銀漢の賦 (文春文庫)

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  • 文藝春秋
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レビュー : 95
  • Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167781019

感想・レビュー・書評

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  • 江戸時代後期、徳川吉宗の時代。町道場で知り合った身分の異なる3人の若者は、「銀漢」と呼ばれる天の川の下で友情を誓い合う。なんとなく三国志の桃園の誓いを思い出すが、3人の生き様は劉備・関羽・張飛とは全く異なる。

    時は流れ、3人は成人し、藩の不正問題に巻き込まれる。その後、1人は農民一揆の首謀者として死刑に処され、それをきっかけに藩の役人である2人は意見の対立から絶交。さらに年月が経ち、再び藩に不正問題が持ち上がる。

    2人の死をかけて藩を救おうとする武士道が美しい。その決意を買い物でも行くかのように、あっさりと受け入れるのは、友と話し合えたからだろう。長い絶交時代があっても、幼い頃の友情はすぐにもとに戻るし、亡くなった友を笑いながら思い出せるのも友情があるから。

    老いてからの友のありがたみを痛感し、清々しい読後感。

  • お正月の読み初めに相応しい葉室麟氏の作品。
    毎年、読後は正しいことをしたくなる。

  • はじめなかなか入っていけず、ずいぶん時間がかかって読了。
    いつもながら、後半の展開の速さに一気に引き込まれていった。
    子供のころの友情が何十年後まで、様々な紆余曲折を経ても続いたことに、希望のようなものを感じた。



    気軽に「友達とランチ行った。」とか、「友達にもらった。」などと「友達」を連発しがちだけれど、本当の「友」はそんな簡単なものではない、お前にそんな「友」がいるか?と突き付けられた気がする。

    葉室麟さんの本、あと数冊購入済み。
    楽しみ。

  • 初の時代小説で、藩政がゴチャゴチャしてて馴染みにくいなぁとペースダウンしてたけど、実は面白かった!100pくらいからダァーと一気に入り込める。
    生き様がかっこいい!主人公二人はもちろん、吉四郎と十蔵、みつがまたかっこよかった。やはり武士はこうでなくては。
    所々漢詩が出てくるのも魅力の一つ。
    将濫と源五と十蔵の友情にうるっときた。いいな、こういうの。
    期待していい作品。
    時代小説を侮ってた…。

  • 【作品紹介】
    寛政期、西国の小藩である月ヶ瀬藩の郡方・日下部源五と、名家老と謳われ、幕閣にまで名声が届いている松浦将監。
    幼なじみで、同じ剣術道場に通っていた二人は、ある出来事を境に、進む道が分かれ、絶縁状態となっていた。
    二人の路が再び交差する時、運命が激しく動き出す。
    第十四回松本清張賞受賞作。

    【感想】
    どこの藩にも、どうにも悪い奴が多すぎる。
    一介の中流武士や下士が、藩を大きく揺るがす痛快劇。
    いずれにしても、葉室作品に外れなし!

  • 今度は漢詩ですか!!

    源五と小弥太、十蔵の友情が大人になってそれぞれの立場に別れてもどこかで繋がる。武士、将軍の側に仕える者、百姓。一緒に空を見上げた少年時代のようには、物事は単純ではない。
    将軍に煙たがられるようになった小弥太=将監は、源五に手伝ってもらっての命がけの脱藩を試みる。
    その中で、なぜ源五が一時期将監をみかぎったのか、十蔵が捕らえられたのか、将監の母が死んだのか、などが、どんどん暴かれていく。源五の不器用でまっすぐな人柄、将監のかしこさにも気づかされる。
    人の美しさは覚悟と心映えではないか、という将監の母千鶴の言葉がとても印象的だった。
    国のために知恵を尽くして脱藩する友人のために、自身の命を投げ打つ覚悟で戦う決意をする源五、めちゃかっこいい。そして皆強い。
    かっこいい、重厚な雰囲気の小説でした。

  • 『(銀漢とは天の川のことなのだろうが、頭に霜を置き、年齢を重ねた漢(おとこ)も銀漢かもしれんな)』
    題名からなんとなく連想していた台詞が話の途中にあった。
    なるほど、そういうことか。

    身分の違いに拘らず互いを友と呼び合っていた彼ら。
    この時代だからこその様々な苦難の中、その純粋さに胸を打たれた。


    冒頭より抜粋。
    月ヶ瀬藩 領外に抜ける風越峠
    北が海に面し 雲居川 新江川 轟川 屏風山 観音岳

    まず舞台が気になったので調べました。
    北九州辺りの設定ではないかとどこぞで読みましたが、でもこれら全部いろんな他府県の実在の地名、川や山でしたよ。
    しかし実際にやったとして北九州近辺から峠(どこ?)を越えて江戸までというのはとんでもない旅だと思う。そういう時代かもしれないけど、徒歩でしょ?


    「風の峠~銀漢の賦~」きょうまで全6回のドラマ。
    なんとなく並行して観ながら読んでみたけど、自分ではやっぱりひとつずつ一気に観たり読んだりしたほうがいいかも。

    細かな描写を読んだあとはドラマの表現が気になった。
    九鬼夕斎割腹の場面はもう少し詳しい場面が欲しい。私が読み取れなかっただけかもしれないけど、あれじゃ全くの悪役みたいで。
    将監の妻みつ様の姉、志乃様が出てないんですが。若き日の二人のマドンナなのに、ドラマではまったくいないことに。かなり重要な役だと思ってたのに。そして蕗さんなにげに大活躍。若いし、ヒロインこっちに絞ったんだな。

    でも読みながら、源五の中村雅俊さんや将監の柴田恭兵さんが想像できたり、十蔵(少年期の雰囲気からは想像つかなかった)の高橋和也さんも素敵だったり。それはそれで良かったですよ。

  • どんなにみすぼらしくても、自分の命に指図されたくない。

  • 架空の小藩が舞台だが、人物も自然物も細やかに描写されていて、史実より史実らしいくらいだった。
    時系列ではなく、源五や将監による回想の形で青年期や過去を描きながら、藩の一大政争の顛末が語られている。
    かといって、話が飛び飛びになることなく、まさに自分自身が源五や他の人物となって昔を懐かしんでいるようでさえあった。
    こんな友情を築けたら、どんなに幸せだろう。

  • 久しぶりの時代小説の会作!
    うれしい!
    この作家をまたまた大人買い(3冊だけ)

著者プロフィール

葉室 麟(はむろ りん)
1951年1月25日 – 2017年12月23日
福岡県北九州市小倉生まれ。西南学院大学文学部外国語学科フランス語専攻卒業。地方紙記者、ラジオニュースデスク等を経て小説家に。2005年に短編「乾山晩愁」で第29回歴史文学賞受賞(のち単行本化)、2007年『銀漢の賦』で第14回松本清張賞受賞、2012年『蜩ノ記』で第146回直木賞受賞、2016年『鬼神の如く 黒田叛臣伝』で第20回司馬遼太郎賞受賞。
上記以外の代表作に、2018年9月に岡田准一主演で映画化される『散り椿』、第22回山本周五郎賞候補及び第141回直木賞候補だった『秋月記』がある。

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