伏 贋作・里見八犬伝 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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レビュー : 262
  • Amazon.co.jp ・本 (473ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167784065

感想・レビュー・書評

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  • 文春文庫の秋フェアで見かけ、映画化の文字にも興味を惹かれて購入。
    主人公の浜路がとても活発で勢いがあり、続きを読むのが楽しくてつい長々と読書に耽ってしまいました。
    かの有名な『南総里見八犬伝』が題材となっていますが、実は一度も読んだことがなくあらすじすらほとんど知らない状態で本書を読みました。
    読み終えてからネットで八犬伝の作品紹介等を見てみたら大分アレンジされているようだったので原作が好きな方だと余計に好みが分かれるのではないかと思います。

    途中で挟む“贋作”の中身も、伏姫はどんな結末を迎えてしまうのだろうと先が気になって仕方ありませんでした。
    ただ、最後はあっけなく物語が終わってしまったような印象も受けました。
    これは先に映画の宣伝を見てしまったせいかもしれません。(映画の予告映像だと浜路と信乃がかなり深く関わるような印象を受けたので……。)
    少し間をおいたらまた読み返したい作品です。

  • 原作のところから離れてみると作品としては面白いなと思う。
    主人公の女の子浜路が銃を担いで伏と呼ばれる人間の姿をした獣を狩っていく、
    しかも江戸の中にいた武士たちは全く歯が立たなかったのに
    浜路だけは猟の経験を生かして敵を追い詰めていけるっていうのは
    痛快な感じがします。
    人間と同じ姿をしているのに、伏というだけで狩られなければならないのは
    どうなんだろうか、というテーマ設定も深いなと思いました。
    テンポもいいので読みやすかったです。

  • アニメ化に伴いピックアップされてたので手にとってみました。
    桜庭さんがもともとラノベ畑出身(有川浩さん的な)ということは知っているのですが、実は作品として読んだことがあるのは『私の男』だけなので、いまいち作風とか分からなかったせいもあるんですが、うーん、ちょっと期待はずれだったかも…
    ついこの夏に八犬伝(山本タカトさんの妖艶な挿絵がたっぷり)を読んだばかりということもあり、たとえ「贋作」と銘打ってはいても、やっぱりどうしても登場人物にもとの八犬伝のイメージを抱いてしまい、うまく展開に乗りきれないまま終わってしまったというか…「伏」という異種が登場するという設定と、狩るもの・狩られるものとのそこはかとない恋、みたいな展開自体は非常に好きなんですが…むしろそこ以外完全に人物名とかは八犬伝から離れてくれた方が面白がれたなーと。もしくは、各人物のエピソードをもっと膨らませるとか…せめて鈍色の葛藤をもう一掘り…残念。

  • 人であって、人でない、その名も、『伏』。この本は、人と犬の交わった『伏』の、因果の話。


    可愛らしいお顔に、似つかわしくない大きな、黒い猟銃を巾着にしまう、浜路。ぐうたらだけど、剣を振れば達人という、その兄、道節。


    最近ウワサの、江戸の町にひた走る『伏』を、懸賞金目当てに狩ろうとする道節が、育ての親である祖父を亡くした浜路を山から呼び寄せて、この物語は始まる。


    桜庭一樹の作品は句点が多く、リズミカルに、会話文のように読んでいます。全体としての分量はなかなかボリュームのあるものでしたが、場面が小分けしてあるのでサクサク読めました。


    構成としてはやはり「贋作・里見八犬伝」と「伏の森」が間に挟まれ、主人公の浜路に語り聞かせているという点でしょうか。浜路と同時に読者に語り聞かせることで、自分が物語の中に入り込んだように没頭します。


    小節のあいだに短編形式で入り込むことで、メリハリが効いていました。読みやすさの一つの要因だったと思います。


    この作品をどのように劇場化するのか、気になるところです。

  • 65点
    まーまー
    期待値の割には…

  • 再読。何度読んでもワクワクしながら一気に読んでしまう。狩るものと狩られるものとの物語なのに、殺伐とした敵対関係というよりは、実はひとつの同じものに表と裏からしがみついているという感じ。だからこそ、何となく理解しあえるし、嫌悪しきれない。かといって仲間にはなれないと互いの立場を割り切っている。そのあたりが、物語に軽やかさを与えていて、それでいて単純すぎずに濃密なのがいい。

  • 勘で購入。じゃないほうの八犬伝はおおよそのあらすじしか知らないのでそれほど期待していなかったが意外と面白かった。浜路はちょっと魅力的。

  • リーダビリティが高くするする読めたけど、内容か薄い…

    数カ月後には読んだことすら忘れていそう。

  • 犬人間というものが、江戸の街にいたそうな。それを狙う賞金稼ぎの猟師の女の子浜路という十四の少女が主人公。軽い兄思いのアクティブな女の子です。だからなのか、少し物語も軽く飛んでいきそうなのです。里見八犬伝の贋作である贋作里見八犬伝という物語が、この浜路の物語の中に、二重構造のように入り込んでいるのが、この物語の見どころ。本家の里見八犬伝よりも、こちらの方が現代人には好感を持って受け入れられるのではないでしょうか。楽しめました。合格です。

  • 里見八犬伝は実はこうだったんだよ、と脚色したお話。
    贋作の部分は、そういうのもありだなぁと思ってどんどん読み進められました。原作をもう一度読もうかな。。

    あともう一つのお話。
    14歳の善も悪もまだわからないような、まっすぐな性格が主人公だったのが良かった。だからこそ犬人間を狩る猟師として戦えたのだろうし。
    (最初はもっと人情味のない子かと思ったら、兄に助けを求める年相応なところがでてきて安心しました。)

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著者プロフィール

桜庭 一樹(さくらば かずき)
1971年、島根県生まれの小説家。
1999年「夜空に、満点の星」で第1回ファミ通エンタテインメント大賞小説部門佳作を受賞しデビュー。
『赤朽葉家の伝説』で第60回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編部門)、『私の男』で直木賞を受賞。他の代表作に『GOSICK -ゴシック-』『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』『赤朽葉家の伝説』などがある。
ゲームのノベライズやライトノベル作品や、山田桜丸名義でゲームシナリオを手がけるなど幅広く活躍している。

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