銀漢の賦 (文春文庫 は 36-1)

著者 :
  • 文藝春秋
3.94
  • (107)
  • (210)
  • (100)
  • (16)
  • (1)
本棚登録 : 1268
感想 : 123
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167781019

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 葉室さんの本は3冊目。
    こういうのすき。
    十蔵はほんとかっこいいな。
    身分や立場は違っても、3人が最後まで友情で結ばれているのがよかった。

  • 久しぶりに本を読んで久しぶりに良い本に出会えた事に感謝。この本はまた読んでもいいと思う。爽やかでありながら深く、そして読む年代によって感じ方も異なりそう。満足。

  • 友情の継続。友人なしでは人生何事も成し得ないように思える。自分の損得なしで相手のことを考えられる、そのような友人の有無で、人の価値は決まる。

  • 帯に「玲瓏にして清冽なる時代小説」ってあって、どういう事なのかなあ…って思って読み始めました。
    幼き時に出会い交流した3人の男たち。成長してそれぞれ行く道が違い、仲違いする事もあったけれど、芯にゆるぎなきものを持つ者たちの生き様は、幼き時そのままに…
    カッコええ~

  • 家老の将監と郡方の源吾。立場が異なれど幼馴染の友情は心の支え。時代物らしいやや重く感じられる文章表現が主人公たちの心意気を感じさせてくれる名作。

  • 「花というものは自然に咲いておってきれいなものだと思いますが、やはり葉は切らねばならぬものですか」
    と聞いた。千鶴はにこりと笑って、
    「源五殿は、人は皆、生まれたままで美しい心を持っているとお思いですか」
    「いや、それはー」
    源五が頭をかくと、
    「人も花も同じです。生まれ持ったものは尊いでしょうが、それを美しくするためにはおのずと切らなければならないものがあります。花は鋏を入れますが、人は勉学や武術で鍛錬して自分の心を美しくするのです」
    千鶴は静かに石蕗に鋏を入れながら、
    「花の美しさは形にありますが、人の美しさは覚悟と心映えではないでしょうか」
    と言うのだった。

  • 蜩ノ記で著者を気に入っての二作目。個人的には直木賞受賞作の蜩ノ記 より、こちらの方が好み。

  • 重厚でいて後味も良い作品です(時代小説文学)
    良かった・・・表紙も又良し!

  • 初読みの"蜩の記"に続いての著者二作目。竹馬を越える銀漢の友…思いやる三人の距離感と、それぞれの義と潔い生きざま。終盤の風越峠での戦いでは熱いモノが目頭に込み上げてきた。女性陣の清廉かつ慎ましい色彩が所々に滲むのがまた粋に映る。

  • 銀漢とは天の川を指し、その場合の漢とは漢口すなわち大河を意味するわけだが、この小説の場合もう一つの意味が出てくる。

    銀漢、白髪を蓄える年齢の漢、少年時代ともに学びともに青春時代を過ごした、そんな男たち3人の物語。

    どの漢も一本筋の通った漢であり、その筋が故にともに生きていくことができず3人は離れていくのだけど、筋の根底に3人はつながっていて、その根底が銀髪の歳になってあらわになっていく。

    若さゆえ、立場ゆえ、時代ゆえ、選択し進んできた生き方を、銀髪世代になって振り返り、命を懸けて修正していくそんな生き方を読まされると、不惑を5年も越えて未だに惑いまくりの俺なんかでも、もっとしっかり生きようと恥ずかしさとともに心にそっと誓わされるのである。

    一杯の清廉な水をぐいっと一口呑んだような、とてもとても爽やかにうるおされる小説である。葉室麟はやはり素晴らしい

全123件中 71 - 80件を表示

著者プロフィール

1951年、北九州市小倉生まれ。西南学院大学卒業後、地方紙記者などを経て、2005年、「乾山晩愁」で歴史文学賞を受賞しデビュー。07年『銀漢の賦』で松本清張賞を受賞し絶賛を浴びる。09年『いのちなりけり』と『秋月記』で、10年『花や散るらん』で、11年『恋しぐれ』で、それぞれ直木賞候補となり、12年『蜩ノ記』で直木賞を受賞。著書は他に『実朝の首』『橘花抄』『川あかり』『散り椿』『さわらびの譜』『風花帖』『峠しぐれ』『春雷』『蒼天見ゆ』『天翔ける』『青嵐の坂』など。2017年12月、惜しまれつつ逝去。

「2023年 『神剣 人斬り彦斎』 で使われていた紹介文から引用しています。」

葉室麟の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
64
横山 秀夫
村上 春樹
池井戸 潤
山本 兼一
東野 圭吾
冲方 丁
村上 春樹
三浦 しをん
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×