耳袋秘帖 木場豪商殺人事件 (文春文庫 か 46-17)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167779177

作品紹介・あらすじ

強引な商法でここ数年急激にのし上がった木場の材木問屋"日野屋"。辣腕で鳴らす豪商がつくった複雑怪奇なからくり屋敷で人が死んだ-。美しき手妻師、負け知らずの怪力女、"蘇生した"寺侍らが入り乱れ、あやかしの難事件が幕を開ける。江戸の「大耳」こと根岸肥前が活躍する殺人事件シリーズ第14弾、完全書き下ろしで刊行。

感想・レビュー・書評

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  • 耳袋秘帖・殺人事件シリーズ第十四作。
    シリーズ作品で読み忘れているものを少しずつ読んでいく。

    南町奉行・根岸肥前がこれまで探索の合間に耳にした不思議な出来事を挟みつつ、ちょっと不思議な事件に遭遇していく。
    こちらは坂巻&栗田コンビが主に出て来るが、時折椀田&宮尾コンビも出て来る。
    栗田は妻・雪乃の出産が間近で落ち着かない。坂巻は相変わらずモテモテだがおゆうが忘れられない、椀田は芸者の小力にいまだ片想い中。

    本編は手妻好きな隠居がからくりだらけの家で不審死した事件と、その事件に関係がありそうな材木問屋の当主が胸を刺されて死んだ事件の繋がりを追う。
    その中で小ネタとして腕相撲を仕掛けてくる怪力女性の顛末や、火事を恐れない薬、卒中で亡くなったものの蘇生した男や一夜で消えた橋などが挟まれる。

    作品を通じて描かれるテーマは手妻と双子だろうか。
    一見手妻のように見える事象もからくりがあって、そこに双子それぞれの思惑も絡む。
    このシリーズは何とも不気味な悪役が出て来ることが多いが、今回は人間らしさを見せてもらった。
    最後に栗田の妻・雪乃が産んだ子供はもちろん双子で、上手く落ちがついた。

  • 手妻の得意な隠居が新しい隠居家で首の骨を折って死んでいた。そこで根岸が栗田と坂巻と調べに。
    その家の特殊な設計と建築に関わった日野屋の主人が殺された。そうすると、瓜二つの双子の弟が出現。
    日野屋を調べるとおかしな事件が。。。。

    日野屋の仙台の妾の双子だった兄弟が、その育ち方で性格が違って成長した。兄の歪んだ心が事件を起こし、殺そうとした弟を最後は殺せずに。。。

    江戸当時の手妻の種類などはめずらしく、興味深く兄弟愛の情愛溢れる内容にほろり。。。

  • 木場の豪商日野屋の主人が亡くなった事件を中心とした連作集。今回のテーマは「からくり」。「女の力」は腕相撲で負かした男たちに不思議な頼みをする怪力の女、「火事の薬」は飲めば火事がこわくなくなるという薬、「笑う仏」は木喰上人作の仏をめぐっての事件、そして最後は、一夜にして消える橋の謎。

  • 双子話。
    江戸の頃、双子は(特に商家では)忌み嫌われていたというのが判る話だった。
    宮部みゆきさんの三島屋変調百物語にあった双子の話を
    チラッと思い出したりして。
    あっちの話は女の子だったけど。

    双子に加えて手妻の話。
    あんなからくり屋敷がホントにあるなら見てみたかった。
    でもって今度は手妻師にモテモテな坂巻(笑)。
    前巻からいきなりモテだしたのに自覚なしなのと
    やっぱりおゆうさんを忘れられないところが坂巻のいいところかも。
    違ったところでは椀田の嫉妬深さが判るエピソードが面白かった。

    そして栗田の元にも双子が降臨。
    …今後のデレデレ親バカ振りが楽しみである(笑)。

  • いろいろな仕掛けをした耳袋シリーズ
    何でもオミトオシの根岸奉行
    アチ子と裏の付き合いの多い根岸奉行
    取り巻きも変人が多く妙なこだわりで
    話が右往左往しているようで、最後は
    一つの謎を解くとすべてが解明される
    ・・・侮れない作品です

  • 耳袋秘帖殺人事件14

  • 木場の材木問屋が死ぬ。双子の兄弟の登場。
    坂巻は手妻師に惚れられ、栗田は雪乃が出産。

  • 第十四弾
    いつもながらの話
    今回は凝った展開かと思えば一番単純、しかし兄妹・肉親の情が
    途中色々な話が入りながら一気に進む」

  • 相変わらずおもしろい!
    事件解決後の登場人物のちょっとした話もいい!
    栗田さん雪乃さんおめでとう!双子の女の子ってこれから大変そうだけどこの子供たちが絡む話も今後出てくるのかなぁ?楽しみ!

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著者プロフィール

かぜの・まちお
1951年生まれ。’93年「黒牛と妖怪」で第17回歴史文学賞を受賞してデビュー。主な著書には『わるじい慈剣帖』(双葉文庫)、『姫は、三十一』(角川文庫)『大名やくざ』(幻冬舎時代小説文庫)、『占い同心 鬼堂民斎』(祥伝社文庫)などの文庫書下ろしシリーズのほか、単行本に『卜伝飄々』などがある。『妻は、くノ一』は市川染五郎の主演でテレビドラマ化され人気を博した。2015年、『耳袋秘帖』シリーズ(文春文庫)で第4回歴史時代作家クラブシリーズ賞を、『沙羅沙羅越え』(KADOKAWA)で第21回中山義秀文学賞を受賞した。「この時代小説がすごい! 2016年版」(宝島社)では文庫書下ろし部門作家別ランキング1位。絶大な実力と人気の時代小説家。本作は「潜入 味見方同心」シリーズの完結作。



「2023年 『潜入 味見方同心(六) 肉欲もりもり不精進料理』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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