強運の持ち主 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 4656
レビュー : 595
  • Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167768010

感想・レビュー・書評

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  • 瀬尾さんらしい温かい一作でした。
    占いというものには相当長い歴史があり、いわゆるスピリチュアルなものとは違い、ちゃんと体系だっているものらしいが、この主人公はなかなか面白い。ちゃんとした占いもできるが、だんだんいい加減になってきて、直感で答えるようになっていく。人を観察して、おのずとわかる方向性で相談者が気持ちよく帰れる回答をしだす、本人も認める「いい加減な占い師」だが行列ができるほど人気の占い師だ。

    そもそも占いに来る人達というのは、恋愛の相談から、転職の相談など日常の決断しにくい悩みを抱えていながら来ることが多いようだが、結構心の中で「実はこっちって言って欲しい」と思いながら踏ん切りがつかず、占いというもので後押しをしてもらおうとしているってのはすごくよくわかる話だと思う。要するに一歩踏む出す勇気が欲しいだけなのかもしれない。

    いつの世も悩みは尽きないもので、常に決断の連続。たまにはこうやって占いに頼ってみるのもいいかもしれない。もちろん、その先どういうことになっても、占いのせいにしてはいけないが。

    しかし、他人であればすんなり直感で回答できていた主人公が、自分のことや、自分の恋人のこととなると、そりゃぁ必死で占いをしまくって焦る様子がなんとも微笑ましい。

    エンディングも瀬尾さんらしい、なんだかほっこりした終わり方でした。占いがどうであれ、自分の直感を信じてみるって意外と大事かもしれませんね。

  • 休日前の夜に思い切って購入し、1日で一気に読みきった。

    人の悩みには冷静なのに、いざ自分の悩みになると、答えそのものをつい求めたがる。そんな占い師の主人公に思わず共感。

    正しいことを言うことも必要だけど、相手の背中をそっと押してあげるのがアドバイス。

    そんな大切なことをふわっとした気持ちで知ることができる、いい本だと思う。

    • ikedazuさん
      「思い切って購入」ってのがイイ
      「思い切って購入」ってのがイイ
      2019/08/08
    • 旅する本好きさん
      コメントありがとうございます!
      コメントありがとうございます!
      2019/08/09
  • 縁起のよさそうなタイトルだったので、図書館で借りました。
    インチキ占い師に就職したルイーズ吉田こと私と恋人の通彦をめぐる連作短編集です。

    『ニベア』
    なぜかお小遣いをたくさん持って、何度もやってくる小学生の男の子がお客です。とっても好きなお話しでした。よかったです。

    『ファミリーセンター』
    好きな男子に振り向いてもらいたいという、女子高生がお客です。いくら占いが外れても、「次はどうすればいい」とやってきます。ちょっとしたどんでん返しがあります。

    『おしまい予言』
    これは何でも他人のおしまいが見えてしまうという大学生の男の子武田くんとのお話し。

    『強運の持ち主』
    ルイーズがアシスタントに竹子さんという女性を雇います。竹子さんは占い上すごい「強運の持ち主」であるはずの通彦を占うことになりますが・・・。

    ルイーズはインチキ占い師だけどインチキなりに(実は占いはできないので)逆にどうしたら問題が解決するか、お客さんのために考えます。
    もちろん、世の中にはどうしても解決できない問題や大変なこともあると思います。
    でも、このお話は、自分でどうしたらいいか考えて、行動すれば、よりよい方向に進んだり、人生を少し変えてみることはできるんだよ。というメッセージを発しているように私はかんじました。
    強運の持ち主とは、自分で、自分の道を切りひらいていこうと、考えたり、行動したりすることのできる人のことではないかと思いました。

  • 女性向き。

    何度も繰り返し読みました。暖かい気持ちなります。

  • いんちき、ではなく直感の占い師ルイーズ吉田の話。
    読み終えて、ほっこりあたたかな気持ちになれました。
    強運の持主である彼氏、通彦のこれからが楽しみです。

  • 瀬尾まいこの中では一番今の所好き。おじさんだってな、ゆるゆる日常の中でちょっとしたいいことを見つけて系小説を読むこともあるんだ。

  • 素敵。

  • 占い師に転職した20代女性のあれこれ。

  • この本で瀬尾さんファンになりました。
    国語の先生であるせいか、とても文章の書き方が美しい。
    占いにやってくるさまざまな客の家族ストーリにも各所笑いと愛が詰まってる。ハッピーな気持ちになる1冊。

  • 最高。大好き。

著者プロフィール

瀬尾まいこ(せお まいこ)
1974年、大阪府生まれ。大谷女子大学国文科卒。2011年の退職までは、中学校で国語教諭として勤務する傍ら執筆活動を行っていた。2001年『卵の緒』で第7回坊っちゃん文学賞大賞を受賞し、これが翌年単行本デビュー作となる。2005年『幸福な食卓』で第26回吉川英治文学新人賞、2008年『戸村飯店 青春100連発』で坪田譲治文学賞をそれぞれ受賞。これまでに映画化された作品に、代表作『幸福な食卓』、『天国はまだ遠く』『僕らのごはんは明日で待ってる』。『そして、バトンは渡された』は第31回山本周五郎賞候補、2018年「本の雑誌が選ぶ上半期ベストテン」1位、「キノベス2019」1位に選出、さらに2019年本屋大賞を受賞。2019年6月13日、『優しい音楽』(新装版)を刊行。

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