妖談さかさ仏 (文春文庫 か 46-4)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167779047

感想・レビュー・書評

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  • 仏像専門の大泥棒、仏像庄右衛門が脱獄。これは、根岸肥前を騙しその名を卑しめる謀の始まりだった。

    江戸の寺のいくつかにさかさ仏を拝むグループが出現。

    売れっ子芸者が行方不明に。

    昔売れっ子だった芸者の逆さに吊るした美しい遺体が木に吊るされた。

    全てがさかさ仏、さんじゅあんの教えを求める動きへつながる。その陰に大きな力があるのを根岸は見逃さなかった。

    幕閣でもあるその勢力との根岸の戦いが始まる。

  • お奉行が疲れて来られましたね。

  • 耳袋秘帖~妖談編~の第4弾。
    仏像専門の盗賊さんが脱獄したり、寺社奉行のお偉いさんが根岸南町奉行を失脚させるために暗躍してたり…。

    さかさ仏ってのは仏像をさかさにつるして拝むものらしく、どうもキリスト教と絡んでいるらしい…。
    この頃は、各自みな菩提寺に登録させられてた時代だろうから、宗教はかなり身近なものだったのだろうな。

    それと、このシリーズは順番に読んでいかないとダメだね。
    江戸の謎解きとともにじわじわっと本筋が進んで行くみたいだから。

  • 仏像庄右衛門の背後に、隠れている黒幕に、意外性がある。彼らの狙いは、根岸肥前守の失態だった。策士策に溺れるという展開だった。

  • 芸者の小力に惚れてしまう椀田のセリフ一々あんげん声で聞こえて困る(笑)。朗読劇にしても面白いだろうなぁ。闇の者の存在がうっすらと浮上してきて、不気味さと、根岸肥前守のやんちゃしてた頃に培ったであろう凄みも垣間見える。時代劇ものだが、探偵ものとして読み応え十分だ。

  • 全体的に読後感が哀しい話だった。

    過去の作品で捕まった泥棒が牢破りに成功するところから話が始まるのだが
    この人が捨て駒扱いだったりするし
    関わる人関わる人みんな当たりが素っ気ないというか血が通ってないというか。
    逆さに釣られた遺体で見つかった玉助さんも
    愛されていた片鱗が見えるところが逆にせつない。
    『耳袋』に記された妖し絡みの謎解きがコミカルな部分を担うことで
    これまでの話ではバランスがとれていたのだが
    今回はあまりにも哀しい扱いの人が多すぎて辛かった。
    巻を重ねるにつれて、『闇の者』の印象がのっぺりしてきて
    だんだん温度を感じさせないモノになりつつある。
    それから、前作に続いて洋行の物である切支丹伴天連が出てきたことで
    幕末なんだなぁという感覚が濃くなっている。
    取り敢えず『さんじゅあん』の謎が解けないことには
    先が気になってどうしようもないのだが。

  • 根岸奉行のシンシリーズ3冊目
    闇の者との対決姿勢が前面に
    出てきたものがたり
    楽しいぞ!

  • 読完2011.09図書館

  • 耳袋秘帖妖談4

  • 玉助さんがさかさにつられていた理由は結局わからず。事件もすっきり解決せず、もやもや。深川芸者の小力に惚れちゃった椀田は可愛かった。

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著者プロフィール

かぜの・まちお
1951年生まれ。’93年「黒牛と妖怪」で第17回歴史文学賞を受賞してデビュー。主な著書には『わるじい慈剣帖』(双葉文庫)、『姫は、三十一』(角川文庫)『大名やくざ』(幻冬舎時代小説文庫)、『占い同心 鬼堂民斎』(祥伝社文庫)などの文庫書下ろしシリーズのほか、単行本に『卜伝飄々』などがある。『妻は、くノ一』は市川染五郎の主演でテレビドラマ化され人気を博した。2015年、『耳袋秘帖』シリーズ(文春文庫)で第4回歴史時代作家クラブシリーズ賞を、『沙羅沙羅越え』(KADOKAWA)で第21回中山義秀文学賞を受賞した。「この時代小説がすごい! 2016年版」(宝島社)では文庫書下ろし部門作家別ランキング1位。絶大な実力と人気の時代小説家。本作は「潜入 味見方同心」シリーズの完結作。



「2023年 『潜入 味見方同心(六) 肉欲もりもり不精進料理』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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