもあるのだけど、占いの結果だと言って、お客さんの彼氏を強引にもぎとって悪びれないようなところが。。
    占い師はお客さんを幸せにしないといけないとは思わないが、でも自分のお客さんを積極的に不幸にしてどうすんねん、と真面目なことを思っちゃいました(笑)

    • まろんさん
      そうそう、お話そのものはほんわか温かいし、
      女性誌の占いコーナーをはじめとして、各種の占い本からいいところを寄せ集めて
      なぜかしっかりお客を...
      そうそう、お話そのものはほんわか温かいし、
      女性誌の占いコーナーをはじめとして、各種の占い本からいいところを寄せ集めて
      なぜかしっかりお客を満足させてしまうルイーズのゆるさも楽しいのだけれど、
      瀬尾さん作品のヒロインとしては、かなり図太い感じが異色でしたね!

      私も、どう気をつけたらいいのかはよくわかりませんが、
      マリモさん、35歳~36歳にかけては、
      とりあえず新鮮で消化のよいものを召しあがってくださいね(*'-')フフ♪
      2012/11/29
    • マリモさん
      まろんさん♪

      あはは、図太い!まさにその通りですね~。
      でもトキメキポイントが「強運」というところが、占い師らしいというかなんというか。
      ...
      まろんさん♪

      あはは、図太い!まさにその通りですね~。
      でもトキメキポイントが「強運」というところが、占い師らしいというかなんというか。

      消化器系云々以外にも、占いで他にも色々言われたのですが、あまり覚えていられないタチで、ほぼ忘れてしまいました。
      食い意地が祟って食中毒というのがありそうな線なので、できるだけ気をつけますねー!(笑)
      ありがとうございます!
      2012/11/29
  • 占い師の主人公へお客さんとしてやってきた人達との物語全4編。
    冒頭、裏事情を知ることになるのでお客とのやり取りに可笑しさを感じますが、どの話も優しく解決していきます。

    主人公の彼氏、通彦とのちょっとゆるくて着飾らない生活のやりとりが微笑ましく、随所に出てくる食べ物にも興味がそそられます。変な食べ合わせしているようなのもありますが…。

    優しいお話なのでちょっと疲れた時とかに読むのもいいかもしれませんね。私は一気に読んでしまいました。

全787件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1974年大阪府生まれ。大谷女子大学国文科卒。2001年「卵の緒」で坊っちゃん文学賞大賞を受賞。翌年単行本『卵の緒』でデビュー。05年『幸福な食卓』で吉川英治新人賞を受賞。その他の著書に『図書館の神様』『強運の持ち主』など。

「2019年 『ありがとう、さようなら』 で使われていた紹介文から引用しています。」

瀬尾まいこの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

強運の持ち主 (文春文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする
×