天皇の世紀 黒船渡来 (1) (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2010年1月8日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (480ページ) / ISBN・EAN: 9784167773397

みんなの感想まとめ

歴史の転換期を描いた本作は、幕末の日本がどのようにして外部の影響を受け入れていったのかを探求しています。特に、黒船来航を契機に変わり始める日本の姿が印象的で、当時の人々がどれほど情報に乏しく、井の中の...

感想・レビュー・書評

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  • 大佛次郎の「天皇の世紀』第1巻のみ読みました。
    でも、書簡がほぼ原文のままなので読むのに苦労した。
    でも中の文はすばらしい、さすが加藤周一氏が絶賛しているだけあって、
    歴史に対する視点が秀逸である。
    『幕府時代の日本人は、住んでいる土地から一生離れないのが原則であった。
    ・・・都市が発達するに従って、商人の活動がさかんとなり、
    農民も村を離れて労力を求める街に出て働くようになった。
    世の中の組織が変わってきたのである。
    よほど旅慣れたものでないと、旅の苦労を人が嫌がった』 
    ほとんどの人々は自分の住んでいる国から外に出ることなく、
    情報もあてにならない人伝だけで、
    あとは自分たちの都合に合わせたお上の言うことが全てであった。
    こうした中で黒船がやって来る。
    宮中はもとより、幕府も旧弊にこだりは頑なに異国の排除しようとした。
    自分たちだけの身分さえこれまで通りであればよかったのである。
    一部の人たちはわずかな海外の情報を得ていたが、
    日本国民ほとんどが井の中の蛙だったのである。

  • 十二分に幕末の雰囲気を堪能した。まだ始まったばかりだから、これからどのような歴史を披歴してくれるのかわくわくする。書中、ハリスがこんな感想を述べている。「見物人の数が増してきた。彼らは皆よく肥え、身なりもよく、幸福そうである。一見したところ、富者も貧者もない-これが恐らく人民の本当の幸福の姿というものだろう。私は時として、日本を開国して外国の影響をうけさせることが、果してこの人々の普遍的な幸福を増進する所以であるか、どうか、疑わしくなる。」この当時の日本は西洋人が羨む豊かな面を持っていたのだ。

  • 2012.8.16-2012.9.19
    歴史は詳しいほど面白いといふ事実を感じさせる本。東北地方の一揆の話は印象的。時代は整然と変はるのではなく、様々な渦や逆流を生みながら流れて行くのだと分かる。
    明治百年の企画で『坂の上の雲』と同じ頃に、「全社挙げての支援と決まり、期限なし、読者を顧慮せず、という破天荒な作業」で朝日新聞に連載されたといふ解説も興味深い。

  • (チラ見!/文庫)

  • 子供の頃、朝日新聞に連載されていた。また、土曜日の夜10時テレビで放送されていた。本当に懐かしいという感じ。
    題名は「天皇の世紀」とあるが、主に幕末が主体だったと思う。
    章毎に主人公が変わり、文献に基づき、その章事態が1つの短篇小説のようである。引用が多く、少し読みづらい感はある。

  • 小学生か中学生の頃、本シリーズが朝日文庫で本屋さんにずらっと並んでいたのを見た。黒船のカバー絵を覚えている。買って読みたかったが乏しい小遣いでは長尺物には手が出ず、残念に思っていた。今、好きな本を自由に買えるようになったが、今度は手元に置いておきたい本を並べるスペースに困るようになった。憧れの書の復刊は嬉しいが痛し痒し。

    幕末の禁中に、少しづつ世界の風が吹きこむようになり、動き始める気配から、第1巻は始まる。ペリー来航を経て阿部正弘の死まで。<u><span style='color:#ff0000;'><b>「大名たちは深く思考する習慣がなく、怠惰で、理屈嫌いな点が共通している」</b></span></u>。開国、維新を通じ、日本がどのようにして適応を遂げようともがいたのか、本シリーズを通じてもう一度じっくり見ていきたい。

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著者プロフィール

大佛次郎
一八九七年横浜市生まれ。本名・野尻清彦。兄抱影は天文学者。東京帝大政治学科卒業後、鎌倉高等女学校の教師、外務省嘱託を経て、一九二三年関東大震災を機に文筆に専念。『鞍馬天狗』シリーズで急速に支持を得る。『パリ燃ゆ』『帰郷』『地霊』など歴史と社会に取材した作品も多い。六七年から死の直前まで朝日新聞で『天皇の世紀』を執筆。六四年に文化勲章受章。七三年没。生涯で五百匹の猫を世話したほどの猫好きでも知られる。横浜に大佛次郎記念館がある。

「2023年 『宗方姉妹』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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