美術探偵・神永美有 天才たちの値段 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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レビュー : 38
  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167782016

感想・レビュー・書評

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  • 一枚の絵が
    "もし贋作なら、見た瞬間苦みを感じ、本物なら甘味をおぼえる"という
    天才美術コンサルタント・神永美有と、短大の美術講師・佐々木昭友の二人が
    美術品の鑑定に纏わる五つの難題と挌闘するミステリ。

    美術品は、ボッティチェッリやフェルメールといった馴染み深い作品から
    江戸時代の涅槃図までとさまざま登場しますが、神永氏のキレのよさには
    とにかく感服します。目から鱗が落ちまくり。

    五つのお話のうち印象に残ったのは
    ・早朝のねはん
    ・遺言の色

    清水純太郎氏!!
    もうほんとやってくれますよね!
    一度なりともこの人いい人...?と思ったことがほとほと悔しいです!(笑)

    ウイスキーを使った投票というのはよくあることなんでしょうか
    なかなか洒落た演出だなと思いました。^^

  • 本屋で平積みしてあったので続編とともに購入して読み始めたら当たり。

    ミステリはまったく詳しくないけど、ホームズとワトソンのような関係にある(らしい)二人の美術探偵もの。ミステリとしてもなかなかのものであるし、十二分の知識が込められた良作。

    洋の東西を問わない博識ぶりに、著者門井氏はいったい何者?と興味がわいた。小説を書くために調べました的な情報量ではない。著者本人が相当な読書家・勉強家であるのは間違いないだろう。

    プロットの運び方も秀逸で、軽妙洒脱な会話のやりとりもかなり練られたものだ。とくに「論点はフェルメール」の短編のなかで繰り広げられる政治家とその息子のディベートは読み応え十分。

    最近話題になり、私も読んだ原田マハの『楽園のカンヴァス』より出来はずっと上であると思う。といいつつ、若干強引な種明かしにみえたところもあったことは公平を期すために書いておく。

  • 無味乾燥な文体で、美とそれを利用する人たちを延々語られるとただただ味気ないなあ…という印象でした。…申し訳ありません…。

    私は美術に関しては全くの素人でちゃんと習ったこともなく美術展に行っても「この絵なんか好き」レベルですし、読んでいると作者の美術知識が豊富なのはわかるのですが、美への賛美が根幹にあるというよりは、破綻ないトリック(というのかな?)のために古今東西様々な美術品の成立年代や時代背景なんかを利用したかったのかなあ…とばかり思ってしまいました。

    ある登場人物の特殊能力設定から、美術品の真正論(本物だから価値があるのかそれ以外の価値があるのかという意味で)という永久的課題にきりこむ心意気があるのかと思いきや、ちょろっと述べただけで設定も活かしきれてない感じもしましたし…。「真に本物が偽物かは2の次で、理論説明が誰かを説き伏せる役に立ったならまあいいか」というスタンスに思えてしまいました…。

    せめて登場する美術品(架空含む)が美しい文体で美しく描写されていたら嬉しかったのですが、主人公たち2人が美の専門家という設定の割りには、文体も言葉も俗っぽくて優美さはなく…。その割りに美に関係ないところで、小難しい非日常用語が散りばめられていて読みづらいです…。

    これは買ったけど、続刊は買うことはしないかなあ…。

  • 美術作品を“舌”で観る男、神永と主人公の佐々木が挑む作品絡みの謎の物語。

    短編集で読み易かった事もあり、スラスラと読むことができました。ミステリー要素のお陰で先の展開が常に気になった事もページを捲る手が止まらなかった要因の一つです。

    作中に登場する作品は絵画、掛け軸、ガラス陶芸など様々ですが、どれも概略が分かり易く書かれており素人でも理解する事ができ軽く教養がついたかなという感じです。勿論、専門的な事が書かれているわけではないので「知る」という意味では物足りないですが。

    「銀河鉄道の父」を読んで知った門井さんですが、他の作品も読みたいなと思って手に取りました。神永シリーズも読み進めたいと思います。

  • p.41 「ひとりの人間を知るのは一つの図書館をまるごと買い占めるに等しい。」
    「十二夜」トレヴァー・ナン監督
    「日本通信」モラエス

  • 根本的な疑問なんてのは最も厳格な哲人か、ただの甘ったれのどっちかが持ち出すものだ。その中間に位置するすべての良識ある大人はな、それを無視するところからしか仕事をはじめられないんだよ。

    ひとりの人間を知るのは一つの図書館をまるごと買い占めるのに等しい。

    逆転がおもしろい。

  • 美術界のシャーロックホームズとワトソン
    美術が好きな人にはオススメ。

  • 天才肌の神永と理論派の佐々木が問題のある美術作品の真偽を見極める。専門的知識満載ながら、ストーリーとしても面白い。脇役も活躍し、対決形式でのやり取りには思わず見入ってしまう感じがした。佐々木さんの家族に関わる最終話が特に面白かった。

  • 軽く読めて、実はけっこう考えどころの多いのではないかと思わせるミステリー小説。楽しく読みました。(2018年4月19日読了)

  • かなり凝った仕掛けとストーリーと感じた。絵画をネタにするライトミステリー。

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著者プロフィール

1971年群馬県生まれ。同志社大学文学部卒業。2003年「キッドナッパーズ」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。16年『マジカル・ヒストリー・ツアー ミステリと美術で読む近代』で日本推理作家協会賞(評論その他の部門)、同年、咲くやこの花賞(文芸その他部門)を受賞。18年『銀河鉄道の父』で直木賞受賞。他の作品に『東京帝大叡古教授』『家康、江戸を建てる』『屋根をかける人』『自由は死せず』『東京、はじまる』などがある。

「2020年 『銀閣の人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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