脂肪と言う名の服を着て 完全版 (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2009年10月9日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784167777012

みんなの感想まとめ

自己の身体を管理し、自尊心を取り戻すことを通じて、主人公が直面するのは、女社会や男社会における複雑な力関係です。周囲からの評価や期待に応えるためのダイエットは、時に自己表現の手段となり、また時には他者...

感想・レビュー・書評

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  • 美への執着により妖怪と化した作者のダイエット漫画。

  • 社会人になって思っていたことを
    凝縮したようなお話だった。

    専門的な学問を学んでいると同じような人種に偏ることが多かった。
    いろいろな環境があるだろうが私のいた場所にはそういったものがなかった。
    お互い持ってるものは違えどやっぱり同じような楽しみや苦しみを共有できたからであろうか。

    久しく感じてなかったあの感じ、
    自分よりデブでブサイクだから見下げていい存在であり虐めていい存在と理解している。

    なにを勘違いしているのだろうか。

    見た目がいいのはその人が恵まれているだけ
    運が良かっただけ、努力もしたんだろうけど

    努力をしていない人を否定していい理由はない…
    見た目以外のことでその人の生き方を見つけているかもしれないじゃない。

    自分が同じようなものを持って生まれてきたらどうだったか?どうなっていた?

    想像力のない人が多い世の中で彼女なりの生き方を見つけて強く生きてほしい。

  • なんて嫌な会社…なんて嫌な社会だろう…。読みながら、不安な気持ちが拭えないのは、この漫画が、社会的弱者(この漫画の表現)である”のこ”の視点で描かれているからだろうか。

    気が弱い。ぼーっとしている。ブス。デブ…。差別はいけないと口にするも、心の中では大なり小なり、”弱者”を見下す気持ちがある人間が大半だ。その悪意に触れすぎてしまったのこは、やがて過食嘔吐の道を辿る…。

    綺麗になるという心の拠り所を見つけたのこは、みるみる明るさと自信を取り戻していく。だが、所詮それは、世間や周りの目に流された仮初めの自信だった。しっかりと自分の意志で計画を立て、実行して身に付く本当の自信とは違い、仮初めの自信は、周りの反応が予想と違うことであっけなく崩れてしまう…。

    「あの子は心のデブなのよ」というエステティシャンの台詞は、他人の反応に流され、自分の意思を持たない生き方を選んでいるのこの生き様(心に自信がない=心のデブ)を形容した台詞なのだと思う。

    作者の描き方が上手いと思ったのは、主人公を執拗異常にいじめていた、美人で世渡り上手で強い…いっけんこの世界では上手くいきそうな橘マユミが、最終的に人脈のあても外れて逮捕されたこと。

    マユミも仮初めの姿をしているが、この世界では心に闇を抱えた”弱者”だった。弱者は排除される世の中の仕組みに従ってマユミも消えていった。一番この世界で生き残るのは、松原や川原のような、弱者の味方にもならないが、進んで苛めにも加担しない、オシャレもするしそれなりにどんな人とも付き合っていける…普通の人間なのだ。

  • 日陰者OLであるのこは、周りの人間を見返すために痩せることを決意し、ダイエットを行なう。過食嘔吐を繰り返すことで体重は減るが…

    ここで「痩せること」を通して描かれているのは、「女が力を獲得すること」の二つの側面。

    一つは、「男社会への抵抗」。意志を持って自己の身体を管理し、自尊心を取り戻すことは、取りも直さず、男への依存から抜け出すことになる。
    しかしそれは、一方で「女の自立」を恐れる男たちからにとっては脅威となり、さらなる排除を招く。男社会の中で適応的に生きていくためには、女が力を持つことは必ずしも有利になりえない。


    もう一つは、女社会内でのヒエラルキーの向上であり、それはより弱い立場のものを見下し、上に立つことでもある。

    のこは結果として獲得してしまった力が与える影響にとまどえ、そしてリバウンドをしてしまう。

    ダイエットをサポートするエステ社員は、ダイエットを終えた後にリバウンドしてしまったのこを「心がデブ」と呼ぶが、ここで批判されているのは、他者の評価からは自立した形での、自己の精神のコントロールができなかったのこの心の弱さなのではないか。


    おそろしい作品である。

  • 主人公はストレスでドカ食いするタイプのデブ。
    なぜかエリートイケメンな彼氏がいる。
    うらやま。
    と思いきや、実は彼氏は女性恐怖症。
    だからもてない女が好きっていう。
    納得。

    これだけなら二人とも幸せそうで良かったね、で終わる。

    でも彼氏が主人公の同僚@肉食系と浮気。
    そのせいで二人で完結してた輪っかが外れて、主人公がはじき出される。
    結局、主人公は拒食&過食で入院。

    そんな摂食障害の話だけど、私には主人公が不幸になったとはあまり思えないのだ。
    だってスタート地点が既に割と不幸だったから。

    決して摂食障害を軽視している訳ではない。
    元々ギリギリのバランスで生きていた主人公にとってダイエットは解放で、自立で、ほぼ初めての自己表現だったんじゃないか。
    その一歩が踏み出せたことは、ある意味幸せなことのように思う。

    名前のつかない不幸から、病名を持つ不幸へ。

    それが限りなく最低に近い方向への一歩だったとしても。



    ちなみに私はなぜか主人公よりもエリートイケメンに共感しながら読みました。
    エリートでイケメンだと、共依存の相手を失ってもある程度幸せに生きていけるんでしょうか。
    興味深いです。
    そして羨ましいです。

  • なんとも耳が痛い(眼?)はなしです。


    自分で頑張らなきゃ肉は落ちません
    落とすのは 自分
    やせるのも 自分


    あちゃぱー(・∀・)ww
    がんばってやせますー
    もうすこししたらレビュー書きなおすとおもう。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「自分で頑張らなきゃ肉は落ちません」
      身体が欲するから、食べちゃうなら。無理に押さえ込まない方が良いんじゃない?
      ・・・って、この本とは関係...
      「自分で頑張らなきゃ肉は落ちません」
      身体が欲するから、食べちゃうなら。無理に押さえ込まない方が良いんじゃない?
      ・・・って、この本とは関係無いコト書いちゃいました(未読)。。。
      2013/05/21
  • やはり絵がいいですね〜
    美女はとことん美女に描かれていて、骨ぼねしさもしっかりしてる。
    小説かと思ったら漫画だった、読みやすいし現代っぽさあるし、キャラクターもいい!

  • 安野モヨコさん、初めてかもしれません。

    トミヤマユキコさんの少女マンガのブサイク女子考で紹介されていて、1年以上経過して図書館の蔵書に気づき、読みました。

    美醜の価値観には個人差があり、私には主人公を美しくないと断罪することはできません。
    過食が全てストレスをきっかけとするものなのか、主人公の同僚には、無理しなくても太らない人たちもいて。
    普通の仲間入りをするのは、普通でない人には難しい。
    また、一番ひどい女性の同僚みたいな人がホントにいるのか…います。あれは極端な描き方ですが、市井に紛れ込み、さりげなくイジワルしています。男女、年齢に関わらず…

    ダイエットコミックというより、主人公を始め、いろんな困った人たちが描かれていました。
    一番ドキドキしたのは、主人公の恋人とその母。隣人の会話の中に、そのまずさを感じました。
    それから主人公に絡んでくる宗教かぶれな同僚も…
    誰もかれも主人公のためと言いながら、主人公を利用しようとしているように見えて…

    主人公の家族も話の中には不在で哀しいきもちに。
    でも、脂肪を着ることで周囲と折り合いを付けるんだ、というラストに、そうだ、それがこの主人公の決意だ、と感じたのです。
    元同僚やエステティシャンが感じたのとは裏腹に、主人公は静かに生きていくのです。



  • 図書館にて。
    何度読んでも名作。
    歳を経るたびに感じ方が変わる気がする。

  • 見た目というのも人間のパーソナリティの一つだ。それを残酷なまでにつきつけられる。そして見た目だけがすべてでもないのも間違いない。他人と比較しない自分らしさが欲しいが、自分らしさってなんだろう

  • 「たぶん、あの子はまた繰り返すでしょうね。だって身体じゃなくて、心がデブなんだもの」

  • ぽっちゃりでぶののこが、イジメを期にダイエットを始め、それが次第に摂食障害になっていく話。

    女は見た目がだいじなんだ!!それはわかる。
    でも、美しい見た目=痩せること、ではないのです。
    安野さんが美人画報で言ってた、美人は意識から生まれる的なことを、イジワルな主人公の美人同僚マユミが言っていた。そのとおり。
    過食嘔吐で痩せたり太ったりするのこを見て、エステサロンの人が「身体じゃなくて心がデブ」と言ったのも、言い当て妙だなーと思った。心がデブで醜いから、それに付随して身体も汚くなっていくんだ。

    んー、でもどうなんだろ?まえ60キロ越えてたことあるけど、醜いのがストレスで心病んでたからなあ。今はそうでもないけど。
    のこは、高校生の時の自分の重なる。まあ食べて力をつける、って発想はなかったけど。

    たぶん、心も体も健康であることが、美しさへの道だと、安野さんはいっているのでしょう。美人画報にもおなじよーなことかいてあったから。

  •  怖かった…。太ってても痩せてもひどい目に合う主人公のこちゃんの姿が見ていて辛かった。容姿のあれこれについてかなり辛辣に描かれてあって読んでいてしんどかったし同僚がしたのこちゃんへの仕打ちはもちろん許せないけど、登場人物の女性全員が持つ容姿への執着は身に覚えのないこともなくて、さらに怖かった。痩せればいいことがあると信じて疑わなかったのに…難しいなぁ。

  • 「心までデブ」という一言が胸に刺さる。かなり痛々しい描写で、最後まで救いはない。こんなに突き放しまくった漫画は、逆に爽快でさえある。「痩せればどん底の人生から抜け出せる」…と主人公が描いた夢は、無残に打ち砕かれていき、結局デブで醜いまま。

  • もう少しダイエットだけに着目して書いて欲しかった。

    マユミのイジメがえげつないのでダイエットの怖さが薄れる。というか犯罪。

    たぶん、作者はこんな辛いことがあるから過食に走ってしまうというのを伝えたいと思ったのと思うが、それが逆効果になっています。

    これはダイエットの怖さを伝えるものだから、ちょっとお局が怖くて、上司のあたりが強くぐらいのものでよかったと思う。

    マユミを出せば出すほど安っぽい作品になっていると思います。

    題材と主人公の心境がよく書けているだけに勿体ない。

    ダイエットを題材にしたやつと、イジメを題材にしたやつと二つわけて書いた方が良い作品になると思います。

  • 凄い。痩せることへの執念、女の嫉妬。一気に読んだ。

  • 摂食障害の話。
    女性なら共感できる部分が多いと思う
    見た目にいくら気を遣えど心のデブは他人の力では矯正する事はできない…
    バッドエンドではないけれど読み終わってあまりすっきりしなかった

  • こわいよーーーーーー

  •  ダイエットで不幸せになってしまった女。何が幸せなのかを問うような、ガリガリになってフラれるという展開に背筋が寒くなるような内容。痩せてて、ガリガリの人が良いという人もいるんだろうけどね。でもまあ、その人に合う素敵な感じっていうのがあるはずなんだなあ。女心をとやかく言うつもりもないけれど。。。

  • 読書録「脂肪と言う名の服を着て完全版」1

    著者 安野モヨコ
    出版 文藝春秋

    P231より引用
    “心がデブなんだもの”

     太り気味のOLを主人公とした、女性の美に対する執着とそこに
    至る手段としてのダイエットの問題を描いた一冊。
     他の同僚に比べると太っている主人公・花沢のこ、ある日会社
    の帰りに見た衝撃の光景に…。

     上記の引用は、主人公が通ったエステサロンの人の一言。
    何と言いますか、痩せやすい人には痩せにくい人の気持ちは、決
    してわかることは無いのだろうなと思います。元々の体質もあっ
    て、痩せるように行動しても結果の出にくい人は、数多くおられ
    るのではないでしょうか。
    痩せている人は相応の努力をしているというのが痩せている側の
    意見でしょうが、うまくいかない人にこの様な言葉を投げかける
    事が出来るくらい、痩せることが出来た自分の幸運を意識してみ
    るのもいいのではないかと思います。
     何でも人のせいにする主人公の心の問題に対しての言葉なので
    すが、どうせなら面と向かって言ってあげれば、何かに気づくか
    も知れなくてよかったのにと思います。まあ、太っている人がみ
    んな上手く痩せてしまったら、この手の商売はあがったりでしょ
    うが。

    ーーーーー

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著者プロフィール

3月26日生まれ。おひつじ座のO型。東京都出身。
1989年、別冊少女フレンド増刊「Juliet」より『まったくイカしたやつらだぜ』でデビュー。
代表作は『シュガシュガルーン』『ハッピー・マニア』『さくらん』『働きマン』『オチビサン』など多数。
『シュガシュガルーン』で第29回講談社漫画賞受賞。

「2020年 『シュガシュガルーン 新装版(4)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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