うつから帰って参りました (文春文庫 い 77-1)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167773182

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  • 若い頃から市販の頭痛薬やハルシオンに依存しているうち、言動がおかしくなってきてようやく「うつ」と診断された脚本家さんの話。

    「消えてなくなりたい」という自殺願望を抱えながら、なんとか死なずに生きてこられたのは脚本のキャラクターを身代わりにして命を見つめられたのと、なにより奥様の支えがあってのこと。


    うつに根性論は通用しない、とよく聞くが間違った方へ間違った方へ進んでいこうとするあたり、苛立ってしまった。

  • 読むのに体力使った。
    素直に作者の文章を受け入れ、理解しようと思うのは
    実際に体験した事ない人がいう事なのかもしれない。

    読みながら終始自分の本心と良心との葛藤に潰れそうになる。

    本人も辛い。
    そして周りも辛い。

    家族の理解が必要。
    でも、その理解しようともがいている家族を誰か理解してほしい。

    そんな愚痴をこぼしながらも読んでるわけだから藁をもすがる思いで理解しようとしている自分がいる。

  • 鬱病の人の周りにいる人か、鬱でも治りかけの人ならいいかも。重篤の状態で読んでも逆効果にならないか心配。

  • 自身の脚本への言及が多すぎて、ちょっとこのタイトルの内容としては入りづらい所がある。(殆ど彼の作品観てないのも大きいかな。)ただ古尾谷氏と野沢氏の自死への言及にちょっと考えさせられた。

  •  うつ病を発症した著者の周囲には古尾谷雅人、野沢尚などはのちに悲惨な死を遂げる映画人が。撮影所システムと新しい映画界のはざまで苦労した世代なのだろうか。

     淡々とした軽い筆致が逆に凄みを感じさせる。

  • 読んでいて、胸が苦しくなるような作品。
    ・バブル時代に大活躍した脚本家が鬱病になっていたいとは
    ・薬を好きな人は、鬱になりやすいのかも
    ・現在のダイビングの話はよく解らない。ダイビングで精神のバランスを取っていると良いたいのかも
    ・奥さんえらい

    なにはともあれ、最後の感想「奥さんえらい」に集約されますね。

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著者プロフィール

一色伸幸(いっしき・のぶゆき)
1960年東京都生まれ。脚本家、小説家。
1980年前半から『宇宙船サジタリウス』『私をスキーに連れてって』をはじめ『七人のおたく』『波の数だけ抱きしめて』などアニメ、映画、ドラマと幅広い分野で次々とヒット作を生み出す。
『僕らはみんな生きている』『病院へ行こう』は日本アカデミー賞優秀脚本賞を受賞。
多忙を極める中、うつ病を患い仕事を中断。無気力と自殺願望に苦しむ毎日を送るが、2年間の療養生活を経て復帰する。

2004年の連続ドラマ『彼女が死んじゃった。』(日本テレビ)や、2007年のエッセイ『うつから帰って参りました』(アスコム)、後にドラマ化、舞台化された小説『配達されたい私たち』(小学館、後に角川書店から文庫化)でうつ病患者の心情を表現するなど、復帰後は人の内面に深く入り込んだ作風で高い評価を受ける。

NHK特集ドラマ『ラジオ』は、2013年に文化庁芸術祭大賞、ギャラクシー賞優秀賞、シカゴ国際映画祭テレビ賞金賞、菊島隆三賞など数多くの賞を受賞。2014年には国際エミー賞にもノミネートされた。

「2018年 『感動コミックエッセイ さよなら、うつ。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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