第四の壁 アナザーフェイス 3 (文春文庫 24-3)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (446ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167787035

作品紹介・あらすじ

警視庁・刑事総務課に勤める大友鉄は、かつて所属した劇団の記念公演に招待される。だが、主宰の笹倉が舞台上で絶命。それは、まさに上演されていたシナリオ通りの展開だった。大友は、過去と向き合いつつ、昔の仲間たちを容疑者として取り調べることになる…。「アナザーフェイス」シリーズ第三弾。

感想・レビュー・書評

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  • 大友さんの学生時代の仲間内での事件

    アノニマス
    アノニマスのように仮面を被った人たちが何重にも仮面を被った作品だった

    作品半ばに
    彼らは、自分がそうであったかもしれない姿だ
    引き伸ばされた青春の喜び
    という大友さんの言葉がある
    自分が演劇を辞めたことを後悔したような表現が続き、彼が纏う『複雑』の雰囲気がより混乱させていたように思う
    詰めきれない、あと一言が引き出せない情報にもやもやした

    そこから刑事の大友に戻してくれたのが警察の同期
    一転して彼は警察官になり、芯のあるいつもの大友さんになって安心した

  • 元俳優志望の大友の過去の仲間の劇団で、劇中にナイフで殺人が起こり、劇の脚本に見立てられた事件が連続して起こる。
    ハードボイルド(シリーズ的にはソフトボイルドと呼ぶべきか)のなかでは、本格よりのプロットで、過去と現在がすれ違う青春の切なさも、上手く描かれている。
    ただ、終盤の展開で、犯人の動機、登場人物の行動原理なんかが、いまひとつよく分からないまま盛り下がって終わったような気がする。面白い小説なのにそれが残念。

  • 若い頃、共に過ごした友達と仕事絡みで再開する。過去と変わってたり変わらなかったりする友達を見て、自分の今が正解なのか自問したり自分に言い訳?してみたり…私もしそうだ

  • 「アナザーフェイス」シリーズ第3弾。

    同じ作家さんの本を続けて読まないようにしているのですが、今回はシリーズ第2弾、第3弾と続けて読みました。
    続けて読まない理由は、ちょっと違うテイストの本を読んだ後の方がより面白さが増すのではという勝手な理由(笑)。
    で、続けて読んだ第3弾。
    面白いのは面白かったのですが…
    今回は何だかぐるぐる回ってここに戻ったのね、という感じで…
    一気にゴールまで突っ走って読み切ると言う面白さではなく…

  • 全くもってつまらない、読み進めるのが苦痛な作品でした。
    主人公・大友という人物に、魅力がなく、むしろ嫌悪感さえ覚えるほど。
    「様々な顔を持つ男」ではなく、「自己を確立できていない男」としか見えません。
    一作目では、ここまでひどい印象を受けなかったのですが。

    なぜ、大友は比較的優秀だと見なされているのかが全く描かれておらず、また、捜査中の彼の言動からもそれを感じ取ることができません。
    ただひたすら、彼に都合の良い方向に物事が進むだけ。

    あくまでも謙虚な人柄を描いている(強調している)ようですが言動の端々に、大友の自己評価の高さが感じ取れ、その矛盾についても上手に整理できていません。
    人物描写が中途半端なまま、ヒーローを作り上げても違和感が残るだけです。

    また、作中で起きた殺人(未遂)事件も退屈かつ先が読めるもので、ひどく残念でした。
    読み手が知りえることの出来ない、新しい事実が次々出てくるのは、個人的に非常に好まないものです。

  • 演劇に興味あったりしたら多少は違った感想かもしれないけど、自分にはあまり面白くなかった。絞られた容疑者からなかなか先に進まずぐるぐる。大友の過去が少し明らかになったけど。大友の住んでいる町田の描写が詳細でリアルだったから親近感。シリーズだから読んだけどこんな感じだとシリーズ読みやめるかも。

  • 2019年92冊目。今回は大友刑事が学生の頃に所属していた劇団で公演中に殺人事件が起こり、その謎を解き明かしていくという話の筋。3冊読んだが、どうにも主人公の大友刑事に思い入れが出来ないのはなぜか?。一人の女性に一途と言えば聞こえはいいのだけれど、顔がよくてモテるのを自覚しない朴念仁さが自分にとって気に入らないのかも。これ以降主人公の心情に変化がないのなら正直読んでもつまらないので、少し読むのを止めようかなと思った。ただ、別の部分に魅力がありそれを見逃している可能性もあるので、もう一冊読んでいきたいと思う

  • 【アナザーフェイスシリーズ第3作目】
    今回は、主人公大友の大学時代の友人が関わる殺人事件。
    大友は職場のロッカーに変装道具を多く常備し、役者であったことで人が心を許しなんでも話してしまう特殊な能力がある、という設定で今まで話が進んできたのだが、そのルーツを知れた。
    今は亡き妻・菜緒の面影も多くでてきて、大友の青春時代を読めて面白い。

  • 主人公が学生時代に所属した、劇団内部の事件を扱っているせいか、大友鉄らしいキレがなく、ちょっとイマイチ。
    小説自体も、著者のスポーツ小説にみられるような爽快感がなく、イマイチ。

  • 良くも悪くも安定感ある堂場瞬一作品。
    ただ今回は悪い方に出たような、、、
    解説の仲村トオルは正直、駄文で要らなかったかも(笑)

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著者プロフィール

堂場瞬一(どうば しゅんいち)
1963年茨城県生まれ。2000年、『8年』で第13回小説すばる新人賞受賞。警察小説、スポーツ小説など多彩なジャンルで意欲的に作品を発表し続けている。著書に「刑事・鳴沢了」「警視庁失踪課・高城賢吾」「警視庁追跡捜査係」「アナザーフェイス」「刑事の挑戦・一之瀬拓真」「捜査一課・澤村慶司」「ラストライン」「警視庁犯罪被害者支援課」などのシリーズ作品のほか、『八月からの手紙』『傷』『誤断』『黄金の時』『Killers』『社長室の冬』『バビロンの秘文字』(上・下)『犬の報酬』『絶望の歌を唄え』『砂の家』『ネタ元』『動乱の刑事』『宴の前』『帰還』『凍結捜査』『決断の刻』『チーム3』『空の声』『ダブル・トライ』など多数。

「2023年 『ラットトラップ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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