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Amazon.co.jp ・本 (592ページ) / ISBN・EAN: 9784167773403
作品紹介・あらすじ
翻弄されながらも職責を全うする
中間管理職を共感を込めて描く!
損保業界名門の世紀火災海上保険の内部極秘資料がリークされ、
1年前に大蔵省監査と厳しい業務改善の示達を受けたことが、
経済誌『中央経済』にスクープされた。
社長から「ニュースソースを聞き出せ」と厳命された広報室の新任課長・木戸徹太郎は、
『中央経済』の記者福井と接触するが、容易には口を割らせられない。
ただ徐々に木戸は、会社を私物化する渡辺会長、
その甥でることを嵩に策謀に動く加藤副社長と、実権のない川本社長とを巡って、
社内での派閥抗争が裏に隠されていることを知る。
そんなとき、ある新聞が「川本社長更迭」と突然報道し、
木戸は記者に詰め寄られて……。
それぞれの思惑に翻弄されながらも、自らの職務を果たそうと奔走する
中間管理職の姿を鮮やかに描く。
また、本書は、刊行から30年以上もの間、
広報担当者や取材記者に読み継がれてきた〝危機管理のバイブル〟でもある。
企業のコンプライアンスとは、企業広報とは、広報担当の仕事とはなにか。
様々な示唆に富んだ企業小説の傑作!
感想・レビュー・書評
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昭和30年代後半の安田火災海上保険をモデルとした経済小説。
長らくトップに君臨する帝王がいる大企業で新しく広報課長に着任した30代後半の社員の奮闘を描く。ワンマン経営下での不透明な人事。それを嗅ぎつける新聞・経済誌記者の矢面に立つ主人公。社内と社外の板挟みに苦しむ場面のオンパレードは読んでいるこちらが胃が痛くなる。
広報マンを詳らかに描いた小説は珍しいが、読者を引き込む経済小説の巨匠の文才はさすが。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
世紀火災海上保険の新任広報課長木戸が、社内の会長・社長含む役員ラインの体裁や私欲に翻弄されながらも広報マンとして奮闘する。社内の調整、社外の記者対応に土日昼夜問わず苦労する主人公の働きを見ていると自分の苦労は何てことないなと思える。
「男の修行」
苦しいこともあるだろ
云いたいこともあるだろう
不満なこともあるだろう
腹の立つこともあるだろう
泣きたいこともあるだろう
これらをじっと
こらえてゆくのが
男の修行である by 山本五十六元帥 -
初版が1984年の10月なので、この本が世に出たのはもう35年以上前の話にはなるが、ビジネスパーソン、とくに広報関係者には読み継がれている一冊であるとのこと。
読み進めていくと確かにインターネットやメール、ケータイ、スマホといった今では当たり前のものが登場することはなく、また、今ではコンプライアンスやグローバリズム、ジェンダー的な価値観がすすんでいることもあり、現在のビジネスの現場から見ると多少の違和感を感じてしまうことはやむを得ない。この部分は当時の時代の描写、として割り切ってしまうのが良いだろう。
ただ、それでも、社内政治や人物心理・立ち振る舞いにに関わる描写は、いま現在のものと言っても全く違和感を感じさせることはなく「ああ、人間ってテクノロジーが変化しても全く変わらないものなんだなぁ」ということを感じずにはいられなかった。
実地としての教科書としては、『「危機管理・記者会見」のノウハウ(佐々淳行)』など実用的な本もあり、広報に興味がある人はそれらと合わせて読んでおくことも有用かと思う。
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いかにも日本企業ではないか、と思ったが、よくよく考えるとどこでも一緒かなという気がする。そういう意味では、昔の話だなというのも違って、根っこのところじゃ今の会社だってこういうことは茶飯事だろう。内紛ネタなんて、雑誌によく書いているもんなあ。
主人公の木戸は、鈍くさいような気もしてしまう。清水室長のような立ち振る舞いや気配りにあこがれるかな。自分は木戸以上に鈍くさいのだけれど。清水のような細かい気配りができる人になりたい。(ようで、なりたくないような) -
2014年10月4日読了。「広報を主人公にする」という視点で書かれた高杉良の経済小説。名門損保・世紀火災の広報課長・木戸。ワンマン会長派と社長の対立が深まる中、大手経済誌にすっぱ抜かれた暴露記事の火消しに追われるが・・・。タイトルに惹かれ読んでみて、後で広報マンのバイブルとして読みつがれている名作と知る。「広報とは」の実態を知る本としても非常に参考になるし、理不尽な複数の上司からの要求をマスコミら外部と調整しつつ如何に乗り切るか?というサラリーマン苦闘小説として読んでも実に面白い。記者/メディアと友達になる必要はないが、彼らは敵でもなく、お互いの仕事を尊重しつつ誠実に対応する、ということが広報には必要になるのだな・・・。ヒラ社員の小さな犯罪など細かい事件もマスコミのネタになるならないは広報の働き次第であること、広報のミスが会社にとって致命的になりうること、トップの方針がぶれることが広報の動きを阻害する最大の要因になること。非常に学ぶところの多い本だった、この人の他の本も読んでみたい。
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これはおもしろかった!
某損保会社のリーク記事に端を発した社内権力闘争。ワンマン会長とその取り巻きに立ち向かう孤立した社長。主人公の広報室課長が新米ながらに色々な人たちの助けを得て、会社を守ろうとするも、身勝手な経営陣はばらばらで会社は世間の批判に晒される。
時代としては金融ビッグバンの前だから流石に今はこうはなってないと思うけど、当時は内部腐敗激しいだったんだね。あの規模で世襲は無いでしょ…
解説に書かれていたように、広報に関わる人にとってのバイブルであることは木戸の真っ向勝負的な気持ちが大事ってことなのだろう。
川本が定年の話を持ちかけられたときの怒り狂った様子は良く書けてるよね。読んでてドキドキした。 -
面白い。会社の様子が良く分かる。
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80年代の小説なので、古さは感じます。
仕事の関係者を実家に泊めたり、就業後に家に仕事の電話をしたりと、今では考え辛いのではないでしょうか。ただ、カリスマ経営者が会社を私物化するのは現代でも見られることで、変わらない人間の業を感じました。
本書を読んだ学びとしては、
・コーポレート・ガバナンスの大切さ
・ミドルマネージャーの苦悩
でしょうか。
主人公が新聞記者と上司の板挟みになるシーンは読んでいておなかが痛くなりました。
またミステリー的な面白さもあり、楽しかったです。
何度か出てくる山本五十六の名言が沁みる作品です。単純な勧善懲悪ものではないのが、リアルでした。 -
安田火災をモデルにした小説。
高杉良は虚構の城に続いて2作目ですが、
モデルがあるだけにリアリティがあるものの・・・。
一つは昭和55年と平成の現代との時代の違い、というものがあるかもしれない。
また高杉良の小説に出てくる人物が割とワンパターンな点も気になる。
とはいえ、広報パーソンならば読むべき一冊なのは間違いない。(2010.7.31) -
既読本。記録のため登録
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極端だが会社でよくある話なんだろうが、純粋な働きをしたいものだと思う。辛いときもあるだろう、云いたいこともあるだろう・‥、山本五十六の言葉は胸に響く。
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今でも一部の大企業にありそうな社内政治の話
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『#広報室沈黙す』
Day423
昭和50年代、損保が21社もあった時代の話。
携帯もない。会社の金でズブズブ接待。
上場企業の部長クラスともなれば銀座に一軒、ママを囲えたという時代の、某大手損保トップ人事を巡る社内構想劇。
舞台設定だけ見ると、もはや洋服を着た時代劇に近い観があるが、やっていることは変わらないおかしさと、サラリーマンの悲哀。
小説なので長々書くのは野望だけれど、オジさん世代なら、無茶苦茶、感情移入出来ること請け合い。
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面白かった
大企業の権力に翻弄されるサラリーマン
程度の差こそあれ、時代は変わってもこういうのありそう
木戸はどうする?という、正しい目線を忘れないようにしたい -
メガ損保会社を舞台に、経営幹部の企業私物化を描く。中間管理職の広報マンを主人公に描くことにより、組織の論理と社会の論理の乖離を上手く伝えている。山本五十六元帥の言葉や取り巻く人物の描写が自然に表現されているところに引き込まれていく。ヒトの欲望や体裁、プライド、、人間の生臭さを積み上げたところにリアリティを感じさせる。
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新宿に本社を置く損保大手世紀火災の役員人事にまつわるゴタゴタを、広報室目線で描いた小説。広報業務とは無縁なものの、親近感の湧く内容であった。
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損害保険会社での社長人事を巡るキナ臭い追い落とし、策略、情実。それを嗅ぎつけるマスコミ各社とそれへの対応に翻弄される新人広報室課長の奮闘が描かれている。
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高杉良氏の保険会社を舞台としたストーリー。
今はもっと自由化がなされているので、こんなことはないだろうが、ここまで私物化することは可能だったんだろうか?
恐らくまだ20年も経たないくらいの時代の話。
日本人もどんどん世の中を知り、自我を持つようになったからなのか、また、他人との差別化を明確にしようとして結果なのか。
自由競争と言う名のもとに、なんでもありに近いことが行われるようになったようにも思う。
正義感が強いだけでは、物事を進めることができず、単に臨機応変だけでは、問題を解決できない。
こうあるべきと自分で決めて、それをブレずに持ち続けることが必要なのかと思った次第。 -
巨大損保会社が舞台の経済小説。経営層の内紛とマスコミと自身の正義感との狭間で、翻弄され、もがき苦しむ、広報室の姿が描かれる。旧安田海上がモデルとされる(裏取りできず)。
中間管理職の悲哀に同情しつつ、バツイチなのに社長秘書といい関係になる主人公を羨みつつ、広報の役割を再確認した。
著者プロフィール
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