恋しぐれ (文春文庫)

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  • 文藝春秋 (2013年8月6日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784167781040

作品紹介・あらすじ

老境を迎えた与謝蕪村、最後の恋の行く末は



京に暮らし、俳人として名も定まり、よき友人や弟子たちに囲まれ、悠々自適に生きる蕪村に訪れた恋情。新たな蕪村像を描いた意欲作。

みんなの感想まとめ

人々の絆や恋の哀しみが織りなす、深い感情が詰まった物語です。老境を迎えた与謝蕪村が、歳の離れた小糸との恋情を通じて自身の心情を描き出す様子が、俳句とともに美しく表現されています。作品は連作短編集の形式...

感想・レビュー・書評

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  • 与謝蕪村を取り巻く人々の絵や俳句に込めた想いを綴った物語、歳の離れた小糸との恋も
    純粋で蕪村の心情が伝わった内容だった。
    蕪村の家は京都の仏光寺近くとある。休みの日にでも行ってみたい。

  • 第145回直木賞候補
    付箋
    ・世の中、悪いことばかりやない。自分がしっかりしてたら生きていける。死んだらしまいや。生きた者が勝ちや
    ・ひとが日々努力し、おのれの命を全うしようとする姿こそが美しく、愛おしい
    ・糸のように細く、しかし途切れることのない雨
    ・生死で別れても切れることのない男女の絆 そばにいなくても、ひとりではないのだ
    ・想うことと、ともに生きることは一緒ではございません

  • 与謝蕪村を含めその周囲の人々の恋模様を語った連作短編集。
    俳句が散りばめられた構成で、それぞれの恋のわびしさ、切なさが感じられます。
    全部で7編

    「夜半亭有情」
    蕪村が恋する「小糸」。
    蕪村の家をたびたび訪ねる与八。
    与八と小糸の関係は?
    与八の正体は?
    そこには、蕪村の若い時の恋の思いがありました。

    「春しぐれ」
    蕪村の娘「くの」の物語。
    くのが離縁された経緯が語れています。
    そこには哀しい物語がありました。

    「隠れ鬼」
    蕪村の弟子「大魯」の物語。
    文左衛門として蔵奉行を務めていましたが、遊女の小萩と駆け落ちを企て失敗。藩を追放されます。その後、蕪村の弟子となり大魯と名乗りますが、あることから、自分の駆け落ちが仕組まれたこと知ります。
    そこで、再び出会った小萩。小萩との会話から自分の生きざまを振り返ります。

    「月渓の恋」
    蕪村の弟子「月渓」の物語。
    恋した「おはる」は女衒に売り飛ばされてしまいます。
    太夫にまでなっていた「おはる」ですが、周りの力をかりて、身請けできることに。ようやく、二人は夫婦となりますが、そこには哀しい結末が。

    「雛灯り」
    蕪村の女中「おもと」の物語。
    源太騒動にまつわる「おもと」の哀しい過去。
    その騒動の真相と、おもとの思いが語られています。

    「牡丹散る」
    蕪村の弟子「応挙」の元に訪れた夫婦、七重の物語。
    応挙の元に通う七重に恋するようになった応挙。
    そんな中、国許に帰る必要がある七重の夫、新五郎。
    国許から離縁を迫れれる七重。応挙と七重のいく末は?

    「梅の影」
    蕪村の弟子で、遊女の「お梅」の物語。
    蕪村が亡くなった後、「お梅」と「小糸」が出会う事に。二人の蕪村を思う気持ちが伝わってきます。

    ゆっくりと流れる時間の中で、さまざまな思いが伝わってくる物語でした。

    じっくり読みたい物語。
    お勧め。

  • 俳句は難しい
    しかし、この恋しぐれは与謝野蕪村を主人公に、色々な恋と俳句を絡み合わせ読者を引き込む
    葉室麟の教養や技術に脱帽だ

  • 蕪村の俳句などを題材にした、全編恋の短編集。
    華やかさはないが、心に沁みる情愛にあふれています。
    たぶん年を重ねた人には響く物語なのかもしれません。恋の儚さに思いを馳せるでしょう。
    ゆっくり味わって読むことをお勧めします。

  • 京を舞台にした与謝蕪村の老いらくの恋と、蕪村の娘や弟子達の無器用なまでの恋模様をしっとりと描いた連作短編。

    相手を一途に愛おしく想う様が妖しく美しく描かれてあり、読んでいるこちらも心がザワザワしてくる。
    そしてそれをそっと見守る蕪村の温かな眼差しに泣ける。
    短編に添えられる蕪村の俳句や絵が内容にピタリと合っていて、これまた泣ける。
    蕪村の周りの恋は切ないのに粋に思えるから不思議だ。

    円山応挙が恋する気持ちを「せつのうて哀しいのやけど、なにやらあたりが生き生きと見えましてなあ」と言っていた。
    恋とは正にこれである!

  •  俳人与謝蕪村と周辺の人々を主題にした短編が7編。武士の生きざまを描く作品が多い中で、この著者にしては異色だ。しかもタイトルのように男女間の交情が主題なので、江戸期上方の柔らかみにあふれる作品集に仕上がっている。どこまで史実に忠実かはわからないが、円山応挙、上田秋成など同時代の著名人との気さくな交流なども描かれていて興味深い。芭蕉と並び立つ高名でありながら、蕪村はいまひとつよく知られていない気がする。その代表句をあげながら、そこにいたる心情の背景をおそらくは創作で補った佳品といえよう。

  • 蕪村の残した句から、こんなにたくさんの奥深い物語を書く葉室さんって凄い人だ…と感動した。
    静かに小川が流れるように進むお話しに心が和みました。

    西條奈加さんの ごんたくれ は、
    蘆雪と箏白目線の物語で、
    こちらは月渓の目線で、どちらも同じ時期に読めて良かった。
    再読の時も、ごんたくれ→恋しぐれ で読もう。

  • 与謝蕪村の恋のはなし。
    だけではない。
    蕪村に関わるたくさんの人たちの
    想いがある。
    皆、懸命に生きて、
    あるひとは芸術に、
    あるひとは恋に、
    それぞれに生きていく時間の中で
    関わる人を大切に想い
    その姿が美しく、悲しい。

    中でも、ある登場人物の言葉
    「叶うはよし、叶いたがるは悪しき」
    は、ずっと心に残る。

    折々に入る蕪村の歌も
    より一層、ものがたりへの
    感動を深めてくれる。

    しみじみと美しく、
    懐かしく、恋しい作品だった。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    京に暮らし、二世夜半亭として世間に認められている与謝蕪村。弟子たちに囲まれて平穏に過ごす晩年の彼に小さな変化が…。祇園の妓女に惚れてしまったのだ。蕪村の一途な想いに友人の応挙や秋成、弟子たちは驚き呆れるばかり。天明の京を舞台に繰り広げられる人間模様を淡やかに描いた傑作連作短編集。

    令和3年1月1日~3日

  • 久しぶりの葉室麟

    66歳という若さで逝ってしまわれた

    これは与謝蕪村を核に周りの人たちの恋を描く
    心の奥に降るしぐれのような

    散りばめられた俳句がピリッとしめる

    切なくて愛おしい

    ≪ 淡やかに 時雨のごとく 恋のいろ ≫

  • 江戸中期、京都に住む俳人の与謝蕪村を中心とした短編集。
    蕪村は芸者の小糸に老いらくの恋をするが、門人に反対され別れさせられるところから、最後はやはり小糸に終わる。
    全篇が恋の話で、所々に蕪村の読んだ句が挟まれたつくりになっている。
    現代では芸者という職業がどうの不倫がどうのとやかましいのだろうが、それはそれ。
    当時の京都の住民の人情話を読んだ、みたいな感覚。
    「牡丹散る」で見せた円山応挙の男ぶりがッコイイ。ラストの「梅の影」もよかった。

  • 2018.2.15

  • 時代を代表する芸術家与謝蕪村。 自身の最後の恋も含めた、周囲の人々の様々な恋の形を描ききった、珠玉の短編連作もの。特に、 蕪村の弟子月渓が絵師として大成し、呉春と名乗るまでを描いた「月渓の恋」。恋する人が、家族を救うために 女衒に売り飛ばされる。面影を胸に秘めながらようやく添い遂げられ至福の時を過ごす。が、突然訪れた彼女の死。蕪村の哀歓を感じる言葉に馳せ、月渓のとった行動とは。。読みどころは、友人でもある文化人 円山応挙、上田秋成等の日々の触れあいを俳句を通して想像力逞しく繊細に描く事で、遠い存在である彼らを読者に身近な存在として浮き彫りにした事であろうか。 そして、辞世の句” 白梅にあくる夜ばかりとなりにけり ”を紐解くために書かれた作品かもしれないな~。静謐なる文体にて最後の最後までじっくり堪能。 心静かなる時を過ごす事ができますよ~。最近読んだ中でもダントツキラキラの5☆。

  • 久々の葉室作品、恋物語は初読み。蕪村当人と弟子たち・友人を絡め、一人一人の恋情、心模様。侘・寂の美世界に散りばめられる、切なさと楔の俳句。やっぱり渋い♪。

  • かみしめるぅ。

    ゆっくりとしか、読み進めなかったん、ですが。
    味わえましてぇ。
    そ、して。
    コレはいい‼︎今後、何度でも手にとりそうな気配。

    散りばめられている俳句。
    蕪村、応挙。呉春。
    また、見方がかわりまするぅ。

    船毎に 蕎麦呼ぶ月の 出汐哉
    花守は 野守に劣る けふの月

    白梅に あくる夜ばかりと なりにけり

  • 蕪村が主役のお話。
    やっぱりキャラが立っているし、口調もお上品な町人っぽい感じで、何より俳句がたくさんで渋い魅力満載でした。
    色んな恋が描かれているけれど決して恋が中心とは言い切れなくて、俳句がいいスパイスになっている。
    月渓さんも円山応挙もお梅もいい味だしてる。
    葉室さんのおかげで初めて時代小説にこんなにはまっています。
    心の機微が本当にすてきに描かれていると思います。

  • 蕪村は主人公というより、語り手だったのだろうか。
    情熱的な恋であっても、どこか雨の中に佇んでいるような、わびしさや寂しさが滲んでいるようだった。
    いくつもの恋の、人の心の、ままならなさが、最初から最後まで蕪村の恋を表していたような気がする。

  • 葉室麟なのでそれなりレベルの作品であろうと期待して読んだとは言え、予想してたよりこれはかなり収穫モンの短編集だった。

    まさかの良質な恋愛小説。そういや作者には「いのちなりけり」という傑作があったのを忘れていた。油断したぁ(いや、まぁ構えて読む必要はないにせよ)

    下手なヤツが書くとつまらない連続ドラマの小説版にたいになる大人の恋、それが葉室燐の手にかかると儚く侘しくも凛とした綺麗な小説になるんだから、小説ってのは罪作りなものだなぁ

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著者プロフィール

1951年、北九州市小倉生まれ。西南学院大学卒業後、地方紙記者などを経て、2005年、「乾山晩愁」で歴史文学賞を受賞しデビュー。07年『銀漢の賦』で松本清張賞を受賞し絶賛を浴びる。09年『いのちなりけり』と『秋月記』で、10年『花や散るらん』で、11年『恋しぐれ』で、それぞれ直木賞候補となり、12年『蜩ノ記』で直木賞を受賞。著書は他に『実朝の首』『橘花抄』『川あかり』『散り椿』『さわらびの譜』『風花帖』『峠しぐれ』『春雷』『蒼天見ゆ』『天翔ける』『青嵐の坂』など。2017年12月、惜しまれつつ逝去。

「2023年 『神剣 人斬り彦斎』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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