私の男 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 5895
レビュー : 756
  • Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167784010

感想・レビュー・書評

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  • 予想とは大きく違った作品だった。

    「歪んでる関係」なんだろうけどその言葉だけでこの作品を表現したくない。歪んでるけど真っ直ぐというか…矛盾してるような不思議な関係の親子だと思った。

    4章までは淳悟が苦手だと思ってたけど彼が花と一緒に住み始めた頃の6章で大きく印象が変わった。若いからかそれまでとは違い爽やかな好青年という印象。読み進めるうちにやはり「淳悟」は「淳悟」だなぁと思わされるけど…。

    二人が一緒になり始めたばかりの頃を読むと1章の二人と比べてしまって切なくなった。純情だった頃とあまりにも変わってしまった気がする。

    花はともかく淳悟の花に対する想いというか心情描写があまりにも無い気がする。彼が彼女を具体的にどういう風に思っているのかが気になった。知りたかった。

    もっとこの二人を見ていたい、これからの二人を見てみたいと思うけれど
    それはもう冒頭の段階で描かれてるんだよなぁ…。その先も気になるけれど。

    「共感は出来ない」という意見が多くあるけど確かにそうだと思った。けれども大好きな作品だ。文庫本を読んだけどハード本で買いたいと思うほど好き。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「歪んでるけど真っ直ぐというか」
      んーそう言われれば、そうだよなぁ~桜庭一樹は好きだけど、この話はチョッピリ苦手なnyancomaruでし...
      「歪んでるけど真っ直ぐというか」
      んーそう言われれば、そうだよなぁ~桜庭一樹は好きだけど、この話はチョッピリ苦手なnyancomaruでした。。。
      2012/04/04
  • 家族を失い、どこか普通の女の子と違う雰囲気を纏った腐野花と、
    両親を失い、背の高く痩せ細った、杳として胸中の探れないダメな叔父の淳悟、
    この二人の生い立ちを順々に過去へと遡って語られていく作品である。

    近親相姦を題材とした恋愛モノだ。

    桜庭さんが直木賞を受賞することとなった、多くの人が認める素晴らしい作品なのだが、
    自分はこの作品を読了するのに半年近くかかった。

    どうして2クールのスケールに渡ってじわじわと読んでいったのか、
    それは単純に、読んでいて面白くないからである。

    どうもこれは、直木賞という看板のせいで、期待が膨らみすぎたことが大きからず影響している。

    桜庭さんの作品は今まで『GOSICK』と『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』を読んだことがあり、
    自分は彼女が好きで尊敬もしている。

    文章は今まで読んできた桜庭さんの作品の中で、群を抜いて(群と言っても2作だけど笑)秀でており、
    細やかで詳らかで鮮やかだ。

    そして、順逆の構成!

    これは何気に、非常に大きな効果をもたらしている。

    ドロドロとした恋愛モノなので、
    多くの作品では、女性が汚れていくのを見ることになり、良い気分のするものではないが、
    この作品は初めから花の生活や境遇を見せられることで
    「主人公はこういう人間なのか」という先入観が生じ、
    それから過去へと遡っていくことで、どんどん汚れる以前の花に戻っていき、不快感なく読み進めることができる。

    これは男性の読者に対した配慮だと思いたい。

    しかし、題材からして、どうしても暗い雰囲気で進行していくため、
    読むのに何か惹かれるものを見出ださなければならない。

    多くの人は近親相姦の性描写がそれになるんだろうけど、
    勿論、自分も性描写の場面はスラスラと読めた。

    読めたけど、直木賞を受賞したんだから、アッと驚く展開やら技術やらがあると信じ込んでいた自分は、
    期待大きくして見事に裏切られ、興醒めした。

    読了に半年近くかかった理由はここにある。

    直木賞と、
    自分の、意味のわからない期待の大きさの悲劇だ。

    普通に読めば、つまらなくはないので、
    皆さんには是非ともご一読を願います♪

  • 今度結婚する娘『花』には落ちぶれた貴族のような養父がいた。
    親子の禁じられた愛と性の日々を過去に遡りながら進む物語。

    正直、共感は出来ませんでした。
    ただ物語のテンポと過去の謎が気になってあっという間に完読しました。
    なんでしょう、この感じ。

    とーにかく歪んだ愛です。
    その歪みからまわりが侵食されています。
    とにかく共感できませんが、ぐっと物語に引き込まれました。

    家族って愛って何だろうと気になる方にオススメの作品です。

  • 読み終えて 凄い!と思った。 最後まで一気に読ませてしまう作者の力量!
    内容というか 読者の解釈に任せる 的な ハッキリしないところは全く好みじゃない。でも他にも読んでみたいと思っわせる作家。

  • 衝撃的、というのはちょっと違う。
    「まさかこういう顛末なんじゃないだろうな…」という危惧がみんな当たって行く。
    こういう話を評価する人も、こういう書き方を巧妙と評する人もいるだろう、っていうのは、理解できる。

    でも私は二度と読みたくない。

  • 純粋に生理的に気持ち悪かった。
    あと消化不良感。

  • 桜庭一樹の直木賞受賞作

    禁忌的、衝撃的なテーマを扱えば
    書き手の筆致云々は関係なく
    そのテーマだけの力で「すごい作品だ」とか勘違いしちゃうことが度々あると思うんですが
    この作品はそうではなくて
    「桜庭一樹でなければ書けなかっただろうな」と思ってしまいました。

    どうしようもない男なのに
    どこか惹きつけられてしまう
    淳悟の不思議で危うい魅力や
    淳悟から離れようとしながらも
    心のどこかでそれを拒む
    花の複雑な心情
    隠された二人の秘密。
    それらが
    遡る時間軸の中で
    見事に描かれています。

  • 本当はどちらが奪って、奪われていたのか


    禁忌とされていることですが、
    わたしにはとてもうつくしく、感じられました.

    ふたりにはお互いしかいなかったのに

  • 直木賞を授賞した作品なので、どんなものかなあ~と思い読んでみた。
    所謂、児童虐待の話…実の父との歪んだ関係に堕ちていく花…
    実の子を血の人形と称して、自分が満たされなかった母からの愛情を、幼い花に、歪んだ形で求めていく淳梧。
    心の底では、お互いにお互いから逃げたいのに、それが出来ずに、秘密を知った恩人を殺してしまうという、理不尽。
    花の結婚で、普通の女性になってくれることは、あるのだろうか。

  • 「ずっと、逃げてるんだ。そばにいても、離れても、変わらない。俺たちは、これからだって、二人きりで、逃げているんだ……」ーー私の男

    親子のおはなしと言うには、あんまりに汚れていて、きれいじゃない。
    どろどろしていると言うよりは、肉のようにてらてらと光っているようなイメージ。

    私の男は、単純に言ってしまうなら親子の近親相姦のお話。
    幼い頃家族を失った花と、花のほんとうの父親である淳悟が、出会って、別れる。
    彼等の人生をすこしだけ切り取ったアルバムを眺めている様な、そんな作品です。
    話の構成が面白く、花と淳悟の別れから物語は始まります。思い出を振り返るように、アルバムを遡っていくように、ただ淡々と場面が移り変わる様は、まるで他人の走馬灯を見ているようです。
    別れの後に、出会いが書かれるこの小説。
    読みごたえはもちろんあります。他人の人生を見ているようなものですから、内容はすごく濃密です。

    ただ、惜しむらくは、これが親子の近親相姦の話であったことです。
    自分はそのあたり気にせずに読めましたが、嫌な人はほんとうに嫌なのではないかと。
    いや作品は、素晴らしいのですが。
    よくも悪くも、読み手を選ぶ作品かなぁと、思います。

    読後感はとても良いので、オススメです。きっと読めば、彼らのために、祈りたくなるはず。

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著者プロフィール

桜庭 一樹(さくらば かずき)
1971年、島根県生まれの小説家。
1999年「夜空に、満点の星」で第1回ファミ通エンタテインメント大賞小説部門佳作を受賞しデビュー。
『赤朽葉家の伝説』で第60回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編部門)、『私の男』で直木賞を受賞。他の代表作に『GOSICK -ゴシック-』『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』『赤朽葉家の伝説』などがある。
ゲームのノベライズやライトノベル作品や、山田桜丸名義でゲームシナリオを手がけるなど幅広く活躍している。

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