- Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167781033
作品紹介・あらすじ
京の郊外に居を構え静かに暮らしていた雨宮蔵人と咲弥だったが、将軍綱吉の生母桂昌院の叙任のため、上京してきた吉良上野介と関わり、幕府と朝廷の暗闘に巻き込まれてしまう。そして二人は良き相棒である片腕の僧、清厳とともに江戸におもむき、赤穂・浅野家の吉良邸討ち入りを目の当たりにする事となるのだが。
感想・レビュー・書評
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雨宮蔵人と咲弥夫妻に、いつの間にか香也という娘がっ。
話に、徳川綱吉と吉良上野介が出てくると、これは忠臣蔵か?というわけで、京の郊外に静かに住んでいた夫妻も巻き込まれていきます。
巻き込まれていても、お互いがお互いを思い、何があってもぶれない夫婦に感動です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「いのちなりけり」の続編
今度は忠臣蔵に絡めてのストーリ展開です。
前作よりも知っている登場人物が多いせいか、少しは読みやすかった(笑)
テーマはやはり「いのち」「いきざま」そして「人間の情」
どのようにいのちの花を咲かせ、どの様に生き、散らせるか?
悪人のように思われる吉良上野介や神尾与右衛門も最後は見事に散っていく様がある意味美しい!
ストーリとしては、京の郊外にひっそりと暮らす蔵人と咲弥、そして娘の香也。幕府、朝廷、大奥の暗闘、思惑に巻き込まれていきます。
将軍綱吉の母桂昌院が生きているうちに、従一位を朝廷から授かるよう画策する柳沢保明と吉良上野介。
一方でそれを阻止しようとする大奥。
その流れの中、松の廊下での刃傷沙汰。浅野長矩が追いつめられた末の切りつけが描かれています。
そして、浅野家断絶、家臣たちの討ち入りという流れになるわけですが、ここに蔵人、咲弥、香也が巻き込まれていきます。
大奥に入る事になってしまった咲弥。
綱吉の目にとまり、柳沢家で伽を命じられてしまいそうになります。
蔵人と清厳の二人で咲弥を救い出そうとします。無事救い出すことが出来るのか?
また、香也の出生にも秘密が..
そんな香也も行方不明になり、吉良邸にいることが判明。
討ち入りの吉良邸から蔵人は香也を救い出すことが出来るのか?
最後の展開はかなり強引な感じですが(笑)、吉良上野介の散りぎわが潔いです!
最後の蔵人のセリフ
「いのちの花が散っているのだ」
お勧め! -
忠臣蔵を表舞台にした構成の物語、雨宮蔵人と咲弥と娘の香也の親子の情景が浮かぶようだった。宿敵である神尾与左衛門も憎めない人柄だった。スピード感も読み応えも十分だったがどこまでが史実でどこがフィクションか分からくなった。12月14日が討ち入りの日、この時期に読んで良かった。
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傑作です。西に東に物凄い勢いで物語が動いていきます。忠臣蔵の物語を背景にしつつ、数多くの登場人物が動きます。有名な史実や歴史上の人物を背景にした葉室作品は初めてでした。解説で島内さんが書かれていましたが、(ある意味で)醜い人々が、蔵人と咲弥(という鏡)に接することによって、自分の本当の姿を見つけていく。後半にどっと物語が動きますので、登場人物を整理しながら読むことをお勧めします。お気に入りの葉室さんにまたしてもやられました。また大好きな葉室作品が増えました。
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いい。
忠臣蔵を題材としている。
敵も味方もいい。儚い美しさを貫いている。
だが、それは脇役で夫婦・親子の愛を描いているのだ。
いかにせん都の春も惜しけれど慣れし東の花や散るらん -
第142回直木賞
付箋
・ひとに教えることは学ぶことでもあります。
・まことの恋とは忍ぶもの 誰にも知られず、おのれの心にすら告げぬ恋 -
8月-19。3.5点。
いのちなりけりの続編。三部作読了のため再読。
蔵人夫婦に女の子、三歳の娘。
忠臣蔵の重要なファクターに。
ムリのないストーリー、さすが。 -
うーん、面白かったような気がするけど、あまりにも有名な出来事に絡めているので、ちょっと白けてしまった。
著者プロフィール
葉室麟の作品





