伏 贋作・里見八犬伝 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 2289
レビュー : 262
  • Amazon.co.jp ・本 (473ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167784065

感想・レビュー・書評

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  • 「伏 贋作・里見八犬伝」は、三つの話で構成されている。
    一つは主人公の猟師の少女・浜路とその兄などが活躍する活劇。
    二つ目は怪しいかわら版屋の書く「贋作里見八犬伝」。
    三つ目は、「伏」の一人・信乃の語る「伏の話」。

    作中作がとにかく長い。もしかしたら長編を読みなれていない人は、ここでぐったりきてしまうかもしれない。
    でも根気強く読んでみて欲しい。読み進めるうちに、最初のイヤイヤ感はまったくなくなっているはずだ。それどころか、ああもう終わっちゃうの、と残念に思うだろう。

    個人的には、最後、いつも強気で兄を支える役目だった浜路が、恐怖に「十四歳の女の子」に戻って兄に助けを求めるシーンが好きだ。少女らしさが出ていて微笑ましい。

    映画化もされているから、そちらも観てみたい。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「三つの話で構成されている」
      そうなんだ、、、
      「南総里見八犬伝」を読み直してから読もうと思っていたら、どんどん日が経ってしまって、ずっと積...
      「三つの話で構成されている」
      そうなんだ、、、
      「南総里見八犬伝」を読み直してから読もうと思っていたら、どんどん日が経ってしまって、ずっと積みっ放し(此れだけじゃないけど)。。。
      三つの話は、それぞれ独立しているの?それともヤヤコシク絡まってるの??←聞くよりさっさ
      と読め!って言われそう。。。
      2013/03/05
    • nodoka.さん
      一作目に出てくる「瓦版屋」が書いた物語が二作目の「贋作里見八犬伝」です。三つ目は一作目と同じ世界に生きる伏が語り部の過去のお話になっています...
      一作目に出てくる「瓦版屋」が書いた物語が二作目の「贋作里見八犬伝」です。三つ目は一作目と同じ世界に生きる伏が語り部の過去のお話になっています。
      2013/03/15
  • おもしろかった。読む前にある程度は里見八犬伝の知識があったほうがいいです。まったく八犬伝をしらないとおもしろくないと思う。
    作中に挿入される話や回想が緻密なのに比べて、本編はドタバタしてるだけの感じではあります。そのせいかもう一歩キャラが立ってないのが残念。でも作中話の「贋作・里見八犬伝」はおもしろかった。八犬伝の外郭は壊さずに、ありそうな形、より引き込まれそうな形に収まっていて、なるほどなぁと思いました。
    この本をプロローグにして、この続きがあると、おもしろいかもなぁとか思います。

  • 里見八犬伝って、小学生のときに読んだ記憶がうっすらあるような無いような。
    もう一度読んでからまたこの本読んだら面白いかも。

    入れ子構造なお話で重厚。
    アニメは正直失敗だと思う。

    桜庭一樹独特の筆致は癖になります。

  • 桜庭一樹さんの作品は『ゴシック』シリーズしか読んだことがなかったので、本作は随分趣が異なっていて新鮮でした。
    作中に登場人物の一人の滝沢冥土が執筆した『贋作・里見八犬伝』が組み込まれており、構成が面白い。
    主人公の猟師の浜路と伏の信乃との関係性がちょっと期待はずれだったのが個人的にはやや残念な気もしますが、作品全体を考えると、作者が描いた関係性が良かったのかな、とも思います。
    浜路と兄の道節の会話が、気持ちいい。
    オリジナルの「南総里見八犬伝」は子供の頃に子供向け作品で読んだのですが、内容を忘れてしまったので、こちらも読んでみたいと思います。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「構成が面白い。」
      文庫になったので読むつもりなのですが、これを読む前に山本タカトがイラストを描いてる、現代語訳「南総里見八犬伝」を読みたい...
      「構成が面白い。」
      文庫になったので読むつもりなのですが、これを読む前に山本タカトがイラストを描いてる、現代語訳「南総里見八犬伝」を読みたいなぁっと思っています。。。
      桜庭一樹って読ませる作家さんなので、愉しみにはしています。
      2013/01/31
  • ☆4.2
    馬琴の「南総里見八犬伝」を桜庭一樹がパロって小説化。全然違う話になってるけど。
    人と犬との間の「伏」による凶悪事件が頻発し、幕府はその首に懸賞金をかけた。ちっちゃな女の子の猟師・浜路は兄に誘われ江戸で伏狩りを始める。人と伏、光と影、不思議な因果の輪が回る。

    私は伏が少し可哀想だと思った。伏が伏に産まれたのは自分ではどうしようもないこと。狩るものと狩られるもの、繁栄と犠牲、という因果から抜けられないのかな。というかこの話は続くのか?続きそうだけど。

  • 文春文庫の秋フェアで見かけ、映画化の文字にも興味を惹かれて購入。
    主人公の浜路がとても活発で勢いがあり、続きを読むのが楽しくてつい長々と読書に耽ってしまいました。
    かの有名な『南総里見八犬伝』が題材となっていますが、実は一度も読んだことがなくあらすじすらほとんど知らない状態で本書を読みました。
    読み終えてからネットで八犬伝の作品紹介等を見てみたら大分アレンジされているようだったので原作が好きな方だと余計に好みが分かれるのではないかと思います。

    途中で挟む“贋作”の中身も、伏姫はどんな結末を迎えてしまうのだろうと先が気になって仕方ありませんでした。
    ただ、最後はあっけなく物語が終わってしまったような印象も受けました。
    これは先に映画の宣伝を見てしまったせいかもしれません。(映画の予告映像だと浜路と信乃がかなり深く関わるような印象を受けたので……。)
    少し間をおいたらまた読み返したい作品です。

  • 人であって、人でない、その名も、『伏』。この本は、人と犬の交わった『伏』の、因果の話。


    可愛らしいお顔に、似つかわしくない大きな、黒い猟銃を巾着にしまう、浜路。ぐうたらだけど、剣を振れば達人という、その兄、道節。


    最近ウワサの、江戸の町にひた走る『伏』を、懸賞金目当てに狩ろうとする道節が、育ての親である祖父を亡くした浜路を山から呼び寄せて、この物語は始まる。


    桜庭一樹の作品は句点が多く、リズミカルに、会話文のように読んでいます。全体としての分量はなかなかボリュームのあるものでしたが、場面が小分けしてあるのでサクサク読めました。


    構成としてはやはり「贋作・里見八犬伝」と「伏の森」が間に挟まれ、主人公の浜路に語り聞かせているという点でしょうか。浜路と同時に読者に語り聞かせることで、自分が物語の中に入り込んだように没頭します。


    小節のあいだに短編形式で入り込むことで、メリハリが効いていました。読みやすさの一つの要因だったと思います。


    この作品をどのように劇場化するのか、気になるところです。

  • 再読。何度読んでもワクワクしながら一気に読んでしまう。狩るものと狩られるものとの物語なのに、殺伐とした敵対関係というよりは、実はひとつの同じものに表と裏からしがみついているという感じ。だからこそ、何となく理解しあえるし、嫌悪しきれない。かといって仲間にはなれないと互いの立場を割り切っている。そのあたりが、物語に軽やかさを与えていて、それでいて単純すぎずに濃密なのがいい。

  • 勘で購入。じゃないほうの八犬伝はおおよそのあらすじしか知らないのでそれほど期待していなかったが意外と面白かった。浜路はちょっと魅力的。

  • 犬人間というものが、江戸の街にいたそうな。それを狙う賞金稼ぎの猟師の女の子浜路という十四の少女が主人公。軽い兄思いのアクティブな女の子です。だからなのか、少し物語も軽く飛んでいきそうなのです。里見八犬伝の贋作である贋作里見八犬伝という物語が、この浜路の物語の中に、二重構造のように入り込んでいるのが、この物語の見どころ。本家の里見八犬伝よりも、こちらの方が現代人には好感を持って受け入れられるのではないでしょうか。楽しめました。合格です。

著者プロフィール

桜庭 一樹(さくらば かずき)
1971年、島根県生まれの小説家。
1999年「夜空に、満点の星」で第1回ファミ通エンタテインメント大賞小説部門佳作を受賞しデビュー。
『赤朽葉家の伝説』で第60回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編部門)、『私の男』で直木賞を受賞。他の代表作に『GOSICK -ゴシック-』『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』『赤朽葉家の伝説』などがある。
ゲームのノベライズやライトノベル作品や、山田桜丸名義でゲームシナリオを手がけるなど幅広く活躍している。

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