戸村飯店 青春100連発 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
4.08
  • (200)
  • (296)
  • (119)
  • (14)
  • (0)
本棚登録 : 1689
レビュー : 251
  • Amazon.co.jp ・本 (313ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167768027

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 大阪の下町にある中華料理店「戸村飯店」の二人の息子、兄ヘイスケと弟コウスケの物語。
    弟は弟で、兄は兄で、それぞれ本当に感じていたことは違い、
    お互いを外から見ていたことも違っている。
    けれど、どこの家族も、そんなものかもしれない。
    家族だからって、すべて分かっているとは限らないし、
    家族だからこそわかることもあるだろう。

    押しつけがましくなくて、べたべたしすぎない
    ちゃんと距離がある家族のつながりみたいなものが
    妙に心地よく感じた。

    戸村飯店のお客さんたちの方が
    よほど人の心にずけずけ入り込んでくるしべたべたくっついてくる感じがするが、それは他人だから良いこと。
    これを家族にやられたら息苦しくてたまらないだろう。
    そのあたりを吐きちがえると大変なことになるんだよなあ
    と改めて感じた1冊。

    いいね、こういう家族。

    肝心な時はちゃんと助けてくれる。
    あとはちゃんと大切に思っていてくれる。
    くっつくだけが家族愛じゃないんだよっていうのは
    いろいろなものを示してくれる気がする。

  • 最後うるっときた
    好き、この話!

  • 以前読んでいたのに、気づかず読んでしまった。。
    この人の小説は、サバサバしていて、しかもやさしいくていい。
    久しぶりにほっこりしました。

  • 大阪の庶民的中華料理店の二人息子が、自分自身を見つめ直して新しい道を歩き始める青春小説。
    阪神タイガースに吉本新喜劇と大阪色いっぱい。大阪人同士の掛け合いも面白い。優等生に見られがちの兄の知られざる苦悩と、単純で豪快と評価されている弟の閉塞感。明るいタッチで見逃しそうだが、実に奥が深い。二人の息子を温かく見守る父親の存在もグッとくる。
    タイトルは、おそらくあの名作ビデオ「吉本新喜劇ギャグ100連発」からきてるのでしょう。タイトルも奥が深い!

  • 相変わらず瀬尾さんは瀬尾さんでした。
    ただタイトルだけは変えたほうがよかったですね。

  •  瀬尾まいこは、時々ここにも登場する読書好き院生のオススメ読書リストにありながら、今まで未読だったもの。しかしこんなに大阪コテコテだとは知らなかった。
     ド大阪の庶民的中華飯屋戸村飯店の一歳違いの兄弟が主人公。対照的な性格の兄弟それぞれの視点での物語が交互に綴られる。舞台が大阪の下町なので、飯屋の常連客や近所の人をはじめ周りの登場人物がまあ絵に描いたように漫才チックでそれだけでおかしい。兄のヘイスケは高校を出て東京の専門学校へ進学し、そこで出会った友人や先生、バイト先のオーナーたちとの新たな日常がはじまり、残されたコウスケは相も変わらず地元の高校生活を謳歌すると。こういう筋書きを書いてもしょうがないんだなこの作品は。クールな二枚目っぽいヘイスケはヘイスケなりに、三枚目丸出しのコウスケはコウスケなりに、見かけとは違っていろいろと考えて生きており、やはり似たもの兄弟なんだよな、兄弟っていいよな、と思わせるあたりが瀬尾まいこ家族小説ワールドの魅力なのだろうか。ただそれだけという気もするけど、まいいか(笑)。

  • iPadで読了。kindle万歳。かなり楽しいお話!べたな青春ものなのに、古臭くも説教くさくもなく、さらさらした大阪弁が気持ちいい作品。久しぶりに一気読み。あー、面白かった。続きが読みたい。

  • 瀬尾まいこさんの書く物語は、やさしくてあたたかい。その空気が好きなのだけど、でも、ちょっと優等生的なにおいがするな、と思っていた。もちろん、そこも含めて好きだと思っているのだけれど。

    この物語は、とにかくテンポがいい。楽しいことも、悩んでることも、自分で気づいていない自分のことも、関西のノリでポンポン語られるとなんだか笑えてしまうのだ。でも、とても大事なことがいっぱい詰め込まれている。それこそ100連発だ。元ヤンの威勢のいいあんちゃんが、阪神を応援してみんなと騒いでいるけど、本当は巨人ファンなんだとこっそり告白する。いやいやコテコテの大阪で巨人ファンってどうなのよ!と思うと同時に、なんかじわっと大事なことがしみてくる。

    こんなささいなエピソードで、人生ってそういうもんだよな、そういうこともあるよな、なんて共感させられる。たかが阪神、巨人のことで。物語の力って不思議だ。

    ヘイスケの彼女のアリさんがあんまり好きじゃないので減点したくもなるけれど、でもやっぱりこの物語は★5つ。ラストシーン・・・最後の2ページちょいで、なんだかじわじわ泣けた。

    全編通して、何か、ドカンと大きな出来事があるわけじゃない(本人たちにとってはきっと違うだろう)。ただの大阪の中華料理屋の、二人の兄弟のお話だ。誰にでもある、普通の日常みたいなお話だ。だけど、なんだかじんわりくる。この兄弟、それぞれに良い友達がいる。それがすごく納得できる。

    やっぱり瀬尾さんの書く物語が好きだ。やさしくてあったかい。そして、この物語からは、優等生のにおいは消えている。好きな本が増えた。

  • 読んでよかった、と思ったのはひさしぶりかも。大阪弁がかわいくてほっこりして素敵な話だった。兄弟姉妹の関係ってちょっと難しいけど大切だよなーと思った。
    合唱祭の部分が好き。

  • 青春の迷いとか兄弟愛とか故郷愛とか。兄弟がそれぞれほんとの自分を見つける一年。せつなくてほっこり。

全251件中 21 - 30件を表示

著者プロフィール

瀬尾まいこ(せお まいこ)
1974年、大阪府生まれ。大谷女子大学国文科卒。2011年の退職までは、中学校で国語教諭として勤務する傍ら執筆活動を行っていた。2001年『卵の緒』で第7回坊っちゃん文学賞大賞を受賞し、これが翌年単行本デビュー作となる。2005年『幸福な食卓』で第26回吉川英治文学新人賞、2008年『戸村飯店 青春100連発』で坪田譲治文学賞をそれぞれ受賞。これまでに映画化された作品に、代表作『幸福な食卓』、『天国はまだ遠く』『僕らのごはんは明日で待ってる』。『そして、バトンは渡された』は第31回山本周五郎賞候補、2018年「本の雑誌が選ぶ上半期ベストテン」1位、「キノベス2019」1位に選出、さらに2019年本屋大賞を受賞。2019年6月13日、『優しい音楽』(新装版)を刊行。

戸村飯店 青春100連発 (文春文庫)のその他の作品

戸村飯店青春100連発 単行本 戸村飯店青春100連発 瀬尾まいこ

瀬尾まいこの作品

ツイートする