天皇の世紀(1) (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 129
感想 : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (476ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167773397

作品紹介・あらすじ

歴史とは何か?日本人とは何か?『天皇の世紀』(全12巻)は、文豪・大佛次郎が史実の中に真の人間像を追求した渾身の大作である。卓抜した史観と膨大な資料渉猟によって、明治天皇の誕生から戊辰戦争に至る激動の時代を照射し、世界史上のエポックともなった明治維新の真義と、日本人の国民的性格を明らかにする。

感想・レビュー・書評

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  • 大佛次郎の「天皇の世紀』第1巻のみ読みました。
    でも、書簡がほぼ原文のままなので読むのに苦労した。
    でも中の文はすばらしい、さすが加藤周一氏が絶賛しているだけあって、
    歴史に対する視点が秀逸である。
    『幕府時代の日本人は、住んでいる土地から一生離れないのが原則であった。
    ・・・都市が発達するに従って、商人の活動がさかんとなり、
    農民も村を離れて労力を求める街に出て働くようになった。
    世の中の組織が変わってきたのである。
    よほど旅慣れたものでないと、旅の苦労を人が嫌がった』 
    ほとんどの人々は自分の住んでいる国から外に出ることなく、
    情報もあてにならない人伝だけで、
    あとは自分たちの都合に合わせたお上の言うことが全てであった。
    こうした中で黒船がやって来る。
    宮中はもとより、幕府も旧弊にこだりは頑なに異国の排除しようとした。
    自分たちだけの身分さえこれまで通りであればよかったのである。
    一部の人たちはわずかな海外の情報を得ていたが、
    日本国民ほとんどが井の中の蛙だったのである。

  • 十二分に幕末の雰囲気を堪能した。まだ始まったばかりだから、これからどのような歴史を披歴してくれるのかわくわくする。書中、ハリスがこんな感想を述べている。「見物人の数が増してきた。彼らは皆よく肥え、身なりもよく、幸福そうである。一見したところ、富者も貧者もない-これが恐らく人民の本当の幸福の姿というものだろう。私は時として、日本を開国して外国の影響をうけさせることが、果してこの人々の普遍的な幸福を増進する所以であるか、どうか、疑わしくなる。」この当時の日本は西洋人が羨む豊かな面を持っていたのだ。

  • 2012.8.16-2012.9.19
    歴史は詳しいほど面白いといふ事実を感じさせる本。東北地方の一揆の話は印象的。時代は整然と変はるのではなく、様々な渦や逆流を生みながら流れて行くのだと分かる。
    明治百年の企画で『坂の上の雲』と同じ頃に、「全社挙げての支援と決まり、期限なし、読者を顧慮せず、という破天荒な作業」で朝日新聞に連載されたといふ解説も興味深い。

  • (チラ見!/文庫)

  • むかし古本屋で働いてた頃よく売ったなあ。
    馴染みはあるがまったく中身を読んでなかったのでここらで一度と。

  • 子供の頃、朝日新聞に連載されていた。また、土曜日の夜10時テレビで放送されていた。本当に懐かしいという感じ。
    題名は「天皇の世紀」とあるが、主に幕末が主体だったと思う。
    章毎に主人公が変わり、文献に基づき、その章事態が1つの短篇小説のようである。引用が多く、少し読みづらい感はある。

  • 小学生か中学生の頃、本シリーズが朝日文庫で本屋さんにずらっと並んでいたのを見た。黒船のカバー絵を覚えている。買って読みたかったが乏しい小遣いでは長尺物には手が出ず、残念に思っていた。今、好きな本を自由に買えるようになったが、今度は手元に置いておきたい本を並べるスペースに困るようになった。憧れの書の復刊は嬉しいが痛し痒し。

    幕末の禁中に、少しづつ世界の風が吹きこむようになり、動き始める気配から、第1巻は始まる。ペリー来航を経て阿部正弘の死まで。<u><span style='color:#ff0000;'><b>「大名たちは深く思考する習慣がなく、怠惰で、理屈嫌いな点が共通している」</b></span></u>。開国、維新を通じ、日本がどのようにして適応を遂げようともがいたのか、本シリーズを通じてもう一度じっくり見ていきたい。

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著者プロフィール

1897-1973。横浜生まれ。東大法学部卒業。教師、外務省嘱託のかたわら小説を発表し、「鞍馬天狗」のシリーズが好評をはくし、作家専業に。代表作に「赤穂浪士」「乞食大将 後藤又兵衛」「帰郷」「パリ燃ゆ」「天皇の世紀」等多数。芸術院賞、朝日文化賞、文化勲章を受章。実兄は星の学者として名高い野尻抱影。鎌倉の自宅は一般公開され、港の見える丘公園内には、大佛次郎記念館がある。また、74年、朝日新聞社主催で大佛次郎賞が創設された。

「2014年 『猫のいる日々 〈新装版〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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