ソロモンの犬 (文春文庫 み 38-1)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (388ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167773502

作品紹介・あらすじ

秋内、京也、ひろ子、智佳たち大学生4人の平凡な夏は、まだ幼い友・陽介の死で破られた。飼い犬に引きずられての事故。だが、現場での友人の不可解な言動に疑問を感じた秋内は動物生態学に詳しい間宮助教授に相談に行く。そして予想不可能の結末が…。青春の滑稽さ、悲しみを鮮やかに切り取った、俊英の傑作ミステリー。

感想・レビュー・書評

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  • 4人の大学生達は、彼らの教授の幼い息子の交通事故死と遭遇したことにより、友人関係が不安定になっていく。彼らの目の前で少年は、飼い犬に引きずられ事故にあってしまった。
    少しの違和感が事故への疑心となって、事故の原因を探してはじめる。
    あれやこれや事故に関する怪しげな事をこつこつと解消していきます。なかなかの創意工夫で正解まで楽しめます。
    大学生達は、事故に関しては悲しげだけど、コミカルさもあり、幻想的シーンもあり、道尾さんらしい作品かなっと思います。
    ソロモンの犬というタイトルほどソロモンしてないかなとは思ってしまいました。
    解説で、シャドウ→ソロモンの犬→ラットマンで初期青春三部作と知りました。また順番間違たかも。連作ではないみたいなので良いかな。

    • みんみんさん
      読んだはずだけど忘れちゃったな〜
      読んだはずだけど忘れちゃったな〜
      2023/05/16
    • おびのりさん
      道尾さんは、ちょーと、幻視みたいの入れてくるよね。そして、大学生の軽さがでてるから、忘れがち。
      道尾さんは、ちょーと、幻視みたいの入れてくるよね。そして、大学生の軽さがでてるから、忘れがち。
      2023/05/16
    • みんみんさん
      ちょっとオシャレな軽さね♪
      デビューした頃から何作か続けて読んだけど
      ちょっとオシャレな軽さね♪
      デビューした頃から何作か続けて読んだけど
      2023/05/16
  • ワンちゃんは、悪くない!
    いくら、ずっと仲良しだからって、大型犬に属してる犬を小さな子供に、リード持たせるのがアカン!

    そんなこと言ってると小説にならんけど…^^;

    子供がトラックに轢かれて亡くなる!
    これは事故なのか?
    巧妙な殺人なのか?
    やねんけど、何度もしつこいけど、ストーリーに関係なく、ある意味、殺人やとは思う。
    更に親も自殺…

    しかし、ええ学生生活してるな…の青春ミステリー…
    みんなキャラ立ちしてて、話は相変わらず屁理屈多いけど、軽快!
    間宮先生だけ、独特な雰囲気。名前もミチオだし…
    (良く出てくる作者の名前…)
    もっと、悲惨な最後を迎えそうな雰囲気やったけど、最後は爽やかな感じ。

    事件を通じて、彼ら彼女らは、一皮剥けるのかな?
    私は、まだ、その川は渡りたくないな…
    いずれは、渡るにしても…(SUN‘s)笑

  • ある日突然起きた事故の真相を追うことになった秋内が辿り着いた先には・・・
    冒頭から何か変な違和感?(言葉にするのが難しいのですが)があり、
    靄がかかったようなそんなイメージが終始ありました。
    怪しいなと思うような言動や行動を頭に残しつつ読み進めていき、
    終盤のシーンでは思わず「えっ・・・!?」と声を上げてしまいました。
    そしてその後、感じていた違和感、靄が少しずつ晴れていくように、
    物語の全体像がようやく掴むことができました。
    真相がわかっても尚、やりきれない気持ちになりました。
    未然に防げたことなのかもしれない、
    けれど必然で起こってしまった結果なのかもしれないとも思いました。
    悲しい話ではあったものの主人公のピュアさがところどころクスッと笑ってしまうようなシーンもあり、間宮に関しては中々癖にあるキャラクターで面白かったです。
    とにかく、オービーには幸せに暮らしていってほしいです・・・!!

  • 面白かった!重いストーリーではあるけれど、それほど暗い気持ちにならなかったのは、主人公の純愛や時々クスッと笑ってしまうシーンが上手く絡めてあったからかな。特に間宮先生のキャラが良かった!

    どんでん返しとまではいかないけど、トリックや伏線の回収が上手く書かれていて、最初から最後まで飽きることなく読めました。

  • 道尾秀介氏の魅力は、美しい文章、秀悦な表現…『洗ったように奇麗な満月』シビレた! そして仕掛けに次ぐ仕掛け。

    本書は大学生男女4人の青春ミステリー。
    助教授の10歳の息子が、愛犬オービーに引っ張られトラックに轢かれてしまう。なぜ、オービーは突然飛び出したのか? 
    偶発的な事故?策略された計画的なもの? 
    亡くなった陽介くんとオービーが不憫でならない。

    著者は、ホラー・明・暗といろんな作風を描くが、本書は切ない【明】ミステリー。目が先走り、結末に気が急き夜更かし読みした。

    ただ今回の仕掛けはちょいとやり過ぎでは⁈

  • 3回騙された(笑)
    道尾先生は『干支シリーズ』に縛られたくないとおっしゃってるようですが、『カラスの親指』とこれで2作目。
    他の作品も読んでみようかな。

  • 久し振りにドきついミステリーを読みたくて、道尾秀介!純朴な大学生・秋内、彼が准教授(椎崎)の息子の陽介の轢死を目撃した。犬のオービーが無理にリードを引っ張り、陽介が道路にはみ出し、トラックに轢かれた。オービーの奇怪な行動を暴く。実はオービーの行動は陽介を守るための手段だったことを知り、胸が熱くなる。友人の京也と椎崎のまさかの男女関係は想定外。この1冊で真相解明のみならず、大学生の不協和音、本気ではない悪意、複雑な人間関係、純愛、更には叙述トリックが多層にミックスされ、終始飽きさせない内容だった。

  • 切ない青春を思い出させる作品でした。

  • 青春味が濃いミステリだった。過去を振り返りながら現在と思われる部分を挟みつつ、終盤の収束に向かっていく。結構多彩な雰囲気を醸し出しつつ、話も進んでいくのは飽きが来ない。主軸がわかり難い感じはあったり、重要な要素っぽかったものが放置されたまま(ミスリード扱い?)だったり、全部腑に落ちるかというとそうではなく、騙された感が強い。爽やかな中に時々ダークサイドを差し込んでくるのも道尾秀介だなあと思ったりした。

  • 表紙の犬が目についたから買った一冊。

    大学生が事件の真相をさぐる話だった。

    事故だと思ったが実は連続殺人事件だったみたいな内容を予想してたが、全く違った。

    最初犬が悪者みたいな感じだったが、その反対で主人を守る為の行動だったのが良かった。
    ただ運悪くそれが事故になってしまったのが残念

    振り返ると、関係ないと思ってた事や人物が繋がりがあり、事故に関係していたと考えるとすごい話だなと思った。

    事故の真相はわかってもハッピーエンドではない印象の小説でした。

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著者プロフィール

1975年生まれ。2004年『背の眼』で「ホラーサスペンス大賞特別賞」を受賞し、作家デビュー。同年刊行の『向日葵の咲かない夏』が100万部超えのベストセラーとなる。07年『シャドウ』で「本格ミステリー大賞」、09年『カラスの親指』で「日本推理作家協会賞」、10年『龍神の雨』で「大藪春彦賞」、同年『光媒の花』で「山本周五郎賞」を受賞する。11年『月と蟹』が、史上初の5連続候補を経ての「直木賞」を受賞した。その他著書に、『鬼の跫音』『球体の蛇』『スタフ』『サーモン・キャッチャー the Novel』『満月の泥枕』『風神の手』『N』『カエルの小指』『いけない』『きこえる』等がある。

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