- Amazon.co.jp ・本 (313ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167768027
感想・レビュー・書評
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めっちゃよかったぁ。
何度もほろりと涙ぐんでしまいました。
大阪下町の戸村飯店という中華料理屋さんで
育った一つ違いの兄弟がのお話です。
同じ親から生まれた兄弟であっても
性格がまるで違うというのは
本当どこのお家でもそうやと思います。
お互いなんとなく、ライバル的に複雑な気持ちもあり、リスペクトする気持ちもある。
相手を羨ましく思ったり、理解できへんと思ったり腹が立つと思うこともあります。
近すぎると見えない相手に対する感情も
少し離れると認められるようになったり
心配もできるようになったり。
本当に自分のことも兄弟 親の気持ちも
わからないし居心地が悪く離れたいと感じる時もあるけれど、やっぱり家族っていいなぁ。と心から思いました。
温かく本当に優しいお話で、大好きな本になりました。
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「そして、バトンは渡された」の解説で、上白石萌音さんが、瀬尾麻衣子さんのイチオシ本として挙げてたことで、気になって手に取りました。
読んだら面白くて、
元気になりたい時、ちょっと読書したい時、たぶん大体どんなシチュエーションで読んでも、さらさら読める本だと思いました。
外に出て、いろんな環境や人に触れることって、自分には予想しない形で、役にたつ時があるのだろうなと感じました。
私はヘイスケと同じ長男ですが、器用でもないし、卒なくこなせるタイプでもないけど、ストロガノフをサラッと作ってあげれて、自分はお茶を飲んで、ニコッと笑っていられるお兄ちゃんになりたいと思いました笑
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弟のコウスケ目線から始まる本作。次の章は兄のヘイスケ目線。そこで、最初に抱いたヘイスケの印象はがらりと変わりました。そこから各章、弟、兄の目線で交互に展開される本作。コウスケはザ、大阪人といった性格。逆にヘイスケは少し不思議な感じ。
言葉を交わさないだけで、相手が何をどのように考えているのか分かった気でいるけど、実際には違う。それは他人だけではなく家族とでも…。男兄弟の関係は想像以上に複雑なのかも…と思えた作品でした。
ヘイスケの最後の展開に少しだけ、うるっときました。 -
ヘイスケとコウスケ。
器用なようで器用でない兄と、不器用なようでやっぱり不器用な弟が離れて暮らす時間でそれぞれ変わっていくさまが面白い。
コウスケに感情移入したり、ヘイスケに感情移入したり忙しかったけれど、最後がよかった!
コウスケと岡野さんもどうかうまくいってくれ!
思うようにぬらないのが青春だとしても。 -
年末に読むのにぴったりの面白くて、人情を感じる温かい作品。大阪の下町で町中華を営む両親のもと育った兄弟ヘイスケ・コウスケが交互に語り手となって話が進んでいく。高校生活やアルバイト、恋に進路に悩んだり、こういう人いるな、こういう感じあったなととても親近感が持てた。加えて両親やお店の常連客のさりげない優しさにもじんわりする。瀬尾さんの本は初めて読んだが、人気なのもうなずける。大満足の1冊。
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大阪の下町にある中華料理店で生まれ育った2人の男兄弟の青春物語。
クールで要領のいいお兄ちゃんと不器用でまっすぐな弟。キャラクターは違えどお互いがお互いを心の中では認め合っているけれど、決して表面上は繋がり合おうとしない、このくすぐったい感じ。
登場人物すべてが素敵な人間で、あぁこんな場面でこんなこと言える男になりたかったなぁ、みんなの器の大きさに自分に言い聞かせるように読んだ。
折に触れて読み直したい、最高な1冊でした。 -
上白石萌音ちゃんの解説を読んで。
大阪の超庶民的中華料理店、戸村飯店の息子、ヘイスケとコウスケ兄弟の物語。
面白い。大阪の笑いのシビア?さに、自分は生きていける気がしないけど、単純に面白くて。さらにきょうだいの距離感や心情に共感できるところもあって、のめり込んでしまった。
きょうだいってなんなんだろう。味方のようなライバルのような、拗れてやっかいになることもあるけれど。ヘイスケ・コウスケ兄弟を見ていると、いいもんだなぁとしみじみ思う。現実は素直になれないし、大なり小なりいろいろあるけど笑。
温かい気持ちになる物語。戸村飯店でご飯食べたいなぁ。 -
笑いあり、涙あり。再読したいと思えた素敵な一冊。
こてこての大阪ワールドに、何度も笑えた。
一緒にいる時は分かりあえなくても、離れてから存在のありがたさに気づく。そんな素敵な家族の物語に、温かさを分けてもらえた。
器の大きいお父さんが大好きになった。彼の言動から泣きそうになった。
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全く好みじゃないタイトルと表紙!(すみません!)でも、瀬尾まいこさんだから…と思って、読んだら、めちゃくちゃ面白くてあっという間に読んでしまった。
正反対のタイプの兄弟のお話なのですが、どっちもいい男の子!!うちの子もこういう風に育ってくれないかなーと思いました。高校生ってまだ思春期だよね?って思うほど、家族や周りの人への思いやりに溢れてる。特に弟のコウスケの思考が面白すぎて可愛すぎて、爆笑でした。逆に兄のヘイスケは、切なくてキューっとさせられた。
嫌な登場人物が全くおらず、穏やかな気持ちでサラッと読めた。特に北島くん、品村さんのキャラが良かった。
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いい小説だった。
私は関東人だから、東京と大阪の違いをそんなに意識してなかったが、この小説が言うように案外違いは大きいのかもしれない。
体に染み付いた望郷の念を1年東京で暮らして思い出すノスタルジックな青春小説でした。