戸村飯店 青春100連発 (文春文庫 せ 8-2)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 4933
感想 : 527
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  • Amazon.co.jp ・本 (313ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167768027

感想・レビュー・書評

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  • 舞台は大阪のある中華料理店。兄・ヘイスケと弟・コウスケ、1章ごとに一人称が入れ替わる形で物語は展開していく。
    兄・ヘイスケが高校を卒業し上京するところから物語は始まる。
    この本の伝えたいことを一言で言うなれば「離れてみて初めてわかる人の気持ち、ありがたみ」と言ったところだろうか。
    私も18歳で親元を離れて、以降地元には戻っていないが、親元から離れて気付くことは数え切れないほどあった。40近くなり親となった今も、改めてそういったありがたみを感じる部分はある。
    おそらくこの兄弟も、ずっと大阪から出ず暮らしていたら気付くことができなかったことが多々あったと思う。
    また兄弟の視点だけではなく、親の視点から見るこの物語も面白い。
    本当はそばにいてほしい、店を手伝ってほしいと思いながらも、あえてきつく突き放す親の気持ち。その気持ちがとてもせつなく、しかし温かい。
    もっと面白さ全開!みたいな本だと思っていたが、良い意味で裏切られた。
    上京した当時のことを思い出し、ちょっぴりセンチメンタルな気分にさせてくれた本だった。

  • すらすら読めて、楽しかった!
    ふんふん、それでそれで?と読み進んだ。
    この人達のその後、とかあるのかな?
    気になるな…続きがあればいいのにな〜
    と思った。

  • 弟から見た兄と、兄の視点ではかなり印象が違った。
    包丁の練習で手を切ったのはわざとじゃなかったのね。

  • すっごく面白かった!たくさん笑いました。懐かしい中高生のころがちょっぴりよみがえる。だけど、コテコテの関西弁で、私の青春とは全く違う。こんな青春もあるのだなぁ。

  • ヘイスケ、コウスケ読めば読むほど、どちらも愛らしい。
    家族ってわかりあえないようで、やっぱりわかりあえてる!子どもの時も大人になってからの関係性もどっちも思い出でだいじ。

    何回も読みたい!
    おもしろいし、泣けてくる!

  • コミカルかつ軽妙な文章でサクサク読める。
    一見すると真反対の性格を持つ兄弟だけど、芯のところで似ているところがあってほっこり。
    嫌な登場人物が一人もいないので読了後はハッピーな気持ちで清々しい。これが青春ってやつかと納得。

  • アリさんという女性が気に食わなかった。まずこれ笑でもこのアリさんが『東京』というものを体現していたきがする。私はいけ好かないと感じた笑
    ヘイスケとコウスケ兄弟の2人視点で物語が進んでいくけど、どの章もスラスラと読みお終わった。
    男兄弟独特の絶妙な距離感とてるてる坊主のシーンはとてもニヤニヤしてしまった笑
    瀬尾さんの本ほんっとにおもしろいし、話の展開も途中でわかるけどそれがなんとも気持ちいい!!
    またちがうやつ読もーっと

  • 人と関わる中で自分が分かる。見えてくる。
    分かるなあ。大人になるってこういうことなのかもしれない。我が子も違う世界に飛び出して自分を感じてきて欲しい。そんな作品でした。

  • 表紙を見て、瀬尾まいこっぽくないなと思い、中身を読みだして、やっぱり瀬尾まいこっぽくないなと思う。
    だけど読み終わったら、瀬尾まいこ、やるなと思った。

    男同士の兄弟って、こういう感じなのだろうか。
    自分にないものを相手の中に見つけ、それがコンプレックスとして心にしこる。
    うちの長男次男もやっぱり性格は正反対で、自分にないものを相手の中に見つけてコンプレックスを感じてはいたようだ。
    兄弟仲は良かったけれど。

    同じ出来事でもヘイスケの視点とコウスケの視点では、見え方が違う。
    一目置かれる長男と、可愛がられる次男。
    私は長女なので、どちらかというとヘイスケ寄りに物事を見てしまう。
    どうでもいいわけじゃないけど、なんでもいい。
    そういえばうちの長男もそうだな。

    長男には長男の言い分があって、悩みや屈託があって、次男には次男の言い分があって、悩みや屈託がある。
    だから、若い人にはこの本を読んで、大笑いしながら悩み事を吹っ飛ばし、ついでに自分をみつめ直してほしいと思いました。

    瀬尾まいこ作品にしては珍しく、血のつながった父の存在感が大。

  • 戸村飯店青春100連発(文春文庫)
    著作者:瀬尾まいこ
    発行者:文藝春秋
    タイムライン
    http://booklog.jp/timeline/users/collabo39698
    兄と弟の本音に泣ける大阪弁で読む、笑って泣ける兄弟愛。

    • moboyokohamaさん
      映画にもなりましたっけ?
      フォローさせてもらいました。
      映画にもなりましたっけ?
      フォローさせてもらいました。
      2021/05/03
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著者プロフィール

1974年大阪府生まれ。大谷女子大学文学部国文学科卒業。2001年『卵の緒』で「坊っちゃん文学賞大賞」を受賞。翌年、単行本『卵の緒』で作家デビューする。05年『幸福な食卓』で「吉川英治文学新人賞」、08年『戸村飯店 青春100連発』で「坪田譲治文学賞」、19年『そして、バトンは渡された』で「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『あと少し、もう少し』『春、戻る』『傑作はまだ』『夜明けのすべて』『その扉をたたく音』『夏の体温』等がある。

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