荒野 14歳 勝ち猫、負け猫 (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2011年2月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784167784034

みんなの感想まとめ

成長と葛藤を描いた物語で、主人公の荒野が少女から女性へと変わっていく過程が繊細に描かれています。特に、女同士の対峙や勝ち負けの感覚に触れることで、性別に対する深い疑問が生まれ、読者は自らの経験と重ね合...

感想・レビュー・書評

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  • 「女ふたりが対峙するとき、一瞬でどちらの勝ちかわかるのは、なぜだろう。」

    これぞ修羅場というシーンの一節。
    なんてこわいことを書くんだろう。
    ここでいう「勝ち」とはなんだろう。
    言葉にすることは出来ないけど、実際にそういう状況があることは知っている気がする。
    この文章を読んだ時にひやりとしたのは、私が同じ経験をしてきたからだろうか。
    勝ったとか、負けたとか感じてきたのだろうか。

    荒野が女の子から女になっていく。
    荒野以外の女の子も。
    そして男の子も。
    容子さんは「女にもどりたいわ。」という。

    ばかみたいだけど、真剣に「性別って何だろう?」と思う。
    どうしてこんなに大きいんだろう。
    どうして必ずどちらかにならなくちゃいけなくて、そしてこんなにも違うんだろう。
    いや、違うと思っているのが思い込みなのか?

    通り過ぎてきたことをもう一度荒野の目で見て、今さら引っかかっている。
    困ったなぁ…。
    とりあえず続きを読もう。

  • 可愛い黒猫ちゃん荒野のシリーズ2冊目。
    このシリーズ、登場人物も可愛いが、文中の描写や台詞 も可愛くて微笑みながら読んでしまう。少しだけ大人に近付いて、でもまだまだ子供な荒野。自分が中学生の頃を懐かしく思い出しながら読んだ。

  • 父の再婚相手の子で、荒野の初恋の人・悠也は、複雑な思いを抱えたまま、アメリカへと旅立った。ちょっとだけおとなになった荒野は、急激に変わってゆくクラスメートや、父の周りで垣間見た「大人」の世界に驚愕する。だが、荒野にも思わぬ“恋”の気配が突然訪れる…。恋に少しだけ臆病な少女の物語『荒野』全三巻の第二巻。

  • どうしようもない大人が多すぎ。確かにそんな大人ばっかりなら、大人になりたくないとも思うのかも。悲しいかな、大人になるって何?とか考えた記憶も無いくらいに日々に流されてきた事を思い出した。

  • 続きが気になって読んでるけど、超斜め読み。

  • 「荒野」シリーズ第2弾。思春期全開。

     気づけば私も30をとっくに超えてしまったわけですが、30代男がどんなテンションでこの作品を読めばいいんだろうという戸惑いがないわけではない。
     けれど、読み進めていくうちに、ふっとこの作品を楽しんでいる自分の存在に思い至る。

     あっ、これ、親の目線だ。

     前作では守りたくなる黒猫が、本作では知らず知らず一人でいろんなことを行動し、経験していく。ああ、大きくなったなあ。

     これを親心と言わずして何と言おうか。独身の30男が期せずして親心への憧れを高めていく、そんな作品。


    【目次】
    一章 恋は女をこどもに、男を地下組織にする
    二章 勝ち猫、負け猫
    終章 青年の特権

  • 再読。まだ恋がなんだかわからないけれど、荒野にも恋がやってくる。恋におびえながらも、遠くにいる人を恋しく思う。繊細な心の揺れが細やかに描かれ、成長していく少女の一瞬が鮮やかに切り取られている。周囲の大人たちも不完全で不器用で自分のことで精一杯で、荒野をうまく導いてくれるわけではない。そんな大人を横目で見ながら、少女は大人になっていくのだ。

  • 大人へと移り変わる時。
    子供と大人の境目の年の頃はこんな感じだったのだろうな。
    少しずつ変化の訪れる日常は少し怖く感じる事もあったが、知らぬ世界を見るというのは楽しかったな。
    あれはもう今になっては見ることの出来ない世界だよな…。

  • クラスメイトたちに遅れをとりながらも少しずつ大人になっていく荒野。「十二歳。大人、以前。」「十四歳。大人になる、すこし、前。」ってほんとだなーと思いました。荒野はまだ幼いけれど。でもそこがかわいいです。16歳の荒野は大人の女性になっているのかな。悠也も帰ってきたしどうなるんだろう。最終巻も楽しみです。

  • 少しずつ悠也のいない所で荒野は大人になって、
    だけど悠也の隣では子供に戻っている姿が印象的。
    少しの孤独を心地よいと感じ、
    独りきりで自分と向き合う時間を大切にできるのは
    少しずつ大人になっている証拠なのかもしれない。
    荒野の恋は少しだけ大人の悠也を追いかけているように感じる。
    阿木君の言葉には傷つかず、悠也のことを思って傷つく荒野は刻一刻と父の描く女性に近づいて行っている。
    荒野を目指して悩み続ける悠也はまるで女の中を迷っているように思う。そんな「女」である荒野が自分の隣では「子供」になるところが絶妙。

  • 2011/02

  • 忘れてた感覚がたくさんあった。中学生.....もう遠い昔だなぁ。

  • 荒野が可愛くてどはまりしているわけですが、三部に分けると一冊があっという間過ぎて、名残り惜しくなりながら読み終わることになってしまう。桜庭さんの描く「少女」が好き。セーラー服を着ていた頃に戻りたいなぁ。

  • 桜庭一樹さんの作品は毎回テイストがガラリと違う。「荒野」は思春期の成長と恋愛がテーマで、少女漫画にありがちな甘くて優しいテイスト。引き出し多い!!適確な表現と読み易い日本語で、漫画を読んでいるかのように情景もしっかり描けて安心してすっと入り込める。そしてしっかりまとまってる。さすが桜庭一樹さん。

  • 中学生ってこんなだったなあ、と少し懐かしい。
    今になってみればなんてことなくても、中学生の自分にはとても大きなことってたくさんあったなあ。
    まだまだ初々しい荒野がすごく可愛い。

  • こうやって、それなりの時間を、読みやすく過不足なくコンパクトにまとめる技術がほしいなあ。

  • 特別な何かが起こる訳ではないのだが、おもしろい。惹きこまれる。
    繊細な文章のおかげだろうか。なんだか不思議な心地になる。

    こうして読んでみると、鎌倉もいいところなのだろうなぁと思う。
    荒野たちのように、着物で散策してみたいなぁ、いつの日か。

    荒野に思いをよせる阿木君は、なんだか可哀想にも思えたが、彼にとっては真剣だったのだろうなぁと思う。
    金魚のくだりは可愛らしすぎて、切なくなった。

    最後の最後、悠也が帰ってくる。
    少しずつ寄り添う二人の雰囲気にドキドキした。待ってました!
    さて、最終巻はどうなるのだろう。

  • 荒野が走ります。
    14歳の心がよくあらわれています。

    きっと、誰でも通過してきた時です。

  • Kindleのおかげでシリーズ3作大人買い、一気に2日で読了。

    12歳にはじまって16歳でおわるシリーズ、一番面白かったのは真ん中の14歳。荒野の、びっくりするほどのんびりしているところと敏感なところのアンバランス加減がいかにも14歳らしくていい。

    荒野をとりまく女性達のそれぞれが、型にはまっていないのもいい。(編集の女性だけは絵に描いたような「愛人」やってるけど)

    荒野の視点から描かれる奈々子さんは見た目も言葉遣いもてっきりLの人だろうと思っていたら、裏切られたし。スポーツ万能の麻美といつもおしゃれに余念ない江里華のそれぞれの恋愛も意外な展開だったし。

    一番謎なのは蓉子さんと息子の悠也の関係だ。荒野の生活にはことごとく首をつっこむ蓉子さんが、ずっと一人で育ててきたはずの息子にはずいぶん淡白なのが不思議。

    めずらしく同性愛の子が片思いにおわらず、ちゃんと次の一歩を踏み出してあかるい関係性をつかみとってるのもよかった。

  • 作者の私の中の男、は手ごわそうと思い、こっちから読みはじめました。
    荒野、かわいい。父親の「そこにときめきはあるのかい」というセリフが好きで、いつか誰かに使いたいとひそかに思っています。10代にもどりたくなりました・・・

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著者プロフィール

桜庭 一樹(さくらば・かずき):1971年鳥取県出身、小説家。1999年、「夜空に、満天の星」で第1回ファミ通エンタテインメント大賞小説部門佳作を受賞し、翌年デビュー。『GOSICK』シリーズが注目され、さらに04年発表の『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』が高く評価される。07年に『赤朽葉家の伝説』で第60回日本推理作家協会賞を、翌08年に『私の男』で第138回直木賞を受賞。おもな著書に『少女を埋める』『紅だ!』『彼女が言わなかったすべてのこと』『名探偵の有害性』など、またエッセイ集に〈桜庭一樹読書日記〉シリーズや『東京ディストピア日記』などがある。

「2025年 『読まれる覚悟』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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