虚栄の肖像 (文春文庫)

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  • 文藝春秋 (2010年9月3日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784167773960

みんなの感想まとめ

独特の静かなトーンが漂う短編集は、花師であり絵画修復師の主人公・佐月恭壱を中心に展開される物語です。彼の技術と周囲の魅力的な脇役たちが織り成す美術ミステリは、心に残る深い余韻を与えます。作品には、過去...

感想・レビュー・書評

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  • 独特の静かなトーンが漂う短編集
    絵画修復師の主人公への依頼は、不穏な出来事への入り口

    天才的な技術を有する主人公と、周りを固める脇役が魅力
    貴重な美術ミステリだけに、急逝が惜しまれる
    続編の予定があったとしては尚更

  • 花師にして絵画修復師の佐月恭壱。どちらの職業にも惹かれる。どちらかというと、絵画修復師の佐月がメインだけど、垣間見える花師の仕事ぶりも素晴らしい。そして、やはり登場するのは、冬の狐♪ 北森作品は、登場人物の交差が魅力でもある。本当に惜しい方を失くした。まだ読み切れていないけど、もっともっと読みたかったと思うシリーズばかり。大切に読んでいきたいと思う。

  •  花師で絵画修復師の佐月の物語。
     *虚栄の肖像
     *葡萄と乳房
     *秘画師異聞

     かつての恋人の出現で、佐月の過去が垣間見えるのだが、それは、彼と彼の父親との確執の物語を示していて…でも、それが語られることはもうない。
     
     北森氏の急逝を悼むばかりだ。

     花も、絵も儚い。
     佐月は、それらにかりそめの命を与えている。かりそめしか、与えられない。
     だから、恋人は彼にあのような形でしか思いを届けられなかったのかもしれない。
     
     それは大人ゆえの選択だったのだろう。

     大人であることが、切ない物語だった。

  • 冬狐堂シリーズと同じように絵画の世界の裏表を興味深く読ませてくれる。
    キャラの世界が出てきてこれから面白くなりそうなのに・・・
    著者の急逝が悔やまれる。

  • 前作に続き。ちょうど著者が亡くなられた後に出た文庫なのか。

    歴史学科出身の素養はあるんだろうけど、「取材」で片すのもすごい笑

  • 花師にして絵画修復師の佐月恭壱。2つの顔を持つ佐月の元に、肖像画修復の報酬が古備前の甕という奇妙な依頼が舞い込む表題作他、藤田嗣治の修復をめぐり昔の恋人に再会する「葡萄と乳房」、女体の緊縛画を描いた謎の絵師を追う「秘画師遺聞」の全3篇を収録。絵画修復に纏わる謎を解く極上の美術ミステリー。
    (2008年)
    — 目次 —
    虚栄の肖像
    葡萄と乳房
    秘画師遺聞

  • 4

  • 北森鴻が2010/01に亡くなって、ちょうど10年。野暮スレスレのゴージャスな趣味が鼻につくのに病みつきになったのは、綿密な取材に裏付けされた特殊な世界の書き込み振りに引き込まれるから。不思議な作家だったなあ。

  • 深淵のガランスに続くシリーズ第2弾にして最終巻。
    「虚栄の肖像」「葡萄と乳房」「秘画師遺聞」の全三篇を収録。
    北森氏の描く主要キャラは本当に魅力的だと思う。
    中でも萌えまくりだったのが、佐月恭壱。
    絵画修復には危険が付きまとう。
    その絵が偽物だった場合、修復したことで、偽物を本物に
    仕立て上げてしまう危険が伴う。
    脇役たちとの駆け引きも見ものなんだけれど、
    「葡萄と乳房」「秘画師遺聞」で恭壱の元カノが登場。
    これがなんとも切なくて、絵画にまつわる謎と相まって
    ドキドキが半端なかったです。
    続きが読みたかったです(T□T)

  • 再読3回目。
    絵画や骨董の素養がなくても、どっぷり楽しめるのは何故なんでしょう。絵画修復やお酒の種類に詳しくなれたのは、この連作のおかげです。
    主人公の過去が少しずつ見えてきて、謎に包まれた周囲の人々の正体も少しずつ明かされてきて、まだまだこれから、というときに。。。
    ご冥福をお祈りいたします。

  • 絵画修復師という馴染みのない職業が登場するシリーズ。さすがは北森氏という知識と緊張感に満ちた作品です。冬狐堂のキャラクターが、彼女がメインの作品と比べてややアクが強く描かれているのがまた面白い。
    このシリーズの続編を二度と読めないと思うと、改めて残念で仕方がないです。

  • 絵画修復師の佐月の話
    今回は、過去の恋人が出てきていろいろ関係してる
    ところで、主人公に惚れているっぽい飲み屋の女の子は、本当に主人公の味方なのかなといつも思う
    余計なトラブルに巻き込んでいるようにしか見えない……

  • 好きな作家さんだった北森先生。
    各作品もっと続きが読みたかった。くすん。

  • 花師と絵画修復師の2つの顔を持つ佐月に不思議な依頼が舞い込む。墓の前の古備前に桜を活けるというもの。その桜を愛でながら繰り広げられる奇妙な花見の宴。その席で、佐月はもう1つの仕事、絵画修復の依頼を受ける。報酬はその古備前だというが……表題作ほか、15年前に別れた恋人と京都の桔梗寺で偶然再会したところから始まる「葡萄と乳房」など、書き下ろしを含め、連作短篇3篇を収録。 一度読めば癖になる北森ワールド炸裂の花師・佐月恭壱、今回は、佐月の過去が交錯するシリーズ第2弾です。

    第1弾も読みたい{/atten/}というのが、読み終わった感想です
    絵画修復、絵画の世界には疎いのだけど、興味深くおもしろく
    極上のショート(ミドル?)ミステリー{/hikari_pink/}
    いつものように、登場人物も魅力たっぷり
    北森鴻さんが亡くなってから知った自分を本当に後悔

  • 図書館より。

    全体的に、特A級の人間ばっかりでてくる。
    一読した印象では、あまりに完璧な人間ばかりが出てくるので、
    ストーリイ全体が造り物めいてしまってちょっと感情移入しづらいところがあった。
    特に主人公の花師/絵画修復師の佐月恭壱は完全無欠型の探偵なので、
    人間的で、悩んだりする探偵が好きな人にはあまり本作は向かないかも。

    しかしシリーズが何作かあるなかの本作では、
    完全無欠のストイック人間・佐月の若かりし頃の恋人や、その恋人との何十年かぶりでの再会などが描かれ、多分に彼の感情が揺れるところが見られる。なんだかんだ言ってもわたしは佐月に好印象を持っているので、冷たく非人間的な印象すら与える彼が折に触れ若かりしころの熱い恋の日々の思い出を反芻する場面は、切なく、その温かさに反するように孤独を好む彼の現在の胸の裡を推しはかってしまう。

    (厳密には、「美術ミステリ」とでもいうのか、
    でも作中ですすんで佐月がナゾトキをしたりトリック解明をするわけではないのでミステリとも本当は言い難い気はしている。)

    北森さんの文章は、怜悧で艶で、しかし下品でないので好きだ。

  • 佐月恭壱シリーズ第二弾
    ・虚栄の肖像
    ・葡萄と乳房
    ・秘画師遺聞

  • 後書きを読んでびっくりしました。北森さん、亡くなられていたんですね。ショックです。とても断念です。ご冥福をお祈りいたします。

  • 追悼・北森鴻、と銘打って発行された、花師にして絵画修復師・佐月恭壱シリーズの第2弾。
    クセのあるキャラクター達にようやく馴染んだかな、と思えたところだったのですが、
    もう続編が読めないのが残念です。。。


    【収録内容】
     ・虚栄の肖像
     ・葡萄と乳房
     ・秘画師遺聞
     <解説>愛川晶

  • 2010/11/22読了。
    花師と絵画修復師、2つの顔を持つ男・佐月恭壱が携わる絵と、その背景に隠された謎を追う美術ミステリー。
    第一作目の『深淵のガランス』ではあまり感じることのできなかった主人公・佐月の魅力に参りました。
    所謂、謎多き男なのですが、その謎の部分が少しずつ明かされてきていて、どんどん人間くさくなってきています。
    つい、今後の活躍が読みたい!と思ってしまいます。......が。作者の北森鴻さんは2010年1月25日に急逝。
    本当に、本当に残念だし、とても淋しい。
    まだ未読の作品があるので、遺された作品をゆっくり、じっくり読んでいきたいと思います。
    そうそう!ネタバレになるので詳しくは書きませんが、佐月に仕事(厄介事ともいうかな?)を持ち込む仲介人の正体には驚きました。北森作品のファンにはまさか!の仕掛けです。

  • 主人公の過去の女に振り回される短編集。

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著者プロフィール

1961年山口県生まれ。駒澤大学文学部歴史学科卒業。’95 年『狂乱廿四孝』で第6回鮎川 哲也賞を受賞しデビュー。’99 年『花の下にて春死なむ』(本書)で第 52 回日本推理作家協会賞短編および連作短編集部門を受賞した。他の著書に、本書と『花の下にて春死なむ』『桜宵』『螢坂』の〈香菜里屋〉シリーズ、骨董を舞台にした〈旗師・冬狐堂〉シリーズ 、民俗学をテーマとした〈蓮丈那智フィールドファイル〉シリーズなど多数。2010 年 1月逝去。

「2021年 『香菜里屋を知っていますか 香菜里屋シリーズ4〈新装版〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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